「おーい!指原!豊満!お待たせ!」
「刃渡くん、おはよ~」
「おはよ刃渡。俺達も今来たとこや」
「そっか、じゃあ行くとするか」
「毒島くんも行ければ良かったんだけどね~」
「先約あったみたいやし、しゃーないやろ」
▽▽▽
「頼むみんな!今度の日曜日に一緒にコラボカフェに行ってくれねぇか!」
食堂に刃渡の声が響く。一瞬、周りの視線を集めたがすぐに食事に戻る。しかし、次の日曜日か、悪いけど予定があるんだよなぁ...
「すまん刃渡、その日は予定があるんだ」
「そっか、でも気にすんな。みんなも予定あるなら全然断っていいから」
「俺は大丈夫やけど、どうしてそんな行きたいんや?別に一人でもええんちゃう?」
「実は、特定のメニューを頼むと缶バッチ貰えるんだけど、それがランダムなんだよ」
「「「ああ...」」」
それを聞いて納得する。刃渡は可哀想になるくらい運が悪いのだ。物を無くして新しく買ったら次の日にそれが見つかるし、じゃんけんでは一度も勝った事がない、鉛筆やシャーペンの芯が一日に五回以上折れるなど数え切れないほどの運が悪いエピソードをたくさん持っているのだ。そんな男がガチャでも引こうものなら全部被るか、欲しいものだけが引けないことが起こるだろう。
「本当にごめんな」
「いや、気にしなくていいって」
「刃渡!絶対に欲しい缶バッチ当てような!」
「豊満、そんなに気合入れてなくてもいいって」
「いやいや、僕も頑張るよ~」
「指原もサンキューな!」
豊満と指原、頑張ってくれ。俺は陰ながら応援しているぞ。
▽▽▽
「いや~本当に助かった。推しキャラの缶バッチすぐに手に入ったよ。今日は運がいいな!」
「まぁ、すぐゆうても、みんな二回おかわりしたけどな...指原、大丈夫か?」
「う、うん、、だいじょ、うっぷ...」
「とりあえず、どっか休憩しようか」
そうして俺達は休憩できそうな場所を探す。すると指原が何か見つけたようだった。
「あれ~?あそこにいるのって毒島くんかな~?」
「え、ほんまか?」
言われた方を見ると確かに毒島はいた。誰かを待っているのかスマホを弄って壁に寄り掛かっていた。こうして見るとモデルみたいだな。周りの人もチラチラ見てるしほんと、イケメ..ん?
「おーい!操s「待て!豊満!」なんやねん!別に挨拶くらい良いやろ!」
「よく見ろ!待ってる相手を!」
そこにはとても美人な女性が毒島に話しかけていた。内容は聞き取れないが会話が弾んでいるように見える。
「なんや!めっちゃ美人さんやん!どうゆう関係なんや?」
「もしかして~彼女かな~?」
「それはないだろ、うちの学校は異性交友禁止だぞ」
「じゃあ、お姉さんとか~?」
「いや、一人っ子ってゆうとったで」
「じゃあ、彼女なのか?」
様々な考察をしていくが確信に至らない。だが、相手は確信の一手を打ってくれた。女性が毒島の腕を組んだのだ。毒島は恥ずかしかったのか、すぐに腕を解く。
「刃渡!やっぱ、彼女やなやないか?」
「いや、まだ断定するのは早い!二人を追いかけよう!」
「せやな!気張っていくで!」
「いや~明日、学校で聞けば...」
指原が言う前に二人は追いかけていく。仕方なく指原も二人を追いかけていった。
▽▽▽
「やっぱり、彼女なのか?」
毒島達を追いかけていったが、見れば見るほどカップルにしか見えない。食べ歩きしている時も彼女らしき人が毒島にあーんさせようしているし、たまにツーショットを撮ったりしている。こんなのするのはカップルしかいない!彼女いたことないけど!そして今は喫茶店で豊満達と会議をしていた。
「あれは黒やで刃渡警部。あんなん、彼女以外ありえんわ」
「誰が警部だ!でも、一番の問題は学校にバレた時だよ」
「そうだね~。応援したいけどバレたらどうしようもないよね~」
「せや!生徒会に入って異性交際禁止を訴えるや!」
「生徒会選挙は当分先だぞ」
「なら、署名活動や!署名という数の暴力で校則を倒すんや!」
「そんな活動許してもらえないだろ」
「消極的すぎるわ!そんなん言うならお前もちゃんと考えんかい!」
「ちゃんと考えてるわ!」
「お前ら、うるさいぞ。お店の人に迷惑だろ」
「お前のために考え...なんで!おんねん!」
そこには毒島が呆れた顔して立っていた。驚きを隠せない俺達を無視して話を進める。
「偶然見つけたから挨拶ぐらいしようと思っただけだよ。缶バッチは手に入ったのか?」
「それは手に入ったけど...てか!彼女はいいのかよ!」
「彼女?何の話だ?」
「誤魔化さんでもええ!俺達、友達やろ!」
「本当に何の話してるんだ?」
「毒島くんと一緒にいた人の話だよ~」
「ああ、母さんのことか」
「はぁ!?母さん!?噓やろ!?」
「お前らが言ってるのはこの人だろ?」
毒島はそう言ってスマホを向ける。そこには女性が映っており、間違いなく毒島と一緒にいた女性だった。
「本当に毒島のお母さん?」
「そうだけど」
「若すぎやろ...何歳なん?」
「今年で42歳だな」
「噓やろ...20歳はサバ読んどるやん...」
「なんで、年齢上げる方でサバ読むんだよ」
毒島が豊満にツッコミを入れる。毒島に悪いが俺は豊満に同意見だ。20代、いや、下手したら10代後半に見える。
「本当に美人やな。操助がイケメンなのが頷けるわ」
「そうだね~。問題も解決したし本当に良かったよ~」
「問題?」
不思議そうに首をかしげる毒島。豊満はそのことを思い出し口を開く。
「お前の彼女だと思て色々作戦立てとったんや」
「うちの学校、異性交際禁止だろ」
「それはそうなんやけど...」
毒島の正論に何も言い返せなくなる豊満。気持ち小さくなった様に見える。
「母さん待ってるから行くわ」
「うん、また学校でね~」
そう言って毒島は喫茶店を出ていった。それを見送った後、安堵の息を吐く。
「まさか、お母さんだったとはな」
「本当にびっくりしたよね~」
「休みなのに全然休まんかったわ」
「確かに今日は疲れた...俺達もそろそろ解散するか」
「せやな、今日はもうゆっくりしたいわ」
「じゃあ、みんなまた明日ね~」
そうして一人の男に振り回された不幸な男達の休日が終わった。
ちなみに作者はコラボカフェ行ったことないんで変なこと書いてあったら教えてください。