あ、どうも。浅瀬、アチキの足首より少し上ぐらいの水量しかない川でおぼれかけたナナシちゃんです。ども~! 今現在先ほどドリルの代わりに地面に吐き出した石の上に座っております。そう、全裸で!
「……これ他人に、特に男に見られたら即襲われるな。ちょうど石板が寝台代わりになるし。」
まぁそんなことは置いといて現在火をおこして濡れた体と一張羅、つまりカボチャパンツを乾かしてます。え? 火ですか? 自分で熾しましたよ?
ほら今私パワーグローブつけてるじゃないですか。それでそこらへんに生えてる木の皮はがすでしょ? その後河原に落ちてる石で木を削るでしょ? あとは木の枝集めて頑張って摩擦で火種を作ってはがした皮とか木の削りカスみたいなので火を大きくする。あとはよくある薪の完成ってわけです。いや~、パワーグローブ様様ですな! ドリルちゃんの次に役立つと認めてあげます!
「STR20って大体訓練された兵士と大体同じ筋力だからね。まぁこれぐらいはできませんと……、あとは飯か。」
ちょうど火もあるし近場には川、魚でも探しますか。
専用の釣り具とかはないので原始的な手づかみでやってみましょう。あんまり音をたてて魔物とか寄せ付けても……、いやさっき思いっきり叫んだな私。
……うん、探知で魔物とか大きめの動物近くに居ないこと解るし石使おう。
やり方は簡単。まず探知スキルで魚の場所を探します。んでパワーグローブを装着、石を手に取ります。大き目ならなおよしです。あとは投げつけるだけ。石は投げ捨てるもの! 手づかみのやり方は知ってるけどやった記憶はないから初心者! いらぬ苦労するぐらいなら衝撃波で手に入れてやる!
「釣果は……、見た感じ3匹か? おっと流される前に入手入手。」
上出来上出来! これで一食分どうにかなったね!
さてどうやって調理するか。まぁとりあえず先端の尖った石を火で熱しまして……。
「熱いから布……、パンツしかないじゃん。……まぁいいや、我慢しよ。火が移って燃えたらマズいもん。全裸で森を走り回る趣味ないです。」
カボチャパンツ君はそのまま乾かすとして、でもさすがに火で熱した石を素手で持ち続けるのは熱い。焚き木を作ったときの要領で木を削って何とか持ち手を作りました。
「なんか文明が始まる前の人間みたいになってきたな……、ヨシ。後は魚の腹をさばいて内蔵を抜き取ります。んで同じく皮をはいだ枝を用意します。あとはぶっ差して火にかけるだけですね。」
パチパチという音を聞きながら火が消えないように枝を足し、魚の調子を見る。単純作業なのでまぁ頭に色々浮かんでくるわけです。腹減ったとかこれからどうするかとか、夜どうやって過ごそうとかそういうのですね。
これマズいのは野生動物よりも魔物の方。野生動物君はこちらから敵対したり変なちょっかいかけない限りは大丈夫だと思うんですよ。でも魔物が来られると普通に死ぬんですよね。だってパワーグローブ君があってもこちとら戦闘経験なし、武器は木の棒、防具はパンツのみ。Lv:1だし勝てるわけがない。
しかも夜は眠いから寝たい。いったいぜんたいどうするか。ちょうどいい感じに焼けた魚を口に運びながら考える。
「……おいしいけど、味しないね、塩ほちい。にしても夜どうしよ、木の上で寝ようにも鳥系の魔物とかやってくると死ぬしな。安全な場所って言うと『ショップ』しかないしな……。」
あとはなんだ、スキルか。残ったポイントでいい感じのスキルを入手できればいいんだけど。とりあえずステータス確認すっか。
【名前】ナナシ
【種族】人間
【職業】なし
Lv:1 SP:60
HP:5/5
MP:2/2
STR:2
VIT:2
DEX:1
INT:4
LUK:2
『暗視』(Lv:1)
『探知』(Lv:1)
『ショップ』
『アイテムボックス』(Lv:2)
『スキル鑑定』(Lv:1)
ふぉ! アイテムボックス上がってるやん! 見て見てこれ! いや望み薄でスキル鑑定してたけどマジで上がってるとは!
〇『アイテムボックス』Lv:2 所有者:ナナシ
亜空間に物品を収納するスキル、2×2個収容可能。Lv上限100。
これで四個のものがしまえるようになりましたな! 早速何かしまってみるか!
「今更だけどこれ種類数×個数とかいう……、あぁよかった。四ついけるのね。」
しまったのは焼き立ての魚一匹とさっき武器代わりにしていた木の枝。あとは多分使い道がもう無さそうなイヤリング君。残りは今座ってる石板君用なわけです。ドリルちゃんは取り出して右手に装着しました。というかアイテムボックスのスキルこんなに早くレベル上がるんだったら無茶苦茶便利じゃん。さすがレアスキル。
「はぁ~、このドリルの感触たまんねぇ……、と! そういえばよさげなスキル探すんだったな。時間は有限だからはよしよ。」
「んで。結局よさそうなスキルは見つけたけど、習得できませんでしたから宿を提供してほしいと?」
「正確にはスキル入手ができるけど効果が弱すぎて使い物にならない、使えるようにするにはレベルを上げないといけなくて……」
結局あの後入手したスキルは二つ。両方ともスキルポイント30も使って入手する奴でした。今のところマジでゴミスキルなんで悲しい悲しい。
〇『警戒』Lv:1 所有者:ナナシ
辺りの状況を警戒する、現在自身のいる場所から半径1m。Lv上限10。
〇『潜伏』Lv:1 所有者:ナナシ
周りから気づかれにくくなる。Lv上限10。
これ『警戒』が完全に死にスキル何ですよね……、いや聞いた話(誰に聞いたかわからないし知識として保有してるだけ)だと寝ている間にも作動するスキルみたいなんですけどね。たった1mじゃすぐ殺されてしまうんよ……。潜伏は効果あるのか全く持ってわからない、詰みです。
「いつか絶対お金はお支払いしますので“ツケ”ってことでなんとかなりませんかね、へへ。」
「はぁぁぁぁぁあああ………、あぁもうわかったよ。ツケでいいよ。」
膝を地に付けて手でゴマすって卑屈に笑って懇願してたら店長さんが見かねたのか許可してくれた! へへ、誇りで命は救えませんからね。誇りは埃なのです。
「でもツケだからちゃんとポイント支払ってもらうからね。それで? 今日外に出れて何か見つけたんでしょ? 善さげのものがあったら買い取ってあげるから見せな。あと貸し出した魔道具でもう使わない物は返して。」
「は~い!」
というわけでさっき拾ったものを取り出していきます。ショップに来る前にちょっと持ち物整理とか簡単な探索もしてたのでちょっち違いますよ。
・焼き魚4匹
・生魚4匹
・大きな平たい石
・木の枝4本
スキル鑑定のレベルがまだ1なので詳細はよくわからないんだけど、どうにもこの『アイテムボックス』ってスキルはスキルレベル×スキルレベルの収納部屋があって、その部屋にはスキルレベル×スキルレベルの個数だけ同じ種類のものを収めることができるみたい。
なんかいけるかな~、って思ってやったらできました。マジで便利。日が沈む前に急いでお魚を乱獲して火を通したものがこちらになるわけです。
まずデカい石を置いて、その上に魚や枝を置くわけです。さすがに床、直置きはね。気分は露天商でい!
「あ~、魚ね。うん、私こういう生鮮食品の目利きできないんだけど……。まぁいいか、焼き魚は一つ100Pで、生魚は50Pで買い取ってあげる。さすがに枝はいらんわ。」
そうなのか、この枝いい枝なのにね。すごく振りやすいし!
「とりあえず、そっちの世界での夜の間だけ店の床を貸してあげるとして一日500P。汚したら+して200Pもらうね。今日はその生魚4匹で一泊分にしてあげる。明日からは何か他のもの持ち込みなさいな。」
「感謝感激雨霰! お世話になりまぁ~す!!」
ほんと店主さんマジ女神!