懐かしき日々へ(デルフィニア戦記・暁の天使たち他)   作:shellfish

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第四十二話:独白

 夢を見た。

 そのことは、覚えている。

 ただ、夢そのものは覚えていない。

 楽しかった、嬉しかった、悲しかった、苦しかった──。

 そういう感情の量が、起き抜けの重たい瞼を持ち上げるエネルギーに、全て使われてしまうのかも知れない。

 残されたのは、虚脱した思考と、甘い痛みを僅かに起こす程度の傷跡だけだ。

 その傷跡が、一瞬だけ、引き攣るように痛んだ。

 ケリーは、無造作に体を起こした。

 粘性の液体が、どぽどぽと体から零れていく。

 ダンクから出ると、その脇に設えられたシャワーを浴びる。

 薬液が洗い流されていく。その下にあるのは、風穴の塞がった四肢である。まだ僅かに痛むが、軽く動かしたり物を持ったり程度であれば支障はないだろう。

 シャワーの勢いを強めて、温度を一気に上げる。肌が真っ赤になるくらいの熱さが、起き抜けの思考を回転させるにはちょうどいい。

 上方から注ぐ水流を、顔の正面で受け止めてやる。昨日、散々流した汗も、一緒に洗い流してやる。

 息が続かなくなるまでそうして、水を止めた。

 シャワーカーテンの向こうで、人の気配がする。

 

「お着替えをご用意しておきました」

 

 マルゴの声ではない。

 成熟した、女性の声だ。この城の召使いか何かだろうか。

 

「ああ、ありがとう」

「旦那様がお待ちです。もしよろしければ、朝食を一緒にどうか、と」

「すぐに行くから、お待ち頂くよう伝えておいて欲しい」

「かしこまりました」

 

 音もなく、人の気配がなくなる。

 そういえば、腹が減った。組織再生療法で消費したエネルギーを、補給できていない。

 胃が、締め付けられるように痛む。腹の中に何も入っていないことが、悲しいくらいに分かる。

 タオルでぞんざいに水気を拭い、ドライヤーで髪を乾かす。整髪料がないから、櫛だけを入れる。こういう状況だ、多少の失礼があったとしても許してもらおう。

 なにせ、自分をこんな場所まで招いたのが、他ならぬこの城の主人らしいのだから。

 仕立てのいいシャツに袖を通す。質のいい綿生地で、羽織るとほのかに太陽の香りがした。

 スラックスは、股下の長いケリーの体型にぴたりと合わせた履き心地のいいものだった。

 用意された服はそれだけだ。到底正装とは言い難いが、こちらから文句を言う筋合いのものでもあるまい。

 適度に砕けた格好のケリーは、これも用意されていた革靴を履き、医務室の外に出た。

 そこに、お決まりの燕尾服で身を固めた、老齢の執事が待っていた。

 

「こちらでございます」

 

 機械じみた声に、ケリーは頷くことさえしなかった。こういう場合、彼らの仕事の邪魔をしないことが、最上のマナーだと信じているからだ。

 執事の案内に任せて、廊下を歩く。

 窓の外は、清冽な朝日で充ち満ちていた。この星の朝日を見るのは初めてだが、おそらくは朝の七時くらいといったところだろうか。だいぶ眠った気がしたが、その実、二時間ほどの睡眠だったらしい。

 廊下の向こうには、大広間があった。その先に、大階段がある。

 そこを昇った。

 新品の革靴が石の階段とぶつかって、硬質な音を立てる。その音が、ケリーは気に入った。

 階段を上りきると、やはり長大な廊下がある。

 そこに並んだ扉の一つを、執事の男が、慎重な手つきでノックした。

 

「旦那様、お客様をお連れいたしました」

「ああ、ご苦労だったね。入ってもらいなさい」

「失礼します」

 

 ドアノブを握り、扉を開ける。

 

「どうぞ」

 

 促されて、ケリーは部屋に入った。

 まず目に飛び込んできたのは、ずいぶんと大きなテーブルだった。

 大人が二十人ほども余裕をもって座れるだろうテーブルの上に、豪奢な燭台と花瓶がいくつも飾られ、色取り取りの花々がその美を競い合っている。

 白いテーブルクロスは清潔そのもので、窓から入る曙光を反射してきらきらと輝く。

 その光景は、ケリーにとって初めて見るようなものではない。十分に予想されたものだ。それでも、軽く目を見張るほどに完成された眺望ではあった。

 

「どうぞ、どこにでもかけてください。恥ずかしながら、私はあまりテーブルマナーには詳しくなくて、お客様をお招きするときの作法などにも疎いのです。山出しの身の悲しさです。ご不快かとは思いますが、どうかご寛恕いただきますよう」

 

 テーブルの一番端に、男が座っていた。

 歳の頃は、既に老境に入っている。髪は豊かだが、新雪の積もった山巓のように真っ白だ。

 肉は、緩んでいない。頬にも無駄な肉の一片もなく、きりりと引き締まっている。声も朗として、若々しい印象だ。

 だが、目つきが、どこか常人離れしていた。

 どろりと黄色く濁った白目と、化学薬品じみたどぎつい青色の瞳。焦点は不確かで、自分を見ているはずなのに、何か別の物を眺めているふうな感じがする。

 港で、つい今し方まで生きていた、死んだ魚の瞳。ぎょろりと、恨めしげに人間を見遣る、命のない視線。

 そういうふうな目つきの男であった。

 

「お招きに預かり恐悦至極です、アーロン・レイノルズ大統領閣下……とで申し上げればよろしいのでしょうかな?」

「あなたをお招きする際にとんでもない不作法があったことをお詫びします。信じて頂けないかも知れませんが、私はあなたを傷つけるつもりはありませんでした」

「およそ、人を傷つけて手が後ろの回った全ての人間が、今のあなたと同じことを口にするでしょう」

「返す言葉もございません」

 

 アーロンは、魚じみた表情をそのままに、深く頭を下げた。

 

「正式な謝罪は後ほどに。とりあえず、ささやかながら食事の方をご用意しておきました。もし私のような者と食卓を囲むことがお嫌でなければ、ご一緒にいかがでしょうか」

「いただきましょう。それと、あなたには、山ほどに聞きたいことがある。捕虜の身で教えを請うのは些か心苦しいが、答えられる範囲で答えて頂けると幸いですな」

「捕虜?とんでもない。あなたは、本当に私のお客様なのですよ。それは、ちっとも皮肉な意味ではありません。私は、乞うてあなたにお越し頂きたかったのです」

 

 焦点の外した視線が、奇妙な熱を帯びていた。

 ケリーは、大人しく、アーロンの正面の席に座った。この男の視線を受けながらの食事は心楽しいものになるとは思えなかったが、そうしなければ問答に差し支えがあると判断したからだ。

 正面から見ても顔色を見抜くのが難しそうな男だ。斜めから見れば、同じ人間であるとも思えない。

 ケリーが椅子に腰掛けたのと同じタイミングで、扉が盛大に開かれた。

 先ほどの執事か、それとも女中あたりが、食事の用意を始めたのだと思った。

 だが、そうではなかった。

 

「あー、お腹すいたー!」

「おはよう、父さん!」

「今日の朝ご飯は、お父さんの好物のリマト菜のサラダだよ!」

「こら、アデル、なに一人だけ座ってんのよ!ちゃんと配膳手伝いなさい!」

「えー、だってぼく、まだ眠いよ」

「じゃあご飯抜き!もう一度ベッドに入って、昼まで寝てなさい!」

「ちぇっ。わかったよマルゴ、手伝う、手伝うってば、手伝えばいいんでしょ」

 

 大きく開け放たれた扉から入ってきたのは、春秋に富む青々とした喧噪であり、食欲を刺激する食べ物の香りであった。

 両手に、いくつもの皿を抱えた少年少女たちが、ぞろぞろと部屋に入ってくる。そのどれもが、粗末とはいえないが、しかしこういった部屋には不似合いの、だらしない格好をしていた。

 もっと端的にいえば、寝間着のまんまだったのだ。

 しばし唖然としたケリーの前に、てきぱきとした様子で食器が並んでいく。

 極端な菜食主義のヴェロニカ国の朝食らしく、緑の色濃い皿であったが、なんとも美味しそうな匂いがする。

 腹を空かせた生き物としての当然の反応で、ケリーの口中に唾液が溢れた。

 

「こらこら、お前達、もう少しお行儀良くしなさい。今日は大切なお客様もご一緒なんだ。あまり私に恥をかかせないでおくれ」

「お客様?」

 

 その場にいたほとんどの少年少女の視線が、ケリーの顔に突き刺さる。

 まだ穢れを知らない、あどけない瞳の群れ。それが、初めて見る奇妙な男に対して、不思議そうに見開かれている。

 数人、そうでない子もいた。そのうちの一人が、昨晩、ケリーをこの城まで『招待』したマルゴである。彼女だけは、ケリーの存在を無視するかのように、淡々と配膳作業に集中している。他の顔も、城に入る前に見た顔が多い。そして、ザックスにアネット──。

 ケリーは、少年達の視線を振り払うように、正面の男を睨み付けた。

 

「ウォルとヤームルはどうした」

「二人は、まだ薬で眠っています。昼頃には目を覚ますでしょう」

「あの店に突入した連中も、お前の子飼いか」

 

 アーロンは、瞬きもせずに首を横へと振った。

 

「あれを差し向けたのは、私の不肖の息子です」

「息子?」

「どうやら、あなたがウォルと呼ぶ少女に、相当執心しているようでして」

「執心している?」

「己の女にしたがっている、といえばわかりやすいでしょうか。今までも、配下のごろつきを使って、適当な少女を拉致し、己の欲望のままにいたぶるということが何度もありましたから、彼女にも同じようなことをするつもりなのでしょうな」

「それを、止めなかったのか」

「あれは、己で己の生き方を定めたのです。私のような人間に、それを止める術などありません」

 

 切り捨てる言い方、というよりは、最初から関心を持っていないような、醒めた口調だった。

 ケリーはさすがに苦々しいものを覚えたが、それ以上言っても無駄だと思い、矛先を収めた。

 

「さぁ、食事にしましょう。全てはその後で。当然、毒など入っていませんよ」

「ああ、遠慮無く頂くとするぜ」

「その前に、今日の糧が我らに与えられたことに、感謝の祈りを」

 

 アーロンが、静かに目を閉じた。少年少女も、それに倣う。

 所々で、神への祈りが捧げられる。ケリーは知らないが、おそらくはヴェロニカ教では一般的なことなのだろう。

 ケリーは、祈りを捧げるべき神を持たない。だから、特に何をするでもなく、彼らの祈りが終わるのを待った。

 やがて短い黙祷が終わり、

 

「さぁ、頂こう。みんな、あまり急がず、良く噛んで食べるのだよ」

 

 アーロンの言葉を聞いていないように、子供達は勢いよく食べ始めた。

 大皿から、自分の小皿へとどんどん料理を移していく。人気のある料理は決まっているようで、そこからたくさん取りすぎた少年が、年上の少女に注意されていた。

 

「こら、独り占めは駄目だっていつも言ってるでしょ!」

 

 むくれた様子の少年が渋々と料理を返すと、その料理もたちまちに消えてなくなってしまう。

 まるで戦争であった。

 ケリーは、唖然としながらその様子を眺めていた。お客様用の料理は別に取り分けられていたからよかったものの、そうでなければ彼はこの朝の食事にありつけなかったに違いない。

 

「いつもこうでして」

 

 アーロンが、やはり無表情に言った。

 

「お恥ずかしい限りです」

「……いや、子供ってのはこんなもんだ。別にいいじゃねえか」

 

 苦笑したケリーが、自分の割り当て分を口に運ぶ。

 サラダは新鮮で、歯触りがよかった。少し苦みの利いた野菜だったが、酸味の強いドレッシングとの相性が抜群だった。

 ふかした芋に、濃厚なホワイトソースがかかった料理があった。動物性タンパクの摂取は厳に禁じられているはずだから、植物油脂を加工して作ったものだろう。それでも、たいそう旨かった。

 キノコの炒め物は、しゃきしゃきとした歯触りと、胸を漉くような香りが官能的だった。これも、たいへん美味しい。

 肉や乳を使わなくても、これだけ美味しい料理が出来ることを、ケリーは初めて知った。

 

「うまいな……」

「それはよかった。これは全て、あの子達が拵えたものなのですよ」

 

 ケリーは、驚いて子供達の方を見た。

 みんな、嬉しそうに、少し照れくさそうに笑っている。

 

「この城のことは、ほとんど彼らに任せています。先ほどご覧になったように、執事や女中もいますが、それは極々僅かで、とてもこの城全体には手が回りません。あなたも見たでしょう、この城の見事な庭を。あれも、この子達が丹念に作り上げたのです」

「へぇ」

 

 こういう状況ではあったが、ケリーは感心していた。

 確かに、城の庭は見事なものだった。本職の庭師がやっても、中々あそこまで綺麗に整備は出来ないだろう、それほどの出来映えだった。

 ケリーが何かを言おうと、口を開いた、そのとき。

 

「お父さん、そろそろ訓練の時間なのですが、先に退出してもよろしいですか?」

 

 マルゴの声だった。

 彼女の前の皿は、空になっている。そういえば、他の子供達のも同じような有様だ。

 まったく、軍人らしい食事であった。

 

「別に構わないが、昨日、あんなに遅かったんだ。もっとゆっくりしてもいいんだよ」

「そういうわけにはいきません。これでも、我々も軍人ですから──それでは失礼します、閣下」

 

 寝間着のまま、綺麗に敬礼をしたマルゴが、部屋から出て行く。

 ほかの子供達も、それに続く。まだケリーに好奇の視線を寄越す少年もいたが、名残惜しそうに部屋から出て行った。

 

「さ、我々はゆっくりと食事を楽しみましょう。そうだ、この豆のスープが絶品なのです。是非食べてみてください」

「……あの子達は、本当に軍人なのか?」

「ええ、私も知らなかったのですが、私の生まれ故郷では、あの子くらいの年齢の兵士が、戦場に出るのは当たり前のことだったようでして。それほど不思議なことではないと思いますが、違いますか?」

「本物の戦場にも派遣している?」

「今は、まだ。テロリストの捕殺や、海賊の取り締まりを任せている程度です。しかし、いずれはそうなるでしょう」

 

 この時代、国と国の会戦などあろうはずもない。ならば、彼女たちが赴いているのは、紛れもなく本物の戦場ではないか。

 ケリーは、銀色に輝く匙を取り、スープを口に運んだ。

 塩気の薄い、味気ないスープであった。ほとんど白湯を啜っているのとかわらない。先ほどの見事な料理に比べると、いかにも味気ない。

 だが、不思議と旨かった。一口目が物足りなくても、つい二口目を飲みたくなってしまう。別に旨いとは思わないのに、口の中にその味がないのが寂しい。

 そういう味だった。

 豆も、食べてみる。

 固い。

 舌触りが悪い。

 それに、もそもそしている。

 水分の足りない果肉が、喉にこびりつく感覚だ。

 到底、旨くない。むしろ、不味い。最低の食材だ。

 だが、もう一口食べたくなる。体が、その味を覚えているのだ。

 昔、食べた。この料理を、どこかで食べたことがある。

 ケリーの体が、それを覚えていた。

 旨いと思った。

 

「懐かしいと美しいとは同じ意味であると、昔の人間は言いました。それはきっと、真実なのでしょうね」

 

 アーロンが、ケリーと同じスープを淡々と口に運びながら、言った。

 

「それでは、懐かしいと美味しいとは同じ意味なのでしょうか。おふくろの味とはよく聞く言葉です。その言葉を口にする人間が、顔を顰めながら言う場面を、私は見たことがない。故郷の料理を語る人間が憧憬の眼差しをしていなかったのを、私は見たことがありません」

「違いない」

「これはね、私の故郷の料理なのですよ。もう二度と手に入らないと思っていたエンヌ豆が、偶然、本当に偶然手に入り、栽培してみたのです。意外とこの国の土壌に適合したようで、きちんと芽吹いてくれた。あれほど嬉しかったのは、本当に久しぶりだった。考えてみれば、私の故郷の土も赤土でしたからね」

「……エンヌ豆だと?」

「私の村では、一年を通してよく食べていました。他の地域では家畜の飼料に使われていたようですが……あなたも、食べたことがあるのですか?」

 

 魚のように熱のない視線が、ケリーを捕らえていた。

 ケリーは頷くことが出来なかった。

 確かに、この味は覚えている。

 ほこり臭く、狭苦しい宿舎の中で、仲間達と奪い合うようにして食べたのだ。

 先ほどの子供達、そっくりそのままに。

 こんな、固い、舌触りの悪い、もそもそして喉の奥に張り付く家畜の餌が、自分達に配給される食事であり、そしてごちそうだったのだ。

 そんな時代が、ケリーにはあった。もう、半世紀以上も昔の話であるが。

 心臓が、痛いほどの早鐘を打った。悪夢は、いつまでも自分を追いかけてくるのかと思った。

 ケリーの口から、うめき声が漏れだした。

 

「貴様……」

「そういえばミスター。私はあなたを何と呼べばいいでしょうか。ケリー・クーア、キング・ケリー、それとも海賊王……」

 

 アーロンは、指折りに数えた。

 そして、舐めるような視線で、ケリーを一瞥し、最後の名前を口にした。

 

「もしくは──ケリー・エヴァンス」

「まさか、貴様も……!」

「惑星ウィノアの赤茶けた大地と、夜空を染める双子月の美しさを語り合う事の出来る人間は、非常に貴重です。失われて戻らない故郷だからこそ、人の心を惹き付けて止まない。私はあなたを歓迎しますよ、ウィノアの亡霊」

 

 決定的な一言だった。

 それで、逆にケリーの腹が据わった。今回の事件における自分の立ち位置が、ようやく定まった思いだった。

 目の前で、相変わらず淀んだ瞳で自分を眺める男に、感謝したいくらいだった。

 匙を静かに置き、ナプキンで口を拭う。

 グラスの水を口に放り込み、喉を潤してから、ケリーはゆっくりと口を開いた。

 

「その名前を誰から聞いた?」

「私の古い友人です」

「名前は?」

 

 この問いは、一応の問いであった。

 回答を期待したものではない。少なくとも、この場で口を割るとは思えなかった。

 この状況を打開して、然るべき場所で、然るべきタイミングと方法でもって、もう一度問い質すつもりの質問だった。

 しかし、

 

「記憶違いがなければ、ゾーン・ストリンガーという名前でしたな。本名かどうかは知りません」

 

 あっさりと、その名前に何の価値も見いださないように答えた。

 その名前は、ケリーにとっても聞き覚えのある名前だった。

 

「へぇ、あんた、あのじじいのお友達かよ」

「古い友人です。ウィノアの崩壊があった後、根無し草となった我々は同胞と身を寄せ合うようにして生きてきました。私も彼も、企業の頂点に立つという意味では同じ立場の人間でしたから、何度も顔を合わせましたよ」

「じゃあ俺は、あんたの古馴染みのかたきってことになるのかな?」

 

 挑発するようにケリーが言った。

 

「かたき、とは?」

「あの、長生き大好き爺さんは、もうこの世にはいねえよ」

 

 簡潔な答えだ。

 非常にわかりやすい。

 だが、目の前の老人の視線は、針の先ほども揺れなかった。

 

「では、彼が輩と呼んでいた、四人の老人も?」

「そっちはまだ生きてるんじゃねえか?あくまで、生きてるだけだがよ」

「そうですか。彼らは、ついに自分の望みを叶えられなかったのですね……」

 

 アーロンは静かに目を閉じ、祈りの言葉を口にした。

 実現不可能な命題に挑み続け、志半ばで倒れた勇者達に、哀悼の意を捧げたのだ。

 

「俺を恨むかい?」

 

 ケリーの言葉に、アーロンは首を傾げた。

 ぎょろりとした目玉が、斜めに傾いてケリーを眺める。

 

「恨む?私が?あなたを?何故?」

 

 本当に不思議そうな声だった。下手な嘘や取り繕いではない、真実の感情が滲んでいる。

 

「俺は、あんたの友達を殺した。そして、故郷を奪った。恨むには十分すぎると思うぜ」

「とんでもない!それは酷い誤解です!私はあなたに、深い恩義を感じています!確かに、あなたをここまでお連れする手段が穏便ではなかったことは認めます。それは、心の底から謝罪させて頂きます。ですから、どうか、どうかそんな誤解をなさらないでくださいませんか!?」

 

 初めて、アーロンの顔が歪んだ。

 それは、自分の真意を恩人に誤解される、恐怖から来る感情であった。

 荒々しく息を乱したアーロンが、自分を落ち着けるように水を含んだ。

 そして、静かに口を開いた。

 

「そうは言うがな。俺は、あんたに見覚えなんてねえし、あんたを助けた覚えだってねえぜ」

「……分かりました。では、少し長くなりますが、よろしいでしょうか?」

 

 決意じみた声で、アーロンが言った。

 ケリーは、視線で先を促した。

 アーロンは、はっきりとした声で語り始めた。

 

 

 先ほども申し上げましたが、私は惑星ウィノアの出身です。

 

 小さな、小さな村でした。

 

 電気もガスも、水道すら通らない、辺鄙な村です。山々に囲まれ、隣の町とも年に数回交流がある程度の、忘れられたような村でした。

 

 東西どちらに所属していたか、ですか。

 

 忘れました。もしかしたら、そんな枠組みの中にすら組み込まれていなかったのかも知れません。それだけ、何の価値もない村だったのです。

 

 長く、放浪を続けた民族だったようです。それが、新大陸を目指して宇宙に旅立ち、苦難の末、ようやく見つけたのが、あの赤茶けた大地の星だった。

 

 やがて、後から来た人間が、その星を惑星ウィノアと名付け、東西に別れて争ったそうですが、それは我々には何の関わりもないことでした。

 

 我らは、ひっそりと、山に囲まれながら、死んだように生きていくことさえ出来ればそれでよかった。

 

 美しい、ところでしたよ。

 

 春は、目が覚めるような新緑で山々が彩られ、新鮮な山菜が食卓を賑わします。野山の可憐な花が一斉に咲き乱れ、野いちごの甘酸っぱい香りで胸がいっぱいになるのです。

 

 夏は、山毛欅の森を抜ける風が、なんとも涼やかで心地いい。川には魚が踊り、子供達がそれを釣って夕飯のおかずにします。たくさん釣れたときは、母親に褒められました。

 

 秋は、真っ赤に染まった森の木々が美しかった。山道を歩けば、たくさんの栗が落ちていて、キノコもたくさん生えている。そのほとんどを持って帰って、母親にキッシュを作ってもらう。それが何よりの楽しみだった。

 

 冬は……あまり好きではありませんでした。厚く積もった雪に、全てが閉ざされてしまうからです。私たちは家に閉じこもり、干し肉や魚の燻製、長く保存のきく根菜などを囓りながら、春の到来を待ち望んだものです。

 

 とにかく、私はあの村で、一生を終えるのだろうと思っていました。そして、それが私の幸福なのだろうと信じていました。

 

 ある日、隣の町から戻ってきた大人が──確か、物々交換で、塩を手に入れに行っていたのではなかったかと思いますが──驚くべきうわさ話を仕入れてきました。

 

 この星が、人の住めない、死の惑星になってしまうかもしれない、というのです。

 

 赤色巨星の爆発、ゲートの固定化現象など、聞き覚えのない単語が飛び交っていました。今なら何のことを言っているか分かりますが、あの時の私はほんの子供でしたから、よく分からなかった。

 

 大人達は、それを笑い飛ばしました。そんなことがあるはずがない、自分達は神様に守られているのだから、大丈夫だ、と。

 

 でも私は、どうしても安心できなかった。一人で、普段は禁じられている手札占いをしてみた。

 

 そうすると、何回めくっても、死に神の手札しか出てこない。

 

 これは、とんでもないことが起きているのではないかと思いました。

 

 私は、げんこつをもらうことを覚悟して、村長の家に行きました。手札占いの結果を伝えるためです。

 

 そもそも手札占いは、村のシャーマンか、それに近い人間しかやってはいけないことでした。神の恩寵に縋って生きている私たちが、神のご意志を問い質すような真似をするのは、不敬の極みだからです。

 

 そのときは、生きた心地がしませんでしたよ。

 

 然り、最初は怒りに顔を赤らめていた村長も、だんだんと真剣な顔になって私の言うことに耳を傾けてくれました。泣きながら、それでも必死に話したのです。

 

 そしてその夜、一緒に、村一番のシャーマンの家まで行ったのです。

 

 結果ですか?

 

 御年百を超える老婆が、悲嘆の涙に暮れました。この村の、いや、この星の命運は尽きたのだと。長く同胞の命を玩具にして楽しみ、その罪を神が怒られたのだと。

 

 報いだと、泣き噎びながら言いました。

 

 いったい何のことを言っているのか、分かりませんでした。村長も、おそらくはそうだったと思います。今でこそ東西ウィノア特殊軍の話を知っていますが、あのときはそんなもの、存在することすら知りませんでしたから。

 

 私は言いました。みんな、宇宙船で逃げよう、と。

 

 村長は、首を横に振りました。自分達は、この星に生かされてきた。ならば、死ぬときもともに死ぬのだ、と。

 

 私は、泣いて駄々をこねた。死ぬのが怖かったのもあります。でも、何もせずにただ死んでいくのが、何となく悲しかったのだと思います。

 

 しかし現実的な話として、貧しい村でしたから。どうやって宇宙港までの移動手段を確保するのか。村に、車は一台しかありません。星全体がパニックに陥っている中、外の人間に助けを呼んでも無駄です。

 

 子供が、選ばれました。出来るだけ多くの人間を避難させるなら、そのほうがいいと。

 

 私も、その一人でした。どうして私が選ばれたのか、今でも分かりません。ひょっとしたら、子供の中で一番占いが上手だったのが私だったからかも知れません。

 

 出発の朝、両親は笑いながら私を見送ってくれました。自分達は死ぬのではない。神様の御許へと旅立つのだと。お前もどうせ後から来ることになるのだから、寂しがることはない。ただ、できるだけゆっくりと来て欲しい、と。

 

 選ばれなかった子供達は、皆一様に、不思議そうな顔で私を見ていました。きっと、何が起きているのか、これから何が起きるのかを理解できていなかったのだと思います。

 

 でもただ一人、幼なじみだった女の子が、隣町に行ったらお土産を買ってくるようにと、私に小銭を渡しました。それは、幸運の象徴でもあるコインでした。

 

 彼女は、とても頭がよかった。今だから分かります。選ばれなかった彼女は、全てを理解していたのだと。そして、私の道行きの幸多からんことを願って、あのコインを寄越したのだ。

 

 私は、そのことに気づけなかった。あの時は、自分のことで精一杯で……考える度に、恥ずかしくなる。

 

 旅は、お世辞にも快適なものとはいえませんでした。でも、文句を言うわけにはいきません。自分達は、村に残ったみんなの命を、頂いているのですから。

 

 ようやく宇宙港についたのは、その三日後のことです。

 

 港に泊まっていたのは、惑星ウィノアを脱出する、最後の船でした。

 

 ターミナルには、まだまだ人があふれかえっている。到底、一隻の宇宙船に積み込める人数ではありません。

 

 見るに堪えない、凄惨な争いが始まりました。

 

 私は、人間というものをあれほど恐ろしいものだと思ったことはありません。

 

 人の良さそうな白髪の老紳士が、年端もいかない女の子を蹴倒して、搭乗口へと駆けていくのです。その老紳士の後ろ襟を引っ掴んで、その妻らしき老婦人が先へ乗り込もうとするのです。

 

 殺し合いも、起きました。パニックに陥った民衆に、兵士が銃を向けました。

 

 たくさん、死にました。

 

 どうして私が船に乗れたのか、今でも不思議です。ただ、その時、村から一緒に来た子供達も、運転をしてくれた大人の姿も、見えませんでした。

 

 残酷なことだと思いました。彼らは、断腸の思いで村から出て、宇宙船に乗り込むことすら出来なかった。どれほど無念だったでしょう。せめて死ぬなら、みんなと一緒に死にたかったと思ったに違いありません。

 

 立錐の余地のない宇宙船の小さな窓から、惑星ウィノアを見ました。真っ赤な大地と青い海のコントラストの美しい、星でした。

 

 そして、私たちの宇宙船がゲートに飛び込んだ直後に、激しい衝撃波と大量の星間物質、そして強烈な放射能が惑星ウィノアを襲いました。

 

 亜光速で飛来したそれは、瞬きよりも早く、惑星ウィノアに取り残された人々の命を奪ったでしょう。

 

 おそらく、苦しむ暇もなかったと思います。それだけが、私の心を慰めてくれます。

 

 しかし、本当の苦難が始まったのは、それからでした。

 

 故郷を失い根無し草となった我らを待ち受けていたのは、好奇と非難の視線、そして無関心でした。

 

 その時点で私は初めて、東西ウィノア政府が何をやってきたのかを知りました。そして、五万人という特殊軍兵士が虐殺されたことも、ウィノアの亡霊と呼ばれる怪異のことも。

 

 世間が私たちに向ける視線は、避け得ない天変地異の哀れな被害者に対するものではなく、戯れに命を奪い続けた非人道主義者に向ける、汚物を睥睨するようなものでした。

 

 仕方のないことだと思います。世間的には、惑星ウィノアの崩壊は新型エネルギープロジェクトの失敗により惑星全体が放射能汚染されたことが原因とされているのですから。欲の皮の突っ張った悪人達が、その罪に相応しい結末を得たのだと、自業自得だ因果応報だと、どこにいっても冷たい視線で見られた。

 

 当然、まともな職に就けるはずもない。私は、日がな一日ゴミ箱の中の空き缶を漁り、それをリサイクル工場まで持っていって、ようやく一日を食いつなぐだけの金銭を得ていました。毎日毎日、空腹を抱えていた。

 

 ある日、どうにも耐え難くなって、幼なじみからもらった幸運のコインで、パンの耳を買いました。崩壊したウィノアの硬貨だから、ほとんど価値はありません。パン屋の店主からすれば、小汚い浮浪児に施しをやった程度のものだったのでしょう。

 

 私は、涙を流しながらパンの耳を囓りましたよ。この世にこんなに美味しいものがあるのかと、うれし涙を流しながらね。

 

 最低だと思いますか?

 

 私は、思います。

 

 そんな生活が、三年も続いたでしょうか。

 

 私は、日々荒んでいきました。あまり大きな声では言えませんが、犯罪にも手を染めるようになった。

 

 誰が悪いと言えば、それは間違いなく私です。ウィノア難民の同胞には、私よりも遙かに苦しい日々を送っていた者も数多くいたはずなのに、その全員が犯罪者に堕ちたわけではない。なら、環境ではなく私個人の方にこそ原因があると考えるべきでしょうから。

 

 麻薬の売人は、かなり実入りのいい仕事でした。鼻薬を嗅がせられる警官と、そうでない警官の見分け方さえ間違えなければ、安全な仕事です。敵対する組織からの襲撃の危険は常にありましたが、私には的中率の高い占いがある。よほどの不運に出会わない限りまず大丈夫でした。

 

 え?どうして占いで生計を立てなかったかって?

 

 駄目ですよ。あれはね、もっと雰囲気がある人がするから商売になるんです。あの頃の私は、やせっぽちで血色の悪い浮浪児でした。どこからどう見たって、ありがたみの一欠片もない。そんな人間に占ってもらって、誰がお金を払おうと思いますか?

 

 ついでに言うと、占いをギャンブルに使うのも駄目でしたね。公営のギャンブルでそんなことすれば、換金所で通報される。上手に換金できたときは、その金はいったいどこから盗んだのかと豚箱にいれられました。かといって非合法の賭場に私みたいなのが足を踏み入れた日には、生きて太陽の光を見ることは二度と出来なくなるでしょう。

 

 結局、人間はまじめに働かなくてはいけないのでしょう。誰かがそう定めているのだと思います。

 

 でも、そんな生活が長続きするはずもありません。

 

 限界を迎えたのは、体ではなく、心の方でした。故郷を失ってから、心の頼りになるのは故郷のことだけ。それ以外のことは、苦しくてすぐに忘れてしまう。

 

 ああ、自分は一歩も前に進めていないんだなと気がついたとき、全てが馬鹿らしくなりました。

 

 帰ろうと思いました。

 

 みんなには申し訳ないけど、帰ろうと。そこで、みんなと一緒に、故郷の土になろうと。

 

 その結論にたどり着けたとき、私がどれほど幸福を感じたか、おそらく誰にも理解できないと思います。

 

 その次の日からの三年間は、必死で金を貯めました。個人用の宇宙船をレンタルするお金を稼ぐためです。

 

 当然のことですが、惑星ウィノアに向かう航路は、全て廃止されています。あんな、ただ赤茶けただけの死の星に観光に行く物好きもいませんから、そこまで辿り着こうと思えば個人的に宇宙船を飛ばすしかない。

 

 どうして、例えば宇宙船の乗っ取りをしようと思わなかったのか、今でも不思議に思います。どうせ生きて帰るつもりはないのですから、そうしたほうが遙かに手っ取り早い。

 

 たぶん、そういう方法で、故郷に帰りたくなかったのでしょうね。あの場所に帰るときは、せめて綺麗な手段で。そんな意地だったのではないでしょうか。その時点で私は殺人の罪も犯していましたから、そんな意地を張ったところで、私の手が綺麗になるわけもないのですが。

 

 とにかくそうしてお金を貯めながら、ゴミ山から拾った宇宙船教本を読みあさり、船の操縦方法を覚えました。人間というものはしっかりとした目標があればあれほどがんばれるのだと言うことを、初めて知りました。

 

 もちろん、お金があり、宇宙船の操縦法法を知っていれば、それだけで船をレンタルすることが出来るわけではありません。宇宙船を操縦するには歴とした資格が必要で、それがない人間には宇宙船のレンタルが不可能だからです。

 

 資格の身分証は、偽造しました。手製の、今考えるとみっともないものだったのですが、レンタルショップの店員に袖の下を渡せば、なんとか借りることができました。あっちも、自分はだまされたのだという体裁さえ取り繕うことが出来れば、何かあったときはきちんと保険がおります。それで十分だったのでしょう。

 

 初めて宇宙船の操縦桿を握ったときは、滑稽なほどに体が震えました。私は、シミュレータすら一度もしたことがない、本当の素人です。教本の知識だけは山とありましたが、そんなものだけで船が操ることが出来ないことなど、小さな子供にだって分かります。

 

 でも、よく考えれば自分はこれから死にに行くのです。それが今になったからといって、どんな不都合があるでしょう。離陸に失敗して死ねば、故郷の土に還ることが出来ない。それは残念なことですが、それもまた運命なら仕方ない。

 

 そう考えたとき、肩の力が抜けました。胸の奥で、息苦しさを作っていた塊が、すうと消えてなくなったのです。

 

 私が、おっかなびっくりでも宇宙船を離陸させられたのは、きっとそのおかげでしょう。

 

 旅の途中のことは、ほとんど覚えていません。ただ、味気ない宇宙食を食べ、排泄し、寝ました。目的の宙域までは感応頭脳がオートパイロットで進んでくれます。唯一緊張したのはゲートを跳躍したときですが、それも離陸の瞬間ほどには恐ろしくありませんでした。

 

 旅は、二週間程度のものでした。

 

 ついに、私は、故郷に帰ってきました。

 

 大気の失われた惑星ウィノアは、真っ赤な星でした。それは、地表に降り立ったときも変わりません。

 

 宇宙服のヘルメット、その強化プラスチック越しに見た故郷の星は、驚くほどに変わっていなかった。緑はどこにもなく、海は蒸発してしまっていましたが、大地はまだ、私の知る大地のままでした。

 

 山は形を変え、人家は消し飛び、どこにも見知った地形はありませんでしたが、それは私の故郷だったのです。

 

 そして、旅の終点でもある。

 

 ああ、よかったと、そう思い、生命維持装置の電源を落としました。

 

 これでしばらくすれば、酸素がなくなります。緩やかに死んでいけるでしょう。

 

 最後に目に焼き付けるべき光景を探して、くるりと辺りを見回しました。

 

 そこで、私は出会ったのです。

 

 

「……何に、出会ったんだ」

 

 ケリーは、自分の声が掠れているのを自覚していた。

 アーロンは、閉じていた瞼を持ち上げ、目を見開くようにして言った。

 

「天使に、ですよ」

 

 ケリーは、信じられない言葉を聞いたかのように、問い返した。

 

「天使だと?」

「ええ、天使です」

 

 アーロンは、魚のような瞳を初めて和らげて、微笑していた。

 恥ずかしげに、耳の裏を掻きながら、意中の人を打ち明ける少年のように。

 

「私は、天使と出会った。その時に、私は天使に恋をしたのです」

 

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