仮面の猫と青の光の戦士のデュエット   作:ジェットプテラ

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第五十六話が完成しました
其れではどうぞ


翼の原罪

フィーネがバラルの呪詛の発信源である月を破壊する為に作られたカ・ディンギル(荷電粒子砲)からエネルギーが放たれた

放たれたエネルギーは月に向かうが、クリスが其れより早く宇宙まで行って上取りをして

 

クリス

「Gatrandis babel ziggurat edenal

 Emustolronzen fine el baral zizzl

 Gatrandis babel ziggurat edenal

 Emustolronzen fine el zizzl…」

 

イチイバル(シンフォギア)〕の絶唱 ROSE OF DEATHで一時的にカ・ディンギル(荷電粒子砲)から放たれたエネルギーを押しとどめた事で月の一部が欠ける程度で収まったが

 

フィーネ

「見た夢も叶えられないとは、とんだ愚図だな…」

 

フィーネが余計な事を言ったせいで

 

「Guuuuuu~~~~………」

 

響がブチ切れて身体が漆黒に染まって暴走を始めた

暴走している響の方も紅い眼と犬歯と、そして明確な殺意を剥き出しに、むしろ歓迎すらしているフィーネへ殺気をぶつけたまま、怒れる肉食動物の様にその場で四足の体勢となるとフィーネに目掛けて飛びかかり

 

「がぁぁああーーー!!」

 

力任せにフィーネに殴りつけるが

 

フィーネ

「まず狙うは私か……いいぞ、存分に憎め、その自我を果て無き憎悪で消し尽してしまえ!」

 

フィーネは何食わぬ顔でその響の攻撃を障壁で受け止めてからフィーネはそれを鞭の一振りであっさり受け止めると同時に、もう一振りの一閃で立花を容易く薙ぎ払う

 

「立花!?」

 

 吹き飛ばされた立花は四足の体勢で地に降り立った凶暴さを剥き出しにフィーネを睨みつけるその姿からは、痛みを感じている様子が全く見られない。

戦友にこんな比喩をするのは忍びないが、佇まいこそ獣に似ている、だがとても獣と表し難い、むしろ獣こそ生き延びる為恐怖を敏感に覚え、脅威となる存在には不用意に近づかず、然れども時に怯えを隠し牙を向いてまで障害を排除しようとする臆病な生物………今の響からは、そのような素振りさえ皆無だ。

これでは、最早――。

 

フィーネ

「最早、人に非ず、人の姿と獣の威儀の皮を被った―――〝破壊衝動〟の塊ッ!」

 

またしても響をこのような姿に至らしめた元凶が、白々しくも高らかに友の今の有様を謳い上げたが不快こそすれ、否定はできなかった。

確かに奴の言う通りと認めるしかなかった。

響は再び狂暴さに満ちた咆哮を上げ、先のより素早さも激しさも荒々しさも増した勢いで大地を亀裂割らせて飛び上がり、五指から伸びた爪を生やすその手を腕ごと振り上げフィーネに迫るが、フィーネは腕を真っ直ぐ翳し、暴走している響の一撃すらも防ぐ強度を有した障壁を多角形状に張り、悠々と待ち受ける。

対して響は、技術も知恵も戦術も理性も皆無に、闇雲な力任せで拳と膝蹴りを同時に盾の表面に叩き込む。

しばし両者は、震撼と稲妻と火花を散らせて拮抗していたがフィーネの言う通り〝破壊衝動の塊〟に洗脳されているも同然な響は、盾を粉々に破砕して突破し、人間同士の争いを忌避していた響の肉体を操る破壊衝動は、一切の躊躇なくフィーネの胴体を、爪と腕力で刺し貫き、そのまま逆風の軌道でフィーネの胴体を頭部ごと抉り裂いた。

なりふり構わぬ力技で上半身を真っ二つにされつつも立ち尽くすフィーネの臓物ごと露わに体内から、鮮血の噴水が激しく噴き上げられる。

常人ではとても正視できぬ奇怪千万の姿のまま、フィーネはこちら側に瞳を向け、嘲笑を見せつけた。

いくらネフシュタンの再生能力でも痛覚はある筈なのにあれ程の深手を負わされても自身以外の人間全てを見下す振る舞いを表し続ける奴に対し、これでも長年戦場に身を置いた翼、猫、青愛でも、ドン引きしている中さらなる驚愕の光景が瞳に映される。

 

「馬鹿な……」

 

フィーネの肉体は枝分かれし始め、それぞれに肉体再生が施され、分身、否、分裂したのだ。

翼達が驚いている中分裂したフィーネの一体が翼達に目掛けて〔ネフシュタン〕の鞭を振るって

 

「くっ!」

 

猫、青愛

「!?」

 

翼は胴体は両腕ごと、猫と青愛は姉妹ともどもネフシュタンの鞭によって捕えられてしまう。

その間にも暴走する響は増殖したフィーネへ構わず、技術も知恵も戦術も皆無だが破壊衝動の赴くまま繰り出される単純にして強力無比な殺意と凶気に満ちたおぞましき攻撃で、奴を常人の理性では目を背きたくなるほど残虐に殺し続けその度にフィーネの肉体は再生と同時に分裂、それぞれに独立した意志を持って増殖し続けていくも、響の猛攻で鞭の拘束力が弱まった瞬間を突いて、翼は胴体周辺からフォニックゲインのエネルギーを放出、猫はニンジャフォームを使って身代わりの術を使い青愛は猫から丸太に変った時に出来た隙間を使って枷からどうにか逃れ。

 

「立花!

 それ以上荒れ狂う聖遺物の濁流に呑まれ続ければ人間で無くなってしまうぞッ!」

 

翼は肘打ちで響を弾き飛ばして地面に着地したタイミングで

 

「響!

 クリスちゃんの事を言われてブチ切れて居るのは分かるけど」

 

猫は分身して響の四方から

 

『バインド プリーズ!』

 

魔法陣が出て、其処から鎖型のエネルギーが響を縛り

 

青愛

「響、ブチ切れすぎるから頭を冷やしなさい

 プリキュア・ビューティブリザード!」

 

青愛が今使っているキュアビューティの必殺技で氷漬けの拘束をするが、響を拘束している氷が突如ひび割れが起きて

 

「Guuuuuu~~~~………」

 

響が雄叫びを挙げながら響を拘束して居た氷は物凄い勢いで飛散して

 

「Guuuuuu~~~~………」

 

響が力を入れて身体を入れると鎖型のエネルギーは綿菓子の様に引きちぎられて拘束も解いた

フィーネへの虐殺行為を妨害した私達はその心を固い殻で覆わせつつ侵食させているガングニールの破壊衝動は翼達を邪魔者と認識して

証左として、響の肉体を乗っ取る衝動は、敵意を隠しもしない前傾姿勢のまま、犬歯を剥き出しに唸り声を上げ、血色の眼から殺気を翼に突きつけ

 

「………っ」

 

翼達と双眸と響の鮮血が合わさった瞬間、ほんの僅かながら

 

翼、猫、青愛

「………」

 

翼達は固唾も飲めなくなる程、戦場であることを忘れかけそうになった。

フィーネは今の響を聖遺物による〝破壊衝動の塊〟と言ったが、翼達にはそれだけではないと、かの鮮血から発する殺意からそう思わざるを得なかった。

それが真実か、私の思い過ごしの産物か今戦場のただ中にいる身にどちらなのか知る術はない。

だが、確かに言える事実が、二つかの衝動に塗りつぶされた響の姿を通じて、突きつけてくる。

まず、響とて人間であること。

善良の化身の如きお人よしで、前向きな自殺衝動による強迫観念以前に心からの善性で見返りを求めず人助けに励み、人同士の相争うことを嫌う人となりだとしても人である以上は負の感情と無縁ではない。

未来や猫、青愛と言う親友の心の支えがいたにせよ、あの惨劇の生存者達を苦しめた誹謗中傷によって、響の心に住まう負の感情の影は確かに強まって潜んでいた筈でありたとえ血肉に〔ガングニール《シンフォギア》〕の欠片が無くとも、戦士の心身を蝕む戦場にいる以上。

いつ理性の堤防が決壊しても、おかしくなかった。

そしてもう一つの……事実。

響に……〝破壊衝動〟と言う名の漆黒の沼に、突き落とすそんな運命を招いたのはフィーネだけではない。

翼達含めた特機二課、全員にある

翼達がほぼ同じ思考に入って居ると

 

「Ahaaaaaaaaa――――――ッ!」

 

翼、猫、青愛

「「「!」」」

 

破壊衝動の砲口によって翼達は我に戻る

強力かつ凶暴であるが、力任せで単純極まる衝動の攻撃を翼達は紙一重で躱しつつ、跳躍で後退して一旦距離を取り、勢いに任せ過ぎた余り体勢の立て直しに手間取る隙に、翼達は其々の武器を正眼に構え直した。

フィーネは分裂したまま、まだ暫くは私と立花が争う姿を高みから見物する気でいるようだ

翼達はある確信を得ている

翼達は、まだクリスは命を散らしてはいないと信じている………その上で二人が命がけでカ・ディンギル(荷電粒子砲)の月を穿つ破滅の光を食い止めてくれたお陰で、あの天を仰ぐ塔は奴の想定以上に消耗しており、まだ第二射まで猶予があると言うこと、フィーネの目的は奴の言うバラルの呪詛ごと月を破壊することなら、悠長に相争う翼達を嘲笑って見物しつつも、早急に二射目の準備に取り掛かっている筈。

なのにまだ塔が輝き出してエネルギーを集束させていないと言うことは、砲身そのものである塔自身がまだ再開できぬ程に、冷え切っていないと言うことだ。

状況は依然として不利に変わりないが、好機の光明はまだ残っている………クリスの奮戦を無駄にさせない為にも、絶対に逃すわけにはいかない。

 

〝何としても、立花()も―――カ・ディンギルも止めるッ!〟

 

翼達の考えはほぼ同時に揃った瞬間である

先に動いたのは猫と青愛である

猫は〔ニンジャレイズバックル〕と〔ウィザードドライバーレイズバックル〕の能力を掛け合わせて分身を大量に生成して数の暴力で響の暴走を止めようとするが暴走している響にとって分身の猫達は紙人形と変らず拳を振るっただけで分身の猫達は吹き飛ぶ

分身の猫達の隙間の合間を縫って、青愛が氷の矢を放って響の近くに氷の矢が地面を刺すと氷の矢から冷気が出て来て一瞬で響を氷漬けをするが先程のの結果と同じで青愛の氷を発泡スチロールの如く簡単に壊して暴れ続ける

そして翼は目を閉じてながら正眼に構える刀の切っ先を闇に覆われた戦友へ向け、目を開けると硬軟の調和の取れている凛と研ぎ澄まされた眼光を発している、剣客と呼ぶに相応しき心境を持って居る

 

「立花……」

 

猫達が響と対峙した実際の時間は、一分にも満たないが、翼の体感時間は、数十倍に広がる程の張り詰めた緊張感が、体内にも体外にも漂い流れている。

だからこそ、集中の糸を切らさぬ様……沈着さを維持し続けていた中。

 

「光面姉妹!!

 立花から離れよ!

 此処から先は私が行く」

 

「翼さん」

 

青愛

「はい!」

 

猫と青愛は直ぐに響から離れて

 

「来い……」

 

 静かに、されど確かにはっきり聞こえる声量で、翼はそう言い放つと同時に、刀を正眼から雄牛の構えに変え、剣先を平行に突きつけた瞬間。

 

Uhuuuuuuu―――Gaaaaaaaa――――ッ」

 

それが端となったのか、響の心身を蹂躙したまま捕えて離さぬ破壊衝動は、人の口から発せられているものとは到底聞こえぬ禍々しさが溢れだす咆哮を上げ、姦しい亀裂音とともに粉塵と破片を舞わせた勢いで、大地を蹴り抉り突進。 瞬きも許さぬ刹那で、翼に肉薄し、凶刃が伸びた五指で彼女の串刺しにすべく、刃そのものも同然と化したその左手を突き出した。

対して翼は、両手で構え持っていた〔(アームドギア)〕を、地面に突き刺した次の瞬間、肉が裂かれる音から………続けて血の雫が荒れた戦地に落ちる音がなった。

 

影縫い

 

敢えて得物を一度手放した翼は、自身を突き刺そうとした響の両腕を白刃取りすると同時に彼女の影に光の諸刃を突き刺し、忍の末裔たる緒川譲りの拘束忍術を用い。

 

「紙一重だったな……」

 

 胸部の中央に爪の先が刺さり、傷口から血が流れ落ちながらも、どうにか破壊衝動の暴走を食い止め、慎重に爪を引き抜き。

 

「立花………改めて詫びさせてくれ………私達が招いたこの災禍に巻き込んでしまったことを………」

 

 右手でアームドギアの柄を握り直し、自身の血で濡れた響の左手を自身の左手で掴み、持ち上げ。

 

「奏から託された力を、そのように使わせてしまったことも…そして立花には、ご飯が大好きでささやかな人助けが趣味な、少女のままでいてほしかった………本当に、すまない……やはり謝るべきは―――私達の方なんだ」

 

猫、青愛

「「……」」

 

今翼自身の自身の胸中にて確かにある偽らざる想いの一つを、響に語り掛け。

 

「その上で、聞いていてくれるかしら………防人としての……守護者としての……私の〝歌〟」

 

 と、言い終えると同時に掴んだ響の手をそっと下ろし。

 

「私も、皆から貰った思いを、無駄にしないから」

 

全身は漆黒に染まったままにして、真紅に光ったままの瞳の目尻から涙を流す響を横目に……一度年相応の少女となっていた面立ち、眼差しを戦士へと変え……無形の位にて悠然と、歩み出す




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