夢に向かって!ドリーミープリキュア   作:F・K・ネクスト

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新作オリジナルプリキュア本格的に書き始めました。
遅筆にはなると思いますが、頑張って最終回まで書ききる心づもりですので、よければお付き合いください。

気になったり面白いと思っていただければお気に入り登録、コメントなどお願いします。


第1話「アタシがプリキュアって、なんで!?」

「はあ、はあ…!」

 

 大空マリナは、何かから逃げるように明かりの少ない夜の街中を走っていた。辺りには子供はおろか大人一人の姿もなく、彼女の声だけが響いている。やがて彼女は誰もいない深夜の学校へと逃げ込む。

 

「…っ!」

 

 しかし、逃げ込んだ先には先客がいた。黒いポニーテールに赤のメッシュを入れた、マリナと同い年くらいの少女だ。マリナは少女を見て咄嗟に立ち止まる。

 

「逃がさないわよ。今日こそ決着をつけましょう」

 

「いい加減にしなさい! こんなこと続けて、何の意味があるのよ!」

 

 少女はマリナに対し冷たい視線を向けながら話す。

 

「どちらが正しいか、この際証明するのよ」

 

 そう言って少女はマリナに背を向けてその場から立ち去る。マリナがそれを追いかけようとしたその時、校舎の外が一瞬光ったかと思うと、巨大な怪物が出現した。

 

「ホロビナー!」

 

 恐竜のような二足歩行の巨体を持った怪物【ホロビナー】が咆哮を上げる。そこに少女の声が響いてきた。

 

『さあ、変身しなさい。迷ってる暇なんか無いはずよ』

 

 その言葉を聞いたマリナは懐から変身用の【ドリーミーパクト】を取り出す。しかし、それをじっと見つめるだけで使おうとはしない。

 

「ホロビナー!」

 

 怪物の二度目の咆哮でマリナは我に返る。刹那、怪物が校舎めがけて巨大な腕を振り下ろしてきた。

 

「うわああああっ!!」

 

 崩れる校舎からマリナは咄嗟に逃げようとするが、瓦礫が落下してきた衝撃でその場に転んでしまった。更にそのショックでドリーミーパクトを数メートル離れた目前に落としてしまう。

 

「っ…!」

 

 その間に怪物は雄たけびを上げながら付近の民家を次々に破壊していく。それを見たマリナは瓦礫を振り払いながらようやっと立ち上がり、怪物を睨みつける。

 

「これ以上…あんたたちの隙にはさせるもんか!」

 

 そして走りだしだその勢いでドリーミーパクトを拾い上げ、もう片方の手に【スピリットキー】を構える。

 

『ホーク!』

 

「プリキュア! ドリーミングチャージ!」

 

 そのままスピリットキーをドリーミーパクトに差し込み、キーを回すことでドリーミーパクトが開く。

 

『スタイルアップ! フライ・トゥー・ザ・スカイ! プリッキュア~! ホーク!』

 

 変身音が響き渡ると共に彼女の身体をピンク色の鳥の形を模したオーラが包み込み、その姿を変えてゆく。マリナは変身が完了すると同時に大ジャンプし、怪物めがけて右手でパンチを繰り出した。

 

「はあああああああっ!!」

 

 

 

 ガン、と思い音が響くと同時にマリナは目を覚ました。突き上げた右手はベッドに面した壁に密着しており、僅かだが痛みを感じた。枕元では、スマホから午前6時を知らせるアラームが鳴り響いている。

 

「……あ~あ、またこんな夢…」

 

 

 

 大空マリナはここ数日、ほとんど毎晩のように似たような夢を見ていた。どの夢も細部はあちこち異なるが、『自分がプリキュアと呼ばれる姿に変身して怪物と戦う』という点だけは共通していた。

 

大空 譲二『マリナの父』

「へえ。そりゃ多分、お前の中にそういう願望があるからじゃないのか?」

 

 話を聞いた父、譲二がからかうように笑った。

 

大空マリナ

「やめてよ。小さい頃はあんなアニメ見てた時期もあったけど、もうそんな年じゃないって。アタシは世界で活躍するスーパーモデルになるんだから。そんな子供だましの魔法少女なんかとっくに卒業しました!」

 

 トーストを平らげながら反論するマリナ。朝食を食べ終えると支度を整え、自身がモデルを務めた雑誌を片手に家を出た。

 

「行ってきまーす」

 

「おう、気を付けてな」

 

**********

 

 地上を離れること20000mの遥か雲の上。【天空界】はそこに存在している。

 

ホワイトマザー『天空界 女王』

「……」

 

 神殿にて、この地を治める女王【ホワイトマザー】は自身の占いにより、地上の世界【人間界】に不吉なことが起きるのを予感していた。

 

「ホワイトマザー様」

 

 そこにローブを纏った壮齢の男性と、ピンク色の鳥に似た姿をした生き物が入ってきた。

 

ブルース『天空人(てんくうびと)

「…地神界にて、不穏な動きがあるとのことです。『デストロイ』の連中が本格的に動き出すのも時間の問題かと…」

 

「…遂にこの日が来たのですね。今まで私たちの力で食い止めてきましたが、『ブラックキング』が本気を出してくるとなると…」

 

クゥクゥ『天空界にすむ鳥』

「このままじゃ人間界も水夢界みたいに滅ぼされちゃうクゥ!」

 

 ホワイトマザーは水晶を通じて人間界の様子を見ていた。そこには、なんてことない人々のありふれた日常が映し出されている。

 

「ホワイトマザー様、私に行かせてください」

 

「ですが、貴方の身体はこれまでの戦いで酷使されています。最悪の場合、次戦えばあなたはもう…」

 

「私にもしものことがあっても、アレンが跡を継いでくれるでしょう。それに私には…死ぬまでに果たさねばならない使命があります」

 

 ブルースは懐からドリーミーパクトとホークスピリットキーを取り出した。

 

「我が命に代えても捜し出してみせます。伝説の戦士『プリキュア』を」

 

**********

 

「おお~、今回もよく撮れてるじゃん~! やっぱり亀山さんの写真にはハズレがないわねーでへへ…」

 

 登校中、雑誌に掲載された自分の写真を見てニヤニヤするマリナ。それを見たクラスメイトの篠田陽子が呆れながら鞄を彼女の後頭部にぼん、とぶつける。

 

篠田 陽子『マリナの友人』

「ったく、同年代に人気の読者モデルが毎回毎回自分の写真見てヘラヘラ笑ってんじゃないわよ」

 

「別にいいでしょ。自分で努力して出した結果なんだから。その証拠にみんなアタシのことを…」

 

 その横を、青紫の髪を結った少女が通り過ぎていく。マリナやヨウコと同じ学年で生徒会長も務める【深海ジュリ】である。その美しさは、他の生徒が足を止めて見惚れるほどだ。

 

「ほら、あんたも目指すんなら深海さんみたいにクールビューティーな女性を目指しなさいよ…って、聞いてないし」

 

「ぐぬぬ…生徒会長でちょっと見た目が美人だからって何よ…! しかも全然嬉しそうじゃないのが余計に腹立つし…! 深海さんさえいなけりゃアタシが夢見中学の人気ナンバーワンなのに~!」

 

 マリナは嫉妬の炎をメラメラさせながらジュリの後姿を見つめていた。

 

「ほらほら、モデルがそんな顔してないの。スマイルスマイル」

 

 すっかり慣れた対応の陽子はそんな彼女をなだめながら、二人仲良く教室へと向かうのであった。

 

 

 

 この日の放課後、マリナは参考書を買うべく、隣町にある商店街を訪れていた。途中、電気やの街頭テレビの前で足を止める。

 

『明日の自分は、今日よりもっと美しい。進化する髪質を、HEXA』

 

 化粧品のCMに出演している女性、【如月カレン】は若者だけでなく年上からも支持を集めてるまさしくスーパーモデルで、マリナにとっても憧れの人物であった。

 

「はあ~、カレンさんやっぱり美人だなあ…前世でどんないいことしたらカレンさんみたいな勝ち組人生歩めるんだろう…」

 

 書店に来ても、カレンが表紙を務める雑誌は毎月のように目にする。今や彼女は日本を代表するモデルの一人と言っても過言ではない。そして、もう一人はと言うと…

 

「あ、その口紅新発売のやつじゃん! 大空美星がCMやってた!」

 

「そうそう! 美星さん綺麗すぎてつい衝動買いしちゃった!」

 

 そんな女子大生の会話が後ろの方で聞こえてきた。【大空美星】、マリナの母にして、モデルだけでなく女優もこなす有名人だ。仕事が多忙のため滅多に家には帰らないが、時々電話で父、譲二とは互いに近況を報告し合っている。

 

「……」

 

 マリナにとって、そんな母は大きすぎる人物であった。モデルの道を志したのも、元はと言えば母の姿を見て憧れたからだ。しかし、いくら頑張っても周囲からは「大空美星の娘」という肩書きをいつまでも与えられ続け、自分だけの人生を掴むことが出来ないでいる現状には憂いていた。父からは「まだ子供なんだから焦ることはない」と励まされたが、自分はこのままで母を超えられるのかと考える度にマリナの心にはモヤモヤが残り続けるばかりだった。

 考えてばかりいても仕方ないと、マリナは雑誌コーナーから逃げるように立ち去り、目当ての参考書を購入してさっさと帰ることにした。

 

「もう夕方かあ。お腹空いたな…」

 

 既に時刻は17時を回っており、付近の飲食店からは食欲をそそられる匂いが漂ってくる。そんな中に、雑誌でも紹介されるほど人気のラーメン屋があり、まだ早い時間帯にも関わらず行列ができ始めていた。一人の客が店内に入り、皆が一歩前に進もうとしたその時、若い男が列に横入りしてきた。

 

「ちょっとあんた!」

 

「いいじゃん一人くらい。ケチケチすんなって」

 

 割り込まれたサラリーマンが注意するも、若者はまったく悪びれない様子だ。

 

「どんな小さな負のエネルギーも、我々にとっては大事な存在です」

 

 すると、どこから現れたのか軍服の様な格好に眼鏡をかけた男が現れる。若者もサラリーマンも、その場にいた全員が驚く。

 

バルファ『デストロイ幹部』

「あなたのその小さな悪意が、人間界を滅する第一歩になるのです」

 

『スティングレイ!』

 

 バルファはスピリットキーを起動すると、若者の胸に差し込むように押し付け、ガチャリと回した。

 

「なっ…うわあああああああ!!」

 

 すると若者の胸に黒い鍵穴が出現し、そこから巨大なエイの姿をした怪物が飛び出した。

 

スティングレイ・ホロビナー

「ホロビナー!」

 

「やれ」

 

「ホロビナアアアアア!」

 

 バルファの命を受けたスティングレイ・ホロビナーは、飛び回りながら辺り一面の建物を破壊し始める。当然人々はパニックになり、悲鳴を上げながら逃げ惑う。

 

「な、なんなのよこれ…!」

 

 近くに居合わせたマリナも、この大惨事に巻き込まれていた。目の前には巨大なエイの怪物。更にそれだけでなく、地上には別の怪物の姿も複数体確認できる。シルエットこそ人型ではあるが、昆虫のような不気味な顔つきをしたそれらは、明らかにこの世のものではない。

 

ラルバ・ホロビナー

『ホロビナー!』

 

 ラルバ・ホロビナーは雑兵のように集団で襲いかかってきた。戦う術を持たない人々には十分すぎるほどの脅威である。

 

「ひ…ひいいいいいいっ!!」

 

 その中に、先の若者の姿もあった。車の陰に隠れてやり過ごそうとしていたが、すぐに見つかってしまった。

 

「おおお、俺が悪かった! もう横入りなんかしないから、だからだから、命だけはあああああっ!」

 

 泣きじゃくりながら必死に命乞いをするも、残念ながら相手には通じていないようだ。ラルバ・ホロビナーが口を開けて若者に噛みつこうとする。

 

「このおっ!」

 

 それを見ていたマリナは、居ても立ってもいられなくなり、足元に落ちていた瓦礫を投げつけた。ごつん、とラルバ・ホロビナーの後頭部に命中し、注意を引くことには成功する。

 

「あ…あああああっ!」

 

 若者はその隙に一目散に逃げていった。標的を変更したラルバ・ホロビナーが3体がかりでマリナに迫ってくる。威勢よく出たはいいものの、そこからどうするか考えていなかったマリナは、すぐに走り去ろうとしたが、背後に別のラルバ・ホロビナーが現れ、退路を塞がれた。

 

「くう…」

 

 そして、1体のラルバ・ホロビナーがマリナに飛びかかったその時、ローブを纏った一人の男性が割って入りこれを蹴飛ばした。

 

「え?」

 

「何をしてる! 一般人が無茶をするな!」

 

 マリナを助けたのは、天空人ブルースであった。ブルースはすぐさま懐からスピリットキーを取り出し、起動させる。

 

『バット!』

 

 そのまま腰に巻いたバックルにスピリットキーを差し込むと、彼の身体が一瞬のうちにコウモリを擬人化したかのような見た目へと変化した。

 

「はああっ!」

 

 変身したブルースは格闘戦でラルバ・ホロビナーたちを次々と蹴散らしていく。マリナはその光景にただ唖然とするしか出来なかった。

 

「はああ…てやああーっ!!」

 

 右足に力を込めてキックを放ち、ラルバ・ホロビナーたちは蹴散らされた。そこに、スティングレイ・ホロビナーが突進してくる。

 

「危ない!」

 

 ブルースは咄嗟にマリナを突き飛ばす。刹那、スティングレイ・ホロビナーの体当たりをまともに受けてしまった。

 

「ぐああっ!」

 

 勢いよく突き飛ばされると同時に、彼は変身が解けてしまった。

 

「ちょ、ちょっと!」

 

 マリナがゆっくり彼の身体を抱き起すと、そこから真っ赤な血が流れ出ていた。

 

「え…」

 

「ブルース様!」

 

 彼の相方であるクゥクゥが飛んできた。クゥクゥもまた、心配そうにブルースを見つめている。

 

「おやおや、誰かと思えばまた貴方ですか」

 

 そこにバルファが不敵な笑みを浮かべながら近寄ってきた。

 

「今まで随分と邪魔をしてくれましたが、それもここまでのようですね。その様子ではもう立ち上がることすら無理でしょう」

 

「うぐっ…」

 

「もうじき人間界は滅びます。そうすれば後は時間をかけて天空界を制圧するのみ。我ら『地上殲滅団デストロイ』がこの星を手中に収める日も近いというわけですよ」

 

「あ…あなたたちの思い通りになんか絶対ならないクゥ!」

 

「おだまりなさい。最早誰にも我々の侵略は止められませんよ。ふっふっふ…」

 

 ホロビナーが街を蹂躙する様子を見ながら満足そうに笑うバルファ。マリナはそれを、悔しそうに見つめることしか出来なかった。

 

「…!?」

 

 するとその時、ブルースの持っていたスピリットキーとドリーミーパクトが光りながら振動し始めた。

 

「こ、これは…!?」

 

 ブルースはすぐに、ドリーミーパクトが目の前にいるマリナに反応していることに気が付いた。

 

「…そうか、君が…」

 

「え?」

 

 ブルースは力を振り絞って、スピリットキーとドリーミーパクトをマリナの手に握らせる。

 

「頼む…それを使って、君がこの人間界を…ううっ!」

 

「ブルース様!」

 

 傷口を抑えて苦しみながらも、ブルースはマリナに話しかける。

 

「スピリットキーを…ドリーミーパクトに差し込むんだ…!」

 

「……」

 

 マリナの左手にはドリーミーパクトが、右手にはスピリットキーが握られている。

 

「私は…これの使い方を知ってる…」

 

 彼女がそう呟くのは当然であった。それは、夢の中で何度も自分が使っていたのと、全く同じものなのだから。マリナはスピリットキーを構え、スイッチを入れて起動する。

 

『ホーク!』

 

「プリキュア! ドリーミングチャージ!」

 

 スピリットキーをドリーミーパクトの鍵穴に差し込み、右にガチャリと回す。ドリーミーパクトが開き、そこからピンク色の鷹を模したオーラが放たれ、マリナの周りを飛び回る。

 

『フライ・トゥー・ザ・スカイ!』

 

 オーラがマリナの全身を覆うと同時にその姿が変化する。髪はマゼンタに染まり、ピンクを基調とした衣装、鳥の羽を模したスカート、ピンク色のブーツ。

 

『プリッキュア~! ホーク!』

 

キュアホーク・ホークスタイル

「大空の勇者! キュアホーク!」

 

 決めポーズを取り、高らかに名乗りを上げる。

 

「プリキュア…あれが?」

 

 予期せぬ事態に目を細めるバルファ。しかしすぐに冷静になり、ラルバ・ホロビナーを召喚して差し向けてきた。

 

「ホロビナー!」

 

 ラルバ・ホロビナーの集団が襲いかかってくるが、ホークはこれに敢然と立ち向かう。華麗な身のこなしで相手の攻撃をいなしつつ、1体また1体と投げ飛ばしていく。

 

(わかる…私は戦い方を知ってる…!)

 

 夢で見たのと同じように戦った結果あっという間に全てのラルバ・ホロビナーを蹴散らしたホークは、続けてスティングレイ・ホロビナーに狙いを定める。相手は宙に浮遊している。ならばこちらも空中戦で対抗すればいい。

 

「はあっ!」

 

 ホークが念じると同時に、彼女の背中に3対のピンク色の翼が出現する。これを使ってホークは高く飛び上がり、スティングレイ・ホロビナーに対し空中戦を展開する。

 

「ホロビナー!」

 

 スティングレイ・ホロビナーが咆哮を上げながら突進するが、すかさずこれをかわしつつ懐に潜り込み、その巨体にしがみつく。

 

「ふっ! はあっ!」

 

 互いにもみ合ったままの状態でホークはスティングレイ・ホロビナーにパンチやチョップを叩き込む。このままではまずいと悟ったのか、スティングレイ・ホロビナーは勢いよく急降下してホークを地面にたたきつけようとするが、いち早く気づいたホークはすぐに相手から離れて上方に回り込み、力を込めた回し蹴りを叩き込む。

 

「でやあっ!」

 

「ホロビナー!」

 

 スティングレイ・ホロビナーが勢いよく落下し、地面にめり込んだ。その隙をキュアホークは逃さない。ドリーミーパクトの中央にあるボタンを押して必殺の一撃を繰り出す。

 

『ホーク! スペシャルチャージ!』

 

「プリキュア! スカイフィニッシュ!」

 

 両腕をクロスさせてピンク色の光線を勢いよく放つ。

 

「ホロビナアアアアアアアアッ!!」

 

 光線が炸裂し、ホロビナーは断末魔を上げながら爆散した。敵の消滅を見届けたキュアホークはその場にゆっくりと降り立つ。

 

「あれが伝説の戦士プリキュア、ですか…まあいいでしょう。我々の計画はまだ始まったばかりです」

 

 いつの間にか建物の陰に逃げ込んでいたバルファはホロビナーのが倒されるのを見届けると、不本意そうにその場から立ち去って行った。

 

「……」

 

 戦いが終わり、キュアホークは改めて自分の姿をまじまじと眺める。

 

「これが、私なの…? 夢じゃないわよね?」

 

 衝撃の出来事の連続に彼女は現実を飲み込めないでいた。

 

「ブルース様! ブルース様!」

 

 しかし、クゥクゥの声で再び我に返る。見ると、倒れたブルースの身体が光りだしていた。

 

「ちょっと、大丈夫!?」

 

 ホークは再び彼の元に駆け寄って体を抱き起すが、ブルースは既に息も絶え絶えとなっていた。

 

「すまないクゥクゥ…俺はもう駄目だ……天空界のことは、お前に任せる…」

 

「うう…」

 

 主の弱弱しい姿を前にクゥクゥは涙していた。

 

「君の…名前は…?」

 

「…マリナ。大空マリナよ」

 

「マリナ…か……頼む、俺に代わって…デストロイの連中を……」

 

「いや、アタシはプリキュアなんて…!」

 

 しかし、マリナが話し終える前にブルースは力尽きてしまい、やがてその身体も光の粒子となって消え始める。

 

「ちょっ…ねえ! ねえってば!!」

 

 ホークの呼びかけも空しく、ブルースの身体は完全に消滅してしまった。呆気にとられるホークとクゥクゥ。更にその様子を、物陰から一人の少年がじっと見つめていた…

 

 こうして大空マリナ/キュアホークの初めての戦いが終わった。しかしこれは、単なる始まりでしかなかったことをこの時の彼女は知る由も無かったのである。

 

**********

 

マリナ

「マリナの、スピリットキー大分析! このコーナーでは、スピリットキーについて勉強するわよ!」

 

???

「今日は何の解説ですか?」

 

「今日紹介するのは、これよ!」

 

『ホーク!』

 

「ホークスピリットキー。鷹の力が宿ったスピリットキーよ。私がキュアホークに変身するのに使うわ。ホークスタイルは空を飛ぶのも自由自在だし、バランスの取れた能力を持っているのよ」

 

「所謂基本形態というやつですね」

 

「で…誰よ、あんた」

 

「それは次回を見ればわかります」

 

「じゃ、またね!」

 




-次回予告-
「僕はアレン。よろしくお願いします」

「プリキュアやってる暇なんか無いのよ!」

 マリナの前に現れた謎の少年アレン。夢を優先するマリナはプリキュアへの変身を拒否する。

 次回、夢に向かって!ドリーミープリキュア『向かい合う時』

 お楽しみに!
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