原神 架空任務 風の鳴る方へ 作:テイワット探索記録者
テイワットの空に一筋の光が流れる。
「旅人!!あれ!!流れ星だぞ!!」
その光は、緑色の光を放ちながら大陸の空を回り、やがて、端の方へと堕ちていく。
「行ってみよう、旅人!」
モンドにいた旅人、蛍は非常食のパイモンと共に、流れ星の堕ちた地に向かって走る。
「とんでもないお宝があるに違いない!!急ぐぞ!!………って、うわぁ!?なんでヒルチャールがこんなにも!?」
行手を阻むヒルチャールの群れ。数は10を超えている。
「さっさと倒して行こうぜ!!」
パイモンがパンチをして見せてるものの、
「せいっ!」
18体目のヒルチャールを吹き飛ばし、灰に帰した蛍。しかし、周囲のヒルチャールはまだ残っており、さらにスライムも混じりだした。
「いくらなんでも数が多すぎないか!?」
呑気に叫ぶパイモンと同意をしつつ、戦闘態勢を崩さない蛍。しかし、流石に限界が近い。
「オイラ、モンドから応援呼んでくるぞ!!」
モンドへとパイモンが向かおうとすると、そちら側にもヒルチャールやスライムが立ち塞がる。
「は、挟まれた!?」
飛んでるから飛び越えればいいじゃん、と思うも、悲しきかな、
「どうする!?どうすればいいんだ!?」
どこから攻めてくるのかを警戒するしかない為、周囲を見回していると、このヒルチャール達の外に人影が見えた。
「流流雷洛、閃反転!!」
力のこもった声と共に強風が吹き荒れる。
その風は、蛍もろともヒルチャール達を押し出し、近くの湖にパイモンを除いた全てを落とした。
「あら……巻き込んじゃったわね……」
「おい!大丈夫か?」
「………だい、じょうぶ」
突然の風と水の冷たさに驚いたものの、蛍は体を揺すってくるパイモンに返答しながら人影を見る。
「ごめんなさいね。巻き込んでしまって」
その人影は、少女だった。髪の色が黄色だが、毛先がすこし薄緑色になっている。少々毛先が跳ねていたりするが、真っ直ぐと伸びた髪が背中の半分ぐらいまで届いていそうなほど長く、服はドレスというには寂しいが普通の服と言われたら華やかな感じの赤を基調としたワンピース。
モンドで見たことはないし、他のところでも見たことがない。
「私はアミリア。ちょっと旅をしているだけの人間さ」
「ん。私は蛍。家族を探して旅をしてる……こっちは……パイモン。非常食としてとても優秀」
「誰が非常食だ!!」
「ふふっ、変わった紹介なのね」
「オイラは非常食じゃないからな!!」
「わかってるわ。非常食は、喋らないもの」
「ヒッ……こっちもこっちで怖い!?」
突然の低い声に驚くも普段の陽気さのパイモン。完全に疲れているためか、あまり言葉を発しない蛍。その様子を見て微笑むアミリア。
「この辺りで旅をしているってことは……もんど、というのを知ってるかしら?」
「あぁ、知ってるぞ。なにしろ、モンドの名誉騎士だからな!!」
「そう。なら、着いていっていいかしら?」
「問題ないぞ!!今は落ちていった何かを探しているんだ」
「ほぅ、“落ちていった”か……少し話を聞かせてくれるかしら?」
「いいぞ!!今は望風海角の方に向かってるんだ。早く行こう!!」
「…………」
「貴女も苦労しているのね」
パイモンを先頭に、3人の小さな小さな旅が始まった。
『その昔、世がまだ静寂を知らぬ頃。人々は争いに巻き込まれ、洞窟に逃げ込んだ。安全は常に無し、故に休息は無し。神に祈りを捧げるも、神の啓示はなかった。頼れるものなど無く、終わりしかなかった。誰も助けてはくれない。泣く子が居れば襲われて、守るために戦えば敵が増える。神なら、神様ならば、この窮地を救ってくださると、あらゆる神に祈り、明日生きていることを願う。誰も答えてくれない。ある日、人に希望が見えた。「神いなければ、我ら無し。我らなければ神は無し。すなわち、我らこそ神なり。人にして人にあらず、神にして神にあらず。彼等は、世に生きる、“ただのもの”になりし。力有し人に成る」』
◆流れ星の落ちた地に向かう
1050m