チェンソーマン マキマルート   作:マイマイマン

18 / 27
宴会する話。

デンジ視点

 

 

「「「カンパーイ!!」」」

 

 

あれから数日立った。

悪魔の合体は予想外だったが、姫野先輩のおかけで割と余裕で勝てた。

 

一人だけだったら危なかったかもしれない。

 

しかし、あの戦い以降は使用が禁止された。

姫野先輩曰く、岸辺隊長は悪魔隔離施設から出禁を食らったらしい。

 

岸辺隊長の事だから、出禁なんて無視してもう一度同じことをするかもと思っていたが、

あの戦いで、必要な物は揃ったと言っていた。

 

必要な物って何だろう?

確か、姫野先輩にも指導を監視室でしていたらしいし、それ関連なのかもしれない。

 

 

まあ、今の俺にはどうでも良いや。

そんなことよりも…

 

 

ゲロチュー回避だ!!!!

 

 

もうあんな思いは絶対にしねぇ。

今のところ順調だ。

 

合体悪魔と戦った後、岸辺隊長は酒を飲むから帰ると言い出し、俺と姫野先輩が一緒に帰宅してた時、「デンジ君のお陰で成長できたから、ほっぺにチューしてあげようか?」

と言われた。

 

勿論論外だ。

マキマさんが見ているかもしれないし、

ゲロチューをされたら敵わない。

 

俺はきっぱりと、マキマさんとしたいから良いと言った。

 

今回はベロにも惑わされなかった。

 

我ながら中々の忍耐力だ。

 

結果的に、この宴会でもキスの優先度は低くなっているはずだ。

 

優先度と言うのは、どうやら姫野先輩は4課の新人以外とキスを既にしているらしい。

 

俺からしたら由々しき問題だ。

 

丁度最近、この展開に似た夢も見たし、

映画とかで良くある、運命の強制力的なのが働いて、キスする可能性もあるのだ。

 

 

本当は休みたかったが、マキマさんが来るのが分かっているから、断らなかった。

 

何よりも、前回、ヤクザ達が動いたのが、この宴会の次の日だったのだ。

マキマさんから何か話があるかもしれないし、

 

何よりも皆を守りたい。

 

マキマさんLOVEな俺だが、他の皆を見殺しにするのは目覚めが悪い。

 

俺にとっての優先順位は、マキマさんがNo.1だが、だからと言って助けられる命を無駄にするつもりはねぇ!!

 

 

……もしかしたら俺は、意思が弱いのかもしれない。

 

 

 

「ウマい、飲むの半年ぶりです」

 

「私も家で少し飲むくらいですね」

 

 

「あの…道迷っちゃって……」

 

「コベちゃんコベちゃんこっちおいで」

 

 

「餃子うまそ~!!」

 

「チェンソー様!最強!最高!」

 

 

取りあえず今日は、マキマさんと喋って、ゲロチュー回避して、餃子を食えれば大成功だ。

 

「マキマさん遅れて来るって!」

 

「こんなおいしいご飯、はじめて食べました…!」

 

「コベちゃんお金ほとんど家入れてるもんね…たくさん食べな?」

 

マキマさんは遅れてくるのか。

前回よりも忙しいだろうにスゲーな。

 

「伏さんトコの魔人は連れてこなかったんですか?」

 

「ここには恐くて連れてこられないですね。

姫野さん所の魔人くんは理性が高くて良いですね」

 

「…ビームでも理性高い方なんですね」

 

「ええ、敵味方を区別できてる時点でかなり賢いですよ。

そういえば、早川さん所の魔人は来ていないんですか?」

 

「ああ、ウチの魔人は理性高いですけど断られました」

 

アキの所も魔人いるのか。

まあいいや、それよりも

 

「俺、ホルモン焼き!!」

 

「そうだ、若い内はガンガン頼め!食え!肉食え肉!」

 

ネギトロユッケにぃ~…枝豆!!

 

俺は大人になったからなぁ、高校生にもなると、居酒屋では肉だけじゃなくて枝豆も頼むんだぜぇ~!

 

「新人歓迎会何だから、新人は立って自己紹介!名前と年齢と契約してる悪魔を言え!」

 

「デンジ、言う必要はないぞ」

 

「相変わらず固いヤツだな~!」

 

アキの言うことも、今では良く分かるな。

 

悪魔には幾つか弱点がある。

その中でも、"見た目"と言うのはかなり重要だ。

 

この前戦った合体する悪魔も、大体の造形でどんな悪魔か予想し、攻撃パターンを考えていた。

 

現にそれは正解だったし、殺して良いと言うルールなら、負けることは少ないだろう。

 

 

…だが、それに縛られ過ぎてはダメだと言うのは、藤宮と戦った事で明らかになったが。

 

それでも、藤宮にしても何にしても、予想されるのはやっぱり弱点となる。

 

悪魔は本体の造形を変えることは基本的に出来ない。

 

逆に言えば、見られなければ予想が出来ない。

 

デビルハンターの強みは、悪魔の本体を見せずに、悪魔の力を使える所だ。

 

だから、自分の契約悪魔を他人に言うのは愚の骨頂だ。

 

 

「まあ大丈夫!大丈夫でしょ!すいませ~ん!生一つ~!枝豆は…デンジ君が頼んでるから、生もう一本!!」

 

「私も生もう一つ。私は趣味聞きたいなあ、趣味で人間分かるでしょ」

 

 

少し空気が軽くなった。

姫野先輩は空気を読むのがうまいな

 

それよりも、餃子うめぇ!!

 

「俺デンジ~歳は16!趣味は…食うのと寝るのと映画」

 

「16歳?ヤバっ!若っ!」「えっ…!」

 

「あんた酒飲んでないよね?」

 

「お茶」

 

ここの居酒屋にはオレンジジュースが無いんだ

よな。

 

やっぱり、イサゼリアの飲み放題が最高だぜ。

 

「私は荒井ヒロカズです!22歳!契約してる悪魔は狐!趣味は俳句です!!」

 

「おう、よろしくなぁ!」「俳句かぁ、渋いね!」

 

荒井は新人らしく緊張し、上ずった声で自己紹介した。

それが受けたのか、かなり盛り上がった。

 

「東山コベニです、20歳です……契約している悪魔は…秘密で、趣味はおいしい物を食べることです」

 

「服かわいいよね」「うん」

 

「服はお姉ちゃんのおさがりです」

 

「コベニちゃんは9人姉妹なんだよ、凄いよね」

 

コベニもまた、荒井とは別ベクトルで気に入られている。

 

「ありゃあ~?伏さんトコの新人は?」

 

「残念ですが、昨日亡くなりました」

 

「南無阿弥陀仏!ほうれん…ほうげん…げきょー?」

 

「先輩もう酔ってるな」

 

荒井とコベニの表情が一気に曇った。

 

「そんな簡単に死ぬんですか…?」

 

「民間で無理だった悪魔が公安に任されるからな」

 

民間と言えば、あのうるさい民間デビルハンターのおっさんは元気かなぁ?

 

「まあ、バンバン死んでくよね。私の同期も、もう公安にいないし」

 

「デンジ君は私とキスするから死なせないよぉ~?」

 

何を言ってんだ姫野先輩は

俺はマキマさんとすると言ったはず…もしや、運命の強制力か?!

 

そうは行かねぇぜ、絶体にゲロチューは回避する!!

 

「しません!」

 

「えぇ…?」

 

上目遣いをされても今の俺は負けねぇ

マキマさん以外見ないんだ!

 

「姫野は酔えばキス魔になるんだ、ここにいる新人以外、皆姫野にキスされてるよ。逃げられねぇからな」

 

…そういえば、そんなこと言ってた!!

 

正夢、運命の強制力に加わって、姫野先輩の強制力も働くってことかよ?!

 

前回はあんなに嬉しかったのに、今では全く嬉しくない。

どうすれば回避できるかなぁ?

 

「俺は絶対にしないからな!!」

 

「キス?」

 

「え?!」

 

「すいません生一つお願いします」

 

マキマさん!?

勘違いされてないよな?と言うよりも、何だか俺を疑ってるような気がするぜ。

 

これがバイ何とかってヤツか!?

怖えぇ!

 

 

「マキマさん、ここにどうぞ」

「本物のマキマさん初めてみた…」

「マキマさ~ん!」

 

バイ何とかのせいで全て終わりは絶対に嫌だ!!

マキマさんには分かって貰わないとまずい!

 

「デンジ君、誰かとキスするの?」

 

「しません!」

 

 

「え~?デンジ君キスしないのおお?!」

 

「しませェん!」

 

 

姫野先輩は酔うと形振り構わないタイプなんだろうな。

前断った事は綺麗さっぱり忘れているようだ。

 

「すいません、生もう一つ…それでキスって?」

 

マキマさんが、とりあえずの生を飲み終え、

俺の地獄よりも酷い心境に干渉してきた。

 

誤解はしていないと思うが、もし聞き間違えをしていた時の為にも、

絶対にキスをしてたまるかァ!!

 

「チウしないの…?」

 

しつこっ!

俺と同じマキマさんLOVEのアキも、このしつこさに最後は諦めたんじゃないか?

 

それとも、支配の適応外だったのか?

 

今はそんなことはどうでも良い。

常に物理的に警戒し、急にゲロチューって"ルート"は避けなくてはいけない。

 

 

 

『ヤッホー、デンジ君。ベロチュー"また"する?』

 

 

 

これはあの時見た夢だ。

正夢ってのは半分冗談だったが、姫野先輩の強制力は侮れないかもしれない。

 

姫野先輩には悪いが、前回同様に話を反らしては、マキマさんとの信頼が築けない。

 

「姫野先輩、何度も言ってますが、俺がしたいのは別の人で、姫野先輩じゃない」

 

「ぐへえぇぇぇん!!!」

 

姫野先輩は泣き落としを始めた。

さっきからチラチラこっちを見てるから分かる。

気付かれないとでも思っているのだろうか?

 

とにかく、勘違いされていたとしても問題はないだろう。

 

泣き落としをし始めた姫野先輩を尻目に、俺はマキマさんに褒めて貰いたくて、岸辺隊長の指導が上手く行ってる事を伝えた。

 

「うん、聞いたよ。デンジ君は凄いね」

 

「本当にスゲーな新人、アキも落とされた姫野の泣き落としに完全シカトとはな!こりゃあ、大物だね」

 

俺に肉を食えと進めてた先輩が俺を褒めた。

 

やっぱりアキは泣き落としで負けてたか。

 

「それにしても、どうしていきなり編成の変更をしたんですか?岸辺隊長からの指導なら、新人三人をやって貰って、俺と姫野先輩でパトロールをすれば良いのではないですか?

デンジの正体も気になりますし…」

 

ああそうか、アキは6課の存在は知らされてないのか。

確かに疑問だよな。

 

俺はどうするのかと、マキマさんに視線を送る。

 

マキマさんは意味深な顔をして、ビールを一口飲んだ。

 

「私より飲んだら教えてあげる」

 

「…すいません生ふたつ」 

 

「アハハ、私もソレやるぅ~!生もう一つ~!」

 

この後、ベロベロに酔った姫野先輩から、

ゲロチューが来る。

 

…身構えよう。

 

 

 

 

 

 

オエエエエエ

 

 

 

 

 

ゲロチューが炸裂した。

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。