チェンソーマン マキマルート   作:マイマイマン

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マキマの過去の話2

昔のマキマ視点

 

 

「お父さん、ここはどこですか?」

 

「支配の悪魔。お前は洗脳の悪魔に洗脳され、三人の児童を殺害した為、我々特異1課のデビルハンターが捕獲した」

 

お父さんのいつもの気さくな話し方は無くなっている。と言っても、私を少し避けぎみだったので、私が悪魔であると言うことは前から知っていたのでしょうか。

 

 

これは途中から分かった事ですが、お母さんは私が悪魔だと知った上で育てたいと言ったらしいです。どこまでも素敵な方ですが、少し甘いところもあるようです。

 

私をすぐに捕獲または殺害をしようとしたお父さんの方も一理あります。

 

やはり人間は私が思っているよりも素敵なのですね。

 

「私が支配の悪魔だと気付いていたのですか。それより、私が三人を………誰ですか?」

 

「ハナコ、タロウ、ジロウだ」

 

「嘘…」

 

「本当だ。だが、お前は悪魔に操られていただけなのと、お前の同居を許した俺にも責任があると言うことで、捕獲となった」

 

「そうですか…それで、捕獲された私は何をすれば?」

 

「勉学だ、お前は公安の実験体となった。逃げようとしたら殺す」

 

そう言えば、お母さんはどうしてるんだろう。

私がいなくなって寂しがったりしてるのかな?

 

「お母さんとトモコちゃんはどうしてますか?」

 

「トモコは無事だ。明美は死んだよ」

 

「お母さんが…」

 

「本当だ」

 

お母さん、何故死んだんだろう?

 

「口封じですか?」

 

「…そうかもな」

 

消さなくても口封じなら手段は沢山あるのに。

これは人間の弱みです。良い人と悪い人がいると言う。

私はお母さんのお陰で人間に期待できましたが、期待できない人間もいるようです。

 

例えば、新聞等を読めば分かるように、連続通り魔やお母さんを殺した人達。戦争犯罪人、自分だけ裕福に暮らす独裁者。

 

この世界には消えるべき悪い人が沢山います。

 

なので、期待できる人間は救い、出来ない人間は支配してしまえば良い。

犬の様に元々従順なら自由に生き、生まれつき社会等のレールから外れるような者達は私が支配する。

 

選別ですね。

 

 

人間社会はデビルハンターをやり続ければやがて操れるようになるでしょう。問題はその他。

 

死や戦争や飢餓の悪魔などの、そもそもの概念。これらはどんなに私が選別しても人間である以上は引き起こるでしょう。なので、私とチェンソーマンが力を合わせて全て消します。

チェンソーマンが食べた悪魔は、その名前の存在がこの世から消えてしまう。なので、邪魔な概念を消すことが出来るのです。

 

 

その力を使うためには、チェンソーマンを呼び出す事と、私自身が強くなる必要があります。

 

洗脳の悪魔は殺されてしまったので、また新しい悪魔を探さなければいけません。

 

無力な私はデビルハンター達から見て優等生でなければいけません。

 

なので今は"おとなしく"待ちます。

 

その時が来るまで。

 

 

 

 

 

 

 

昔の成行視点

 

 

『??の悪魔を殺せ』

 

マキマを岸辺に託してから数日がたち、俺はベンチで一服していた。洗脳の悪魔の取り調べも一段落し、俺もアイツと面会できるようになっている。

 

 

「支配の悪魔ねぇ…」

 

 

 

…俺は、ウチの近くをたまたまパトロールしていた。そしたら、血に濡れたマキマを見つけた。

 

…俺はマキマの辿って来た道に誘われたかのように、進んでいった。そして、神社の階段を上り、洗脳の悪魔とであった。

 

洗脳の悪魔から支配の悪魔に、そこの三人は俺が支配の悪魔に殺させた。

そして、君の家族も殺すように命令した。

と言われた。俺は激昂し、すぐに家に向かった。

 

「それじゃあお母さん、トモコちゃん。死んでください」

 

そんな声が聞こえたと同時に、俺は狐の悪魔の腕でマキマの気を失わせた。

 

何とか、間に合った。

私があと一歩遅れていれば、今頃トモコは、明美と同じところに行っていただろう。

 

 

その後、マキマは公安が車で運んだ。マキマの仕業なのか、明美とトモコはマキマに殺されかけた記憶が飛んでいた。明美はマキマが支配の悪魔であると知っているが、トモコは知らず、教えるわけにもいかないので、トモコにはマキマは引っ越しをしたと言っておいた。

 

支配の悪魔はこちら側に無抵抗だったらしく、俺のバディが捕獲をした。

 

 

 

………何かがおかしい。

 

決定的な何かを俺は掴めていない気がする。

 

なぜ俺はマキマを先に捕まえずに洗脳の悪魔を目指した?

 

なぜ洗脳の悪魔は俺を家まで向かわせた?

 

疑問は沢山あるが、何故か結論を避けるように雑念が出てくる。悪魔の力か?

先程からそれが止まらないので、俺は酒も購入し、頭のネジをぶっ飛ばして考えることにした。

 

そうすると、すぐに答えが出てきた。流石は岸辺の必殺技だ。本当に酒とタバコは使いようだな。

 

洗脳だ。洗脳の悪魔がマキマと俺を洗脳し、何かをしようとした。

何かとはなんだ?公安に入り込む事か。

理由は知らんが、相手の思惑は何であろうと潰すべきだろう。

 

洗脳の悪魔を殺してやろう。

 

 

 

 

酔いとは諸刃の剣である。良いアイデアを生み出すが、正確性に欠ける。だからこそ素面とで使い分ける必要がある。

 

岸辺がこの前言っていたことだ。しかし、今の俺にはもはや何でも良い。ただ、

"洗脳の悪魔を殺せればそれで良い"

 

 

 

「よう、洗脳の悪魔。お前を殺しに来たぜ」

 

「おやおや、この前私を訪ねて来た人やないかい。誰か洗脳でもしたい相手がいるんですやんか?」

 

「ふざけているのか?」

 

「そんなことナイナイ、ホンマすいません」

 

 

腹の立つ野郎だ。コイツからとっとと今回の真相を全て吐き出させて、殺してやりたい。

殺しに来たと言うのが脅しに聞こえたんだろう、したり顔で俺を見てくる。

 

「ほら、全てを吐け悪魔!」

 

「吐かないですよ~!だぁれが吐くもんか!」

 

 

 

 

 

 

 

昔の洗脳の悪魔視点

 

 

『男に私の居場所を伝えろ』

 

私は命令された。命令のままに動く。これは成功した。そして、命令が終わったら新しい命令が下された。

 

『殺されろ』

 

アイアイサー!

 

 

 

 

 

 

 

昔の成行視点

 

 

「おい、洗脳の悪魔はずっとこんな感じなのか?」

 

「そうなんですよ、だから我々も扱いに困っていて」

 

俺から何を言われようと何をされようと意に介さない。悪魔にも痛覚があるはずだが。

…もう我慢は無理だ。

この腹立つ野郎をブッ殺し明美の仇を取ってやる。

 

「死ね」

 

俺は躊躇わずに狐の腕で洗脳の悪魔のしたり顔を吹き飛ばした。後悔はしていない。

 

『洗脳の悪魔を殺せ』

 

俺は最初からこれが出来ればそれで良かったんだ。

公安の意思に背いたと言うことで、俺は刑務所に入った。

 

何をするわけでもない。俺はボーッと過ごしている。さっきまでは暇じゃなかったな。洗脳の悪魔を殺すと言う目的。いや、命令があった。

でも今は何もない、心にぽっかりと穴が空いた様だ。

 

1課の面会を無視した後、マキマがやって来た。

 

マキマは俺に対して感謝の気持ちを述べて去っていった。

 

みるみる内にやる気が沸いてきた。

その後も色んな奴らが来たが、殆どを無視してやった。なぜなら今の俺がやるべきなのは

 

『明日死ね』

 

俺は面接が終わった後に自殺した。契約悪魔が封じられているので、朝日昇ったと同時に舌を噛み千切った。

 

 

 

 

『明日死ね』

 

何故だろう、死ねない。また明日チャレンジするか。

 

 

 

 

ダメだ。次の日にもその次の日にも"死ねない"

 

そんな俺のローカルな悩みを解決しようと色々試みてみたがダメだった。それどころか、途中で監視に見つかり、自殺未遂と認定され、拘束された。

 

『明日死ね』

 

意味が分からない。明日死ねか…

 

「あしたっていつのあしただ?」

 

思わずそう呟いた。すると直ぐに"誰か"から返答が帰ってきた。

 

 

「藤井君!あしたっていまさッ!」

 

俺は何者かに連れ去られた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昔のマキマ視点

 

 

どうやら成功したみたいですね。やはり私の力はとても強い。

 

 

神社で洗脳の悪魔と相対したとき、私が先に洗脳の悪魔を支配しました。この瞬間に、私に必要な手駒は揃いました。

洗脳は支配の下位互換。つまり、倒す為の戦力がなくとも支配できる。それでいてとても便利な悪魔。

 

洗脳の悪魔は理由は分かりませんが、私を欲していました。ですが、その理由を洗脳の悪魔から聞き出すことは恐らく不可能です。

 

洗脳の悪魔は秘密にしました。自分の目的を。

そして、悪魔にとっての秘密と言うのはとても大切なものです。例えば、知られたらどうしようもない弱点だとかそう言ったもの。

悪魔は転生します。悪魔は死んだら記憶を失います。

 

ですが、死なずに残っている悪魔は記憶も残っています。そしてそれを紙だとかに記しておくことも出来ます。つまり、一度弱点が知られれば、それは次の転生で、自分は相手が自分の弱点を知っていることを知らないのに、相手は自分の弱点を知っていると言う状態になります。

 

これは悪魔にとって、由々しき事態です。洗脳の悪魔から見るならば、支配が洗脳の上位互換と言う事実でしょうか。

 

彼が次に転生したとしても、私が生きている限り負けることはありません。恐らく瞬殺となるでしょう。捕獲も容易となるでしょう。

 

なので、悪魔は基本的に自分の弱点を晒す可能性が生まれたら、自害をします。そしてそれは別の悪魔との契約となるでしょう。

 

もっとも、悪魔同士のコミュニティを築けていなかったり、そもそも死ぬことが殆どあり得ないような悪魔は自害の為の契約などはしないでしょうが。

 

こう言った理由から、支配の力で無理矢理秘密を探ることはせずに、たった一つの命令を与えました。

 

私が洗脳の悪魔に最初に与えた命令は、

 

『男に私の居場所を伝えろ』

 

ではなく、

 

『私を洗脳状態にし、私の家族を支配させ、「殺す」と言うニュアンスを含めた言葉をお父さんが来た瞬間に発せ』

 

としました。

そして、目標が達成したら次の命令が来るようにもしていました。

 

『男に私の居場所を伝えろ』

 

達成したなら

 

『殺されろ』

 

ですが、洗脳の悪魔はあっさりと捕まってしまい、殺処分が全くされなかったらしいので、とても危なかったです。

 

洗脳の悪魔が死ななければ、私の洗脳も解けません。危ない賭けでしたが、デビルハンターが捕獲をすると言うのは私にとっては信じにくかったですし、そもそも私の読んでいた本に捕獲するなど書かれていませんでした。

 

ですから、これは大きな失敗とも言えるでしょう。保険を張っていなければ。

 

 

もしデビルハンターが洗脳の悪魔を駆除しなかった時の為に、既にお父さんにはこう言った命令をしていました。

 

『私に関わった悪魔を殺せ』

 

これは私自身を守る手段でもあり、手駒に私の責任を押し付けるための保険でもありました。

今回の場合は、私に関わった悪魔と言うのは

洗脳の悪魔となりました。

 

ちなみに、洗脳の悪魔と言う責任を押し付けるのに丁度良い悪魔でなければ、お父さんへの支配を止めて、私の直接的な武器にしていました。

 

とにかく、今回は私の保険が上手く働いた結果となりました。更に、悪魔には隔離施設のような物があると言う事実も間接的に分かりました。

 

賭けをした甲斐がありました。

 

その後の私は、なにもする必要はありません。お父さんが何とか洗脳の悪魔を殺してくれればそれで問題は解決です。

 

 

今の私がいると言うことは、お父さんが暗殺を成功したと言うことになります。その事実は私にもすぐに入ってきました。

 

私は感謝の気持ちと新しい命令を与えてその場を去りました。新しい命令とは

 

『明日死ね』

 

です。私の責任にされると厄介なので、次の日にしておきました。それでも不信感が生まれてしまうかもしれませんが、権力を持てばそんなものは幾らでも潰せるようになるでしょう。

 

デビルハンター達の大きな失敗は、私をお父さんに会わせてしまったことです。

 

家族なんだから会わせてあげるべきだと言う人間の弱点、甘さが出てしまいました。いえ、そもそも私が無害だと考えたのが運の尽きでしたね。

 

私は人間の愛を知りましたが、それでも悪魔です。お母さんが死んでしまったのはとても残念ですが、そもそも死がなければお母さんはいなくなってはいませんでした。

 

争いがなければ私が洗脳の悪魔と敵対する必要も、洗脳の悪魔が何かしらの理由でタロウ君を捕まえることもありませんでした。

 

やはり、この世界は根っこから腐っています。

私とチェンソーマンが変えていかなくてはいけない。

 

 

 

数日後、お父さんが何者かに連れ去られたと言う事聞きました。

…少し面倒くさいですね。

 

 

 

 

 

 

 

昔の岸辺視点

 

 

藤井先輩が遂に狂った。いや、狂人っぽい所はあったが、根はとても真面目な人間だったはずだ。これらには違和感がある。俺は頭の中に生まれた、ほんの小さな違和感の火種を絶やさぬように、アルコールで火種を煽った。

 

これは支配の悪魔の仕業ではないのか?

突拍子も無く、周りにこの考えを言っても即座に否定されるだろう。

それもそうだ。あんな"良い子"が裏工作をする何て、普通は考えない。

 

だが酒を飲めば普通じゃなくなる。そして俺はその疑念を今後も持ち続けるようになるだろうと言う、確信めいた感覚を持っている。

 

疑念は常に持ち続ける。そうしないとデビルハンターなんてやってられない。しかし、人間にも限度があるので、酒、女、悪魔狩りでリラックスしないといけない。

 

 

「行くぜクァンシ、富士岡隊長、悪魔狩りだ」

 

「了解」

 

「…」

 

 

藤井先輩の元バディの富士岡先輩が1課の隊長となり、今後はやっていくこととなる。

 

今回はパトロールではなく悪魔狩りだ。

1課でも強力な三人で出撃となる。

 

基本的に負けることは無い。

だが、今回の悪魔は勝つことも難しそうだ。

 

 

 

 

「なんだコイツ、全然死なねぇぞ」

 

 

 

 

 

 




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