獅子と天使のコンチェルト   作:レオ2

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天使と地獄

6月の第二日曜日。

虎舞獅子の1日は早い。

早朝,都内のワンルームで眼を覚ました彼は,運動着へと着替えて近くの公園までランニングをする。公園に着けば,子供がいない遊具を用いて筋トレを始める。彼の背中には20キロの重りが乗っている。腕立て500回,腹筋300回。体幹運動を3セット。これに加えて日によってはトレーニングを増やす事もある。

 

「ふっ!」

 

彼が一蹴りすれば,その風圧でずっと先の葉っぱまで浮き上がり,

 

「はっ!」

 

彼が拳を突き出せば,宙を穿つ。

その重さとスピードは,本当に重りを付けているのかすら分からないほどに軽やかなものだ。

 

これほど外野から見れば重い修業を朝早くからするのには理由がある。午後は違う事に時間を使いたいのでトレーニングは朝と夕方にすると決めている。

 

今日のトレーニングを終えた彼は,部屋へと戻りシャワーを浴びた後にネットニュースに眼を通す。今日のネットニュースはある一つの項目が大きく出ていた。

 

 

『各国で暗躍するテロ組織,マグマの怒り(Magma Of Anger)。今度はアメリカか。』

 

 

内容は,近年世界のあちこちで多発するテロ,そしてそのテロを起こしているテロ組織の事だった。今や被害は近年だけのものをいれても被害総額・被害人数共に甚大なものになっている。

日本も例外ではない。最も,日本の被害自体は他の国に比べればマシなものではあるが。

 

「また奴らか…」

 

頭の中で怒りの炎がふつふつと膨れ上がるが,それを見ないふりをして獅子は支度を始める。

いつものナップザックにおむすびをぶち込み,本も入れたあと真紅のロングジャケットを纏い外に出た。今日は外の図書館で課題をこなす予定だ。

今回の課題はレポートで,ただのレポートではなく目的・方法・結果・考察・引用文献というどちらかと言うと論文調のレポートだ。だから少し…いや結構面倒である。

如何せん,同じ実験の面子とは全く交流もなく故に協力しあえる人間もいない。

このレポートも実験の面子と協力した方が早く終わるのだが,誰もが彼とは関わろうとしないので自然と1人でやるしかなかった。

 

「やっぱ,図書館は早めに来るのに限るな」

 

開いたばっかりの図書館で人がまばらな時は席が取り放題,電源コンセントが付いている席を取る事に成功し獅子は直ぐに課題を始めた。と言っても,もう既に結果までは書き終わっているので後は考察と引用文献のみだ。

 

「はぁ」

 

恐らく,どの実験の面子よりも早くレポートを書いてはいるがやはり1人でやるには結構キツイかもしれない。だからこそ早めにやらなければ提出期限に間に合わないのだが。

 

「よし,終わった」

 

時間が経つのは早いもので,彼がレポートを終わらせる頃には既にお昼の時間が過ぎていた。周りを見てみると,勉強や仕事,読書をしている人が大半であり静かなものだった。

 

「よっ」

 

獅子は貴重品をナップザックに入れて席を立った。図書館の中にはカフェスペースがあり,基本的に自由に使う事が出来る。獅子は紅茶を買った後,椅子に座り少し遅めのお昼にした。このカフェスペースと,一部の階は大きな窓があり外を眺めながら食する事が出来る。

今日のおむすびは昆布である。おむすびを食べながらスマホを見ると朝にはなかったニュースが舞い込んでいたり,朝のニュースの続きがあったりと情報が沢山あった。

その中で獅子はマグマの怒り,通称MOAの遍歴を辿るページを見つけてクリックした。

 

MOAが活動を始めたのは今から20年前,イギリスのロンドンで大規模な爆破テロを起こしたのが最初らしい。

 

『人間の真の自由の為,我が軍門に下れ』

 

どこのアニメだよ,と心の中でツッコみをいれる。しかし実際,彼らの主犯はこれまで捕まってはいない。この20年間だ。捕まった奴らがどうなったのかは知らないが,スヤスヤと安眠出来る状態ではない筈。寧ろ,ここまで忠誠心があると自殺も辞さないと考えられる。

 

下にスクロールしていくと遍歴の続きが書いてありアメリカやロシア,軍事国家までテロを仕掛けている。それもどこもゲーム感覚で潰しているように感じる。

 

(正気な人間がする事じゃないな)

 

更に15年位前からは,サイバーテロまで起こしているらしい。

テレビ中継を乗っ取り,テロの様子を電波に乗せてる。このテロ組織によってどれだけの人が涙を流したのか。

 

燃え盛る地獄の中を駆け抜けていた自分の姿が脳裏によぎる。泣いて泣いて泣きまくって,地獄の果てに辿り着いた時の自分は今もいるのだろうか?

 

「…くだらん」

 

過去を切り捨て,乗り越えて今を生きている。

くだらない感傷に浸ったと反省して図書館に戻って席に戻り,ミステリー小説コーナーに向かった。

この前でた新刊が貸し出しをスタートしたと告知があったからだが

 

「…ないな」

 

新刊だからこそ,直ぐになくなっていた。それを少し残念に思いながらもないものはしょうがない。

 

「今日は違うベクトルの本でも読んでも見るか」

 

そう言って獅子は文学書コーナーに向かった。文学系の本はそれほど読んだことはない。だからふとどんな本だろうと思ったのだ。

 

(先客か)

 

人がまばらな文学コーナーで,1人の高校生位の女性が棚の上の方にある本を取ろうと背伸びをしていた。ただ,取りたい本が一番上の棚にあるからかどれだけ背伸びをしても届かず困っている様子だった。

別に無視してもいいのだが,気が付いたら彼女の隣に並び彼女が取ろうとしていた本を取った。

題名を見ると「汚れつちまつた悲しみに……」

 

(中原中也か)

 

有名な詩で呼んだこと自体はないが,文学系に疎い獅子でも知っている名前だ。ふと視線を感じ隣を見ると,先程の女性が当惑した様子で見ていた…気が付いた。

ピンクのショートヘアーに,あの時のような白い肌にキレイな瞳。

 

「虎舞…さん」

「…桜田か」

 

あの時のような水着ではなく,きちんと学校のセーラー服の美夢である。彼女は驚いたように止まって獅子を見つめていた。その見つめられている獅子は居心地が悪そうに手にある本を美夢に押し付けるように渡した。そしてそのまま迅速に場を離れようとする。

 

「じゃあ」

「待ってください!」

 

だけど,そうは問屋が卸さない。滑らかに場を去ろうとした獅子は捕まった。ここで無視しても良いのだが,その場合は美夢から加賀美に報告されてこの後のバイトに支障が出るかもしれない。美夢の家がどれだけ凄い所なのかは知らないので,何か不味い事をした場合に自分の首が飛ぶ可能性の方が高い。

そこまでの思考をほんの数秒でした獅子は仕方なく振り向いた。

 

「——!」

 

振り向いた獅子は少し面くらった。美夢がどこか嬉しそうにしていたから。

 

「また,会えましたね!」

「…こんな所で何してんだ?」

 

ニルヴァーナ以外の場所で生徒と会うと言う状況が今までになかったのでどんな対応するのが正解なのか分からなかった。

 

「今日は作詞のお勉強を…虎舞さんはどうしてここに?」

「大学の課題をやりに。」

「そうだったんですね…課題の方は終わりましたか?」

 

課題をやりに来たと言う割に机が立ち並ぶ場所ではなく本のコーナーにいる事に疑問に思ったのか聞いてきた。

 

「…一応終わったが」

 

獅子は何だか嫌な予感がした。何か今から引きずり回されるような…そんな予感が

 

「で,でしたら今から一緒にお買い物に行きませんか?」

 

獅子の方が15㎝高いので,必然として獅子を見上げる形になる。だけども今,美夢は自分でも不意に出てしまった提案で内心パニックになっていた。なのでまともに獅子の事を見ることが出来ず目だけを向けていた。つまりそれは美夢の上目遣いが炸裂しているということでもある

 

(これも家で習った人堕とす為の所作か)

 

しかし,美夢の無意識な行動も獅子には裏があるのではないかと勘繰った。

 

「…何が目的だ」

 

だから少し語尾を強めて聞いてしまった

その少し怖い言い方に一瞬ビクンとした美夢は,今度はきちんと獅子の顔を見て返した

 

「私,虎舞さんともっとお話がしたいと思ってたんです。ここで出会えたのも,きっと神様のお導きだと思うんです!」

 

神様…そのワードを聞いた獅子は眉をひそめた。

 

「虎舞…さん?」

 

その険しい表情に美夢は不安になって名前を呼んだ。

 

「君には悪いが,俺は神なんざ嫌いだ」

 

神の導き,それは美夢が幼少期から信じている事であり大事にしているものだ。今,彼女が出来ているDJ活動だって幾度もピンチが襲ってきた。だけど,自分達の今までしてきた事,その積み重ねがいつも周りを変えてくることが出来た。

主が見守ってくれたからこそ,自分は今も健やかに成長しているんだと。

 

「どうして…ですか?」

 

だから美夢にはそれが信じられなかった。神様はいつも見守ってくれていると,自分達を導いてくれていると信じているからこそ。

 

しかし,獅子は吐き捨てるように答えた

 

「必死に生きてる者を見捨てるのが神なら,そんな神必要ない。」

「そんな…主様に見放されてでもですか?」

 

神様へ絶賛反抗期中の獅子へ美夢は思わず問いかけた。これまでその導きを信じてきた美夢からしたらそれほど強烈な言葉だった。

 

「勝手に見放せばいい。天に見放されようと,俺はこの手で光を掴みとる。」

 

神の導きでもなく,自分自身の力でそれをつかみ取る。

勿論美夢だって何事も真剣に向き合い努力を重ねている。だから獅子が言わんとしてる事も分からないでもない。だけど,どこか胸には不安が宿った。

 

「勘違いするなよ,俺が嫌いなだけでそれを君に押し付ける気はない。だが逆でもある。お前も自分の考えを押し付けるような事はするな。」

 

それは獅子の最低限のフォロー,あくまでも自分の考えだから気にするなと言う気遣い。

 

「は…い」

 

しかし,否定されたことはそれだけで美夢の心にダメージを与えた。如何せん,周りは自分を肯定してくれる人達ばかりで,自分もその周りの期待にこたえたいとしてきたので否定というものをされたことが少なかったからだ。

だから真っ向からの否定というものに慣れていない。

心から落ち込みを見せる美夢の顔は少し暗かった。

 

「…なに買いに行くんだ?」

 

基本的に笑顔の彼女の顔が曇っているのを,獅子は少しの罪悪感が胸を貫いてきた。それに少しキツイ言い方をしたのも自覚はあるし今後のバイトに影響を与えることになれば困るのは自分だ。

ただ買い物に付き添うだけでその危険が無くなるのなら安い物だろう。どの道今日は帰ってすることなんて筋トレくらいしかなかったのだ。

 

獅子の呟かれた言葉を聞いた美夢は弾けたように獅子を見上げた

 

「え…良いんですか?」

「別に行かなくてもいいなら帰る」

「あ,一緒に行きます!行きましょう!」

 

一瞬でその表情を満面の笑みに変えた美夢を見た獅子は,ふっと少し微笑んで背を向けた。

 

「じゃあ荷物纏める」

「私も行きます」

 

2人は自分の席に戻って荷物を持って図書館の出入り口で待ち合わせた。

 

「お待たせしました!それでは参りましょう」

「…ああ」

 

そのまま2人は並んで歩を進めた。

こういった時,本来なら会話を繰り広げたい所なのだが先程の事があり何となく話しかけにくい空気になってしまった。ついでに言うなら獅子は自分から話を振ろうと思っていない。

その代わりとは言っては何だが,観察はしていた

 

(有栖川学院…確かにそりゃお嬢様だわ)

 

美夢の着ているセーラー服,その首元にある百合の紋章は彼女が通っている高校の校章,世間に疎い獅子でも知っている超名門校。その歴史は長く,社会へ貢献できる淑女を育成する事を目的とした伝統校…有栖川学院。その権威は凄まじく,各界での有名人を排出している。

 

「あ…あの」

「何だ?」

「その…お名前で呼んでもよろしいでしょうか?」

 

何を一々勇気を出す必要があるのかと思うのが獅子の本音ではあるが,聞かれた以上は答えるしかない。

 

「勝手にしろ。」

「ありがとうございます!」

 

心から嬉しそうな声を出す美夢に少し呆れたが,そんな事一々気にする必要もない…と思ったらまた隣から声をかけられた

 

「獅子さんはお休みの日は何をしていらっしゃるんですか?」

「日によるな。今日は課題してたし,ニルヴァーナに行く時もあるし,大学も行く時あるし」

「そうなんですね。大学はどちらに行かれてるのですか?」

「…星朋大学」

「そうなんですか?!」

 

美夢が驚いたように声をあげたので獅子がそちらを見ると,美夢は上品に口を押えて驚きを表していて上品だなと思った。すると次には嬉しそうに声を張った

 

「私のお友達も星朋大学に通われてるんです!凄い偶然ですね!」

「…そうだな。」

 

傍から見れば女性が一所懸命に男性側に話題を振っているのにもかかわらず,それを淡泊に返事すると言う最低な事をしている訳だが,これは正直獅子がいつもしている事である。

昔からこうして他人との会話を避けていたために起こった悲しい出来事だ。…壊滅的にコミュニケーション能力がない。

 

「…獅子さん,やっぱりご迷惑でしたか?」

「迷惑かどうかは俺が決める。そもそも迷惑なら最初から一緒に来てない。」

 

彼らが目指すショッピングモールが見えても,未だに微妙な空気が漂っていた。9割がた獅子のせいなのだが,それをどうにかするほど獅子のコミュ力はない。

 

(ん…,なんだ?)

「…獅子さん?」

 

そこでふとショッピングモールの周辺に止まっていた鳥たちがざわめいているのに気が付いた。鳥のざわめきはアニメとかなら災難の前触れなのが常だ。もう少しで入口という所だったが,獅子は背筋に嫌な予感が通り過ぎたのを感じて美夢の腕を掴んで止めた。

思い切り『どうして?』と言った表情で見る美夢を視界の端に追いやり,獅子は眼を閉じて周囲の気配を探った。

 

(周りに不審な動きをしてる奴はいない。俺の勘違い?…違う)

 

瞬間,前のガラスのドアの先からとてつもない熱気を感じた獅子は,強引に美夢の腕を引っ張って思い切り後退した。

 

 

ドーンッ!!

 

 

後退した瞬間にショッピングモールの中からとてつもなく重い音と熱気が獅子達を襲ってきた。

 

「チっ!!」

「キャッ?!」

 

その爆発の後ろで別の爆発音がしてる事に気が付いた獅子は,美夢を自分の身体に抱き寄せて耳を塞ぎ,視界も閉ざさせた。そして出来るだけ後ろまで下がった。

 

「な,なに?!」

 

胸の中で美夢が何かを叫んでいるが,獅子もそれ所ではない。内側から連鎖爆発を起こしているショッピングモールの炎が2人に向かって襲ってくる。それを左右に飛んで躱すと,次にはショッピングモール上階部分から爆発が起こり,その残骸が周囲に落下してきているではないか。

 

「「キャーーッ??!!」」

 

残骸と言っても,それなりの高さから落ちてくる瓦礫は身体のどの部分に当たっても凄まじい破壊力を伴う。か弱い女性など簡単にその場から動けなくなる。それに,脳天にでもぶち当たれば一瞬であの世行きだ。

おまけに爆破解体の時のように計算された爆破ではないので周囲にどれくらい瓦礫が飛ぶのかも分からない。獅子は飛んでくる瓦礫を一瞬で視界に収めて,美夢を抱いたまま飛び退いたり,左右によけたりして離れた。

 

――ぐしゃり

 

不吉な音が聞こえたが,それを聞こえないふりをして獅子は瓦礫を躱していく。

 

(ここくらいならいいか)

 

ある程度飛び退き,獅子はようやく身体を止めた。獅子の中で動きが止まったと感じた美夢は,ゆっくりと身体を起こそうとした。

 

「獅子…さん?」

 

だがそれは獅子が許さなかった。起こそうとした美夢を少し強めに抱き寄せ,周囲の視界を塞いだ獅子はどこか感情が読み取れない声色で話した

 

「お前は見ない方が良い」

「え…?」

 

「ママ!!ママああ!!」

 

美夢の耳をふさぐのをやめていたタイミングで,美夢の耳に小さな子供が母親を一所懸命に呼ぶ声が聞こえた。その叫び声はとても必死で,泣きそうな声。だけど今は獅子に視界も塞がれているからどうなっているか分からない。

その獅子が見ているのは,ショッピングモールの下で泣いている小1か小2の男の子と,その足元で瓦礫に潰されている女性がいた。既に瓦礫の中から女性の血が溢れてきていて,恐らく…死んでいた。それを見た獅子の抱きしめる力が,少し強くなったのを美夢は感じた。

 

(獅子さん?)

 

そしてもう一度起こる爆発,落ちてくる瓦礫。瓦礫は爆発が起こるたびに多くなっていた。その一つが泣き叫ぶ少年に迫っていた。そして思い出すのは,少年と同じように泣き叫んでいた過去の自分

 

「お前はここにいろ!!」

 

そう言って抱擁していた美夢を後ろにやり,近くに落ちていた瓦礫を思い切り蹴った。蹴られた瓦礫の軌道は綺麗に少年の上に落ちてきていた瓦礫に直撃し,その軌道を変えた。

そのまま降って来る瓦礫を躱しながら少年に近寄りその小さな腕を掴み美夢の元へ連れていこうとした

 

「おい行くぞ!!」

「やだ!!ママが…ママを助けてよ!!」

 

しかし,その小さな体のどこにそんな力があるのかと思う程に強く振りほどかれ,少年は母親にすがりつく。それはまるであの日の自分に重なった。その時,少年の足元から今にも消えそうな声が聞こえた

 

「おね…がいしま…す。この子を…」

 

今にも死にかけているその状態のどこにそんな気力があるのかと獅子は思ったが,それはあの日の母親も一緒だった。どうやら母は強いらしい。獅子の答えは,すがりついている少年を腹から持ち上げて退散する事だった。その時,獅子は最後に母親の方へと向いた。彼女は息子がその場を離れられそうだと分かると,その口元に慈愛に満ちた笑みを浮かべ…もう動くことはなかった。

 

「獅子さん!!」

 

遠くから美夢の叫びが聞こえ上を見てみると,獅子や母親がいる所に二つ目の瓦礫が落ちてきていた。その瓦礫を受けると母親は…肉片が形を保っているかも分からなかった。

 

「ママ…ママ――ッ!!」

 

獅子は肩から聞こえる少年の叫びを聞きながらその場から離れ,背後で肉片が砕け散る音が聞こえた。

 

 

 

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