無職転生〜2周目だけど本気だす〜   作:そこらへんの競走馬

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第八話「エリスの気持ち」

 

 

 

「んぁ」

 

 起きた。

 起きたは起きたが半分寝ているような感覚だ。

 

 なんだろう。凄く心地いい。慣れないベットのはずなのに。なんでだろうな〜

 そうか、いい匂いがするんだ。花のような香り。

 それに右手の感触もいい。ふにゅふにゅしている。

 

 あー? ふにゅふにゅ? ああ゛? 

 

「うぉぉぉ!」

 

 半分寝た状態から一気に覚醒し、飛び起きた。

 そして違和感の正体を探る。それはすぐに見つかった。

 

「え、エリス!?」

 

 俺の布団にエリスがいた。俺が寝た時にはいなかったはずだ。つまり俺が寝てから布団に入ったってことか。

 

 ん、まてよ。じゃあさっきのあの感触は……

 

 俺は目を見開きエリスを見た。いや、違うな。見たのはエリスだがエリスじゃない。

 そう、エリスのおっぱいである。

 

 確認だ。確認しなくては! 

 おっぱい目掛けて手を伸ばした。

 

 ふにゅん

 

 こ、この感触! 正しく先程と同じだ。

 小さくも柔らかい。発展途上であるからこその素晴らしさ。大きく実ると分かっていると余計にありがたみを感じるな。

 

【ホッホッホ。気づいたようじゃの、隠されし財宝に。それは今しか拝めない貴重なもの。丹精込めて育て上げるのじゃよ】

 

 お、おっぱい仙人! 

 お久しぶりです。是非ともまた俺をお導きください。

 

「まさかおっぱい仙人にまた会えるとは」

 天を仰ぎ、そう呟く。

 

 ゾク……

 

 凄い悪寒がした。

 ばっ、と振り返る。猛獣だ。そこには猛獣がいた。

 鋭い目で俺を睨みつけている。このまま殺されるかもしれない。

 

 そこで気づいた。俺の右手がまだモミモミと動いていることに。手を胸の上で停止させ、朝の挨拶をする。

 

「お、おはようエリス」

 

 ぶぺらぱ! 

 エリスの拳が俺にクリーンヒット。吹っ飛ぶようにベットから落ちた。

 

「い、いくらルーデウスでも許可なく揉むのは許さないわ!」

 

 はい。すいません。

 いや、許可取ればOKなんすか? OKなんすね? 

 

「おっぱい揉んでいい?」

「ダメよ! さっき揉んだでしょ」

 

 そっすね。揉みしだきました。ごめんなさい。

 しょんぼりしているとエリスが慌てて付け加えた。

 

「明日からは言ってくれれば良いわよ!」

 

 ま、マジすか、ありがとうございます。神様仏様エリス様。

 と、まぁこんな茶番は置いといて、

 

「ねぇ、なんで俺のベットにいるの」

「そ、それは……」

 

 エリスが顔を赤らめる。

 あれあれあれ〜? 形勢逆転ですかな? 

 

「ルーデウスと一緒がよかったからよ……」

 

 い、いや。面と向かって言われるとなんかこっちも恥ずかしいな。

 てか可愛いエリス。全く、家の嫁は全員可愛くて困っちゃいますよ。うへへへへ。

 

 

「それよりルーデウス! 起きたのなら走りましょう」

「え、?」

「朝のジョギングよ!」

 

 ジョギングか。エリス毎日朝は走ってたもんな。

 

「えっと今も走ってるの?」

「もちろんよ。7歳から走ってるわ」

 

 ドヤ顔をするエリス。

 確かにエリスの身体は程よく引き締まっている。9歳の少女にしては美しすぎる身体だ。これは日頃の訓練の賜物だな。

 

「分かった。じゃあ走ろう」

 

 まぁ筋トレにはいいだろう。やって損はない。

 俺が快諾するとエリスは目を輝かせた。

 

「じゃあ直ぐに着替えて中庭にきてね」

 

 そう言いながら俺の部屋を出ていくエリス。

 

 まったく。元気なのはいいんだが気をつけて欲しい。朝に俺の部屋から出てくるところを誰かに見られたら俺まずいんですけど。

 

 

 

 

「ぜぇ、はぁ、ぜぇ、はぁ」

 

 俺は今猛烈に後悔している。完全に見誤っていた。

 何が筋トレには丁度いいだ! 数分前の俺を殴ってやりたい。

 

「だらしないわね! ルーデウス」

 

 いや、そんなこと言われても、、、

 そもそもエリスは9歳、前世は剣王。かく言う俺は7歳、前世はしがない魔術師。体力に差があるに決まっていた。

 

 そして長い! 走る距離が! 

 ボレアス家の広い庭を5周って、多分3000mくらいあるぞ。

 中高生が走る距離だろこれ。

 

 その後も血反吐を吐く思いで走った。

 そしてなんとか走りきった。

 パウロとの訓練を真面目にやっていなかったら無理だったな。

 

「や、やっと終わった」

「体力落ちたんじゃないルーデウス」

 

 そりゃ落ちとるに決まっとるわ! 

 あぁ゛汗かいた。体拭きたい。

 

「え、エリス。部屋に戻って着替えよう」

「分かったわ。私はまだ走るから先に戻っていて良いわよ」

 

 ま、まじか。まだ走るのか。流石としか言いようがない。

 

 そのまま走り出したエリスを後ろに俺は屋敷へ戻った。

 

 

 

 

「お疲れ様です。ルーデウス様」

 

 自分の部屋へだらだらと歩いていると廊下で執事のトーマスさんに会った。

 

「ああ、見ていたんですかトーマスさん」

「ええ、随分とエリス様と仲がよろしいですな」

 

 そうなんですよ。なんたって奥さんですからね。なんて言えるはずもなく。

 

「幸運なことに好かれているようです」

「羨ましい限りです。それはそうとこちらをどうぞ」

 

 そう言いながら水の入ったコップを渡してくる。

 流石は執事。用意がいいな。

 

「ありがとうございます。頂きます」

 

 俺はコップを受け取ると一気に飲み干した。

 正直喉が乾いていたので非常に助かる。

 

「ご馳走様でした。コップお返しし、ま……」

 

 やばい。めちゃくちゃ眠い。な、なんで……

 ああ、ダメだ。もう、考えられ……な……い。

 ニンマリと笑うトーマスの顔を見て、俺は眠りに落ちた。

 

 

 

 〜エリス視点〜

 

 目が覚めると赤ん坊だった。

 最初に目に入ってきたのはお父様とお母様、そしてお爺様。

 みんな死んでしまったはずの人たち。自分は天国に来たのかと思った。

 

 ある程度日が経ち、どうやら生まれた時に戻ったのだと気づいた。

 ワクワクした、ドキドキした。だってあの最高の人生をもう一度味わえるのだから。

 だが現実はそう甘くなかった。

 

 最初のうちは楽しかった。喋るのが早い、運動神経がいい、剣の才能がある。そういった風に周りからチヤホヤされた。悪い気持ちではなかった。それにお父様もお母様もお爺様も生きている。

 

 でも誰も覚えていなかった。お父様達は覚えてなくても別に問題は無い。ショックだったのはギレーヌだ。

 

 師匠であり、友だと感じていたギレーヌは私の事を覚えていない。

 あの辛くも楽しかった修行の日々を忘れ去ってしまったギレーヌ。

 

 そこでふと思った。

 ルーデウスも忘れてしまっているのでは……と、

 

 不安で胸がいっぱいになった。今すぐ会って確かめたくなった。

 

 1度家を出て会いに行こうとしたことがある。だが周りに止められた。色々とあったが結局は会いに行けなかった。

 でも大丈夫、待っていれば来るはずだ。そう思って耐えた。

 

 その間に沢山の家庭教師が私につく。

 初めのうちは真面目に聞いてやっていた。だがある日家庭教師に触られた瞬間、寒気がした。鳥肌が立って、酷い嫌悪感を感じた。

 

 家庭教師はルーデウスでないといけない! 

 

 その思いを強く感じた。

 とりあえずそいつは殴った。そうすれば辞めると知っていたから……

 次に雇われた奴も殴った、その次も、次の次も……

 

 そうこうしていると9歳になった。

 まだルーデウスが来るという兆しはない。

 

 不安は高なるばかり。そこで思い切ってお父様に家庭教師についての要望を言った。絶対にルーデウスが来るような要望を。

 

 その作戦は上手くいき、結果ルーデウスが来た。

 嬉しさと不安が絶頂に達する。

 ルーデウスは私の事を覚えているだろうか。その気持ちでいっぱいになる。

 

 そしてついにルーデウスが私の目の前に来る。

 懐かしい幼い頃の小さなルーデウス。彼は私を前にすると言った。

 

「えっと、今日から家庭教師になる、ルーデウス・グレイラットです」

 

 敬語だった。落胆した。悲しくなった。泣きたくなった。

 でも、ルーデウスは何も悪くない。泣くのは我慢した。

 

 それから彼は胸を揉んでいいか聞いてきた。

 

 それを聞いた瞬間反射的に殴っていた。でも少し嬉しかった。ルーデウスはルーデウスのままだと感じたから。

 

 だが嬉しいことはこれでは終わらない。

 彼は私のパンチを食らってこう言ったのだ。

 

「相変わらずいいパンチだな」と、

 

 相変わらず、相変わらずと言った。

 頭の整理が追いつかなくなる。そんな私をおいて彼は言い続ける。

 

「どうしたんだいエリス? 俺の事忘れちゃったのかい?」

 

 その一言で全てわかった。ルーデウスは覚えている! 

 

 彼を部屋に連れ込み、彼の胸の中で泣きじゃくった。

 それに応えるように彼も私を撫でてくれた。

 幸せな気持ちが心を満たしていく。

 

 暫くたって落ち着いた。

 そしてルーデウスと言葉を交わす。どうやらシルフィとロキシーも覚えているらしい。親友以上の関係である彼女達もなんだと知り再び嬉しくなった。

 

 

 その日はあっという間に時間が過ぎ、もう寝る時間となってしまう。

 少しでも一緒にいたくて彼のベットに潜り込んだ。

 

 朝になって彼に胸を揉まれていた。何となく殴ったがルーデウスなら構わない。そしてそのままランニングへ、

 

 ルーデウスの体力は落ちていた。でも楽しかった。

 走り終え、自室に戻り着替える。そして先に部屋に戻ったルーデウスの元へ向かった。

 

「ルーデウス、入るわ」

 

 返事が返ってこない。不思議に思い勢いよく扉を開く。

 そこにルーデウスはいなかった。ただ机の上に手紙があるのみ。

 

 その手紙を拾い上げ、読んでみる。

 

【ルーデウスは預かった。無事に返して欲しければ指定された場所に1人で来い】

 

 手紙にはその文字と地図がついていた。

 文字は一部しか分からなかったがルーデウスがさらわれたのは分かった。

 

 殺す。

 

 猛烈な殺意をみなぎらせ、すぐさま出かける準備をした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「へへへ、ほんとに1人で来るとはなぁ」

 

 街の中のとある路地裏。

 地図に書いてあったそこに私は一人で来た。

 

 居たのは帯剣した男2人と手足を縛られて寝ているルーデウス。

 見たところそんなに強そうでは無さそうだ。ルーデウスがあんな奴らに遅れを取るはずがない。なにか卑怯な手を使われたのだろう。

 

 剣を構え斬り掛かろうとする。

 するとチビな方の男がルーデウスの首元に剣を当てて言い放った。

 

「おっと、動くんじゃねぇぞ。こいつがどうなってもいいのか? あぁ?」

 

「チッ……」

 

 ムカつく。あんな奴ら、ほんとに大したこと無いのに。

 でも今の私の身体能力とリーチの長さだと届かない。あと3年もすれば2秒で2人とも斬り殺せるのに……

 

「剣をおいてこっちに来な!」

「…………」

「早くしろ!!」

 

 ……仕方ない。剣を置いて奴らの方に行く。

 すると1人は私をおさえて手を縄で縛った。

 縛られる最中に殴って倒すこともできた。だがもう1人がずっとルーデウスの首に剣を当てている。

 これでは1人倒しても間に合わない。

 

 だから大人しく縛られてやった。

 そしてそのまま私とルーデウスは馬車に連れ込まれる。

 どこに向かうのかは分からない。だが1つ言えることがある。ルーデウスを手放したのは悪手だ。すぐぶちのめしてやる。

 

 

 

 

 〜ルーデウス視点〜

 

「起きなさい、ルーデウス」

 

 小声で誰かが呼んでいる気がする。

 

「早く起きなさいってば!」

 

 か、体が重い。なんでだ? ん? てかいつ寝た? 

 

「仕方ないわね……ふん!」

「ぐはぁ」

 

 痛ってぇ! 腹が、腹が、

 誰かに殴られた。でもおかげで目が覚めたぞ。

 とりあえず俺を殴ったのは誰なんだ。

 

「え、エリスなんで? てかここどこ?」

「静かにしなさい。ここは馬車の中よ」

 

 俺を起こしてくれたのはエリスだった。そしてどうやら馬車の中らしい。どういう状況だ? 

 いや、こういう時は自分の最後の記憶を思い出そう。

 

 確かエリスとのジョギングを途中でギブアップした俺は自室に向かったはずだ。

 それでその途中にトーマスにあって……そうだ! 水を飲んだんだ! なるほどそういう事か。あの水に催眠薬が入ってたんだな。

 つまりトーマスが俺を嵌めたのか……

 ちょっと待てよ、今思い出したけどトーマスって前も俺の事嵌めなかったか? 確かあいつはエリス狙いの変態貴族と繋がりがあったはずだ。

 

 完璧に点と点が繋がったぞ。

 エリスをおびき寄せるダシに使われたのか俺は。

 く、もっと早くトーマスの事を思い出せていれば……

 いや、今考えるのはそれじゃないな。

 

「どうやら嵌められたようだ。すぐ逃げ出そう」

「もちろんよ! とりあえず剣をちょうだい」

「分かった」

 

 土魔術で剣を作り出す。

 今のエリスの身長と筋力を考えて短めで軽い剣にした。そのせいで普通の剣よりは耐久がないが使えなくは無いはずだ。

 

 エリスは剣を受け取るとすぐさま馬車から飛び出た。

 

「ちょ、ちょっと待ってエリス」

 

 俺の声など耳に入っていない様子。そのまま馬車の運転手の方に向かった。俺も直ぐに追いかける。

 

「うぉ、お前どうやって抜け出し……ぐはぁ」

「調子乗んなよ! クソガ……スパン!」

 

 間に合わなかった。

 でかい男の方は胸を大きく切り開かれ、チビの方は首チョンパだ。どちらも即死だろう。

 

「殺さないで欲しかったのに……」

「そんなの知らないわ!」

 

 はぁ、まぁいい。殺してしまったものはしょうが無い。それよりも言うべき事があるな。

 

「エリス、助けてくれてありがとう」

「───もちろんよ!」

 

 いやはや我ながらあんなヘマするとはな。今後は気をつけよう。

 

 とりあえず帰りのことを考えるか。どうやらここは街からちょっと出た所っぽい。そんなに距離もなさそうだ。歩いて帰れるな。

 

「このまま歩いて帰ろうか」

「そうね。それでこれ、どうするの?」

 

 死体と馬車を指差しながらそういうエリス。

 確かにな。どうしたもんか。馬車はどこかに捨ててくるとして、問題は死体だな。凍らせて持ち帰ってもいいけど、関所で止められちゃうな。

 …………埋めるか。

 

「こいつら処理してくるからちょっと待ってて」

「分かったわ」

 

 

 とりあえず1人ずつ燃やした。骨になるまでな。その後森に運んで地面を土魔術で掘り出し骨を埋めた。

 

「ただいま」

「早かったわね。じゃあ行きましょう」

「ああ」

 

 処理も終わったので俺とエリスは荷台を離した馬を引き連れ街に向かって歩き出した。天気はそんなに悪くない。気分もそんなに良くないけど。

 

 歩いている途中でエリスが話しかけてきた。

 

「ルーデウスはどうして攫われたのよ?」

 

 ああね、そこ気になっちゃうよね。ちょっと恥ずかしい失態だけど素直に言うか。

 

「執事のトーマスに睡眠薬飲まされた」

「ふーん」

 

 あれ? 意外と素っ気ないな。もっと激昂すると思ったのに。

 気になってエリスの顔を覗く。ひぇ! 

 

 声に出てないだけで顔はめちゃくちゃ怒ってた。哀れトーマス。楽には死ねないぞ。

 

 そうこうしていると街についた。関所ではちょっと怪しまれたけど馬を売りに来たと言ったら通してくれた。ガキだし問題ないと思われたのだろう。

 時刻は11時頃だろうか。腹減ったな。……そうだ! 

 

「エリス、この馬ほんとに売らない?」

「いいけどなんで?」

「売った金でデートでもしよう」

「良いわね!」

 

 満面の笑みで賛成するエリス。どうやらお気に召したようだ。

 そうと決まればと俺達は馬宿に向かった。結果として馬は金貨3枚で売れた。30万円か……まぁ妥当かな。

 

「とりあえず飯いこう」

「そうね! お腹がすいたわ!」

 

 エリスは非常に元気がいい。楽しいんだろうな。俺も楽しい。

 飯はちょっと良いやつにした。串焼き盛り合わせと豚丼? みたいなので1人大銅貨3枚、つまり3000円くらいした。

 

「悪くないわね!」

 

 確かに高いだけのことはある。独特なスパイスの風味を感じるがエスニックで悪くない。それに腹も減ってたしな。空腹は最大のスパイスだ。

 

 その後は街をぶらぶらと歩き回った。食後のデザートとしてフルーツとかを摘んだりした。だが金はだいぶ余ったな。折角だからエリスになんか買おう。

 

 お、これいいな。

 露店で売っている櫛に目に止まる。綺麗な白色で作りも丁寧だ

 

「おっちゃん。これいくら」

「あ? ガキが買えるもんじゃねぇぞ」

 

 確かに7歳のガキは冷やかしに見えてもおかしくないな。

 

「金はある。いくらか教えてくれ」

「ったく、まぁいい。目利きの良さに免じて教えてやろう。こいつは王都の職人が手作業で作りあげた逸品だ。金貨2枚だな。買えねぇだろ」

 

 た、高い! 買えなくはないが高すぎるのでは……いや、ここで引くのは男としてダサい。

 

「買った!」

 

 そう言って金貨2枚を店主に渡す。

 

「ま、毎度あり。まさかほんとに持ってるとはね……」

 

 驚いた様子の店主を後にして店を去った。

 

「エリス、これあげるよ」

「ほ、ほんと! ありがと」

 

 俺が店主と櫛の話をしていた時からずっとモジモジしていたエリス。櫛を貰うと目を輝かせて喜んだ。

 この笑顔が見れただけで金貨2枚の価値はあっただろう。

 

「帰ろうか」

「そうね。楽しんだわ!」

 

 俺とエリスは手を繋いで屋敷へと向かった。

 

 

 

 

 屋敷につくとギレーヌとフィリップがいた。

 なにやら口論をしているようだ。

 

「お父様! ただいま帰りました」

 

 エリスがそう呼びかけると2人はこちらに駆け寄ってくる。

 

「どこに行っていたんだ2人とも」

 

 フィリップはエリスにそう問いかけた。

 そしてギレーヌは俺を睨んでいる。なんで? 

 

「ルーデウスが攫われたから助けに行ったわ」

 

 ドヤ顔でそう言うエリス。

 それに対しフィリップは大きくため息。ギレーヌは俺を睨むのをやめた。

 

「どうして誰にも言わなかったんだい」

「1人で来いって書いてあったからよ!」

「どういうことだ? 誰かの差し金なのか?」

 

 エリスの言葉足らずの説明に困惑するフィリップ。ご苦労さまですお父さん。

 

「僕から説明します」

 

 そう言って俺はことの顛末を話した。

 

「なるほど。トーマスがやったのか。すぐに調べあげないとな。とりあえず2人はギレーヌと共に屋敷に戻ってくれ」

 

 俺の話を聞いたフィリップはすぐに動き出した。あの様子ならトーマスはすぐに捕まるだろう。その後どうなるかは俺の知ったことでは無い。

 

 それよりも俺はギレーヌに聞きたいことがある。

 

「なんで僕を睨んだんですか?」

「ん? あぁ、お前がエリスを誘拐したと思ったからだ」

 

 え……。いや、そういう発想もあるのか。でも俺そんなに信用なさそうだったか? 

 

「なぜ真っ先に僕を……」

「お前がパウロの息子だからだ」

 

 なるほど。納得の理由だ。そしてパウロは今度あった時絞めておこう。

 

「ルーデウスはそんなことしないわ! それにルーデウスなら問題無いわ」

「そ、そうか」

 

 ギレーヌがちょっとびっくりした顔をしている。なかなか貴重な顔だな。

 

 

 いやはや2日目にして誘拐されるとは。

 俺としてはあまり宜しくない出来事だったがエリスが楽しめたなら良しとしよう。どうせ明日からの授業で機嫌がまた悪くなるのだから。

 

 

 

 

 

この先の展開どれがいい。(執筆スピードに影響はございません)

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