ドラゴンクエストIX 闇夜の送り人 作:Distortion
話数は2。
.....こんなんですけど、お付き合い下さいね٩( 'ω' )و
ベレッタ90-Two。
いくつもの戦場を、寝食を共にした"相棒"と言える俺のお気に入り。
「食事中ぐらい置いてきなさい」と、母によく言われたものだ。
箱に入っているそれを手に取る。
そして、ここでも異変を感じた。
グリップの感触、銃の質感など、そういったハードウェアな部分は変わらないのだが、何かが違う。
オーラというか、気のようなものが尖っている感じ。
(...気のせいか?)
とりあえずポケットに突っ込む。
(ホルスター、着けときゃよかったな)
などと考えつつ、立ち上がる。
その瞬間、背後の草むらからガサゴソと大きな音が起きた。小動物だろうか。
数秒そこを見つめていると、音の主が姿を現した。
そして残念な事に、ソレは小動物などではなかった。
ソレを見た俺は絶句した。
(なっ........)
出てきたのは、槍を持った、何かの植物のようなバケモノ。それに、青いゼラチン状のバケモノ。
思わず、ベレッタをポケットから引き抜く。
慣れた手つきで銃口を突きつける。気弱な動物なら、察して引いてくれるはずだが、
(なんだってんだよコイツら...)
しかしそれらは、明らかな敵意を持って近づいてくる。
サバゲの時とは違う、殺意のこもった敵意。
形を持った恐怖。
(くっ...どうしたら...くそっ、くそっ......)
それらが近づくたびに、焦りが加速する。銃口が震える。このままだと気が狂ってしまいそうだ。
かかとが箱にぶつかる。これ以上退けないことを知らせる衝撃が、身体に伝わる。
本当は箱をよけて退けばいいのだが、パニック状態の俺は気づかなかった。
(ちくしょう、ちくしょう、ちくしょう.....)
打つ手が無い。敵はじわりじわりと近づいてくる。
そして、死も。槍で貫かれれば、致命傷は免れない。
バケモノが槍の間合いに入る。
焦りが恐怖に変わる。
恐怖が狂気に変わる。
俺の中で、ナニかが吹っ飛んだ。
「うおおおおおおああああぁぁあああ!!!」
ダンッ!
目が覚めると、ベッドに寝転んでいた。手入れの行き届いた、ふかふかのベッド。残念ながら、俺の部屋にあるものとは違うようだ。
身体を起こし、辺りを見回す。部屋はあまり広くないが、とても綺麗だ。ここの主は掃除好きなのだろうか。
本棚もきちんと整頓されている。どうも、内容は訳がわからないが.....
地図もある。一体、どこの地図なのだろうか...
突然、戸が開く。反射的に振り向くと、そこには一人の少女が立っていた。
「あら、気づいたんだ。あなたが村の前で行き倒れているのを見つけて、見張りさん大慌てだったの。あなたはあなたで丸一日気を失ったままだったし...一体、何があったの?」
どうやら、この村と彼女に助けられたようだ。
しかし、昨日の一件...どう伝えたものか...
「ああ、ちょっと、な......」
バケモノが出たなんて、言う訳にはいかないよなぁ...
途中から覚えてないが、何が起こったのだろうか?
俺の様子に気づいたのか、彼女がそれ以上何かを訊くことはなかった。
代わりに、彼女からたくさんの事を教えてもらった。
ここがウォルロ村という場所であること。
彼女がリッカという名前であること。
この部屋はリッカが切り盛りしている宿屋の一室であること。
俺が、倒れるその瞬間まで、手に持つ塊を放そうとしなかったこと。
そして、この世界のこと。
地図を見つけたとこで薄々気づいていたが...やっぱり俺の知る世界とはかなり違うようだ。
異世界.....
考えるだけで、背筋がゾッとするのを感じた。
若干、TRPGを意識して書いてみました。
最初の魔物は、言うまでもなくアイツらですw