散弾実包×0発(0発:0発:8発)30発
9mm弾実包×0発(0発:5発:10発)56発
357マグナム弾実包×0発(0発:1発:0発)24発
消費弾薬×作中消費数(実際:累計:弾倉)残弾数
*主人公と主人公の同伴者に限定
玄関口を目指す途上で、トニーを先頭とした一団は<奴ら>に襲われていた他の生存者集団を見つけ、コレを救助の後に吸収。戦闘技術や武器を有する者が非戦闘者を囲むような陣形で慎重に先を急いでいた。もう少しでバスだというところでトニー達の前に、<奴ら>が徘徊する正面玄関が立ち塞がった。
「…何をぐずぐずしてるのよ!見えてないんだから音を立てずに進めばいいのに!」
「自分で行けばいいだろ?…そもそも、本当に見えてないのかわからないじゃないか。」
法則性の見られない動きで徘徊する<奴ら>が壁となり、歩みを止めて数分が経過していた。玄関入口から見て正面に位置する二階への階段で足止めを食らった一行。列の中頃に位置していた沙耶が痺れを切らして静かに怒鳴ったが、だからといって状況が好転することは無かった。
「どっちにしろ、先導する者が必要だ。このままだと誰かが<奴ら>にぶつかりかねない。」
「誰もやりたがらないわよ…。」
「…俺がやろう。音を立てるなよ?」
状況が硬直したことで、見かねた先頭のトニーが後ろに振り返った。注目が集まる中で落ち着き払った声で<奴ら>の気を引く先導役への志願を伝えると、スリングでショットガンを肩に掛けてから彼は一歩ずつ前に踏み出していった。
ここに来るまでに比較的スムーズに進むことが出来たのは、校舎内の<奴ら>が逃げ出した生者を追いかけてほとんど校舎の外に出ていたからだった。先導を買って出たトニーは素早く<奴ら>の間を抜け、下駄箱のある区画を抜けて光の差す入口に辿り着くと、腰の正面左部分に取り付けられたシースからククリナイフを引き抜いた。トニーはナイフで玄関口の扉の金属部分を軽快に叩き、甲高い音を鳴らした。玄関に響く音に反応した<奴ら>が、外へ少しずつ後退するトニーの後を追って、玄関から外へと吐き出されていった。
「今よ!」
玄関から完全に<奴ら>の姿が無くなったのを見計らい、沙耶の合図で生存者たちは玄関を抜けてバスへと駆けだした。慎重に、だが気を急いて。中には口に片手を当てつつ走る者もいた。順調に校舎の外へと出て行く生存者たちは、駐車場に屯する数十から数百の<奴ら>に青ざめつつ、比較的<奴ら>が集中していないルートを探して進んでいく。
<<カーーン!>>
しかし後尾で待機していた青年の一人が駆けだした時、彼は手にしていたアルミ製さすまたを誤って窓枠のアルミサッシに打ち付けてしまった。鳴り響いた甲高い音に反応して、トニーに引き寄せられて彼の方に向かっていた<奴ら>の一部が引き返して来た。引き返してきた<奴ら>は、バスのある駐車場へと走る生存者たちに気づいた校庭や駐車場を徘徊していた他の<奴ら>と一緒に、次々に生存者に襲い掛かった。
「ああ!何してんのよ!」
「走れ!気づいてこっちに向かってくるぞ!」
沙耶が毒吐くが後の祭りだった。前後左右に揺れながら迫りくる悪鬼の群れを前に、足が竦んで動けなくなる者が続出した。抵抗するもリミッターの外れた怪力には適わず、生存者たちは次々に囲まれて鳥葬の如く全身を貪り喰われていく。倒され、或いは立ったまま首や手足に食いつかれた途端に進むスピードが落ちる。脱落すれば待つのは死だけだった。
「麗!永を頼んだ!」
「ええ!わかったわ!孝は!」
「俺は先輩達の援護に行く!」
「なら私も!」
「麗はそこに居ろ!」
逃げ遅れた者達を食い殺した<奴ら>が続々と、バスに辿り着いた生存者たちのもとへと集中していく。孝は永をバスの中で麗に預けると、バットを担いで外に出た。車外では映画も真っ青な血みどろの激戦が繰り広げられていた。
「トニーさん!囲まれてます!」
「俺のことはいい!援護する!走れ!走れ!」
バスの発進にも、最後尾が辿り着くまでにもまだまだ時間が必要だった。バスへと群がる奴らをトニーはククリナイフで近づいた端から切り伏せていく。そのブーメランの様な特徴的な形状は遠心力を増幅させ、特注品の材質と重量の利も相まって恐ろしい切れ味を誇っていた。バスの周囲をコータの射線と被らない様に巡回しすることで、微妙なバランスでバスの周囲には一定の空白地帯が維持されていた。
「コータ!こっちの方が多くなってきた!」
「射線確保!窓から撃ちます!」
「急いでくれ!何時までもはもたんぞ!」
バットを振るう孝と木刀を振るう冴子が最後尾の生存者をエスコートしてからはエンジンがかかるまでの辛抱だった。生肉と生卵を満載したガラス鉢を叩き割るような、冒涜的な感触が、バットや木刀を通して二人に伝わって来た。既に幾度となく繰り返した非現実的な禁忌にすら、次第に人間は慣れを自覚し、作業として効率化を求め始め、一種の娯楽としてさえ認識するようになるのやもしれない。危機的状況の中でも、いやだからこそ平凡な青年である小室孝は絶叫しながらも歪んだ笑みにも見える表情を浮かべて<奴ら>の頭蓋を金属バットのフルスイングで粉砕した。
徐々に敵の密度が上がって来たことで援護を必要とする孝と冴子と入れ替わる様にトニーとコータが入った。コータは手製釘打ち銃で的確に<奴ら>の眼球や眉間に釘を打ち込み無力化していき、その射線の外ではトニーが脳漿や臓物や肉片の纏わりつくククリを軽々と振るって瞬く間にバスを囲む<奴ら>の一角をなぎ倒していた。刎ね飛ばされた腕や首や下顎が宙を舞う。
<<パシュッ!!パシュッ!パシュシュッ!!>>
<<パズッ…!>>
「釘が切れた!ハンドガンに切り替えます!!カバーを!」
バトルジャンキーじみた凶悪な表情で、しかし冴えわたるエイム力で無駄弾を極力抑えながら<奴ら>を食い止めていたコータの釘打ち銃が釘を吐き出さなくなった。弾切れにより強力な抑圧射線が喪失したことで、遂に<奴ら>の先団がバスの周囲の空白地帯になだれ込み始めた。コータはトニーから預かるS&W社製380ボディガードを抜く間の援護をトニーに要請した。
「了解!全員乗り込め!静香は運転席に!散弾装填!窓から顔を出すなよ!」
「あとは毒島先輩だけです!」
「わかった!周りの敵は排除した!!あとは力づくだ!今だ!行け!行けッ!」
<<ガシュッ!ガシュッ!ガシュッ!ガシュッ!>>
お声が掛かったトニーは正面の二体相手に真横に一閃を繰り出し、二つの下顎を切り飛ばすと勢いよく血ぶりをしてからナイフを鞘に納め、すぐさま肩に掛けていたショットガンを構えた。チャンバー内にある実包の種類が散弾であることを確認したトニーは、弾幕を張る範囲に味方がいないことを見極め、腰だめで即座に発砲した。12ゲージの散弾により至近距離にいた<奴ら>は体正面や顔面を著しく損傷し、その場で次々に崩れ落ちていった。バスの正面から回り込み寄り付く<奴ら>を粗方始末し終えると、今度は運転席脇の昇降口の付近と孤立しそうな冴子との間に<奴ら>の屍を量産して回廊を形成していく。発砲音と共にフォアエンドを操作すると、ポンプアップショットガンの名の通り、空になった12ゲージシェルがジャコッ!という音と硝煙と共に排莢される。それを繰り返した。
「やったわ!エンジンがかかった!あわわ、でも前にまだ人が…!」
冴子が昇降口に辿り着いたと同時にエンジンがかかった。しかし運転席にいた静香の顔色はお世辞にも良いとは言えなかった。目の前に迫りくる<奴ら>に怯えと、そして元は人間だった彼らへの憐憫に思い余り、ぐっと目を瞑りハンドルを握ったまま俯いてしまった。
「…わかった、途中までは俺が運転する!冴子、君も乗れ!」
「ああ!」
冴子が昇降口付近の手すりに捉まって立ち乗りで乗車したのを確認してから、トニーは運転席の静香を見て、その光景に即断した。余りにも無責任だった自分を恥じ、なにより医者である静香に人だったものを轢かせることは出来ないと考えたのだ。運転させることへの負担を甘く見ていた自分に腹を立てながら、心中で浩一に謝罪してからここまでの計画や覚悟を捨ててバスに乗り込んだ。
「よし、さあ、静香…俺が代わりにハンドルを…」
「人間じゃない…もう人間じゃないッ…だから、大丈夫!!」
予想外の展開だった。いきなりアクセル全開で走り出したバス。何かを克服した静香の運転テクニックはかなり荒々しかったため、周囲に散乱する肉片や血脂の海にタイヤが滑り、車体が一時的に左右に揺れ動いた。激しい揺れに静香からハンドルを借りようとして何処にも掴まっていなかったトニーは持ち前の体幹だけで持ちこたえられたのだが、しかし、彼の体は強く後ろに引き寄せられた。
「うおッ!?」
「あぁッ!?トニーさん!?って先輩!」
「せ、先生!毒島先輩が!」
なんとトニーと冴子が一緒にバスから落ちてしまったのである。トニーの声に反応して事態に気づいたコータと孝が同時に声を上げた。トニーは咄嗟に銃と冴子を体の上に載せて庇う体勢で着地したため、強かに背中を打ち付けてしまった。腰と背中が激しく痛む中、トニーは素早く起き上がり冴子を抱えると、バスのもとへ未来の戦争サイボーグばりの脚力で接近しようとしたが、突然彼はまたしても背中から転んでしまった。
「毒島がトニーさんと一緒に落ちました!」
「ええええ!?ウソ!ど、どうしましょう!?」
「毒島先輩!!無事ですか?今行きます!」
通り過ぎ行くバスと二人。背後の窓から二人を確認した美玖が静香に報告すると、静香は顔を赤くしたり青くしたりしながら半泣きでハンドルを握りしめた。窓を開けて孝が叫んだ。
「………っ…鞠川校医!!!先に進んでくれて構わない!!私もモンドさんと一緒に、後から合流しよう!」
しかし、起き上がろうとするトニーを、抱えられていた冴子が彼の胸と口を手で制しつつ、バスに向かって吼えた。
「でも!!毒島さんはそれでいいの!?」
「毒島先輩!!まだ間に合いますから!!だから急いで!!」
冴子が血迷ったか、頭をぶつけたのかと思いながら、静香と孝が声を掛けたが、彼女は首を縦に振らなかった。そして最早引き返すにはバスと二人の間を埋め尽くす<奴ら>が多すぎた。もう戻れないことが目に見えて明らかとなった時、冴子は木刀を振り上げてバスに向けて叫んだ。
「小室君!平野君!合流するまでは君たちがしっかり女子を守るのだぞ!!」
「毒島先輩!?クッ…わかりました!あとで静香先生から連絡を入れて貰いますから!そこで合流しましょう!!」
「ああ!武運を祈るッ!!」
冴子がそういうや、今度こそ絶体絶命の死闘が開始された。駐車場の生者はトニーと冴子のみ。対してイカレたリビングデッド共は藤美学園のほとんどを網羅していると思っていただいて差し支えない。有名私立の生徒数が他校と比較しても多いことは疑いない。つまりそこには紛れもない死地が待っていたのだ。
スラッグ実包×0発(0発:6発:0発)32発
散弾実包×4発(8発:8発:0発)30発
9mm弾実包×0発(0発:5発:10発)56発
357マグナム弾実包×0発(0発:1発:0発)24発
消費弾薬×作中消費数(実際:累計:弾倉)残弾数
*主人公と主人公の同伴者に限定