風切零を慕う少女、那須玲は先程までと打って変わって自分の望んだ先輩の目と不意打ちのセリフに混乱していた。
加古に向けて放ったさきほどの言葉。もはやプロポーズなのではあるいか。いや、きっとそうに違いない。
そう思ってからの那須の行動は早かった。
「先輩、先に加古先輩を倒しましょう。私達二人ならできます!」
「・・・・・そうだな」
次の瞬間零の身体の周りで浮いていた
「・・・・・・・・・・え?」
「悪い那須。俺も点が欲しいんでな」
『トリオン供給器官破損
那須が光となり飛んでいくのを見届けて加古が口を開く。
「いいの?こんなことして。那須ちゃんきっと悲しむわよ?」
「いや〜、勝負の世界ですからね。同盟がいきなり裏切ることもある」
残りの
決して来馬を侮っているわけではないが取れる可能性があるのは来馬だけなのだ。
だからこそこの場面では逃げの一択しかない。
「じゃ、俺奈良坂か当真落としに行くんで」
◇◆◇◆
「那須隊員もここで
「ゆ、有効だったと思い・・・ます」
「取れる点は取らないと。特に相手はボーダーでもトップの隊員です」
◇◆◇◆
「・・・・・残ったのは俺だけか」
建物の屋上から敵の位置を確認していた奈良坂が呟く。現在確認できているのはマップに写っている来馬、太刀川、加古、柿崎、弓場、零と来馬と移動する二宮だ。
この内二宮を狙う事はない。バレれば最後だ。同じ理由で来馬も狙わない。
狙い目と言うならば零を追う事に注意力を割いている加古辺りだ。
イーグレットの引き金に指をかけて狙いを定める。まだだ・・・。確実に狙えるタイミングを待つ。
追いかけてくる加古に向かって牽制程度だが攻撃する零。すると加古がそれをシールドで防ぎながら零よりも少し先を見る。
そこで奈良坂は気付いた。加古は
後は何処に
加古がその場から消えて零の前に現れる。それと同時に奈良坂はイーグレットの引き金を引いた。
タイミングは完璧の筈だった。ただ一つ間違いがあったとするならば加古も零も初めからここまで読んでいた事だった。
イーグレットの弾は加古のシールドにより防がれ、二人に届く届く事はなかった。
「ッ!」
奈良坂の位置を把握した零がグラスホッパーで奈良坂のいる建物に高速で近付き奈良坂を視認できる位置まで来ると
明らかに弾道は一極集中だ。だが先ほどの出水の事もある。固定シールドを展開し、奈良坂はシールドにヒビが入ったものの零の一挙
一先ずその場をはなれようと建物を飛び降りようとして零のいる場所とは別の場所から光が見えた。
二宮だ。二宮の
『戦闘体活動限界
零と二宮の攻撃が同時に着弾し、そこから光の柱が上がる。
◇◆◇◆
「奈良坂隊長
◇◆◇◆
『二宮さんのポイントだ!』
「うっへ、マジ?」
零は二宮を睨みながらどう動くかを考える。逃してはくれないであろう。ならもう、相打ち覚悟で戦うしかない。先ずは来馬だ。二宮と戦うのにいられては困る。既に二宮は戦闘態勢に入り、細かい
だから零は二宮だけを見た。
「今だぜ」
俺の合図と共にいつの間にかバッグワームを着て二人に近付いていた弓場がリボルバーを撃つ。
「ッ!」
「うわっ!」
いち早くそれに気付いた二宮が素早いサイドステップで弾を避ける。来馬の方も避けはしたが左腕を失う。
二宮の攻撃が弓場に向いたと同時に零も
「「フルガード!」」
それを柿崎と来馬がフルガードで防ぐ。しかし、二宮の大きい方の
「チィ・・・」
『戦闘体活動限界
弓場が光となって飛んでいく。それを見た柿崎に嫌なものが走る。
柿崎の部隊のメンバーは皆才能の塊だと柿崎自身はそう思う。照屋は奈良坂や歌川と新人王を争った天才、小太郎は当時小学生正隊員。B級の下位と中位を行ったり来たりする自分の隊には勿体無いとすら思った。
生駒や弓場もA級から二宮隊と影浦隊が降りて来なければB級の一位と二位、A級への挑戦権を持てた隊長で零もA級(主に加古隊)からスカウトが来るほどには逸材だ。
同年代の嵐山もA級の隊長、迅は元々
自分だけが何の才能もない人間だと、そう思っている。
今回も生駒や弓場の持ち味を活かせずに死なせてしまった。全て自分が情けないから起こった結果。そうとすら思っていた。
『おいこらザキィ!』
そんな考えに支配されていた中、先ほど
『まさか俺の
『そうそう。俺もあれは近付き過ぎやったって反省してるわ』
弓場と生駒の言葉柿崎が零を見る。未だに来馬と二宮相手に一人で粘っている。
『死んだ俺らのことよりも今戦ってる隊員の事を考えろ。反省は試合が終わってからだ』
下唇を噛み自分を鼓舞して銃を握る。
(悪い零!俺も戦闘に加わる。作戦を教えてくれ)
(了解)
二宮の
「
至近距離まで近付き合成弾を叩き込もうとする。しかし二宮はフルガード。
だが二宮の予想を外し零の合成弾は二手に分かれて二宮を襲う。
最短距離だ。これ以上シールドを伸ばせば割られる。かと言って二宮の反応速度でも今からシールドを展開し直す事はできない。
このまま当たれば御の字だが現実はそう甘くない。
「ッ!」
二宮に隣に居た来馬がただのシールドでは防ぎきれないとフルガードで二宮の右側を護り反対側を自身を盾にして防ぐ。
「クッ!
来馬が銃を撃ったと同時に来馬とシールドが爆発する。そして来馬の弾は零に直撃する。
「・・・・・!」
零が放った合成弾、二手に分かれたり曲がったりした時点でその場の誰しもが零の言葉をブラフだと勘づいていた。
なら何の合成弾だったのだろうか?
(
『戦闘体活動限界
爆発で来馬と二宮の右腕が吹き飛ぶ。だがまだ足りない。二宮を殺し切るには後もうひと押しする必要がある。
「
最後の抵抗に零は
そして二宮は見た。
『戦闘体活動限界
零が笑いながら
「旋空・・・」
柿崎が孤月を振り下ろそうとしていた。すぐに
しかし、
「ッ!?」
いきなり二宮のバランスが崩れて
「孤月!」
そして柿崎が二宮を縦に真っ二つに切り裂いた。
『戦闘体活動限界
◾️来馬隊 (来馬、太刀川、二宮、加古、今) 4
来馬×
太刀川 1
二宮×3
加古
◾️柿崎隊 (柿崎、生駒、弓場、風切、藤丸) 4
柿崎 1
生駒×
弓場×
風切×3
◾️村上隊 (村上、影浦、当真、犬飼、国近) 2
村上×
影浦 1
当真 1
犬飼
◾️奈良坂隊(奈良坂、那須、出水、米屋、氷見) 0
奈良坂×
那須×
出水×
米屋×
勝つのは何処だ!?
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ヤベー奴揃いの20歳組来馬隊
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大穴狙いB級ばっかの19歳組柿崎隊
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サイドエフェクト持ち二人の18歳組村上隊
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弾バカ槍バカ那須熊嵐の17歳組奈良坂隊