メイド イン アビス イン ザ ボッチ   作:ボンボルドのボンドルド

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10評価をノータイムで投げて寄越した猛者がいたので、申し訳なくなって少し書きました。
けれど多分続かないです。


見知らぬ部屋

 はっ!

 

 私はいったい何を?

 瞼を開き瞳を奔らせ、周りを確認する。

 

 「ヒェッ!?」

 

 最初に見えたのは、ベットと年季の入った白塗りの壁、この部屋の狭さも相まってまるで囚人部屋の様に感じたが、点在する調度品がそれが間違いであるとさらに感じさせた。ここまでは良かった。

 押し入れの中でギターを弾く事が日課の私には、寧ろ狭い部屋を文字通り実家の様な安心感を感じさせて、調度品もエキゾチックで興味深かった。

 

 しかしそんな好印象は、後ろを確認しようと思い体を動かして目線を確保した瞬間から吹き飛んだ。

 そこに存在していたのは、異様な存在感を放つ何かのコードが大量に繋げてある椅子と、その奥の棚に所狭しと鎮座している、ペンチや拘束具ロープに滑車。

 

 何に使うのか分からない筈が無い。ネットの海に棲息する陰キャが知らない筈が無い…!

 電気椅子と拷問器具だ!

 わ、私は陰キャ存在罪で耐え難い責苦の後に死刑になるんだ!

 そうに違いない!

 

 あばばばばばばばばばばばばばばばば

 

 ガタン!

 

 「ウェ…!」

 

 あああ…

 

 物音がドアの向こうから聞こえて来た。その音は、私を恐慌状態に追い込むには十分だった。

 足が竦み動かない。叫ぼうと思ってもカヒューと言った風切り音が喉から鳴るのみ。

 

 拝啓 父母妹犬 私後藤ひとりは命を散らします。どうか親不孝の私を許して下さい…

 

 けれどその時は、一向に来なかった。

 来そうで来ないそんなストレス過多の状況に、蚤の心臓ならぬ。陰キャの心臓の私が耐えられる筈もなく腰を抜かして座り込んでしまった。

 

 私が床に座り込むと同時に、若い男の語気を荒げた声と若い女の子駄々を捏ねる様な声が聞こえて来た。

 

 「道を開けろリコ!邪魔するな!」

 「リーダー!だからアレはおねーさんで人間なんだってば!」

 「また訳の分からない事を!また拾い食いでもしたか?!あのよく分からない溶けたピンクの物体が、人間な筈が無いだろうが!どうせまた遺物をちょろまかしたんだろう?仕置きは覚悟しておけ!」

 「そんなー!嘘じゃないんだってば!ちゃんと私の部屋で面倒見るから良いでしょ!」

 「ダメだ!」

 

 どうやら、リコという少女とリーダーと呼ばれている男が、言い争いをしながらこの部屋に近づいて来ているのだ。

 その足音と話し声は、徐々に大きくハッキリと聞こえて来て、終いには扉の真ん前に居るであろう位置にまで来た。

 

 案外良い人かもしれない。リコ?とリーダー?の漫才の様な掛け合いを聞いていてそう思った、私は勇気を振り絞って扉の前に立って、ここに入って来たら、ちゃんと事情を説明するんだ。そんなふうに決意をしたんだ!

 やれる!後藤ひとり!

 やるんだ!後藤ひとり!

 日本一!後藤ひとり!

 

 ひ、開いた!

 

 「ひぇ…」

 

 高い身長、運動している人特有のガタイの良さ、白い髪、私を見下ろし、鋭く光る青い瞳。

 

 「ど、どうか…!い、命だけは…」

 

 それを認識した私は、頭を床に打ち付け土下座をしていた。

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