コスプレ×ダンジョン=キャラクタースキル?   作:kikoumaster

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第13話 ダンジョンで歌が聴こえる…コスプレイヤーフレンドの実態

『なあ最近、ダンジョンで歌聴こえないか?』

 

『おお聴いた聴いたあの声ってモンスターだろうか?』

 

『いや…あれはどっちかというと…アイドルソング?アニソン?~何か聴いてると元気が出てくるって言うか…』

 

『ファンタジーでよくある吟遊詩人かなんかかな?』

 

『妙に声が通ってて女の人の声だよな?』

 

『人魚かなんかだろう?』

 

 …と好き勝手な想像をしてる人達を尻目にダンジョンの奥深くで歌が聴こえる…

 

 

『携えし―無双の槍は〜ガングニールー♪』

 大きな槍を持つ黄色いボディスーツにアーマーを付けた女子

 

【激槍流星竜巻】

 槍から迸る可視化されたエネルギーとなって竜巻のように、うねって敵を切り裂いていく!

 

『気に食わない―ヤツら―は私の―デカい此奴《こいつ》で―バン♪バン♪バン♪』

 後方で両手にクロスボウを持った赤いボディスーツにアーマーを着た女の子が敵に向けて連射する。

 

『防人の―剣を一度振るわば♪―燃えて灰となるー♪』

 青いボディスーツにアーマーを付けた身体の大きい女(?)が刀を振るいながら…

 

【風林火斬】

 

 刀が剣に変形してもう一つの剣と柄同士を合体させて炎を剣に纏わせながら回転させて敵に斬り込んでいく…

 

 そして何故か3人は歌を歌いながら戦ってる…

 

 6階層の奥で人の気配はない空間で女性達(?)の声だけが響いていく…

 

 

 

 

「いや~意外と癖になるね―この歌いながら戦うのって~」

 槍を立てかけて黄色の女子は水筒から飲み物で喉を潤しながら感想を言う。

 

「え~そうですか―私、ただ歌いながら撃ってるだけですからちょっと物足りないっすよ」

 

 赤色の女子は岩に腰掛けながら同じく水筒に口を付けながら喉を潤しながら呟く。

 

「……」

 青色の女子…と呼ぶよりガタイの良い人物は同じく水筒を飲みながら無言を貫く。

 

「カムイさん…やっぱりまだ慣れませんか?その身体?」

 

「まあ神宮寺君が協力してくれって言うから手伝ってるけど…やっぱり嫌?」

 

「…俺は別に他のキャラでも良いんですが…お二人に手伝って貰ってますから不平なんてありませんよ…ただ…」

 

「「ただ?」」

 

「こう~男のアレが無いのと胸があるのがどうも違和感しか無くて戸惑ってるだけだよ…女性ってよくスカートとか履いて外歩けますよね?…俺はそれを想像しただけで怖いです。」

 

「まあ~慣れよ慣れ!」

 

「女装コスプレもそこまで処理できたら他の女装レイヤーさんが嫉妬しますよ~きっと」

 

 

 そう俺の身体は今、キャラインストールのおかげか?男のアレが綺麗に無くなってる…感じがするし、そう大きくないが女性特有の胸が膨らんでて触ると、これまで感じたことない感触に…マシュマロ?何とも言えない感覚に俺は…

 

「カムイさん…それ以上はセクハラになりますよ~」

 

「まあ気持ちは分かる…でも私らも何か…魔法少女と言うかアニメや特撮の変身ヒーローになった感もあって~しかも身体のラインがモロに出てるしちょっと恥ずかしいかな~って」

 

「そうだよね~ゴメンね…手伝って貰ってるしね~今更だよね」

 

 

 

 それは3日前の俺の家に来ていた鈴見さんと杏さんがいた時の話に戻る…

 

 

 俺はとりあえず

 スマホアプリで載ってるステータスの表示を2人に見せる。

 

 コスプレイヤーフレンド

 ・立花杏奈 〈貸出可〉

 ・鈴見華鈴 〈貸出可〉

 

 

「これは…どういう事?」

 

「私…友達?」

 

「今確認したら表示されてたよ…まあ新スキル扱いだから探索者事務所に行って更新しないとね…ただ、わざわざスキルに表示されて2人の名前のところに未実装って事は俺のスキルを使えるかもしれない」

 

「え?!私が孫悟空になれるかも?」

 

「え!私がカムイさんの様な力が使える?」

 2人の顔は思っていたのと違ってたのは少し驚いた。

 

「明日以降何か予定あるかな~二人とも?」

 

「私はまだダンジョン潜れないし大丈夫だと思うよ。」

 

「私も動画編集するぐらいなので大丈夫です。」

 

「了解…ちょっと試したいから連絡するよ。」

 

 

 

 二日後、神宮寺家にて…

「二人ともありがとうね~呼び出して…」

 

「いえいえ」「こちらこそ」

 

「さて、まずこのスキルだけど連絡した通り、やはり俺のスキルをフレンドになった人にスキルの力を使える様にするらしい。」

 

「「おお~」」

 

「と言う訳で~まずは杏さんには…」

 

「うんうん」

 

「まずこのウイッグを被って欲しい」

 

「へ?これ被るだけですか?」

 

「まあモノは試しにね~」

 

 俺は杏さんを化粧台のある洗面台でウイッグを被らせる手伝いをする。

 ウィッグは銀色のロングの髪の毛で昨日のうちに用意していて約30分かけて杏さんに付けてメイクも俺がやったんだが…

 

 結局、1時間かけて終了。

 

 さて杏さんはウィッグとメイクで何とか完成…しかし服はいつものチェックのシャツにジーパンで…

 

「これで本当に雪音クリスとしてはどうなんでしょう?」

 杏さんもかなり不安そうだ~だが…

 

「では杏さん両手を出してください」

 

「え?!こうですか?」

 両手を俺の方に向けて出してくる。

 

「ではいきますね~失礼します」

 そう言って杏さんの両手を両手で握り返す…

 

「あ…ん…何か緊張します」

 少し恥ずかしいのか…頬が赤く見える

 

 

 【キャラインストール】雪音クリス

 

 

 俺はそう言葉にして…そして発動する。

 

 両手を離して

「どうかな?これでインプットしたはずだから髪の毛とか触っても大丈夫ですよ」

 

「はい…あ…凄い…ウィッグじゃないみたい」

 

「本当どれどれ?」

 鈴見さんも触り始める。

 

 スマホを覗くとステータスに

 

 コスプレイヤーフレンド

 ・立花杏奈 〈雪音クリス〉

 ・鈴見華鈴 〈貸出可〉

 

(よしうまくいったな~そしてこれでやっと作れる)

 クリエイトの項目にイチイボウの首飾が表示されてるな…

 そのまま【クリエイト】を発動!

 

 

【クリエイト】イチイバルの首飾 作製

 

 

 スキルを発動して事前に用意したアクセサリーショップで売ってた安いペンダントを媒介にして俺の前の空間でペンダントが変化していく…

 

 そして光が収まると赤い石でできたペンダントが現れた。

 

 できたペンダントを…

「はい、杏さん…このペンダントを首にかけてください」

 杏さんに渡すと鈴見さんが手伝ってくれて無事、胸に赤い石のペンダントをかけている。

 

「では杏さん…赤い石を両手で持って―イチイバルユニット発動…って言ってください」

 

「え―ま、マジですか?」

 

「はい」

 

 杏さんは雪音クリスの顔で顔が真っ赤になりながら~

「イチイバル―ユニット…発動です」

 

 その声と共にペンダントが光り始めて彼女の身体を包み込む様に赤い球体に、すっぽりと収まると次の瞬間、赤い球体が消えてそこには…イチイバルのユニットを纏った杏さん…もとい雪音クリスがいた。

 

「「おおおおお!!!」」「…ええええ!!」

 俺と鈴見さんは驚いた顔で称賛し、杏さんは恥ずかしいのか~胸の谷間を両手で隠す…まあ雪音クリスのイチイバルユニットは身体のライン出るし胸も特盛の女子だから、まあこうなるよね~とは思ったが、想像以上だった。

 

「凄い~杏さんヤバい~可愛いし大きい!」

 鈴見さんの顔がみるみる○○○○〇顔に変化していく…

(鈴見さんって意外とエロい人?)

 

「ううう…もう着替えたいです」

 

「杏さんありがとう…これで実験終わったから元に戻ってもいいよ」

 

「はい…ごめんなさい」

 

「じゃあ次は鈴見さん…鈴見さんそろそろ解放しようね」

 鈴見さんは杏さんの胸を揉んでいた。

 

「鈴見さん!そろそろ女子に戻って!はい鏡!」

 俺は鈴見さんの前に鏡を見せる…かなりショックなのかすぐに手を離していつもの鈴見さんに戻っていた。

 

「ねえ〜私のコスプレするキャラって巨乳?」

「え!…まあまあ巨乳だったかな?」

 鈴見さんがどんどんポンコツに見えてくるな〜

 

 さて杏さんと同じく洗面台で赤いロングウィッグを被せてメイクは鈴見さん本人がやってくれて時間短縮。

 

 そして…

 

 

【キャラインストール】天羽奏

 

 

 スマホを覗くとステータスに

 

 コスプレイヤーフレンド

 ・立花杏奈 〈雪音クリス〉●貸出 

 ・鈴見華鈴 〈天羽奏〉

 

 ガングニールの首飾表示されてるな…

 そのまま【クリエイト】を発動!

 

 

【クリエイト】ガングニールの首飾 作製

 

 

 スキルを発動して事前に用意したペンダントを媒介に光が収まると赤い石でできたペンダントが現れた。

 

「できたよ…これを首にかけて赤い石を握りながら、ガングニールユニット発動でよろしく」

 

「分かった!え~とガングニールユニット発動!!!」

 鈴見さんはどこか魔法少女を意識してるのか両手で握りながら身体を回転させて…

 

 黄色い球体に鈴見さんが包まれて光が収まると…

 

 そこには天羽奏のガングニールユニットを纏った鈴見さんが立っていた。

 

「「おおおおお」」

 俺と杏さんは声を出して驚く~想像以上に似合う!

 

「これがガングニールユニットか~胸も思ったより大きいし、何か軽いね…意外と悪くない…あれ?槍は?」

 自分で自分の胸を下から手で持ち上げながら自分で揉み揉みしてる…

 

「あ~それは両手の籠手を合わせると槍に変化するはず~」

 俺は呆れながら鈴見さんの質問に答える。

 

「了解!…おおお籠手が合体した~凄い変形した!」

 籠手が合体して変形して大きな槍…見た目には斬馬刀って感じの大きい刃なのだろうか?

 

「ねえ~技は何があるの?」

 

「その場合は、聖歌を歌えば技を発動できるけど、外でやってね」

 

 と言う訳で庭に出た鈴見さん…

「歌か…聖歌か…あ…これかな…ああああ~おほん!……」

 

『神の槍~ガングニール♪その無双の槍にて貫ける物無し♪~』

 槍に光が灯る…聖歌のエネルギーで力が増していく…

 

 そして

「あ…駄目だ…ここで使うと不味いわ」

 そういうと鈴見さんは歌を止めてウイッグ被った天羽奏コスプレした鈴見さんに戻った。

 

「やあ~危なかったよ、ここで使ったら家壊してるかも…ダンジョンでしか無理だわ」

 鈴見さんにもどうやらその辺の分別が分かるらしい~良かった。

 

「よし!今からダンジョン行きましょう!!」

 

「「えええ」」

 さて俺と杏さんは鈴見さんの暴走を止められるか?


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