コスプレ×ダンジョン=キャラクタースキル?   作:kikoumaster

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第33話 那美との再会

 泥の様に眠り…起きて気が付けば午前10時に差し掛かっていた…

 とりあえずシャワーを浴びて軽く朝食を取り、先に探索者事務所に赴くことにした。

 

【転移】探索者事務所転移門(豆レプ)

 

 2階の事務所に向かうと疲れた顔の安藤さんが出迎えてくれた。

「おはようございます」

「安藤さん…お疲れ様です」

 その後のモンスターパレードの顛末を聞いた。

 死傷者は20人以上でまだ生還を果たして無い人達も入れると50人以上…原因は不明で現在は探索は禁止して未帰還者の捜索が行われているらしい。

 

「神宮寺さんが回復を担当していただいた様で、かなり多くの人達が感謝していますよ」

「…」

 今回、モンスターパレードに対応した探索者達は死者0で比較的、軽傷の類いが多かったのは俺の回復のおかげだと…

 もっと早く取得してたら効率良くできたのか?

 悩んでも仕方がない。

 

「また後程、功労金が口座に振り込まれますので…」

 大した金額では無いらしいがありがたくいただく事にする。

 

「安藤さん…手を」

 俺は手を差し出すと…

「へえ?!いえそんな神宮寺さん〜いやだ私こんな疲れた顔で恥ずかしい」

 何やら勘違いしているようなので…

「あ〜すいません回復して差し上げたいので」

「え…あ、ごめんなさい」

 

 俺の手を握ると

【完全回復】

 安藤さんの疲労も回復した様で顔も艶々で元気になる。

「うわーありがとうございます」

「お疲れでしょうが、頑張ってくださいね」

 そう言って事務所を後にする。

 

 まだ約束の時間まであるが、そのまま事務所から歩いて那岐達のいる家へ向かう。

 

 

 確か事務所から歩いて3件目の家だったか?…田舎の更に僻地に近い場所だから1件、1件の間はかなり広くてまあまあ歩いてようやく…

 ふとそんな遠くから怒号が届く…

 

 どうやら目的地の家からの様だ〜嫌な予感がするから隠れて行ってみるか…

 

【キャラインストール】汎用黒スーツ

 

 普段の探索者の格好から黒スーツ、白のワイシャツ、黒ネクタイ、黒の革靴とこの辺の田舎には似合わない格好にチェンジする。

 この格好はワールドトリガー内にいるB級部隊の二宮隊がこの黒スーツ姿の事もあって衣装だけアイデアを貰い、ある意味オリジナルコスプレになるがたまに公安の仕事を手伝う際に着るのに便利なので…

 ワールドトリガー内のスキルも8個まで装備できるのでカスタマイズできるのが地味に助かる。

 

【カメレオン】+【舞空術】

 

【カメレオン】はワールドトリガーに出てくるトリガーで姿を透明になって消えるがレーダーや音、匂いは消せない。

 

 空中から消えて近づくと…

 

「これ以上、迷惑かけるようなら出て行って貰うからな!いいな!!」

「「申し訳ありませんでした」」

 

 この家の主人だろう高齢の爺さんって感じなのが、高圧な態度で接している。

 那岐ともう1人の女性が那美だろうが…しかし空中から見ても顔色は悪いし全体的に細くて何か病気なのかと心配になる。

 

 更に彼ら姉弟が暮らしてる小屋も窓など付いてはいるが広さが四畳も無いから環境的には最悪なんだろう事は一目で見てとれる。

 

 俺はアイテムボックスから【スカウター】を取り出して耳に付ける。

【スカウター】はドラゴンボールに出てくる惑星戦士が装備する敵の強さを測定する装置

 本編では敵の強さ、つまり戦闘力を数値化できる測定機なのだが、こちらのは万能鑑定機で敵の強さや状態、アイテムの鑑定も可能な万能機

 普段はレプリカがやってくれてるので、こうやって使う機会があるのだから用意して置くものだとは思う。

 

 それで那美の体調を調べる為、那美をスキャンし始めると1分程で鑑定結果が出た…

 なるほどな…この病気に覚えがあるので、すぐに該当する相手に連絡する事にする。

 

 

 

「姉貴すまねー」

「那岐が悪い訳では無いわ…ダンジョンが暫く潜れないのは…私の身体がまともなら那岐1人に…」

「俺、相談しようと思うだけど兄貴に…兄貴なら頼みを聞いてくれると思うし…」

 

 コンコン

「俺だ」

「え?兄貴か!ちょっと待ってくれ」

 ドアを開けると…

 

 

「すまんな、待てなくて話を聞いてしまった」

「兄貴…」

「アキ…」

「久しぶりだな那美…」

 俺はそう言うと靴を脱いで中に入る。

 

「少し早く着き過ぎたのかもな〜怒る声が聞こえてな…話を聞いてしまった」

「…」「…」

 

「2人ともうちに来い…今は俺だけの家では無くてパーティーの拠点だけどな」

 既に4人で暮らしていて部屋もまだあるし、ここの悪環境な場所よりはな…

 

「でも迷惑を…」

「ああ〜迷惑と思うならその病気を治してからにしろよ…相変わらず融通が利かないな…那美は…」

 まあ昔の那美なら遠慮なんてしないのに…それだけ大人になったのか…

 

「兄貴…治したいんだけど…不治の病なんだぜ」

「あ〜那美の病気はな、簡単に治る病気だ…一般の病院だと治せないがな」

「「えっ?!」」

 2人は目を丸くする。

 

「そもそも病気でも無い…ただの魔力欠乏症だ」

「魔力欠乏症ってなんだ?」

 

「那美…お前、ダンジョンに短い時間入った事ないか?」

「え…あ〜確か高校生の頃に確か1分程…」

「それが原因だ…探索者の家族がよくかかるやつでな…」

「兄貴、それはどうやって?」

「探索者のネットに載ってるよ〜しかもダンジョンに1時間以上潜れば治る」

「へっ?!」

 

「と言う訳で那美、これを持ってトリガーONと言いな…」

 起動ユニットを目の前に差し出す

 

「え?何?これ…」

 

「今の状況よりは良くするものだよ」

「わかったわ…」

 俺から起動ユニットを受け取ると

 

「えーと…トリガーON?」

 すると光の粒子に包まれて那美の身体は黒スーツを着た状態へ変化した。

「えーこれって何?どういうこと?」

 

「それで身体も思う様に動けるはずだ」

 俺の言葉を聞いた那美は頷いて立つと、さっきまでの体調不良が嘘の様に身体が動かせる事が分かる。

 

「え?嘘…全然辛くないし身体が軽い…どうして…」

「その装備は身体が弱くて病弱な人でも、壁を走れるぐらいに元気になる」

 そう言うと壁?、と2人は口が空いて塞がらない状態になる。

 ワールドトリガー内で病弱な女性隊員がトリオン戦闘体になると壁は走るわ、射手士の中でも上位にランキングされる活躍をしている。

 

 流石にナイスリアクションと言いたいが…

「分かったなら俺の手を握ってくれ、那岐もな!」

 那岐にも手を差し出すと、迷う事無く俺の手を握る。

 

「今から東京、秋葉原に行くぞ!準備はいいか?」

「秋葉原?」「なんでそんなところに?」

「斑鳩ダンジョンは暫く潜れないが、楽に近くのダンジョン行けるのが秋葉原ダンジョンだからか…まあ行けば分かるよ〜転移で飛ぶから2人ともいいか?」

 2人戸惑いながらも頷く…

 

 よし〜

 

【転移】立花杏奈

 

 今は東京秋葉原に訪れてる杏の元へ転移する。

 


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