ポケットモンスター another story   作:黒雲涼夜

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ひとつのゴールライン。次へのスタートライン

18:15 一部ミスがあったので修正しました


第158話 これまでを、そしてこれからを

 2回戦第1試合、サユリvsサトシ。1体目は、サユリがサイドンでサトシがキングラーだ。このバトルは暴れるサイドンによって大きなダメージを受けながらも反撃を加え続けたことで、キングラーは相打ちに持ち込む。2体目、サトシはフシギダネ。対するサユリはバクフーンを繰り出した。フシギダネの速射【ソーラービーム】を使い追い詰めるも、相性の差もあり敗北。続く3体目のリザードンがバクフーンを撃破、サユリの3体目であるヨルノズク、4体目のエレブーも撃破するが、消耗したところを5体目のバンギラスに敗北して戦闘不能。ここで流れが一気にサユリへと傾いた。サトシの4体目であるピジョン、5体目のゼニガメがバンギラスに敗北して追い詰められるが、ゼニガメの攻撃で水に濡れたバンギラスを最後の1体であるピカチュウが仕留めてサユリも最後の1体に。そして、残るはフシギソウ。

「ピカチュウ、【10まんボルト】!」

ピカチュウの電撃が放出されるが、フシギソウは軽々とそれを躱す。フシギソウはフシギダネよりも肉体的スペックは高く、フシギバナに比べて小型のため動きやすいのである。

「フシギソウ、【はっぱカッター】!」

ピカチュウめがけて放たれた【はっぱカッター】をすぐにピカチュウの電撃が焼き焦がし防ぐ。

「【でんこうせっか】!」

「【つるのムチ】」

蔓が伸びてピカチュウを襲い、ピカチュウは素早く駆け回ることでそれを回避する。

「【かみなり】!!」

「【まもる】」

激しい雷撃が放たれフシギソウに迫るが、フシギソウは【まもる】を発動。バリアが、激しい雷撃を防ぎ切る。

「……ピカチュウ、【でんこうせっか】!!」

「【ねむりごな】」

ふわり、と鼻に香ったその香りこそが命取り。ピカチュウは技を中断して転がりながら眠りに落ち、サトシは驚愕で思考が止まる。

「ピ、ピカチュウ!?」

「……そこで止まったのが、貴方の敗因よ!【ギガドレイン】!!」

そして眠りに落ちたピカチュウを容赦なく攻撃が襲った。そして。

 

「ピカチュウ、戦闘不能!フシギソウの勝ち!!よって勝者、サユリ選手!!!!」

 

「…………くっそぉ」

サトシは、眠らされての敗北という結果を受けて絞り出すような声を漏らした。

 

 

サトシ 準々決勝敗退 ベスト8

◾️◾️◾️◾️

 リング対ジン。リングの1体目はフーディン、ジンはサイドン。このバトルはフーディンの翻弄に惑わされなかったサイドンが勝利。続くリングはランクルスを使用。サイドンを混乱にして自傷させ、そこに高火力を叩き込み勝利。しかし続くラムパルドに一点突破を許して戦闘不能。リングの3体目はオニゴーリ、氷技でラムパルドの足元を滑りやすく加工して動きを封じ、その隙に撃破。ジンの3体目はマグカルゴで、足元の氷を溶かしてそのままオニゴーリを撃破した。リングの4体目、ゴルーグにマグカルゴは相性差で敗北するも、続く4体目のオムナイトでゴルーグを撃破して同数に持ち込む。リングの5体目はゲンガーがオムナイトを撃破、5体目のカイリキーも連続で撃破するがここでジンの切り札、プテラを出すとゲンガーを撃破、最後に出されたバリヤードを火力で押しのけてジンが勝利、準決勝へと進んだ。

 ユウキ対スズキ。ユウキは初手でキノガッサ、スズキはニョロボンで天候を操り雨を降らせ、胞子の飛散を防ぐと直ぐに交代、カイリューの【ぼうふう】でふき飛ばして勝利。ユウキの2体目はカイリキー、対するスズキはニョロボンで対抗。真っ向勝負に持ち込んで相打ち。ユウキの3体目はライチュウ、スズキはウインディ。スピード対決となったこのバトルは、火力で上回ったライチュウが勝利。スズキの4体目として出てきたカビゴン(スミレ、ホウセンとの共闘で入手した個体)がライチュウを撃破するもユウキの5体目として出てきたサワムラーにより敗北。スズキの5体目として出したのはサントアンヌ号でスミレと戦った時から進化したニドキング。対するユウキはサワムラーを下げてカモネギで対抗し、これを撃破。スズキの6体目としてキュウコンを選出し、激戦の末にキュウコンが勝利。しかし消耗したキュウコンをサワムラーが撃破して両者残りは1体。サワムラーとカイリューが激突し、凄まじい火力と速度による空中での激闘を繰り広げたが、最後に力尽きたのはサワムラー。解説によると、スミレのフシギバナとのバトルで気力的にカイリュー以上の消耗をしていたことが敗北の原因とのこと。当のスミレは親と共に帰宅しているので知る由もなかったのだが。

 フユコ対ホウセン。フユコは1体目にピクシーを選出し、対するホウセンはアーボック。アーボックの連撃とホウセン曰くスミレを参考にしたという状態異常戦術でピクシーを撃破。フユコは2体目にガルーラを選出してアーボックを撃破。しかしホウセンの2体目として出されたカイリキーによって敗北する。フユコの3体目はミルタンク、【まるくなる】と【ころがる】の戦術で苦しめるがカイリキーを下げて3体目、ゴローニャで対抗して結果は引き分け。フユコの4体目はラプラス、ホウセンはカイリキーで迎え撃つも敗北。しかし消耗したところをホウセンの4体目ダグトリオで撃破。フユコは5体目でジュゴンを選択し、ダグトリオを撃破。しかし5体目のオコリザルがジュゴンを撃破すると、続く6体目のラッキーも撃破して勝利した。

 

準決勝

 サユリ対ジン。サユリ、ジン共に初手でサイドンを繰り出す。このバトルで勝利したジンのサイドンは続くサユリの2体目、ニドクインと相打ちで戦闘不能。サユリの3体目、バクフーンに対するジンの2体目はなんと切り札のプテラ。バクフーン、4体目のエレブー、5体目のヨルノズクを蹂躙するもここでエネルギー切れとなり戦闘不能扱いで撤退。ジンの3体目として出てきたラムパルドをサユリの6体目、フシギソウはなんとか倒すも4体目のマグカルゴに敗れてジンの勝利に終わった。

 スズキ対ホウセン。スズキはカビゴン、ホウセンはイワーク。耐久戦となるも火力で勝るカビゴンが勝利。ホウセンの2体目はニドクイン。様々なタイプの技を使い熟すニドクインによりカビゴンが敗北、スズキの2体目として登場したニドキングと相打ちとなり、両者3体目へ。スズキの3体目はニョロボン、ホウセンはギャロップ。スピードを活かし、更に高火力技を搭載したギャロップが勝利すると、スズキの4体目ラッタでギャロップを撃破し、ホウセンは5体目のオニドリルでラッタを撃破してスズキもまた5体目に。スズキはカイリューを繰り出してオニドリルをあっさり撃破すると6体目ウインディに交代。ホウセンの6体目オコリザルはスピードに苦戦しながらもウインディを撃破するが、少しでも消耗していたことをカイリューに突かれた。対抗してカイリューを相当追い込むもあと少し及ばず戦闘不能、スズキが決勝へと駒を進めた。

 

3位決定戦

 サユリ対ホウセン。ホウセンは初手でイワーク、サユリはピクシー。イワークはピクシーを撃破すると、続いて繰り出されたゴルダックと相打ちで戦闘不能に。ホウセンは2体目でオコリザル、サユリは3体目でサイドンを繰り出すとオコリザルがサイドン、4体目のエレブーを撃破して引っ込む。ホウセンの3体目、アーボックを5体目のヨルノズクが倒すが、4体目のニドクインによってヨルノズクが倒され、最後のラッキーに。ラッキーの奮闘でニドクイン、5体目ギャロップを倒すがオコリザルに倒されて戦闘不能、ホウセンが3位となった。

 

決勝

 ジン対スズキ。ジンの初手はラムパルド、スズキはニョロボン。火力で上回るラムパルドを相性差で抑え切ったニョロボンが勝利するも、消耗したため2番手のオムナイトによって撃破、続くウインディもオムナイトを突破できずに敗れるが、3体目のカビゴンがオムナイトを撃破するとジンの3番手、マグカルゴも撃破。4番手で出てきたサイドンに倒されるが、スズキの4番手ニドキングがサイドンを撃破。ジンの5体目、カイリキーでニドキングを撃破して5体目のニドクインと相打ち。6体目のカイリュー対プテラが互いに無傷でスタートし、両者攻撃型にも関わらず20分近く続いた大激戦の末にカイリューが勝利。

 

 

こうして、スミレにとって初めてとなるリーグ戦はスズキの優勝によって幕を下ろした。スミレも、サトシも、シゲルも、ヒマワリも。それぞれがそれぞれなりに悔いを残す結果になったこの大会。だがしかし、それぞれが新しい決意を胸に抱くには十分な意義があった大会でもあった。

 

そして、カントー地方を巡る旅の終わりはもうすぐそこまで来ていた。

 

◾️◾️◾️◾️

 とある日。スミレは、とある草原に来ていた。カントーリーグから暫く経って、今は開催中のチャンピオンリーグの話題で一杯だ。タマムシジムの主であるエリカもチャンピオンリーグに参戦、カントーリーグ優勝者であるスズキを相性不利を覆して撃破するなど活躍を見せて、本人としては自己ベストとなるベスト8まで進んでいた。ユウキはその結果に意味深な笑みを浮かべていたが、スミレはただ首を傾げるばかりである。

 あれから、色んなことがあった。サトシがオレンジ諸島という島に行って四天王カンナに鍛えてもらったとか、オレンジリーグを突破してきただとか。オレンジ諸島で幻のポケモン、ルギアと遭遇してロケット団と共闘して世界を救っただとか、その裏で悪徳なコレクターをシゲルが倒したとか。他にも、ヒマワリは謝罪行脚の最中で出会った人達に育成やバトルの腕や知識を鍛えて貰っただとか。スミレも、ユウキを始めとする色々な人とバトルして敗北を繰り返し、ポケモン達を強化する日々を送っていた。

 

 

それでもまだ終わっていないことがあるから、スミレはここに来たのである。

「……やぁ、来たね」

シゲルが、スミレに声を掛けた。

「ん。シゲル、元気そうで何より。それにしても、なんでこんな場所に……」

スミレが辺りを見渡すと、そこはなんの特別感もない草原。何かが違うとすれば、そこは廃線になった線路の跡地で、使われていない線路がずっと先まで続いているというだけだ。

「ヒマワリが散歩しようってね。それで来てるボクらもアレなんだが」

「……ま、そうだね」

 

「ごめーん!遅れた!?」

「くくくっ、待ち焦がれてたよ」

ヒマワリが焦った表情で駆けてくると、シゲルは悪戯っ子のような笑みを浮かべて嘘を吐く。

「ええっ!?」

「……間に受けないの。嘘でしょ嘘。私も今来たところだし」

「ふっ、正解。騙されやすいな、君という奴は」

「もぉー!!騙すなー!!!!」

態とらしく怒るヒマワリに、大笑いするシゲル、やれやれと言った様子でため息を吐くスミレ。昔のようで、しかし決定的に昔とは違う姿がそこにあった。

「……ほら、サトシ。遅いよ」

「ああ、ごめんごめん」

スミレに促されて、サトシもまた歩いてきた。ヒマワリは満面の笑みで手を大きく振り、シゲルはニヤニヤとした笑みを浮かべる。

「サァトシくんは重役出勤と来たか」

「悪いって、オレも色々あってさ」

シゲルがからかい、サトシが苦笑いを浮かべる。

「……それで、ヒマワリ。話し合うにしてもこんなところで良いの?」

「うん!散歩しよーよ!!」

スミレの疑問にヒマワリは満面の笑みのまま応え、3人は顔を見合わせると仕方ないなぁと言わんばかりに肩をすくめた。

 

 

 

 

 

4人の少年少女が、線路の上を歩いている。服装も髪型もバラバラで、性格もバラバラで。それでもずっと入れ替わり立ち替わり誰かが話をしていて、会話が途切れることはない。時に怒り、時に泣き、時に笑い。ずっと誰かのリアクションが響き、またそれに反応し。そうやって、4人は旅の思い出も、それまでの人生も、これからの夢も、全部を吐き出してゆく。まるでこれまでに貯めたすべてを出し切ってしまうかのように。

 初めて世界に旅立って様々なものを見た。美しいもの、醜いもの、楽しいもの、悲しみをうむもの。色んなことがあって、色んな人と出会って。そして色々なポケモンと関わって。そうして、4人はここへやってきた。蛹が蝶になってゆくように、偽りだった4人の関係は、こうして初めて本当の友達へと変わってゆく。

 

この日、この瞬間。少年たちはまたひとつ大きくなった。




カントー編、終了です!最後の方は駆け足な気もありますが……。ひとまず、ここまで読んで頂きありがとうございました。


4人の話し合いについては、今後語られるであろう理由から内容をぼかしました。まぁ、部外者が聞き耳立てるのも無粋ですからね。4人の話し合いの構図は、ひとつの区切りであると同時に始まりであるということから、あの構図にしました。多分ポケモン好きな方は分かって下さるのではないでしょうか。
次回からジョウト編、よろしくお願いします!!

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