ポケットモンスター another story   作:黒雲涼夜

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 すみません、遅くなりました。もうすぐ大学が始まるので更新が今回以上に遅くなるかも知れません、ごめんなさい。
今回はゲームからの話です。ゲーム通り、というわけではありません。それっぽいパチモノです

相変わらずのガバガバクオリティですがよろしくお願いします。

こんなクオリティですが、皆様方の評価や感想、UAに元気付けられております、ありがとうございます‼︎ここで満足せずに、もっと上を目指したいと思っておりますので、これからもよろしくお願いします

4/5 17:51 シルフスコープというアイテムに関して、ご指摘を受けました。出来るだけ早くに加筆、修正しますので今しばらくお待ちください。重要アイテムについての見落とし、大変申し訳ございませんでした。今後、このように重要な要素を見落としている、などがあった場合はご遠慮なくご指摘ください。ご指摘、本当にありがとうございました。
18:12 加筆・修正しました。大変失礼致しました。またガバっていれば教えてください、その都度修正致します
18:17 加筆・修正しました


第31話 ポケモンタワーの幽霊

 シオンタウンへの道中は、鍛えながら進む。フシギソウはそろそろフシギバナに進化して貰いたいし、バタフリー、ラプラスは更なる戦力増強が求められる。一歩以上遅れているユンゲラーには、彼らに出来るだけ追いついて貰わなければならない。思えばシルフカンパニーの戦いの後で、ワタル辺りにでも頼んでユンゲラーを通信交換してフーディンに進化させ、再交換で戻してもらうということをやっておけば良かったのだ。なのに、全く思い浮かばなかったのは失敗だ、進化すれば素の実力が上がるため、レベルが同じでも戦闘力が全く違う。体つきが大きく変わる種族だと、その体を上手く扱えずにかえって弱体化することもあるが、ユンゲラーからフーディンになっても、その辺りの心配はいらないのである。進化しない手は無かった、それをやり忘れていたのは純粋なミスだった。そのユンゲラーの状態はというと、大きな進歩ではあるが理想的ではない、と言った所か。優れた才能から放たれる高威力のサイコパワーによるゴリ押しで現状はなんとかなっているが、攻撃を受ければ逃げ出さなくはなったが他のメンバーと比べると怯みやすく、隙を生みやすい。また、出せば頑張ってくれるが、自分から戦う意思を示すことはシルフカンパニーの戦い以降は全く無かった。覚悟は決めたが、好戦的にはなっていないということだろう。それに関して、スミレは問題視する事でもないと結論付ける。この先はポケモンの問題ではなく、それを扱うトレーナーの問題だからだ。被弾に弱いなら当てさせなければ良いだけであるし、出せば戦ってくれるのだから、無闇に出し過ぎず、かつバトルに出た後はしっかりと労うなどケアをしっかりすればユンゲラーにストレスを与え過ぎることも防げるだろう。

「お主が次のチャレンジャーかえ?」

休憩と鍛錬も挟みつつ進んでいると、そう声を掛けられた。見れば少し先に、いつの間にか怪しげなローブを纏った老婆が立っている。しかしこの老婆をスミレは知っていた。カントーで1番の占い師にしてシオンタウン在住のジムリーダー、サダコだ。

「はい。そのつもりです・・・」

スミレの声に僅かな緊張が混じる。

「いやいや、緊張せんでええ。ワシはお主に試練という名の頼み事をしたくての。我がポケモンに頼んで連れてきてもらったんじゃよ」

そう言ってサダコは自身の腰に付けたボールを撫でる。

「頼み事・・・ですか?」

スミレは聞き返す。厄介ごとの気配だ。

「ポケモンタワーの上層に幽霊が住み着いておって訪問者を追い返しておるのじゃ。そしてフジという町の老人が上層に取り残された」

幽霊、確かにサダコはそう言った。それがポケモンならばゴーストポケモンと言うはずなのにそう合わなかった、そこにスミレは違和感を感じた。

「つい数日前、黒服の胸にRの字を描いた、チンピラ共がこの町へやって来た。ワシのポケモンを奪いに来おった奴らは返り討ちにしてジュンサーに引き渡してやったが、ある奴が1匹のガラガラを殺してな。野生の個体じゃったが、幼い子供がおった。子供のカラカラは無事で今はフジの孫が預かっているが、フジがそのガラガラを弔いに向かってから戻ってきておらん。町のトレーナーが確認しに行ったが、悉くその幽霊に『タチサレ』と脅されて逃げ帰って来たらしい」

サダコは一度言葉を切り、悲しげに伏せていた目をスミレに合わせた。

「ワシは行こうにも最近腰が悪くてな。ここは舗装された一本道じゃから平気じゃが、階段の長いポケモンタワーはちと辛い。なので、ポケモンタワーに登って、フジを連れて帰って来て欲しいんじゃ。出来れば挑戦を受けてやるし、トレーナー達が喉から手が出るほど欲しがる、ゲンガーをお主に譲ってやる。"やらない"というならそれらは無しじゃぞ?」

「・・・・・・分かりました」

厄介ごとなのは確かだが、成功すれば大きなリターンがある。それに、自分のラプラスはそのカラカラと同じく親を人間に殺されているため、事情を聞いて特に奮い立っている。スミレは、その頼み事を引き受けた。

 

 ポケモンタワー。それは死んだポケモンを埋葬する霊園である。ポケモンは超常の力を秘めているがそれでも生き物は生き物。人間と同じで死ぬ時は死ぬ。中でもこの霊園では、トレーナーによってゲットされたポケモン達が主に埋葬されている。そうなると現世への未練がエネルギーとなり、ゴーストタイプのポケモンを呼び寄せるのだ。カントーに生息するポケモンはゴース、そしてその進化形のゴースト、ゲンガー。特にゲンガーはカントー地方の四天王の1人が使っていたり、他地方のジムリーダーなども手持ちに採用する程強力だ。なのでゲットこそすれば強力な味方だが敵に回れば厄介である。そんなゲンガー達が野生として生息するのがこのポケモンタワー。死んだポケモンの弔いに行くなら兎も角、ゴーストポケモン目的で足を踏み入れると碌な目に遭わない。そして今は謎の幽霊なるものが影響を与えている。端的に言えば、スミレは苦戦を強いられていた。

 

 

「少し・・・肌寒いな」

スミレの呟きが妙に大きく響く。1階層からポケモンの名が刻まれた墓石が並ぶ。種族名からニックネームまで様々で、中には自分が捕まえているポケモンや今までに出会ったポケモンと同じ種族も散見された。タワーの中は妙に肌寒く、スミレは思わず防寒用のコートを着た。この世界の防寒具はポケモンの力を借りて作っているため、ゴーストポケモンの影響による寒さもある程度は跳ね除けられる。和らいだ寒さに、スミレはホッと一息。しかし悠長にもしていられない。上層にはフジという老人が取り残されているという。怪現象が度々起きたり、ごくたまに墓荒らしの死体が見つかるポケモンタワー、そのフジという老人がどんな人物であれども危険なことには変わりない。

「行くか・・・」

スミレは黙々と、上層への階段を登り始めた。

 

 

「バタフリー、【しびれごな】。ユンゲラー、【ねんりき】」

スミレが指示を飛ばし、バタフリーが野生のゴーストの動きを止めるとユンゲラーのサイコパワーで撃退する。階段を登り始めてすぐ、スミレは怪現象に襲われた。壁に突然ついた血まみれの手形、外は晴れていはずなのに響く雷雨の音に襲いかかるゴースやゴーストの群れ。この場所では何故か特定の道具や技が無ければポケモンの姿が見えず、スミレはシルフカンパニー製のシルフスコープという道具を使い正体を暴き、その上で倒している。墓石を壊す訳にもいかない為、的確に墓石を避けて戦えるバタフリーと、その補助としてユンゲラーを出してバタフリーが誘導しつつ迎撃してユンゲラーでトドメを刺す方針で進んでいるが、なかなか集中力が削られる。なんたって奴らは何処からでも現れる。バタフリーには特に負担を掛けてしまって申し訳なく思うが、そんな状況でもしっかり対応する彼の実力には毎度の事ながら舌を巻く。

「・・・らちがあかない」

このままでは先にこちら側の体力が尽きてしまう。

「ユンゲラー、サイコパワーで周囲に人がいるか探れる?」

スミレの言葉にユンゲラーは頷き、目を閉じて集中を始める。そして暫くすると目を開き、首を横に振った。

「人は居ない、か・・・。ありがとう、お疲れ様」

ユンゲラーを労いつつ戻し、出しているのはバタフリーのみとなる。

「バタフリー、広範囲に【しびれごな】。柔らかな【かぜおこし】で散布して」

スミレが選んだのは【しびれごな】の広範囲散布。これによりスミレ達を監視しつつも襲撃の機会を狙うゴーストポケモン達の機動力を削ぎ、突破する作戦だ。スミレはコートの袖で鼻と口を覆い、全力で駆け抜ける。途中、体が痺れて動けなくなったゴースやゴーストを発見するが、今はゲットする余裕などない。スミレは一心不乱に駆け抜け、ついに最上階目前に迫った。

 

「ふう・・・、ふう・・・。き、キツい・・・」

スミレが荒い息をする。全7階ある建物の現在は6階、その建物内と階段を駆け上った体は、もうヘトヘトだった。

「あと、少し・・・・・・」

と言うところで、異変が起きた。背筋が凍るような感覚に、ノイズのような幻聴。そして、それが聞こえた。

 

『タチサレ・・・ココカラ、タチサレ・・・・・・』

 

「・・・ッ!誰?」

スミレは冷や汗をかきながらも平静を装い、問いかける。するとそれは姿を現した。ゲンガー系統とも、他地方のゴーストポケモンでもない存在。それは言ってしまえば黒いモヤの集合体。モヤがまるで生き物のように形を作り、こちらに変わらず声をかけ続ける。当然、シルフスコープを使わなければただ空間があるだけだ。

 

『タチサレ』

 

と。スミレは必死に昔読んだゴーストタイプに関する本の記述を振り返る。あの謎の幽霊には、なんらかの起源があるはずだ。確かゴーストというのは・・・、そしてあのモヤが模る形は・・・

「あ・・・」

スミレは1つの結論に、至った。

 

 

 

 

「なるほど・・・、貴方があのカラカラのお母さん。ロケット団に殺されたっていうガラガラね・・・」

 

⬛️⬛️⬛️⬛️

「その子が、例のカラカラ?」

ポケモンタワーに向かう前、サダコに連れられてやって来た民家で、スミレはカラカラと対峙していた。カラカラはすっかり人に怯え、現在のトレーナーであるフジの孫、サヤですらご飯を与えるのが精々であるらしい。

「はい・・・。どうしても元気が出なくて。やっぱりお母さんを失ったのが辛いんだと思います」

サヤはそう言って目を伏せる。ちなみにサヤはまだ9歳。トレーナーの資格は持っていない為、名義としては彼女の母親のポケモンで、10歳になれば譲渡されるらしい。

「・・・ラプラス」

スミレはボールを腰から外すと、ラプラスを呼び出す。カラカラは突然現れた巨大に驚き、家具の影に隠れてしまう。

「ちょっと、カラカラを怖がらせちゃダメですよ!」

サヤが咎めるが、スミレは首を横に振る。

「この場合はラプラスにやらせるのが最適解。うちのラプラスは、ポケモンハンターに親を殺されてる。私は『どうせ止められるから死ぬことを諦めろ』って感じで話して今に至るんだけど、今回はラプラスにやらせてみようと思う」

「そ、そうなんですか・・・」

さらっと出てきたラプラスの重い過去に顔を引き攣らせながらも納得する。ラプラスはカラカラに話しかけ、最初は警戒されつつも少しずつ打ち解けてゆく。やはり同じ傷を持つもの同士、惹かれ合うものがあったか。そしてそのうちラプラスは小声で何かを歌い始め、それを聞いていたカラカラは次第にウトウトとし始め、最後には完全に眠ってしまった。その目には涙が滲んでいる。

「子守唄・・・ですかね?」

サヤがそう言う。優しげなラプラスの歌はこちらにも聞こえていた。・・・正直スミレにとっては気恥ずかしいものがある。その歌は、ラプラスが偶に親のことを思い出してしまい眠れない時にいつも歌っていた子守唄だったのだ。

「まぁ・・・うん、ラプラスも偶に、親のことを思い出して眠れなくなるから。私がよく歌ってる・・・」

スミレはそっぽを向いてそう呟く。

「優しいんですね、スミレさんって。第一印象は冷たそうな人だと思っちゃったんですけど、全然そんなことありませんでした」

割とその第一印象は間違って居なかったりする。

 

「そんなんじゃないっての・・・。さ、ラプラス行くよ。ガラガラを殺した奴を見つけたら、そいつを倒す役目は貴方に任せる。ガラガラの敵は同じ痛みを知る貴方が討ちなさい」

「ラァァ!」

やる気十分なラプラスをボールに戻し、サヤに背を向ける。

 

「もう、行かれるんですか?」

サヤは心配そうにそう聞くが、スミレはそれに無表情で返す。

「カラカラの状況は確認できた。この状態なら問題なさそうだし、あとは私の仕事をするだけ・・・。ちゃんと"報酬"の件、よろしくお願いしますね」

「分かっとるわい!可愛げのない小娘め‼︎」

優しい説を否定したいのか、わざわざ報酬の部分を強調して話すスミレに、サダコが苦笑しつつもそう返した。

 

 

⬛️⬛️⬛️⬛️

 

 悪霊。非業の死を遂げた人間やポケモンが残した未練を糧に地上に残り、悪さをするもの。ガラガラは、子供を遺して殺された未練で、悪霊になってしまったのだろう。

「お前の子供はなんとかなりそうだよ、ガラガラ。いいトレーナーに恵まれた。私なんかよりずっと優しい人だ。カラカラの事を本気で心配が出来る奴が今はカラカラの側にいる。だからそこを通しなさい。その人の祖父がこの先にいる。多分、そこにガラガラを殺した奴もいる。私の仕事はガラガラの敵を全力で叩き潰し、尚且つフジ老人を連れ戻す事、誰にも邪魔はさせない」

スミレはフシギソウの入ったボールを構える、が、その幽霊はふわりと霧が晴れるように消え失せた。

 

「・・・そうか」

幽霊の予想が当たっていたこと、そして自身の言葉に納得してもらえたことに安堵しつつ、最後の階段を登りきり、最上階のフロアに入った。

そして

 

「見つけた。フジさん・・・、そしてロケット団」

スミレの瞳に、研ぎ澄まされた刃の如き殺意が、宿った。

 

 

 




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