ポケットモンスター another story   作:黒雲涼夜

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スミレvsタケシ決着&ヒマワリvsタケシ前半です。
最近、他の小説を見てもう少し字数増やしてみようか検討してます。あまり遅くならないように3000字程度書いたら投稿、てしてましたけど他の方は結構書かれてるみたいなので・・・大体4000くらいで一区切りとしようかなとしてます。


第9話 ジム戦決着、フシギダネvsイワーク

 イワーク。このポケモンをスミレは本や資料でしか見たことが無く、実物を見てその威容に驚き、それと共にとある確信に至った。

 

今のバタフリーでは、勝てない。

 

バタフリーの強みはその器用さだ。反面、火力が不足しているのが最大の弱点である。それ故、バタフリーならイワーク相手でも攻撃を避けながらうまく立ち回り、体力を削るくらいのことは可能だろうが、それは万全の時の話。相手はあのタケシのイワーク、イシツブテ相手に削られた今のバタフリーでは、体力の消耗と火力不足により確実に負ける。ならば無理に戦わせる必要はない、ポケモンを捨て駒にするわけにもいかない。

 

「戻っ「フリィィィィ‼︎」・・・本気?」

 

バタフリーを戻そうとするスミレだが、バタフリーはそれを首を振って拒否する。

 

「戦えば消耗した今のキミでは必ず負ける。・・・それでも?」

 

「フリィィィ、フリッ、フリッ、フリフリィィィィ!」

必死にバタフリーは何かを告げる。首を縦に振っている辺り、本気で自ら捨て駒になる気らしい。

 

「・・・・分かった。やろう、最後まで。」

 

そう決断を下すと、それを待っていたタケシが口を開く。

 

「その判断が吉と出るか、凶と出るか。このイワークで確かめるとしよう!

イワーク、【がんせきふうじ】‼︎」

 

「イワァァァァァァック!!」

イワークが咆哮を響かせ、どこからともなく岩を生み出すとバタフリーを撃墜しにかかる。

 

「修行の成果をここで出して。バタフリー、【いとをはく】。続いて【かぜおこし】」

バタフリーは1つの岩に糸を巻き付けると、【かぜおこし】で勢いをつけて飛んでくるもう一つの岩に叩きつけて相殺する。

しかしその影から飛んできた岩が体を擦り、バタフリーはふらつく。

「バタフリー、残りの岩を飛んで回避。攻撃を避けつつ鼻先に【かたくなる】からの【たいあたり】。」

 

「フリィィィィ!!!!」

バタフリーは傷だらけの体で、なおも美しい舞のように飛び続け、【がんせきふうじ】の残りをギリギリで全弾回避し、鼻先へ迫る。

 

「無駄だ。イワーク、【ずつき】。」

 

「イワァァァク‼︎」

 

バタフリーの特攻を迎撃する形でイワークは【ずつき】をし、まともにぶつかったバタフリーは、フラフラと墜落する。

・・・・バタフリー、戦闘不能。

 

「・・・お疲れ様。」

スミレはバタフリーに労いの言葉をかけながらボールに戻し、もう1つのボールへと手を掛ける。あと1体、追い込まれた?いや違う、このボールの中にいるポケモンこそスミレの本命。

 

「出陣だ、フシギダネ。」

 

「ダネェェェェェェェェェ‼︎」

バタフリーの奮闘に報いるため、イワークに負けぬとばかりに放った咆哮と共に、スミレの切り札がついにその姿を表した。

 

その小さくも力強き姿に、タケシはこのフシギダネこそが彼女のエースなのだと思い至り、警戒を強める。

 

「・・・なるほど、そのフシギダネ、ただものではないらしい。だがっ、勝つのは俺だ!行くぞっ、イワーク!【がんせきふうじ】‼︎」

 

「イワァァァク!」

イワークの咆哮が響き、大量の岩石が再び現れる。

 

「フシギダネ、【つるのムチ】。空中機動戦、開始。」

「ダネェ!」

フシギダネはスミレの指示に力強く答えると、迫り来る岩石につるのムチを巻きつけ、蔓が縮む事を利用し、岩の上に飛び乗る。そして蔓をまた次の岩に巻き付け、次の岩に飛び乗る。そうして次々に飛んでくる岩を岩そのものに飛び乗る事で回避した。後にサトシが、『がんせきふうじ封じ』と名づける戦法である。

 

「フシギダネ、【やどりぎのたね】。植え付けたら一度離脱して。」

「ダネ!」

 

フシギダネは岩の上からイワークに種を飛ばし、その種はイワークにぶつかると芽吹き、成長を始めた。【やどりぎのたね】、これは植物を相手に植え付ける事で相手の体力を削りつつ自分は回復するという技である。回復と攻撃が同時に出来る技など、使わない手は無いのだ。

 

「イワーク、尻尾で弾き飛ばせ!」

「イワァァァク!」

イワークが尻尾をムチのように振るい、僅かに掠っただけのフシギダネを大きく弾き飛ばす。

 

「イワーク、【ずつき】だ!体力を削り切られる前に勝負を決めるぞ‼︎」

「イ・・・イワァァァァァァク!!」

イワークが【やどりぎのたね】の効果に苦しみながらも、【ずつき】を決めるべく巨体を驚くべきスピードで動かして迫ってくる。

 

「フシギダネ、懐に入って【つるのムチ】。」

「ダネェ!!」

 

フシギダネがイワークの頭と地を這う胴体の間にできた僅かな空間に入りこみ、連続で【つるのムチ】を当てる。イワークには大ダメージだ。

 

「捕まえろ、イワーク!そして【ずつき】だ」

タケシの指示が飛び、イワークが胴体でフシギダネを拘束し、締め上げる。フシギダネの顔が、苦痛で歪んだ。

だが、スミレは焦らない。

 

「フシギダネ、【なきごえ】。」

拘束から脱するためによく使う手、【なきごえ】による脱出である。

 

「ダネェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!!」

 

フシギダネの大声がずつきを決めるため迫ってきたイワークの耳に叩き込まれ、イワークは動揺する。

 

「不味い!!!!」

 

「フシギダネ、脱出。そしてこれで決める・・・、トドメの【つるのムチ】。」

 

「ダァァァァ、ネェッ!!!!」

フシギダネは、2本の蔓を絡み合わせて1本の太い蔓に変えると、思いっきり、イワークの頭に叩きつけた。その攻撃を受けたイワークは、轟音を響かせながら崩れ落ち、戦闘不能になる。

 

タケシの使用ポケモン、残りゼロ。・・・勝者、スミレ。

 

「ご苦労だった。」

タケシは戦闘不能になったイワークをボールに戻す。

 

「ありがとう、フシギダネ。」

スミレもフシギダネをボールに戻す。

 

「おめでとう、君の勝ちだ。」

タケシは笑って、スミレの勝利を讃える。

 

「スミちゃーーーーん!おめでとーーーー!!!!」

上階から降りてきたヒマワリが大声で祝う。

 

「対戦・・・ありがとう、ございました。」

バトルが終わるとプツリと集中が切れ、一気に疲労が押し寄せる。対戦中の落ち着き払った態度が嘘のようである。

 

「無理をするな、相当疲れたろう。さぁ、手短に済ませるとしようか。これがジム突破の証、グレーバッジ。そしてもう一つが、わざマシンの

[がんせきふうじ]だ。君ほどの実力者ならば、きっとこの技の効果も知っているはずだ。上手く使ってくれ。さぁ、この後は体力を回復させた後、ヒマワリさんのジム戦だがどうする?相当キツそうだが・・・。」

 

「ありがとう、ございます。大丈夫です。座って休んでたら、少しは回復すると思います。」

 

「分かった・・・無理はしないでくれよ?」

タケシは心配そうに言うと、自身のモンスターボールとスミレのモンスターボールをジム備え付けの回復装置に設置し、ポケモンを回復させる。

 

「ほら、君のポケモンだ。後で存分に労ってやるといい。」

ボールを差し出すタケシに、スミレは一言礼を言って受け取る。

 

「じゃあ、頑張って。」

スミレはそう一言エールを送ると、上階に上がっていってしまう。

 

「さて、マサラタウンのヒマワリ。ジムバトルを始めようか。」

タケシが表情を引き締めてヒマワリを見る。

 

「(スミちゃんのように強くなりたい。だから・・・)絶対に、勝つ。・・・よろしくお願いします!!!!」

 

タケシとヒマワリの、ジム戦が始まった。

 

 

⬛️⬛️⬛️⬛️

 

「行けぇ!イシツブテ‼︎」

「ヘイラッシャ!」

 

「お願い、ポーちゃん‼︎」

「ポー!」

 

イシツブテに対して出したのはポッポ。相性が悪い上に未だ一度も進化をしていない。

 

「イシツブテ、【たいあたり】!」

「ポーちゃん、【でんこうせっか】で攻撃、当てたら逃げて!」

 

イシツブテが【たいあたり】で迫るも、ポッポが【でんこうせっか】を使い高速で飛来し、攻撃を当てると素早く上空へ離脱する。ひこう技は効果が薄く、ノーマル技は火力が不足しているが故の戦法だ。ちなみにこの戦法、スミレに散々強請って駄々を捏ねて教えてもらった戦法でもある。

 

「なるほど、【でんこうせっか】は高速で攻撃する技、一撃当てて逃げる戦法にはうってつけだな。」

 

タケシは分析する。

 

「もう一発、【でんこうせっか】!」

「ポーッ‼︎」

 

ポッポがもう一度飛来し、イシツブテに攻撃を当てて再び空に戻る。

 

「ふむ・・・・ではこうしよう、イシツブテ!周囲の岩に【たいあたり】!」

「ヘイラッシャ!」

イシツブテがまるでピンボールのように跳ね回り、ポッポを撹乱する。

 

「ポーちゃん、頑張って!【でんこうせっか】‼︎」

「ポー!」

 

「今だイシツブテ、【高速スピン】!」

 

「ポー⁉︎」

「ポーちゃん⁉︎」

 

ポッポをイシツブテの【高速スピン】が迎撃し、パワー負けしたポッポが吹き飛ばされ、地面を転がる。

 

「相手の攻撃に自ら突っ込み自爆とは・・・・愚かな。」

タケシの指摘にヒマワリは俯く。

 

「そしてそのポッポ・・・・、もう進化出来るんじゃないのか?」

 

「・・・・・え?」

 

⬛️⬛️⬛️⬛️

 

「ポーちゃん・・・本当に⁉︎進化できるの⁉︎」

ヒマワリがポッポに詰め寄る。

 

「まぁ待ってくれ、ヒマワリ。」

タケシがそれにストップをかけた。

 

「ほぇ?」

ヒマワリが素っ頓狂な声を上げる。その声にタケシは小さく笑いながら言った。

 

「俺が触れておいてなんだが、まだ進化をしていないと言うことは、ポッポが進化したくないのかもしれない。進化する、しないの判断はポッポに任せてやってくれないか?」

 

ヒマワリは頷くと、ポッポに向き合う。

 

「ヒマは進化してどーなるとか、頭良くないから分かんない。でもね、ヒマにとってポーちゃんはポーちゃん。進化して名前が変わってもヒマのポーちゃんはポーちゃんなの。進化するのが嫌ならそのままでいい、ヒマはポーちゃんは進化しなくても強いって知ってるもん。」

 

「ポー・・・」

 

 ポッポにとって、ヒマワリは太陽のような人だ。そばにいればあったかく、眩しい存在。そんな人から『ポーちゃん』と呼んでもらえるのが、堪らなく嬉しかった。だからこそ、これまで進化の衝動を堪えてきた。だって進化してしまえば、自分はポーちゃんで無くなってしまうから。しかし今、彼女は進化しても進化しなくても自分を受け入れてくれると言った。そしてポーちゃんはポーちゃんだと、そう言ってくれた。ならば、自分は飛ぼう。更なる力を得て、太陽のように笑うあの子を勝利に導く翼になろう。

ポッポの覚悟が青白い光となってポッポの体を包み込み、体が徐々に変わってゆく。そして光が晴れると、そこには更に立派な姿になった『ポーちゃん』が立っていた。ポッポの進化形、ピジョンである。

 

「進化したか、おめでとう。・・・だが、勝ちは貰っていく、行くぞイシツブテ!」

「ヘイラッシャ!!」

 

「勝とう、ピジョン・・・いや、『ポーちゃん』!!!!」

「ピジョォォォォォ!!!!」

 

タケシvsヒマワリはここからが本番だ。

 

 

 




読んで頂きありがとうございました。戦闘描写ホント難しい・・・まだまだ勉強ですね。

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