空も明るくなりつつ夜明けが近づいてくるのを感じ始めながら翔琉は蝶屋敷へ女性隊士を抱えながら向かっていた。
「着いた,中まで行くぞ」
「すみません、お願いします」
翔琉は玄関を開けて中へと入っていった。
「氷川君、こっちまでお願い出来る?」
「分かった」
カナエが案内してくれた部屋の寝台に女性を乗せた。
「報告はしておく。後日、詳細を聞きにくる」
「ありがとうございました」
翔琉は頷いて部屋を出た。
「お大事に。胡蝶,後を頼む」
「えぇ、また鴉で知らせるわ」
こうして翔琉は自身の屋敷へ戻り少し仮眠をとってから報告書を書いて本部へと送った。
二日後、カナエより面会可能との手紙が送られてきた。翔琉はすぐに蝶屋敷へ向かった。
「失礼する」
「あっ、こんにちは氷柱様」
「あら、いらっしゃい氷川君」
翔琉が部屋に入ると女性隊士とカナエが出迎えた。
「それじゃあ青井さん足の骨には異常はなかったけど、打撲がひどいから一ヶ月は安静にね」
「わかりました」
カナエは退室して行った。
「氷柱様、どうぞこちらに座ってください」
翔琉は彼女の寝台の傍にある椅子に腰かけた。
「さてと、そういえばまだ名乗ってなかったか。俺は氷川翔琉,氷柱だ」
「私は階級,壬(みずのえ)の青井美澪(あおいみれい)と言います」
「壬の隊士がよく生き残ったな」
「私は一番下の階級でまだ新人だからって他の皆さんが離れた所にいるようにと」
「そうか、それでなぜあの平原で戦っていた?」
「今回の任務は村から人がいつの間にか消えることが多発しているからと3人で調査に向かいました。そして足取りは3日掴めずにいたので追加の人員を要請しました。数日間雨も降っていたので鬼は見つかりませんでした。そしてあの日は雨がやんだ。そしてここぞとばかりにあの鬼は現れた。後一歩のところまで追い詰めたんです。でもそれは血鬼術で作られた偽物でした。そこからは戦闘が激しくなって後は氷柱様が見たとおりです」
「分かった。あとは他からも話を聞いて本部に報告しておく。それではこれで」
「あの!お願いがあるのですが」
翔琉は部屋から出て行こうとしたところを呼び止められた。
「なにか?」
「私を弟子にしてもらえませんか?」
「…ひとまず、理由を聞きたい」
「今回の任務で私は何もできなかったんです。せめてもう少し強かったらと思うとやるせなくて…」
そう言って彼女は悔しそうに布団を握りしめた。
「確かにその気持ちは分かる。だがなにも俺じゃなくてもいいはずだ。例えばこの蝶屋敷でも女の子が何人か修業してるだろ?」
「でも私は氷柱様に修業をつけて欲しいんです」
「分かった。ただし条件がある。まずはしっかりと怪我を治すこと。そして、万全の状態で自分の実力を証明してみせろ」
「分かりました」
こうして翔琉は蝶屋敷を後にして普段の日常へと帰っていった。
青井美澪…階級は壬 翔琉へ弟子入りを懇願した。結果はいかに
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