一つ訂正がありましたので後書きに書いておきます。
美澪が翔琉の弟子として認められた次の日から翔琉の生活は一変した。
まず翔琉は普段自身の屋敷に一人で住んでいてあとは何人かの隠が身の回りの世話をしたり屋敷の管理にきてくれる程度だったが、この日からは美澪が一緒に住むことになった。それ自体は全く問題はない。屋敷は広いから部屋は余っているし、一緒に住む方が稽古もしやすいから得ばかりのはずだが、翔琉は少し悩んでいた。
『どう接するのがいいのだろうか?』
翔琉は物静かな性格をしており自分から人と関わることは殆どなく特に歳が下の者とは接することはまずない。それに稽古の時はもちろんのことそれ以外でも意思疎通を図って行きたいと考えている。だからこそ悩んでいるのだ。美澪とは数える程しか会ってはいないが特に嫌な感じの人物ではなくむしろ翔琉からすると明るくて人懐っこいことが感じ取れた。
『そういえば、似たような奴がいたな』
思い立った翔琉は手紙を書いて菊丸に届けるように頼んで返事を待った。
数日後、翔琉の姿はとある甘味処にあった。そこで手紙を送った相手と待ち合わせの約束をしていた。
団子とお茶を頼みそれらを食べながら待っていると歩いてくる3人組が見えた。
「あっ、あそこにいるよ」
「変わらないな」
「…」
「久しぶりだな、錆兎,真菰。義勇も来てくれてありがとう」
「久しぶりだな、翔琉」
「よかった~元気そうで」
「気にしなくていい」
「ここは俺が奢るから好きなのを頼むといい」
今回翔琉が呼び出したのは、水柱の冨岡義勇と同門で継子の錆兎と真菰の3人を呼び出した。
翔琉とこの3人の出会いは最終選別だった。翔琉は単独で鬼と戦っていたがその年の選別は殆どの鬼を錆兎が倒してしまった。それにより、かなり選別の難易度は下がった。しかし、残っていた鬼の中に錆兎たちの師である元水柱の鱗滝左近次によって捕らえられた鬼がいた。その鬼は鱗滝を恨んでいた。だから錆兎たちの持っていたお面を見てすぐに鱗滝だと気付いたそうだ。それ以前にも同じくお面をつけた者達を喰らってきたらしい。長い間、数多くの人を食べたことでかなりの力を得ており3人の力でもかなわなかった。戦いの中で義勇は気絶し、真菰も怪我をしてしまっていて一番実力のあった錆兎も追い詰められていた。その窮地に駆けつけたのが翔琉だった。翔琉は錆兎に手を貸して鬼を倒してその後も怪我をした3人を守る為に行動を共にすることにしてその縁で仲良くなった。
「それで俺たちに一体何の用なんだ?」
「主に真菰に用がある」
「えっ、何々?」
「実はーーーという訳なんだが」
「え~本当なの!?それ」
「嘘だろ!?」
「…」
「そんなに驚くか?」
「だって、初めて会った時の翔琉からは考えられないじゃん!ねぇ、二人もそう思うよね?」
「確かに」
「いや、一理ある」
それまで殆ど話をしなかった義勇が口を開いた。
「どうしてそう思うんだ?義勇?」
「先日、宇髄に会った時に翔琉が最近よく他の隊士に助言をしていると聞いた」
「へぇ~そんなことしてたんだ」
「始めたのはここ数週間の話だ。以前に同じ任務についた隊士に任務の間に少し手合わせをしたり時に助言したのがきっかけだ」
「それだけではないんじゃないか?」
「鋭いな錆兎」
「どういうことだ?」
「実は愼寿郎さんと話した時にふと口にされたんだ『もう少し後身が育てばお館様の気苦労も減るだろう』と言っていた。確かにお館様は我々のことを実の子供のように思ってくださっている。それ故ご自身が戦えないのに他の人が命を落とすことに深く心を痛めていらっしゃる。俺はお館様には返しきれない程の恩があるから」
翔琉はその思いからまずは美澪の指導をしてみようと思い立ったのだ。(美澪は実力を秘めていると見抜いたのもあるが)
「そういえば翔琉は昔から落ち着きがあるからな指導は向いていると思う」
「そうだよ!翔琉が思うようにやるといいよ。それで困ったならまた相談に乗るからさ。それにその美澪ちゃんって子にも会いたいし」
「真菰が会いたいだけでは?」
「義勇に言われるとは思ってなかったよ」
「変わらないな安心したよ」
「翔琉もな」
「ありがとう、気が楽になったよ」
「よかったじゃあまたね」
「「またな」」
こうして翔琉は3人と別れた。その顔は普段よりも少し晴れやかだったそうだ。
氷川翔琉…美澪との接し方に悩むも、相談したことで吹っ切れた。3人のことは数少ない気のおける友人だと思っている。
冨岡義勇…今作では錆兎が生きているためわりと話す。食べながら話せないから会話にはあまり入ってこなかった。
錆兎…今作では生きている。義勇と互角の強さを持つが凪を使える分劣っていると判断したため立場的には義勇の継子となっている。
真菰…年齢は不明で義勇との関係は原作ではないが同い年としている。美澪との共通点は明るいことやフワフワしている所
※訂正した所は煉獄愼寿郎さんを第一話での柱の中に入れていませんでした。確認したところこの時はまだ現役だったので訂正しています。スミマセンでした。