さて、二匹は背中で眠る赤ん坊を見ていた二匹は疲れていた。旅をして一週間を迎えていた。この一週間、いろいろな大変な問題が発生していた。
一つはミルク。ミルクは道中で見つけたというより捕食されそうになったポポやケルビのメスからもらった。乳の栄養が高いポポのミルクは美味しいのだが、ケルビの乳は苦い味がした。薬草と同じ味がしたのだが、ハチミツを見つけ、それを調合した。回復グレートならぬミルクグレートができたのでそれを飲ましたら、意外と飲んでいた。
二つ目はモンスターの存在だ。野宿ができそうな場所がなく、寝ることができなかったが、その問題はここまで…
「すみませんニャ。乗せてもらって」
「いいニャ。それぐらい。こっちは助けてもらったご恩があるニャ。」
「とんでもない、ただ、道にモンスターが居すわってあるのだから倒すのが普通ニャ」
行商アイルーの荷台に乗せてもらっている。
三つ目は赤ん坊の世話。これが一番大変だった。オムツは勿論、ミルク、睡眠、泣いたらあやしたりと大変だった。下手なモンスターと対峙するよりも大変だった。
それも今日まで。今、乗っている荷台はユクモ村へ行くのである。宛はあるのでその方に頼めばいいと二匹は思っていた。
さっきまで晴れていた空が段々と雲ってきた。行商アイルーは手綱を引き、速度を上げた。灰色の雲から雷や雨が少しずつ激しくなっていった。
その時だった。青い稲妻が見えたのは。そこには空に向かって、吠えているモンスターがいた。
「やばい。雷狼竜ニャ」
雷狼竜ジンオウガ。別名無双の狩人と言われる牙竜種だ。荷台はさらに速度を上げた。いや、捕食対象になっている生物は本能に従っていた。
二匹のアイルーはジンオウガが空に向かって吠えている方を見た。雲に隠れていて姿は見えなかったが、雷が光った時に姿を見ることができた。飛竜種と似つかない体格。海竜種と似ているが、空を飛んでた。二匹の頭にはある種が横切っていた。
古竜種。いるだけで災害そのものと言われるモンスターの中でもっとも謎に包まれた種である。代表例として、ラオシャンロ、ジエンモーラン、ダレンモーランの三体が代表例。つい最近見つかったとされているのが、ナバルデウスだ。
二匹はそれぞれの武器を手に持った。
クロの手にあるのは刀。シロの手にあるのは木槌。臨戦態勢をし、二体を観察していた。けれど、そこまで長引くことはなかった。先に離れたのは上空を飛ぶ古竜種の方だった。ゆっくりと空を泳いで行く姿は神々しい。それから数分後。ジンオウガもこの場を離れた。しかし、二匹は警戒を保ったままこの場を後にした。ユクモ村の近くになると、次第に雲が晴れてきた。
「ついたニャ」
「ありがとうニャ」
「商売頑張ってニャ」
二匹は行商アイルーに礼をいい、門をくぐった。
ユクモ村。この村は温泉が有名でそれを利用した施設が多い。だが、なんといって温泉の施設は多く、滝湯、薬草風呂、砂風呂など。集会所の中に行けば大きな露天風呂がある。新大陸にきたなら、ユクモにいかなくちゃって、くらい観光客に人気である。
二匹は武具屋にいる初老のアイルーに話をしていた。
「お久しぶりです。アレイ様」
「おぉおぉ、クロとシロか。懐かしいのお。……どうやらなにか訳があったようだニャ」
「はいニャ。実はこの赤ん坊が一人前になるまでこの村でいさせてほしいと思っています。」
「そう言うことかニャ。わかったニャ。ワシから村長に言ってあげよう」
「ありがとうニャ」
二匹はアレイに礼をいいこの場で待っていることにした。