○○、親になる   作:葵・Rain

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 遅くなりました。本当に嫌だ。学校は。



三章 半竜姫
名無し、産まれる前


 霊峰。渓流より奥にある山々の中で大きい山である。そこには〈嵐龍〉と言われるモンスター、アマツマガツチが休む場所でもある。

 しかし、アマツマガツチは滅多に現れることがない古龍であるからにして、今はジンオウガたちが使っている。

 ここで霊峰に住むジンオウガたちについて話そう。霊峰に住む彼らは繁殖期に近づくと群れで暮らし始める。そのため、霊峰の頂上ではメスを廻る戦いが始まる。そして、勝った雄のみが遺伝子を残せる。産まれたばかりの子は一匹で狩りができるまで親が面倒を見る。

 例外が出てくるまでは。

 

 

 霊峰と渓流の間に位置する所に一匹のジンオウガの雌がお腹に子供を孕ましていた。霊峰出身の彼女はなぜ、こんなところでいるのかというと。交尾したジンオウガが亜種であるのが原因である。

 ジンオウガ亜種。獄狼竜と呼ばれている。体全体が黒が基本カラーとなっており、通常種とは異なり雷ではなく、赤黒い色をした竜属性という属性を通常種の雷のように操る。通常種と似ている所があるが、一緒と思わない方がいい。

 通常種と亜種は絶対とは言えないが巡り会うことはそうない。さらに交尾しているとなると専門家どころがハンターさえもおかしいと思ってしまう。だが、現にこのような例外が出た。

 

 

 ガーヴィを捕まえた亜種が戻ってきた。亜種は雌に近づいてスキンシップをし始めた。両者、撫で合いながら答えていた。

 その時だった。亜種が何かを感じた。心配する雌を撫でながら、外に出た。

 

 

 亜種が出ていくとそこには、通常のジンオウガの比ではない大きさのジンオウガがいた。体全体は白銀のように光っていて、数メートル離れていても威圧が飛んでくる。

 ジンオウガ希少種。 白老竜と言われる。通常種、亜種しか発見されていないが、古い伝承では一部の人しか知らないモンスター。一つの伝承によれば吹雪が舞う夜に遭難した人の前に現れ近くの村まで運んでくれるや人々が争いを止めないために天から降りてきて殺したなどと言われるモンスター。生態は不明である。

 いきなり現れた白老竜に驚く亜種は威嚇どころが逃げ出せないでいた。答えは簡単。白老竜の方が強いからいつ殺されるのかわからない。

「お主」

「…なんだ?」

 受け答えだけはした。ただ、それだけ。

「実はな少し尋ねたいことがある」

「………」

「ここらに雷狼竜の雌は来なかったか?」

「………」

「いや、お主以外の獄狼竜は見なかったか?」

「!?」

「ほっほっほ、まあ、お主しか居ないか」

「どれ、お主に少し話さないといけないことがある」

「なんだ?」

「産まれてくる子についてだ」

「!?」

「産まれたらすぐにワシがいる山まで来い」

「わかった」

 亜種は白老竜の返事を返した。

 

 

 そして、獄狼竜と雷狼竜の子供が産まれた。ただ、人間と似ている姿で産まれてきた。

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