最後、甘いと思う。
何時間戦ったのだろう。アマツナガツチの叫びが聞こえなくなっていた。
しかし、クロとシロはまだ戦っている。辺りを雪原に変えて。
あれから両者共に満身創痍であるが、肝心な白いジンオウガはかすり傷程度しかついていなかった。いや、尻尾を切断しただけ大きな傷だろう。正直言って倒せる希望が見えない。
弱点はわかる。だけど倒せない。経験の差だろう。落とし穴やシビレ罠を仕掛けても壊されて、太刀を振るおうが斬れない。
目の前の化け物
それだけは言える。
「はあはあ、シロどうする?」
「逃げるのが得策なのだけど…」
「無理だろ。だいいち、効いたのは雷属性と爆破属性のみ」
「勝てる確率どころか逃げる確率すら低いのに」
『グゥオォォン!!』
「あちらさんも相当怒っているわね」
「モドリ玉を使えるか?」
「えぇ、使えるわよ」
「俺が惹き付ける。シロは準備を」
「……死なないで」
「ああ……」
クロは抜刀の構えをした。この方法ある技を使う。前にラインから聞いた話だからやったことがない。しかし、効かないよりはやるしかない。
クロはそう思ったのだ。愛するこの子
「いくぞ」
全力で走った。
白いジンオウガも走った。
先に攻撃したのはクロ。間合いに入ったのだが寸でのところでかわされた。
白いジンオウガが前足で攻撃しようとしたとき、顔面に打撃音がした。その時、理解した。白いジンオウガ
「飛天御剣流双龍閃!!」
今、村人たちに流行っている漫画の技。やりたくても真似ができないのだが、この男
『グギュル!?』
ちなみに作者がやってみたものも双龍閃の紛い物くらいしかできなかった。
「今だ。シロ!!」
「了解」
シロはアイテムポーチからモドリ玉みたいなものを取り出した。
「効果は一時間。一時間過ぎると元に戻るから」
「十分だ!」
二人はモドリ玉みたいなものを叩きつけた。黒い煙が出てきた。
「戻ったニャ」
「久しぶりの感覚ニャ」
そこには白いアイルーと黒いアイルーがいた。
「さぁ、ここからは俺のステージニャ」
某果実ライダーの台詞を言った。
「いいえ、私たちのステージ
白いジンオウガ、ハクラは考えていた。なぜ、擬人化態ではなくもとの姿、アイルーで戦うのかと不思議に思っていた。
けど、これでわかったことがある。
自分はバカにされているのだと。
ハクラは氷柱の列をクロ、シロに向けた。
しかし、そこにはいなかった。その瞬間、足元が爆発した。後ろにバックしたが、鋭いトゲが後ろ足を貫いた。足に痛みがきていたが、その場を離れようとジャンプしたが、頭に重い一撃とフワフワとした毛が襲ってきた。
「龍槌閃ニャ!!」
さらに追い打ちをかけるかの如く火薬の匂いがした。大量の各種爆弾があった。
「ジエンドニャ」
ハクラは爆発と共に考えていた。慢心はしていなかった。ただ、それだけ。死ぬかもしれない。けど、不思議と悪い気はしなかった。ただ、思い残しは仇を討てなかったことだ。
「奴は強かった」
「ええ、本当に強かったわ」
あれから一時間と数分過ぎた。
二人は変身が解けたことにより倒れていたが、謎の白いジンオウガを埋めていた。
その白いジンオウガは敬意払う相手でもあるため剥ぎ取りはしなかった。
「なあ」
「なにかしら?」
「白いジンオウガは何をしたかったのか?」
「わからないわ。けど」
「けど?」
「家族のためじゃないかなってね」
「……そうだな。帰るか」
「そうね。……く、クロ」
「なんだ?」
「目瞑って」
「何でだよ」
「いいから!!」
「はぁ、ハイハイ。瞑ったぞ」
二人の口が塞がった。数秒だけど、長く感じられた。
「ハァ///」
「ちょ、は?え?」
「い、行くわよ!?」
顔を赤くしたシロと驚いているクロがいた。
感想批判待っています