では、どうぞ
数時間たったが、未だ行方不明のハンター候補と探しに行った試験官は帰ってこない。
心配になってきた一夏たちは何とかロックラックにいるハンターに伝えなければならない。
しかし、伝える手段が一つも見つからない。
だが、そこに二つの影が入ってきた。
「大丈夫ですか!?
「お、俺は大丈夫だが、し、試験官が……」
「応急処置出来るものはいるか!?いたら手当てしてくれ!!ベットまで運ぶのを手伝うよ」
「ありがてぇ」
試験官を運び手当てしたが、怪我が酷いので早く治療しなければならない。しかし、怪我の状態と僅かな悪臭でモンスターにやられたのだ。
助けを呼べない。怪我人を運べない。最悪の結果になってしまったのだ。
しかし、何か行動しないといけない。皆が考えている時に一夏があることを提案した。
「モンスターを倒しに行こう」
「待ってイチカくん!」
「そうですよイチカ。貴方はまだ新米ハンターですよ。試験官を倒したモンスターに挑むなんて一番ダメです」
「それに気づく人がくるまで待っていた方がいいよ」
「けど、今試験官は危険な状態だ。なら、危険を置かして戻った方がいい」
「それだと、モンスターに見つかる可能性がある」
「なら、道具を使いながら戻るって言うのはどうだ?」
「道具って言っても皆何持っているかわからないわよ」
「今ある道具を見せてくれ」
「イチカって言ったか?」
「ああそうだが、どうした?」
「いや、お前に言いたいことがある」
「なんだ?」
「お前、いつからリーダーになったんだ?」
「今はどうでもいいだろ」
「よくねぇ!!お前みたいなぁ奴が嫌いだ!!」
「なら、お前はこの状況を覆す策でもあるのか?」
「……ない。けど、モンスターを倒すのがいい方法だと思う」
「けどな、あの二人が言った通り俺たちは新米ハンターだ。わざわざ、危険を冒してまで行くのは違う。けど、全員で町に帰るのが一番だ」
「二人とも喧嘩しないで。イチカ、モンスターを撃退するには何が必要だと思う?」
「こやし玉か」
「そうだよ。その為の素材はあるし、調達も可能」
「さっきは悪かった。けど、俺からも一つモンスターに関することを言うぜ」
「奴はラングロトラ。赤い甲殻をを持つ牙獣種だ。移動方法は体を丸めて、玉のように転がる。攻撃方法も玉の形態で行う。その他に痺れ液を吐き出したり、舌で獲物を自分の方に移動させたり、後悪臭攻撃もする」
「厄介だね」
「ラングロトラか。うん倒せない相手ではないな」
「「「え?」」」
「いや、孤島に出るから撃退するときがあるし、一回倒したぜ」
「「「いやいやちょっと待て!?」」」
「なんだ?」
「なんだ?じゃねぇよ!」
「そうよ!何ハンターになる前に倒したとか」
「そうですよ!しかも孤島に出現するんですか!?」
「そりゃ、モガの森って魔境だし」
「魔境で返せるのがなんだか嫌だ」
砂原からロックラックまでの道程はけして遠いわけではないし、短いわけでもない、緩くもないし、厳しいわけでもない。良く言えば平坦。悪く言えば障害物がない。その間の道程は注意すれば通り抜けることが出来る。
言い忘れていたが、砂原からロックラックまでの道程に大砂漠と言われる場所があるのを忘れていた。その場所はジエン・モーランが出現する場所である。今は現れる時期ではないので安全だが、ロックラックまでの定期船があるかがわからない。しかも、夜になれば一段と寒くなる。
夜になる前に一夏たちは急いで向かった。
辺り一面砂。高温で乾燥が激しく水を飲んでいないときつい。
地平線に沈む頃に定期船の停留所についた。僅かながら人がいた。
丁度最終便だったので乗っていこうとしたが、定員オーバーになってしまった。
「そこなんとか…」
「俺たちも仕事だ。出してやりたのはやまやまなんだが」
「だったら、依頼。ギルドに依頼を出してください。報酬は俺が出します。依頼内容によって船を出すことが出来るはずです」
「む、確かに。けどよ、砂原にラングロトラが出たからって依頼として受理されるとは思えん」
「どうしてですか?」
「この砂原で脅威になるモンスターがそうそう出るはずがねぇ。なのに、たかがラングロトラが出たとなるとなあ」
「わかりました。とにかく、ラングロトラが出たと伝えてください」
「わかったぜ」
「何人残ればいいのですか?」
「小型船だからな。そうだな四人だな」
ここに残るのは四人。
「俺が残る」
元からそんな覚悟をしていた一夏。
「俺もだ。奴とは戦ったからな」
ラングロトラと戦ったマッソ。
残るは二人。
「なら、僕も残ります」
三人目はギルシュ。
「…………」
無言で手を挙げたのを合わせて四人。
「君も残るのかい?」
「……ああ。そこにいる金髪の少女が残ると言うかも知れないから」
「名前は?」
「ユウ」
「ユウか。よろしくな」
「……ああ。よろしく」
これで残るメンバーが決まった。
「坊主ども朝早く来るからなー!待っていろよー!」
そう言ってロックラックに向けて進んでいった。