狂気的な恋   作:96963

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なんかただのコスプレプレイになってる
多分次で区切り


ゴッホ・ロイヤリティ②

 と、いうわけで夢の世界へやってきた。とはいえ、別に場所が変わったわけじゃない。この夢の世界は、最近よく見てる気がする深海の底ではなく、寝る前と同じ、つまりいつものカルデアだった。人の気配はしないけど。ゴッホちゃんの姿は部屋になく、別の部屋にいるようだ。探しに行こう。試しにドアに手をかけると、抵抗無く開く。やはり夢の世界では開錠されているようだ。

「さーて、どうしようかな。まあ、なるようになるか」

 ゴッホちゃんを探しに部屋から出る。とりあえず彼女の部屋に向かうことにした。

「ゴッホちゃんはいるかなー。ーーーーーーーん、ンン」

 咳払いして、彼女の部屋のドアをノックする。

「ど、どうぞーーーーーーー」

「失礼するよ」

 彼女の了承を得たので部屋に入る。

「やあ、さっきぶりだねお姫様。さて、準備は出来たかい?」

「エ、エヘヘ…………その…………ドキドキが止まりません…………!」

「ふむ、準備できたってことで良いかな。では始めよう。楽しい楽しい愛の時間だよ。お手をどうぞ、お姫様?」

 彼女をエスコートしようと、手を差し出す。

「エヘヘ…………よろしくお願いします…………」

 おずおずと彼女が手を出す。

「拝領したよ。じゃあ行こう。とりあえずーーーーーーー場所を変えよう」

 彼女の手を握り、繋ぎ直す。恋人繋ぎ、ってやつだ。そして、もう片方の手でパチン、と指を鳴らす。

 すると、世界の様子が様変わりして、夕陽の向日葵畑が広がる。その向日葵畑は前にシミュレーターで見た向日葵畑と同じものだ。

「立香様、これはーーーーーーー?」

「ちょっとこっちに来る前に魔術師くんに頼んでおいた。どうせなら夢の景色をある程度自由に変えさえてほしいって、ね。そして、君と見るならやっぱりこの風景を一番最初に見たいと思って」

 心当たりのある某夢の魔術師さんには負担を強いるけど正直ゴッホちゃんの同意も取らずに閉じ込めてるんだしこれくらいやってもらわないと。ゴッホちゃんの同意を取ってるなら別に何も思わないけどさ。

「この向日葵畑は夢と消える幻のものだけど、それでも君と見たいんだ。だって、向日葵は『僕』にとって、君と結びつけてくれた、運命の花だから」

「…………向日葵のことをそう思っていただけて、光栄です。…………でしたら、それ相応の装いがありますね…………」

「? …………ああ、なるほど」

 彼女の姿が白く美しい向日葵の異形に変わる。でも、その姿はいつもとちょっと違った。普段の彼女なら、その姿になると、私よりも大きくなる。スカート部分が下半身を丸ごと覆っているからだ。今回は、スカート部分が短くなり、彼女の足で立ち、両手の花が消えていた。だから、手は繋いだまま、彼女と目線があう。その顔はいつ見ても、美しい。

「エヘヘ…………貴女に合わせて、ちょっと霊基を改造致しました。…………貴女から見て、この向日葵の異形は、どうでしょうか?」

「…………何度でも言うさ。答えは変わらないよ。その姿に、『僕』は、心を奪われたんだ」

 夕陽に照らされる彼女の顔が笑う。

「エヘヘ…………では…………その愛を示してください…………わたしは、何度でも貴女の愛で満たされたい」

「仰せのままに、お姫様」

 跪いて、彼女の手の甲にキスをする。

「『僕』は、貴女の一生の所有物で、貴女の一生の主だ。だから、君を離さないし離れないよ」

「エヘヘ…………最高です…………!」

 そうして、夕陽の中をしばらくそのままの体勢で過ごした。

 

 

「…………何だか、恥ずかしくなっちゃいました。つ、次はゴッホが選んでも良いでしょうか⁉︎」

 しばらく夕陽の中で過ごしていたら、そう言ってゴッホちゃんがいつもの姿に戻る。

「もちろん良いさ。でも、あの姿もかわいいのに。勿体無いなぁ」

「…………貴女が褒めてくれるのは嬉しいのですが、あの姿だと抑えが効かずついついやり過ぎてしまいまして…………後で恥ずかしくて死にたくなります…………エヘヘ…………ゴッホ羞恥…………」

「そういうことなら、しょうがないね。でも覚えておいてほしい、『僕』は、君のどんな姿も愛してると」

「…………立香様は本当に、お優しい…………では、次はこの風景で!」

 すると、世界が変わる。この風景はーーーーーーー私の、街? 

 周りの風景は、向日葵畑から見覚えのある建物が並ぶ、平凡な住宅街へと変わっていた。その風景に風化しかけていた記憶が蘇る。これは、私が住んでいた街だ。最後に見たのは、何年前だろうか。その風景はとても懐かしく、望郷の念が刺激される。

「ゴッホちゃん、これは…………?」

「エヘヘ…………その、立香様の故郷を、再現してもらいました。今は夢の世界ですが、いつか、きっといつか、貴女が全てを取り戻し日常に帰る時、貴女のお側にいたい、そう思って、この風景を思い浮かべました」

「そう…………なんだね…………」

 目から涙が流れる。でもこれは悲しみの涙じゃない。

「立香様⁉︎どうなさいました⁉︎もしや、故郷を見るのがそんなに悲しかったのですか⁉︎申し訳ありません、考えが至らず…………」

「違うんだ、違うの」

「へ?」

「全てが終わった後の世界で、私と君が一緒に過ごしている。そんな未来が、待ち遠しくて」

「…………エヘヘ…………安心してください、立香様。ゴッホはいつまでも、いつまでも、貴女のお側にいますよ…………世界が終わっても、貴女のお側に…………」

「…………ありがとう、ゴッホちゃん。…………よしもう大丈夫! じゃあ、この街を案内しよう。どこに行きたい?」

「では、立香様のお家を…………」

「もちろんさ。確か、こっちだったかな…………」

 そう、彼女の手を引いて歩き、自宅に向かう。

「ここだね。鍵は…………開いてるか」

 そのまま扉を開けて、自分の部屋に入る。

「ここが、『僕』の部屋だよ」

「エヘヘ…………ここが、立香様のお部屋…………綺麗ですね」

「そう? まあ一応片付けてはいた方だったかな」

「エヘヘ…………ここが立香様のベッド…………」

 彼女がベッドに腰掛ける。

「ふふふ、ここからどうする? 君の、望み通りに…………」

「では、ここで印をつけてください…………全ては泡沫の夢と消えても、わたしは貴女の印が欲しい」

「…………良いよ。そして、泡沫には終わらせない。『僕』は、私は、この未来を目指すことを君に誓うよ」

 そして、彼女の服を剥ぐ。胸にある嗜虐心は高鳴り、私は彼女を押し倒す。

 彼女に噛みつき、その肉を喰む。彼女から鮮血が溢れ出す。

「エヘヘ…………そう、そうです! ゴッホは貴女のモノ。もっと自由に貪ってください!」

 すると彼女の身体は白くなり、花が咲く。その姿と声に王子の仮面はすぐに剥がれ落ちる。私は貪欲な獣になり、より彼女を味わおうと、首元に噛み付く。

 その流れだす血で、私の喉が潤される。渇きは癒えるが、彼女がもっと欲しいと私を突き動かす。

 その内、溢れ出る血は止まり、彼女の首元には私の口の形ーーーーーーー歪な、キスマークが刻まれる。

 けれど、饗宴は止まらない。私は彼女を抱きしめて、彼女の唇を奪う。この前のお返しとばかりに、今度は私が舌を絡ませる。

 実際は数十秒の、体感では数分ほどのキスは、彼女の全身から力を奪う。彼女の唇を解放すると、彼女は恍惚として

「立香様を貪るのも冒涜的で素晴らしいですけど、わたしにとっては、やはり貴女に貪られることこそが至上の悦びです! そして立香様の自室で貴女様のベッドを血に染める冒涜的行為! ああ、悦びで咲いちゃいそうです…………エヘヘ…………!」

「まだだよ、もっともっと印をつけてあげる! ゴッホちゃん!」

 こうして、夢の中で時は進んでいく。

 …………結局これ、いつもと変わらなくない? 

 




コスプレプレイです
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