狂気的な恋   作:96963

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新作として投稿すると言ったな、あれは嘘だ
考えてたらちゃんとぐだ♀ゴホのシナリオになったからこっちにします
というわけでシリアスな中編やります
15話くらいで終わらせたい
クロスネタなので注意
まあクロス先知らなくても問題は無いです



中編 月下降臨舞台


 ─────今日も平和なノウム・カルデアに、警報が鳴り響く。

 

「もう、五月蝿いなぁ…………」

 

 目覚まし代わりの如く警報に叩き起こされたので頭が痛い。それはそれとして警報が鳴ったということは何か異常があるということで。

 

「ゴッホちゃん、起きてる?」

 

 隣で眠ってるはずのゴッホちゃんに声を掛ける。

 

「…………はい、起きてます…………」

 

 眠そうな目をこすりながらゴッホちゃんも起きていた。

 

「一緒に管制室まで着いて来てもらっても良い?」

 

「…………エヘへ、わかりました…………」

 

 急いで着替えてゴッホちゃんと一緒に管制室に向かう。

 

「すいません、遅れました!」

 

 管制室にはすでにダ・ヴィンチちゃんとキャプテン、マシュと他数名ほどのカルデア職員達が入っていた。

 

「いや大丈夫さ、つい警報を鳴らしちゃったけど今の所問題はないよ…………それに、丁度良い人材も連れて来てくれたしね」

 

「え?」

 

「いやなんでもない、それより立香ちゃん、体調は大丈夫かい? 良ければ、このままブリーフフィングに入ろうかと思うけど」

 

 そう言われて、自分の体調を確認する。…………叩き起こされたからちょっと眠いけど、大丈夫。すぐ動ける。

 

「…………うん、大丈夫。いつでも行けるよ、ダ・ヴィンチちゃん」

 

 そう答えると、隣から大きなお腹の音。

 

「…………エヘへ、すみません、起き抜けでゴッホ、お腹が減っちゃって…………」

 

 その言葉に、管制室の空気が弛緩する。

 

「…………まあ、食事は大事だしね。どうだろうダ・ヴィンチ、軽食をとりながらブリーフィングというのは」

 

 とキャプテン。

 

「…………そうだね。事態は差し迫ってるけど、食事を摂る時間くらいはある。食堂に言って軽食を用意させよう」

 

 というわけで、軽食を摂りながらブリーフィングが始まったのであった。

 

 

 

 

「──────今回の特異点は、日本に発生した、と思われるものだ…………ただちょっと妙なんだよねぇ」

 

「妙って?」

 

「場所と年代が特定出来ないんだよ。日本であることは確かなんだけど、何処かまではわからない。年代も、基本的には西暦2000年以降…………つまり、現代を指し示しているんだけど、それに重なるように1600年前後…………つまり、関ヶ原の戦いを中心とした日本の戦国時代が展開されている」

 

「どういうこと?」

 

 現代に、戦国時代? 

 

「誤解を恐れずに言うとすると……………………現代と戦国時代、二つの時代がまるで並行世界のように重なって特異点を形成しているんだ」

 

 そう言うと、ダ・ヴィンチちゃんは平面のようなモノを空間に投影した。

 

「この平面はまあ、特異点という一つの異界を示すものだと思って欲しい。基本的に異聞帯であろうと特異点であろうと、世界を示す形は一つだ。この平面の上に、特異点での変化した世界や異聞帯の剪定された世界が乗っかってるんだけど」

 

 平面の上に、これまで巡って来た特異点や、異聞帯が目まぐるしく展開される。それを眺めていると、新しい平面が追加で上に増える。

 

「この特異点は、そこに更にもう一つの平面が重なっている。二つの特異点が合体しているようにも見えるね」

 

「なんで重なってるんだろう?」

 

 素朴な疑問が胸を突いて出てくる。

 

「そこはわからない。観測の結果、上が戦国時代、下が現代と判明した」

 

「その二つの時代に何か変わってることはある?」

 

「そうだねぇ…………現代の方は基本的に我々の時代と変わらない。ただ、魔力の流れがかなりカオスだね。魔力濃度はさほどでも無いんだけど、毎日何処かで宝具でも撃ち合ってるのかってくらい乱れている」

 

「戦国時代の方は…………よくわからない。まるで、同じ時間を何度も繰り返しているように似たような魔力の乱れが観測される。ただ、魔力パターンなどから察するに、この戦国時代を経由して特異点の現代があるみたいだ」

 

 ダ・ヴィンチちゃんの説明で、とりあえず戦国時代と現代が入り混じった特異点であるということはわかった。

 

「人理定礎値だけを見たら放っておいても構わないレベルなんだけど…………二つの時代が重なるように展開されている特異点、という異常事態は無視できない。つい警報を鳴らしてしまった。ごめんね?」

 

「ううん、大丈夫。それで、今回は誰が一緒に行けるの?」

 

 そこが気になるポイントだ。隣でモソモソと食べているゴッホちゃんを見る。ダ・ヴィンチちゃんはゴッホちゃんを追い出さなかった。それはつまり、ゴッホちゃんにも関係があるということで。

 

「そうだね。特異点の説明はここで切り上げるとしよう。わかっていることは全部伝えたし」

 

「では、今回同行するメンバーだけど…………マシュは行けない。霊基外骨骼(オルテナウス)のメンテナンスが終わってないからね。メンテナンスが終わり次第そっちに合流させようと思う」

 

「はい…………力及ばず、すみません先輩…………」

 

 まあ、そういうことなら仕方ない。

 

「大丈夫だよマシュ。メンテナンスが終わったら、頼りにしてるよ?」

 

 本心を伝えてマシュを励ます。

 

「…………はい!」

 

 笑顔になったので良し、としよう。

 

「…………では、続いてだけど今回レイシフト可能なサーヴァントは4騎だ。入って来てくれるかな?」

 

 そう言うと、管制室に数人のサーヴァント達が入ってくる。

 

「戦国時代とマスター君の時代が重なってる特異点だって? 面白そうじゃないか! 丁度退屈してたんだ、喜んでマスター君の力になろうじゃないか!」

 

「…………面白そうでは困ります。マスターのため、真面目に任務を果たすべきです」

 

「固いなぁ、君。もっと肩の力抜いていこうぜ?」

 

「…………はぁ」

 

 そう言いながら入って来たのは、白い和服をはだけさせながら着る長身の赤髪の男性と、スーツを身に纏った長身の赤髪の女性だった。

 

「高杉社長に、バゼットさん?」

 

「ああ。戦国時代と言えば僕、だからね! …………ん? 果たして僕は戦国時代に行ったことがあったのかな? なんとなく口から出たけど。まあ任せたまえ、僕の『奇兵隊』は最新最強、きっと役に立つさ!」

 

「…………新しいものだけが強いと思ってもらっては困ります。重ねて来た古き神秘も強いものです。マスター、ご安心を。現代の日本なら私も行ったことがあります。そこのお調子ものよりかは、道案内に役立つかと」

 

「あ、あはは…………」

 

 入るなり若干剣呑に火花を散らす二人に苦笑する。いや、高杉社長の方は生真面目なバゼットさんを揶揄ってるだけのように見えるけど。

 

「──────あら、スタァの私をお忘れ?」

 

「あ、λ」

 

 最後に入って来たのは、謎のアルターエゴ・λだった。

 

「スタァに対してその反応はなってないわね。帰ろうかしら」

 

 不満なのか、踵を返して帰ろうとする。

 

「あ、待って帰らないで。お願いします、力を貸してください」

 

 その言葉に満足したのか、どうにかその場に留まる。

 

「そうよ。スタァである私に助力を乞うなら、ちゃんと態度で示しなさい。あって当然、なんて思わないように」

 

「はい…………すみませんでした…………あれ?」

 

 軽くλと会話していると、管制室に入って来たサーヴァントは3人だけだと気づく。

 

「3人だけ? ってことは最後はもしかして─────」

 

「うん、最後のサーヴァントは─────ゴッホ、キミだ」

 

「っフッ⁉︎ゴッホですか⁉︎…………ッゲホッ、ゲホッ…………」

 

 いきなりの指名に驚いたのか、ゴッホちゃんが咽せる。ついでに詰まらせたらしい。

 

「はいほら、お水お水」

 

 水を飲ませてどうにか落ち着かせる。

 

「…………あの、何故ゴッホが選ばれたのでしょうか?」

 

「さぁ? それはわからない。…………ただゴッホ、キミだけは他のサーヴァントと違う。この特異点はまるでゴッホ────キミを呼び寄せるように、キミのレイシフト適性だけが異様に高い。それこそ、立香ちゃんに迫るほどに」

 

「…………ゴッホはニホンに行ったことがないのですが…………」

 

「うん、それは知ってる。その上でキミのレイシフト適性が高い、と言うことはきっと何かの罠の可能性がある。…………それでも、行ってくれるかい?」

 

「…………ゴッホは、ここにいる皆様に助けられたサーヴァントです。皆様のおかげで、わたしはゴッホ(わたし)であると認めることができました。…………そんなわたしが必要なら、喜んで力を貸しましょう」

 

「…………うん、それなら良かった。じゃあ、早速レイシフトの準備に取り掛かろう! 立香ちゃん、覚悟はいいかい?」

 

「…………はい!」

 

 管制室が慌ただしくなる。レイシフト開始まで礼装のチェックなどをしていると、彼女に手を掴まれる。

 

「ゴッホちゃん?」

 

「…………手を、握っていてもらえますか。さっきはああ言いましたけど、少し不安で…………」

 

「…………うん。もちろん良いよ」

 

 彼女の手をそっと握りしめる。

 

「エヘへ、ありがとうございます…………勇気が出て来ました。これなら、行けます」

 

「それなら、良かった」

 

 レイシフトプログラムが起動する。

 

「先輩、お気をつけて!」

 

「うん、行ってくるよマシュ!」

 

 視界が光に飲み込まれる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ─────視界が回復する。

 

「ここは…………」

 

 周りを見渡そうとすると、手にちょっと冷たい温かさ。

 

「エヘへ…………どうやら、無事に着いたみたいですね…………」

 

 見てみると、ゴッホちゃんがいる。どうやら手を繋いでたからそのままレイシフトしたらしい。

 

「立香ちゃん、着いたかい? 周りの景色はどう?」

 

 ダ・ヴィンチちゃんから通信が入る。

 

「はい、無事に着きました。周りの風景は…………」

 

 辺りを見回してみる。そこは──────夜の寂れた山の中だった。人の気配はない。ただ、月が妖しく照らしている。

 ダ・ヴィンチちゃんに報告する。

 

「オッケー、山の中か…………ところで、サーヴァントの皆はいる? 座標上は、そこにいるはずなんだけど」

 

 そう言われて、辺りを見回してみる。

 

「私はいるわよ」

 

 と背後から声。振り向くと、λがいる。

 

「良かった。λもちゃんと来れたんだね」

 

「当たり前でしょう。…………ところで、他の二人を見かけないのだけど」

 

「え?」

 

「さっき到着してからあなたに合流するまでちょっと探ってみたけど…………あの高杉って男と海神のアルターエゴはいなかったわよ?」

 

 その言葉に驚いて、思わず呼びかける。

 

「おーい、高杉社長ー! バゼットさーん!」

 

 山の中で声が木霊する。しばらく待つが、反応はない。本当にいないようだ。

 

「ダ・ヴィンチちゃん、どうも高杉社長とバゼットさんがいないみたいなんだけど…………」

 

 急いでダ・ヴィンチちゃんに報告する。

 

「え? 本当? おかしいな、座標上はすぐそこにいるはずなんだけど…………あ、もしかして」

 

「ダ・ヴィンチちゃん?」

 

 怪訝に思って聞き返してみると、何やらガチャガチャ動かしている音が聞こえてくる。

 

「ちょっと待ってねー、ここをこうして…………っと。あちゃー、やっぱりかー」

 

「どうしたの、ダ・ヴィンチちゃん?」

 

「えっと…………あの二人なんだけど、どうも戦国時代の方に行ってるみたいなんだ…………」

 

「な」

 

 いきなり時代ごと逸れてしまったことに、思わず口から疑問の叫びが出る。

 

「なんで────⁉︎」

 

 

 

 

 

 ───────亜種連続並行特異点 月下降臨舞台 ??? 開幕──────

 

 

 

『貴女達は、誰ですか?』




イベントならゴッホちゃんだけ100%ボーナス、他は50%とかです
ここでクロス先看破した人がいたら凄いと思う。
高杉社長は趣味(戦国発言は今ぐだぐだで戦国時代連載してる中に登場してるため)。バゼットさんは色々考えたらなんか良さげと思ったので。λは一応意味があります。
ちゃんとぐだ♀ゴホのシナリオのつもり
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