代わりにオリキャラ現地人枠導入です
──────とりあえず、落ち着きを取り戻した私はダ・ヴィンチちゃんに聞いてみる。
「なんで高杉社長とバゼットさんが逸れちゃったの?」
『うーん、多分この特異点が二つの時間軸を重ねるように存在してるのが原因だと思うんだけど…………ごめん、それ以上はわからないや。ただ、二人は無事だよ。そこの座標にいることは確かだ』
『とりあえず、彼らとはこっちからもコンタクトを取れないか探ってみるよ。そっちも、周辺の調査を始めてもらって良いかな』
「わかった。ラムダ、ゴッホちゃん、頼めるかな」
二人が頷く。二人の了承も得たので、3人で辺りをぐるっと回ってみる。しかし、木々が生い茂るばかりで、何もないようだ。
「ダ・ヴィンチちゃん、とりあえずあたりには何も無いよ? …………あ、でも目の前にポツンと怪しげな民家がある」
「そうですね…………こんなところには若干不自然なくらいの民家が一つ…………」
「ええ。多少隠してはいるようだけど、調和が取れてなくて逆に不自然だわ」
『何々、調べてみよう…………なるほどね。確かにその民家はただの民家じゃないようだ。解析してみたら、地下に続く巨大な通路らしきものがある。それと、中に一人いるみたいだね』
「どうしようか」
「入ってみるしかないんじゃない? 現状、特には手がかりは無いわけだし」
「…………これは一体……………………」
「ゴッホちゃん?」
ゴッホちゃんが何か言っているようだが、小さくて聞こえない。
「あ、いえ…………なんでもないです…………ただ、ちょっと嫌な予感がするので入るなら慎重に行った方が良いかと…………」
「ダ・ヴィンチちゃん、どうする?」
『うーん、この特異点において彼女の言葉は恐らく道標になる。何せ特異点が呼んでると思えるほどに親和性が高いからね。だから、その予感はきっと当たる、とわたしは思う。しかし、手がかりが現状その家以外に無いのも事実だ。わたしとしては、入った方が良いと思うけど…………」
「…………じゃあ、入ろう」
少なくともこのままここにいても、事態は進まない。そんな気がする。
「あ、では安全を期してゴッホが開けますね…………立香様とラムダ様は後ろでお待ちください…………」
ゴッホちゃんがドアノブに手を掛ける。どうやら扉に鍵はかかってないらしく、あっさり開く。ゴッホちゃんに続いて、家の中に入る。
「…………貴女達は、誰ですか?」
家の中には、一人の女性が座っていた。女性はスーツを着ていて、どことなくバゼットさんっぽい。
「…………混血か? いや、仮にそうだとしても、あっちはどう見ても一般人。一般人が何故こんなとこに…………?」
女性はブツブツと何かを喋り始めた。
「…………ああ失礼。自己紹介が遅れましたね、わたしは退魔の傍流、如月の綾瀬です。以後お見知りおきを。それで、貴女達は? 見たところ、一般人を連れているようですが…………ここは一般人が来るような場所じゃないですよ?」
「…………何を言っているのかわからないのだけど」
とラムダ。私も同感だ。退魔ってなんだろう。あ、でも魔って言葉には聞き覚えがあるような…………?
「…………? 貴女達は、混血では無いのですか?」
「…………混ざっている、ならそうとも言えるかしらね」
「…………どちらかと言えば、ゴッホはつぎはぎですけど…………」
「…………どういうことですか?」
お互いに困惑が流れる。お互いの常識のズレに、どう対応すれば良いかわからず時間だけが流れていく。
『はいはーい、ちょっと失礼!』
いきなりダ・ヴィンチちゃんの通信が挟まる。
「…………これは一体」
綾瀬さん? が驚いてる。まあ、始めてみたらそうなるよね。
『えっと、如月綾瀬、だっけ? 多分お互いに混乱してると思うんだ。だからここで情報交換、しないかい?』
「…………良いでしょう」
しばらく後。
『なるほどなるほど、つまりこの歴史では、所謂魔…………鬼種に代表される幻想種が蔓延っていると』
「はい。ですので、武器の補給がてらこの隠れ里にやってきたら…………」
『私達が来た、と』
「そうですね。ええと、カルデアでしたか? 世界の滅びを阻止するために、歴史に介入する。面白い組織もあるものですね」
纏めると、こうだ。
この世界はどうやら退魔、という職業があるらしい。どうも、退魔四家と言われる四つの家を中心に、多くの家が家業として退魔──────妖怪や鬼などを、祓っているとか。綱さんや頼光さん、金時みたいなものかな。
『でも、何故そんなに鬼種が発生するのかな? この時代の神秘だと、もう純粋種は絶滅と言っても良い状況のはずだけど…………』
「…………申し訳ない。わたしはそこまで歴史に興味がなく…………」
『ああいや、ちょっと気になっただけだから気にしないで欲しい。それで、もし良かったらこの特異点修正のために協力して欲しいんだけど──────』
「ええ、もちろん構いませんよ。わたしとしても魔を祓うことが出来るのなら、断る理由はありませんし」
『良かった。じゃあよろしくね!』
そう言って、通信が切られる。
「ええと、貴女達は…………なんと呼べば良いでしょうか」
そういえば、ダ・ヴィンチちゃんと喋ってばっかりで自己紹介してないことを思い出した。慌てて名乗る。
「あ、名乗るのが遅れてすみません、藤丸立香です。…………それで、こっちが…………」
「ラムダよ」
「ゴッホです…………」
「では立香、ラムダ、ゴッホと。先程も行った通り、わたしの名前は綾瀬と呼んでいただければと」
「えっと、よろしくお願いします、綾瀬さん」
代表して挨拶する。
「こちらこそ。…………少し休憩しましょう。里の者が迎えに来るまでまだ時間があります」
その言葉に甘えて、部屋の椅子に座ることにする。緊張が少し抜けて楽になる。どこの特異点でもそうだけど、現地の人と協力できる時が一番安心するなぁ。
そんなことを思いながら、しばらく待つ。
時計の長針が一巡ほどした頃だろうか。
「…………いくらなんでも遅すぎるな」
彼女がいきなり席を立つ。
「綾瀬さん?」
「ああいえ、普段ならもうとっくに来ている頃なのですが…………」
「何かあったかもしれないってこと?」
「ええ、そうですね。ですので、こちらから行ってみようかと」
彼女が奥の扉に向かい、開けようとする。
「ん? 鍵がかかってない…………妙ですね」
「普段は鍵がかかっているのかしら?」
「ええ、里のものが鍵を開けて迎えに来るのですが…………」
「ちょっと待ってください…………」
ゴッホちゃんが何かに気づいたようにいきなり綾瀬さんを止めに行った。
「ゴッホちゃん?」
「…………嫌な匂いがします…………どうか、慎重に…………」
「…………わかりました」
ゴッホちゃんの表情に何かを感じたのか、綾瀬さんが忠告通りゆっくり扉を開ける。
そこには──────
「これは──────⁉︎」
男の人が、倒れてきた。そして、甘い匂いが漂ってくる。
「うわ、何よこの匂い。咽せるじゃない」
いきなり流れてきた匂いにやられたのか、ラムダが少し顔を顰める。甘ったるい匂いだ。まるで、花の様。
「─────駄目ですね。完全に死んでいます。しかも、まだ暖かい…………ほんのついさっき亡くなった様です」
倒れてきた男の人を調べていた彼女がそう告げる。
「一体、里で何があったのか─────行きましょう」
彼女が駆け出していく。そのスピードはかなり速く、追いつけそうに無い。
「立香様、失礼します!」
「わ、ゴッホちゃん⁉︎」
ゴッホちゃんにいきなり抱えられる。そのまま、ゴッホちゃんは彼女の後を追いかける。
「全く、しょうがないわね───!」
ラムダも後を追う様に駆けてくる。
長い地下通路を駆けて、彼女に追いつく。同時に、地下通路を抜ける。地上の景色に若干目が眩む。
そこには──────
「なに、これ」
村人と思われる多くの人の死体が、転がっていた。
妖しい月下に、死の花が咲く。
「どこなんだよ、ここは…………」
「ぼやいてもしょうがないでしょう、さっさと行きますよ」
「…………ま、これはこれでってね。さて、何が見つかるかな…………」
退魔四家:七夜、巫浄、両儀、浅神のこと
基本的に現代では需要の無さで衰退、没落してる。
両儀と浅神は形を変えて生き残ってるけど。
この特異点では何故か魔が元気な分仕事が減らないので没落せずに分家もたくさんいる。
オリキャラ
如月綾瀬
クロス要素が無くなった分の皺寄せを一気に受けた子
性格のイメージはバゼット
退魔四家の傍流みたいなイメージ
維新都市SAITAMAみたいな特異点もあるしセーフセーフ