狂気的な恋   作:96963

54 / 56
戦闘描写の練習
短いけど
参考文献:剣豪の漫画
昨日は疲れて投稿出来なかったので土曜に2本出したいなぁ
気が乗れば2本出します(コナン映画でテンション上がった)


第二巡

 俺たちは、間違えた。

 

 間も無く俺も死ぬ。

 

 …………せめて一太刀でも奴に、と思ったが、もうろくに手も動かん。なので、ヤツに関する情報のある場所だけを記す。こんな日記帳を見る物好きがいるかはわからんが。

 

 社に行け。そこに大体の情報は書いてある。

 

 ある男の日記帳

 

 

 

 

 ラムダ達と別れた私達は、しばらくそこで留まっていた。よく考えると私達はこの里の地理に詳しくない。だからマシュに地図作成を任せて、完成するまでしばらくここで調査をするという方針になった(綾瀬さんは詳しいようだったけど、地図とか持ってなかったのかな)。

 

『キミ達、そこの死体をもっと良く見せてもらってもいいかい?』

 

 との指示で、しばらく死体を調べている。

 

『ふんふん…………さっきは急いでいて、死体そのものの解析はおざなりだったんだけど、こうしてゆっくり調べてみると、結構わかってきたね』

 

「死因は中毒死だっけ?」

 

『そうそう。麻薬による中毒に似てるんだけど、ちょっと違う。…………ゴッホ、死体に触ってみてくれないかい? 無論、直接触れないようにね』

 

 ゴッホちゃんが軽く頷き、いつも使ってる大きな絵筆の先っちょで死体を突く。

 

『どうかな?』

 

「…………固い、ですね。まるで、石のよう」

 

『やっぱりか』

 

「死後硬直ってこと?」

 

『ううん、違うね。この里の住人達が亡くなってからそう時間は経っていない。気温を考慮しても、死後硬直はあり得ないさ」

 

「じゃあ、どうして?」

 

『死後硬直で生物が固くなるのは、平たく言えば死亡による循環機能の停止などで筋肉が再び収縮して、その後もしばらく収縮が維持されているからだ』

 

『逆に言えば、何らかの外部要因で筋肉の収縮が生前から維持されていたら、死後も生物は固いままなのさ』

 

「えっと…………それは…………操り人形みたいな感じ?」

 

 その言葉に、なんとなく私は糸に吊られた操り人形を思い出す。

 

『うーん、違うかな。ああでも、人形という視点は悪く無い。外から操るマリオネットというよりは中に鉄でも詰めたぬいぐるみの方が近いかな』

 

 ほら、ぬいぐるみって綿が詰まってるから柔らかいし変形するけど、手を離したら元に戻るだろう? もし仮に中に詰まってるのが金属なら、硬くてとても動かせたものじゃないだろうさとダ・ヴィンチちゃんが言う。

 

「…………では、この方達も何か詰まっている、ということでしょうか」

 

『うん。何か植物のようなものが全身に根を張り巡らせているようだ。それが原因で固まってるみたい」

 

「…………悪趣味な人形ですね」

 

 苦々しい顔で、吐き捨てるようにゴッホちゃんが零す。

 

「ゴッホちゃん?」

 

 珍しい彼女の様子に、つい声をかけてしまう。

 

「…………何でもないですよ。調査を進めましょう」

 

「…………う、うん」

 

 ゴッホちゃんの態度に気圧されて、後ずさる。何でもないという割には、機嫌が悪いような。

 

「…………あれ?」

 

 後ずさった先で違和感。何だろうとその正体を探ってみると、死体に見覚えのある印。

 

「これって…………ゴッホちゃん、頼める?」

 

「はい」

 

 ゴッホちゃんに頼んで、印がよく見えるように持ち上げてもらう。

 

「やっぱり…………」

 

 そこにあったのは、綾瀬さんにあったのと同じ花の印だった。ただし、綾瀬さんのよりも大きい。

 よく見ると、あたりの死体全てに同じ花の印がある。

 

『これは、一体…………何故彼女と同じ印が、付近の死体全てにあるんだ⁉︎ 』

 

 彼女の行動を振り返って考える。探してみると、すぐに違和感が見つかる。

 

「…………もしかして、あれかな」

 

「あれ、ですか?」

 

「うん。ダ・ヴィンチちゃんも覚えていない? この里に飛び込むことになったきっかけ」

 

『…………そうか! 地下通路の入り口には、力尽きたと思われる死体があった! その死体に彼女は触れている!」

 

「そう。綾瀬さん以外はあの死体に触れていない。だからきっと、アレが原因」

 

「では、綾瀬様が危ないのでは…………」

 

『そうだね。急いで彼女達の元へ向かおう。マシュ、地図の作成は終わったかい?』

 

『はい。先程、ダ・ヴィンチちゃんに頼まれていた地図が完成しました。表示しますね』

 

 視界に里の地図が表示される。

 

『キミ達がいるのが、ここ。ラムダの反応的に彼女達がいるのはここみたいだね』

 

 光点が二つ表示される。二つの光点は真反対の位置にある。

 

『どうやら村の外れにいるみたいだね』

 

『! ラムダさん達の付近大きな魔力反応、検知しました! これは…………聖杯級の魔力反応です!』

 

『随分といきなりだね、急いだ方がいい、立香ちゃん!』

 

「わかった。ゴッホちゃん、お願い!」

 

「はい!」

 

 私が走るよりゴッホちゃんが抱えた方が速い。ゴッホちゃんの触手に掴まり、彼女達のいる場所へ向かおうとする。

 

『⁉︎ちょっと待ってください…………』

 

 マシュから困惑の声が聞こえる。

 

『魔力反応、消失しました…………』

 

「え?」

 

『何だって⁉︎マシュ、それは本当かい⁉︎』

 

『…………はい、聖杯級の魔力反応、先程消失(ロスト)しました…………まるで、幻のように…………』

 

『…………ちょっと見せて。…………うわ、本当だ。まるでそんなものなんて無かったように、一瞬だけ顕れて消えてる! 一体あっちで何が⁉︎』

 

 管制室の困惑の気配が伝わってくる。同時に、ゴッホちゃんに降ろされる。

 

「ゴッホちゃん?」

 

「…………立香様、指揮の準備を」

 

 いつになく異様な気配のゴッホちゃんに気圧されるも、言われた通りにサーヴァント戦闘の準備をする。

 

「…………また、嫌な予感?」

 

「はい。しかも、とびっきりの奴が来ます」

 

『どうしたんだい? いきなり戦闘の用意なんかして…………』

 

 どうやら管制室では、まだ把握してないらしい。

 

「ゴッホちゃんによると、嫌な予感がするらしいの。そっちでは何か見えない?」

 

『…………ちょっと待ってください。…………確かに、そちらに高速で何か近づいてきます! 魔力反応、中程度! サーヴァントと似た形式の霊基反応ですが、該当パターンは…………これは⁉︎』

 

「どうしたの、マシュ⁉︎」

 

『該当パターンは…………サーヴァント・フォーリナー…………クリュティエ=ヴァン・ゴッホ! ゴッホさんに似た霊基反応を示してます!』

 

「ゴッホちゃんに⁉︎」

 

「…………やはり、そうですか」

 

 近づいてくる何かが自分に似ていると言われても、彼女は冷静だ。彼女らしくない態度に、疑問を覚えなくもないけど、今はそれどころじゃない。覚悟を決める。

 

「…………ゴッホちゃん! 後で説明してよ!」

 

『移動物体、間も無く接触! …………来ます!』

 

 謎の存在との、戦闘が始まった。

 

 

 

 襲ってきた謎の存在は──────植物の化け物だった。

 上半身はかろうじて少女を真似ているが、下半身は植物の根っこみたいに枝分かれしている。更に、体色は緑色で明らかに人間ではないとわかる。

 ああ、でも何故だろう。

 この化け物は──────確かにゴッホちゃんに似ていると。そう、思ってしまった。

 顔は似ていない。身体も似ていない。色も違う。戦い方も、ゴッホちゃんが触手を駆使するのに対して、あちらは徒手空拳で掴み掛かろうとするばかりだ。外見の何もかもが違うのに、直感が──────アレはゴッホちゃんと、クリュティエ=ヴァン・ゴッホに近い存在だと示している。本能がその答えを示してしまったことに理性が混乱し、意識が戦闘から逸れる。

 

「──────ッ!」

 

 ゴッホちゃんの気迫で、思考が引き戻される。何してる。意識を逸らすな。戦闘に引き戻せ。アレが何故似てるかなんて後で考えろ。

 彼女と化け物の戦闘に意識を集中させる。

 化け物は、ゴッホちゃんとの数秒の戦闘で既に微妙に削れている。

 相手がフォーリナーに似た霊基と考えると、化け物の耐久力は平均よりも上程度、と思う。

 ゴッホちゃんが削る分と合わせれば、恐らくシャドウサーヴァントから出す宝具の一撃で崩せるだろう。

 絵筆で時には敵を切り裂き、時には防御してるゴッホちゃんに呼びかける。

 同時に、最適なサーヴァントを考える。

 

「ゴッホちゃん、『黄色い家』、行ける⁉︎」

 

「…………無理です! 理由は後で説明しますが、この戦闘において『星月夜』も『黄色い家』も使用不可能です!」

 

「わかった! じゃあこっちで攻撃するから、行ける時になったら教えて! シャドウサーヴァントを出す!」

 

「…………わかりました!」

 

 ゴッホちゃんの動きが変わる。近距離で一撃を与えてよろめかせた後、絵筆を変形させてガトリング状に弾を発射。そのままバックステップで距離を取る。

 

「…………今です!」

 

 選択を終えると共に、ゴッホちゃんの合図が来る。

 

「わかった、お願い!」

 

 影を呼び出す。呼び出した影は──────言峰神父。

 

 零れ氾く暗黒心臓(ザジガーニエ・アンリマユ)

 

 泥の呪いが、化け物に降りかかる。

 泥は化け物に降りかかり、その身を呪い、焼き焦がす。

 最終的に、化け物は燃えて無くなった。同時に呼び出した影が消える。

 

「──────ありがとう。戦闘終了、かな」

 

 言峰神父にお礼を言いながら、引き続き警戒する。

 

『──────はい。敵性存在、消滅を確認しました』

 

「…………はぁ。一体何だったのかな…………」

 

 マシュの言葉で気を抜きながら、疑問を零す。

 

『恐らく、さっきの聖杯級魔力反応と関係があるんだろうけど…………今はわからないね』

 

「やっぱり、早く二人と合流しないといけないか…………ゴッホちゃん、行こう。説明は移動しながらでお願い」

 

「…………わかりました。いきましょう」

 

 ゴッホちゃんに再び抱えられ、私達はその場を後にした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「飽きた」

 

「は?」

 

「来る日も来る日も変わり映えしない化け物退治で飽きたんだよ! 手がかりもないし、全く」

 

「…………………………」

 

 何を言っているんだこの男は、という呆れた視線で女が男を見る。

 

「しかし、ここでマスター君の迷惑になりそうなことをするのはよくない。一時は面白くなるかもしれないが、きっと後で面白くないことになる」

 

 マスター君割と人がされて嫌なことピンポイントで見抜いてくるしな、とカラカラ笑いながら男は述べる。

 

「だが、今は面白くない。飽きたし」

 

「…………はぁ。では何をするのですか?」

 

「そろそろ資金も貯まった頃だろう? いっちょド派手な花火でもあげて、原因を探し当てようじゃないか!」

 




言峰が選ばれた理由
ゴッホちゃんと似た霊基だからやけど持ちを選んだ(呪いも一応ゴッホちゃん以外の喰らうと痛くはある。リンボのスキルの呪いとか)。

戦国時代側
来てから二週間くらい経ってます。
現代側は数時間ほど。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。