中国→合宿は無理だな。うん
時差はあんまりないけど気持ち悪かったわー
更識 楯無side
私はこの試合を真剣に見ていた。
蒼斗君はさっきの試合で0になったシールドエネルギーを回復もせずに出て行ったが、手元のモニターを見ると『シールドエネルギー:100%』の文字が見える。
(シールドエネルギーを回復できる能力でもあるの?)
だがそうであれば前の試合も負けるはずがない。
そしてその試合も整備科がシールドエネルギーの補給をしていたのを楯無は見ていた。
(セシリアちゃんとの試合では速く動けていたのに……)
蒼斗のISのスピードは楯無との模擬戦の時のスピードまで落ちている。
だがそれを機体制御で補っていた。
そして蒼斗のスピードが増すにつれて、動きもよりダイナミックなものに変わる。
アリーナにいる人は、その動きに魅了されていた。
ピットにいる楯無も蒼斗の動きに見入っていた。
(眼鏡をかけていても……あんな顔できるじゃないの)
いつも眼鏡をかけている時はクールであまり感情を出さないのに、今の彼は精一杯の笑顔を見せている。
(あれっ?今わたしって彼の顔にドキッとした?)
そんなことはないと、楯無は顔を横にブンブンと振り、試合をちゃんと分析しようとする。
すると、楯無はあることに気づいた。
観客席の生徒の大半が寒そうに体を小さくしていたのだ。
ISは熱がこもらないように排気をしている。
しかも今は春の午後で天気は快晴、普通なら暑くて汗をかいても疑問に思わない。
おかしい、そう思った楯無はすぐに現在の気温を表示させる。
(外気温………9度!?)
いくらなんでも低すぎる。
先ほどのように、普通なら暑いくらいな条件の中で、9度というのはおかしすぎる。
ここで楯無は、昨日の試合で
ISは一応宇宙に行くためのパワードスーツだ。
宇宙という極寒の中で活動するため、操縦者には気温の変化の影響をなくすために、ISには補助機能が付いている。
すなわち、ISに乗っていると外気の変化に気づきにくい。
だから楯無は気温の変化に気づかず、
ここで楯無はある仮定をする。
(彼はシールドエネルギーだけでなく、スラスターのエネルギーも補給しなかった。もしかして気温を下げた時のエネルギーを動力にしている?)
だとしたら全ての理由が説明できる。
スラスターのエネルギーは補給しなかったのではなくできなかったと考えれば 段々速くなる機体も、気温を下げてエネルギーを取り込んでいると考えればあり得ない話ではない。
(あとはシールドエネルギーね………)
そう思って再びモニターの方を見ると、顔を真っ青にして息を切らしている彼の姿が見えた。
(まさか、彼の体が限界に?)
ふと、試合前に言っていた、“負担”の事を思い出した。
私は我慢できずに通信をとろうとすると、彼が口を開く。
「すみませんが………俺はこの試合を きけ……」
そこまで言ったところでアリーナに響き渡る轟音。
私がその方向を確認すると、どんな機体とも似ていない全身装甲のISが三機もいた。
鳴神 蒼斗side
棄権しようと思ったら変なのが来たんだけど。
あいにく俺はイライラしている。元々乗り気じゃない試合でこんなに疲れるなんて思ってなかったからな……
「織斑せんせー」
「なんだ?鳴神」
「武器を出してイイですか?」
「お前………やる気か?」
「はい」
「いまでも相当無理をしているだろう」
へ〜心配してくれてんのか。イイとこあんじゃん。
「一撃で決めます」
俺はまっすぐと一夏側のピットを見た。
「はぁ、まあイイだろう。武器を出してイイぞ」
「ありがとうございます」
そう言って俺は鎌、『宵闇』を出す。
「じゃあ状況を教えてください」
「敵機は3、武器は現段階では高出力のレーザーが確認されている。そして……敵のハッキングによって警戒レベルが4まで引き上げられているため、観客の避難もできず、IS部隊もしばらく入って来れないらしい」
「了解です。-----じゃあやるか」
そう言って俺は一夏に声をかける。
「一夏、悪いが手伝ってくれ」
「大丈夫だ。なんでも言ってくれ」
「それなら一撃で倒すために敵を中心に集めてくれ。後は俺がやる」
「わかったけど………お前顔色悪くないか?」
……今さらかよ
「そう思ってんならさっさとやれ!!」
「わ、わかった」
「蒼斗君、一夏君聞こえるかしら?」
「楯無さん?どうかしたんですか?」
「どなたですか?」
「自己紹介は今度の機会にするわ。今 調べたところ、あのISは無人機である事がわかったの」
「おい、更識。なぜお前がそこにいるかはともかく、その話は本当か?」
「はい、その可能性が極めて高いです」
マジか…ISは人が乗っていないと動かないはずなのに……
「ありがとうございます。楯無さん」
「蒼斗くん、頑張ってね」
そう言ってオープン・チャネルを切った。
「蒼斗!!だいぶ真ん中に集めたぞ」
「まだだ、そして俺が合図したら一気に離脱しろ!」
「よし、任せろ!!」
そしてさらに三機の無人機が中心に集まる。
「今だ!!一夏!」
俺がそう言うと、一夏が離脱し俺が三機の中心に行く。
俺は中心に向かいながらこう言った。
「見せてやるよ。
◆
昨日楯無さんに
「じゃああの技のことだけでいいから」
「あの技って………『
「そう!それよ。」
「あぁ、あれは--------
-----失敗しちゃったんですよ」
「し、失敗?」
「楯無さんがあの球に入ってくるとは思わなくて……楯無さんが入ったことで二つのエネルギーがぶつかって爆発したんだと思います。」
「じゃあ本当のあの技はもっとすごいの?」
「そうですね………一言で表すと---
---『炎の竜巻』ですかね」
◇
俺は
俺は作り出した球体の中に入る。
無人機はしばらくはその球体を見ていたが、標的を一夏に変えて振り向いた。
だが振り向いた瞬間、黒い球体は膨張して破裂。
破裂した球体から黒い渦が発生する。
そしてそれが段々大きくなり、気がつくと竜巻と呼べる大きさにまでなる。
無人機は竜巻に絡まれて動けない。
その隙にエネルギーで出来た不気味に光る鎌を使い、無人機を縦に斜めに切りつける。
「これで………おわりだぁぁああ!!」
そして最後に横に一回転して斬りつけると、三機の無人機を全てバラバラになり 爆発する。
そして竜巻が消えると共に体から力が抜けて、ISが解除されてしまった。
地面が近づく、この高さから落ちれば死なないとしても重傷だろう。
だが体の節々の痛みと疲れで動けない。
それがわかった俺は何も抵抗せずに眼を閉じ、重力に身を任せた。
織斑 一夏side
蒼斗は黒い竜巻の中から出てきた時、ISが解除された。
白式のハイパーセンサー(だっけ?)を使って見ると、気を失っているのか眼を閉じ とても穏やかな顔をしている。
俺は何も考えずに蒼斗に向かって飛び出した。
あいつを助けたい。それだけを考えて全速力で向かう。
しかし自分の想いとは裏腹にスピードが出ない。
まだ飛行に慣れていないのもあって、このままでは間に合わない。
(もっとだ!もっと速く!!)
すると少しではあるがスピードが上がる。
だがこの程度のスピードの上昇ではまだ間に合わない
「届けぇぇえええ!!」
すると白式がそれに応えるように一気に加速する。
これは
(よくわからないけどこれなら!!)
一瞬で落下地点の真下まで来た一夏は、蒼斗をキャッチすると同時に膝を曲げて衝撃を逃がす。
「蒼斗!!大丈夫か?」
俺が叫ぶと、それを遮るように響いた轟音。
俺はその轟音を聞いたことがあった。
音が響いた轟音の方向を向くと、そこには---
---破壊した無人機と同じ機体が5機もいた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
蒼斗無双!!。
そして無人機戦は終わっておりません!!
感想、指摘お待ちしております。