(二重の意味で)
ストーリーは思いついてもそれを文字に出来ない。
そう、それが上腕二十二頭筋クオリティ
「-----VTシステムって奴です。」
そういった瞬間、楯無さんと織斑先生は深刻そうな顔をして固まった。
やっぱりそういう反応するよなー……
「お前は……それが禁止されているのを知らないのか?」
「知ってますよ、新聞で見ました。けど知っているからこそ俺がこの機体を持てているんですよ」
「どういうことだ?」
「簡単な話ですよ。俺がこの機体に『VTシステム』を使っている事を他国に言えば必然的に多くの国から何かしらの対処を求められたり脅されたりするでしょう?
だから黙っている代わりにこのISのテストプレイヤーとしてISを預けてくれることと、月ごとにちょっとした小遣いをもらってるだけです」
「結果あなたが脅してるじゃない」
「それでもどっかの国から罰金を求められたり、コアの返還とか言われるよりは安い出費じゃないですか?それにテストプレイヤーなのでちゃんと動かした時にはデータ送ってますよ」
「いいの?黙ってた事をここで話しちゃって」
「本当はダメですよ。
けどそのことはここでしか喋ってないし、これからも喋るつもりはありませんから広まってたらどちらかが話したということになりますね。俺はここの二人なら黙っていてもらえるかなぁと思ってますけど」
「けど、そのISに盗聴器とか仕掛けられてたら?」
「その可能性はないですね。元々盗難機だったコレにそんなものが付いてるとも思えませんし。一回だけドイツで見てもらった時も怪し気な装置を付ける暇はなかったと思うし」
「そう言えば『黒炎』の機体データはどうなってる」
「今更ですね……、もう少しですよ。
あのドイツのクソババアが俺が男だと知ったら女尊男卑の対応丸出しで、それを知った他の偉い方々も慌てまくるしで大変だったんですよ」
質問攻めはツライ。しかも嘘もつけない。
帰ったら飴をやけ食いしよ。
「それともう一つ、私から言わなくてはならないことがある。」
「一夏を助けてくれて感謝する。私はあの時何も出来なかった」
「いえいえ、無人機は俺がただ倒したかっただけなんで」
「勿論 今回の件も感謝している。だが今の感謝は今回のことではない」
「えっ?」
「私が言っているのは-----第2回モンドグロッソの時の話だ」
「聞いたんですか?一夏から」
「あぁ、それにしても弟の恩人がまさかこんな近くにいて、あろうことか敵かと疑ってしまった。本当にすまないと思っている」
一瞬ジャックバウアーと思ってしまった俺は悪くない。
それにしても気づかれたか……。
「別に気にしてませんよ。俺が目の前で誘拐されてるのを見て黙ってられるほど冷酷ではありませんし」
まさか織斑千冬の弟だなんて思ってなかったけどな
「それに俺もその部隊のリーダーを捕まえられませんでした」
「そう自分を責めるな。私たち姉弟にとっては恩人だ。今はそれだけでいい」
「ありがとうございます」
「礼を言うのはこっちの方だ。それに更識、お前からも言うことがあるのだろう」
えっ?楯無さんから?
どうでもいいけどこの流れからだと言い辛そうだな。
「蒼斗くん。あくまで推測なんだけど……。
貴方はこれまでにモンドグロッソでの誘拐事件やISの強奪事件以外にも事件で犯人を捕獲、または事件の解決に手を貸してなかった?」
自分でも自分の口角がピクッと反応したのがわかった。
「どうしてそんなことを?」
「蒼斗くんが関わった2つの事件から共通点をいくつか見つけたの。その共通点がある事件を探したら、当てはまる事件が何個も見つかったってわけ。
で?そこんとこどうなの?」
「ハァ、その通りですよ。やっぱりどうしても家から近いところの事件の解決が多くなっちゃいますからね」
「モンドグロッソの事件はドイツなんだけどね………。でもどうしてここまで気づかれずに事件に関われたの?」
「う〜ん、事件の発生は警察の盗聴とかですね」
「今まで気づかれなかったのは?」
「それも盗聴のおかげですね」
楯無さんは織斑先生の方をチラッと見た。
「眼鏡のない蒼斗くんのウソなんてバレバレよ♪」
なんでそんなに楽しそうにこっちをみるんだ……
「………すいません。このことは少し言いたくないんで」
前世での経験から警察がくる時間の平均くらいならわかる。それより早い時間で終わらせて逃げていた。
さすがにこのことは説明できないし……
「あぁ、いいのいいの。これまでの蒼斗くんにはいろいろ助けられてるし、今更そんなことで謝らないで」
「ありがとうごさいます。そろそろ帰ってもいいですか?」
「私は言いたいこと言えたからいいわよ。先生はどうですか?」
「私も別に問題無い。」
「じゃあ失礼します」
俺はハンガーにかけてあった制服を着て、保健室を出た。
「よし、行くか」
眼鏡を取り返すために………
◇
こういうのはいじめだと思う……
まず眼鏡が無いから今どこにいるのか落ち着いて考えることができず、頭の中から地図を引っ張り出すので精一杯だった。
そしてやっとの思いで職員室についた。そうしたら先生たちにさっきの試合のことで質問攻めに遭う(全部笑って誤魔化したが)。
そして眼鏡のことを聞くと
「眼鏡なら織斑先生が持って行ったよ?」
ブラコンがぁぁぁぁああああ!!!!
なぜにさっき言わなかった?!
ハイ、引き返しました。無駄に学園が広いから余計めんどくさい
しかも保健室の場所わからないからアリーナの中をグルグル探したし、見つけたけど誰もいないし、一夏に会うし、
「蒼斗!!生きてたんだな!!」
「勝手に殺すなよ」
あれ?デジャヴな気がする
「心配したんだぞ、本当に」
「あぁ、悪かった悪かった。」
「モンドグロッソの時に……助けてくれたのはお前だったんだな」
「まぁな、べつに礼はいらないよ」
「それにしても……お前眼鏡はどうしたんだ?」
「あっ!そうだ!お前さ、織斑先生見なかったか?」
「千冬姉?そういえば蒼斗に用があるとか言って寮に行くって言ってたぞ?」
「マジ?サンキュー。織斑先生が眼鏡を持って行ったんだ」
「あぁ……大変だな」
「じゃあな、今度なんかおごれよ」
「ハァ?って逃げんの速っ!?」
なんか一夏を見てたらブラコン思い出してイライラした。
◇
寮に着きました。
まず寮長室に行く-----いない。
そこで
そして今、俺は自分の部屋の前にいるのだが………部屋の中から異様な気配を感じる。むしろ悪寒がする。
とりあえずゆっくりとドアを開けた。
「あっ!おかえりなさーい。お風呂にします?ご飯にします?それとも、わ・た・し?」
???
状況を整理しよう。
部屋には楯無さん。うん、おかしい
そして裸エプロン。うん、おかしい
もし楯無さんが目の前でこの格好でいたら眼鏡が無く、キャラがブレまくりの俺はここで赤面していただろう。
だがそれは普通
目の前に広がる光景、それは-----
部屋の真ん中にいる織斑先生の前で楯無さんが正座させられていた。
なんだこの
「蒼斗く〜ん、助けて〜〜〜〜〜」
「無理です」
相手は織斑……もとい鬼斑先生だぜ?
「ほらっ、鳴神。眼鏡だ」
「おっと。あざっす」
「そういえば蒼斗くん。更識の家に行くの明日になったから準備しておいてね。遺書とか」
「誰が立っていいと言った。まだまだこんなもので終わらんぞ。遺書を用意するのはお前だ、更識」
「えっ?ウソですよね、織斑先生。蒼斗くん?本当に助けてよ」
俺はそっとドアを閉めた。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
○次回予告
更識家、日本の暗部であるその家に向かった蒼斗と楯無。
そこで彼らを待ち受けていたのは前当主、更識 一閃だった。
そして楯無の口から告げられた言葉に蒼斗は驚愕する。
次回、『本当の名前』
この次も、サービス、サービスゥ!!