カタナを守る従者   作:上腕二十二頭筋

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久しぶりです。

中途半端なところから始まりますので、忘れてしまった人は前話に戻って下さい。


あと今回で一区切りにして、しばらく投稿を抑えて書き溜めます。すみません。


名誉ある勲章

「てめえら、調子に乗るんじゃねえぞ!!」

 

オータムはイーリスが銃を構えているにも関わらずISを展開させる。展開速度に自信があれば悪手ではない。

 

展開するISはもちろんーーーーアラクネ

 

 

「まとめて相手してやるぜ!!」

「やるぞ!イーリス!!」

「お、おう」

 

 

 

いつの間にか口調を戻しちゃってたなー、と思いながらもオータムに二刀、『暗黒』と『漆黒』で斬りかかる。

 

イーリスもナイフで近接戦闘を試みるが、アラクネは和名で『王蜘蛛』。クモを思わせる8本の腕で常にこちらより多い手数で攻めてくる。

 

二刀を高速切替(ラピッドスイッチ)で『宵闇』に変えたところでようやく一撃を与えた。

 

 

「お前!その鎌は……」

 

 

ギクッ!!

しまった。一夏誘拐事件の時にはVTシステムを使って、男として戦ったのだが、宵闇()だけは使わないとめちゃくちゃ怪しいので使った。(使わなくても時間を掛ければ勝てる)

 

「〜〜♪」

「おい!口笛を吹いて誤魔化すな!!」

 

 

だって言い訳できないし……

 

 

「おい、お前実は「yかmgおsk」」

音エネルギーで邪魔をする。

 

 

 

「おい!お前実は男なんだろ?!」

 

オープンチャネルは盲点……ちくせう

それにしても『おい』が多くてウザい

 

 

「ハイハイ、そうですよ。“鳴神"っていう苗字で気づかない方もマヌケだな」

「っ!?つまりてめえが鳴神蒼斗か!!」

 

オータムが食いかかってくる

俺の顔写真が非公開だったこともあって、二人とも驚いていた。

 

今さらではあるが『さっさと無人機みたいにタッチして終わらせろよ!』と思っている人もいるかもしれない。

だが俺の単一仕様(ワンオフアビリティー)、『世界を創造する者(ワールドクリエイター)』には条件がある。

 

 

一つ目に変換、または吸収する対象のエネルギーは、所持しているか五感で認識出来なくてはならない。

 

わかりやすく言えば、エネルギーの存在を確認していないと使えないということだ。

熱や光は周りにほとんどあるが、±0℃になったり、アイマスクなどで不可視の状態になると、そのエネルギーは変換元に使えなくなる。

 

それも変換も吸収も一気にパッ、と出来るわけではなく。触れた範囲からじわじわ効果が発揮する。

 

 

二つ目に譲与、具現化にはそれぞれ一定以上のエネルギーを使用出来ない。

 

無人機の場合は、元々CPUに負荷がかかっていたため、さらに少しの電気エネルギーに様々な命令式を与えて、回路をショートさせた。

 

無人機(IS)の電気エネルギーやシールドエネルギーを適当なエネルギーに変えてもいいのだが、それらは基本的に認識出来ない。

 

アラクネは確かに複雑な操作を必要とするが、動かすのはあくまで人間。ISに負荷をかけても少し反応が遅くなる位でしかない上にずっと触っていないとすぐに反応が戻ってしまう。

 

 

「くそっ、分が悪いか」

 

オータムはあやとりのように粘着式のネットを投げつけてきた。

やはり眼鏡をかけていると状況変化に対応しづらい。避けきることが出来ずに左腕が壁に貼り付けられる。

 

だがもう戦う気は無いのか、振り向いて逃げだした。

 

イーリスさんも貼り付けられていて、追いかけることが出来ない。

 

 

(せめてこれがエネルギーだったら……)

 

可能性は低いが『世界を創造する者』を使ってみる。

 

 

 

「おおっ!?」

 

エネルギーネットだったらしく、普通に熱エネルギーになって消滅した。

俺の仕事はソフトウェアによるハイパーセンサー等々の調整だったからエネルギーネットだということを知らなかった。

 

「さぁ、イーリスさん。あなたに選ばせてあげますよ。」

 

そう言いながら『世界を創造する者』でいつもの球体を具現化させた。

 

 

「この研究所ごとアラクネを吹き飛ばすか、アラクネだけを吹き飛ばすか。さあ、どっち?」

 

「……それ、二択になってねえだろ。研究所ごとってことはアタシとかも吹き飛ぶんだろ?」

 

「いや、その、ええと………。まあ」

 

「まあ、じゃねえよ!!アラクネだけにしとけ」

 

「ハイハイ」

 

 

 

今回は死と闇の鎌(デスサイズ)を使うわけではない。

 

イーリスさんが研究所ごとぶっとばせ!!って言ったら、今出しているエネルギーの塊を吸収しないといけないんだけど……ま、アラクネだけを選ぶに決まってるんだけどね。

 

 

俺は楯無さんとの勝負の時にも使ったショットガン、『虚無』を展開する。

 

そして『虚無』を黒いエネルギーの塊に向けた。

 

名誉ある勲章(グロリアス・グローリー)!!」

 

そして俺はショットガンの引き金を引く。

 

近距離から撃ったショットガンの弾は全て黒いエネルギーの塊に命中した。

そして命中と同時に破裂したそれの中から十数本のレーザーが伸びる。

 

 

名誉ある勲章(グロリアス・グローリー)』と『死と闇の鎌(デスサイズ)』の違い。それは武器だけでなく、それに使うエネルギーも違う。

 

デスサイズは熱エネルギー、そしてグロリアス・グローリーは光エネルギーを使っている。

 

そして光エネルギーは圧縮して撃ち出すとレーザーとなる。グロリアス・グローリーはショットガンの弾丸に光エネルギーをコーティングし、文字通り光の速さでのレーザー攻撃。

 

 

ちなみに他のエネルギーでもほとんどは攻撃ができる。電気エネルギーは言うまでもなく電気の弾丸、『疾風迅雷』。雷の弾丸と言っても、荷電粒子砲みたいなもんだ。

 

あとは音エネルギーでの攻撃、『超音波(ハイパービート)』。これはソニックウェーブで攻撃する。

これを使うと普通にダメージを与えた上に、センサーや操縦系統にノイズが混じって反応を悪くさせることができる。

 

 

話が脱線したが前述した通り、

名誉ある勲章(グロリアス・グローリー)』はレーザーによる攻撃。

光学(レーザー)兵器が無いわけでは無いのだが、この技は脱兎の如く逃げる敵にはとても効果的な能力がある。

 

 

それは『自動追尾能力』。

光の速度で追いかけ、敵が進んだ道を寸分違わず追跡するので、壁に当たって爆破することがない。

回避するには敵も光の速度で逃げるしかない。

 

 

だが『自動追尾能力』も無条件に使えるわけではない。追跡する目印が必要となる。

しかしアラクネには電気エネルギーの集合体を仕込んである。それを追跡対象にすれば、あとは勝手にレーザーが追尾する

 

「いけっ、イーリス!!瞬時加速(イグニッション・ブースト)だ!!」

 

「命令されなくてもしてやるよっ!!」

 

 

イーリスのエネルギーネットを変換させて、自由にした。

 

瞬間、イーリスは壁に突っ込んで行った。

………個別連装瞬時加速(リボルバー・イグニッションブースト)使いやがったな。

 

 

「あのー……イーリスさん?そういうの別にいいんで……」

「……うるせぇ」

 

あらら、いじけちゃった。

 

 

「行きますよ!!イーリスさん。もうさっきのレーザーだってアラクネに当たってますって」

 

半ばイーリスさんを引きずりながら、アラクネを追う。

 

 

 

「ほらっ、イーリスさん!!アレがアラクネですよ。さっさと動いて下さい」

 

壁をぶち破った奥にボロボロになっているアラクネが見えた。それを見て少しイーリスさんも自分から動き出した。

 

「あとは任せますよ?イーリスさん」

「おう、任せとけ」

 

 

俺は黒炎を解除し、イーリスさんを引っ張るのを辞める。

 

 

瞬時加速(イグニッション・ブースト)にしといて下さいよ?危ないですから」

「わかった!!」

 

 

イーリスさんが突撃する---と同時に上空から火球がイーリスさんに命中する……えっ?

 

 

イーリスさん……いつからそんな可哀想キャラになったんだ。

 

 

 

 

「オータム、迎えに来たわよ」

 

上空にはISの知識をそこそこ得た俺でも、どんなISとも似ていない金色の機体がいた。

 

確かにどんな機体とも似ていないが、普通に言葉を発しているので、無人機というわけでもないらしい。

 

 

「スコール、すまない。アラクネの損傷が……」

「いいのよ、別に。

というわけで、ここは見逃してくれないかしら?そこのお姉さん?」

「残念ながらお姉さんじゃなくてお兄さんだ。

もう絶対許さない。誰が何と言おうと絶対に許さない」

 

 

 

ちょっと私情が入ったが、まぁこの意思は変わらない。

 

「あらあら、それは失礼したわ。でもここで戦ってもお互いメリットがないわよ?」

 

「はぁ?メリットが無いのはそっちだけだ」

 

「それはどうかしら。こんな屋外で戦うと目立つわよ。それにもうすぐアメリカのIS部隊も突撃してくるわ」

 

 

男と言った時点で俺が鳴神 蒼斗だと気づいたらしい。

確かに俺がアメリカの研究所にいることがバレると色々と面倒くさそうだ。

 

 

 

「ま、いいや。一つ貸しにしておく。」

「ふふ、借りは返すわよ」

 

 

「おい、お前。名前は?」

 

「スコール・ミューゼルよ」

 

「じゃあな、スコールさん」

 

 

スコールは「じゃあね」と言ってオータムと一緒に飛びたった。

俺もここにいる必要がなくなったので空港に向かって歩き出した。

 

 

 

 

そういえば飛行機に乗ってからイーリスさんのことを思い出したが、無理矢理忘れた。

あの人には変な借りができたなぁ……

 




最後まで読んでいただきありがとうございます。

伏線張っておいてしばらく投稿しないとか……すみません。
白の騎士の方も次くらいで書き溜めるために休止します。


期待している人はいないと思いますが、復帰のために頑張ります。
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