空条承太郎の友人~番外編~   作:herz

3 / 14


・男主視点。

・ご都合主義、捏造過多。書きたい部分を書いただけ。キャラ崩壊注意!!




 ――エルメェス・コステロだって、突然の女の子扱いに思考停止する時があるはず。




空条承太郎の友人と、中学体育祭

 

 

 高校体育祭、翌日。今日は中学の体育祭だ。体育祭は一般公開はされていないが、中学の在校生の家族だけでなく、高校の在校生も見学する事ができる。

 昨日の高校の体育祭も、中学の在校生達が見に来ていた。

 

 中学の体育祭も赤組、白組に分かれていて、徐倫ちゃん達6部女子3名は赤組。……心なしか赤組観客席側が賑やかで、士気も高い気がする。

 

 

 俺はジョースター家と共に、徐倫ちゃん達の応援するため、ジョナサンが運転する車に乗って学校へ向かった。

 ホリィさん達保護者組も、別の車に乗って後からやって来る予定だ。

 

 学校に入った後は念のため、ディオ様コーディネートの髪型と伊達眼鏡を付けて、口調は猫被り仕様で。

 

 

「っ、やべ、痛い……!」

 

「……志人さん、やっぱり無理して来ない方が良かったんじゃないスか?」

 

「昨日のリレーであんなに頑張ってましたし……応援に行けなくても徐倫は拗ねたりしないと思いますよ?」

 

「……いや。絶対に応援するって約束したし、意地でも行くよ」

 

 

 昨日の全力疾走で筋肉痛になる事は予想していたが、こんなに痛くなったのは初めてだ。仗助とジョルノが心配そうな顔をしているが、徐倫ちゃんとの約束は守りたい。

 

 

(妹のように思ってる女の子から、"絶対に応援に来てね!"ってキラキラした目でお願いされたら、兄貴分としては行くしかねぇだろ!)

 

 

 俺だって男なんだから、見栄を張りたいんだよ!そして何よりも、いつもお世話になってるジョースター家の1人からのお願いだ。日頃の恩を返すためなら意地でも行く!

 

 

「……無理はするなよ、シド」

 

「その無理をさせたのはてめえだろうが、承太郎!」

 

「そうだよ、承太郎。昨日の追い上げは凄かったけど、今の君にそんな事を言える資格は無いんだからね?」

 

「志人がどうしても歩けなくなったら、責任を持って貴様が背負って運べ」

 

「……ま、まぁまぁ。俺はそこまで気にしてないので、承太郎を責めないでくださいよ」

 

 

 ジョセフ、ジョナサン、ディオの承太郎への当たりが強い。俺の筋肉痛を知ってから、この3人は大体こんな調子だ。

 

 

「俺に無理させた償いは、昨日アイス奢ってくれた事と、珍しく料理を作ってくれた事で終わってますから」

 

「それだけじゃ足りないだろ、志人!」

 

「もっと承太郎をこき使っていいんだよ」

 

「それが許される程に、昨日はよく頑張っていたぞ?遠慮なく我が儘を言え」

 

「えー?昨日の償いでもう充分ですよ。高級アイスと手料理のおかげで、頑張った甲斐があったと思えましたし」

 

 

 そうそう。苦学生の俺にとっては、コンビニの高級アイスや手料理……それも滅多にキッチンに立たない親友が作ってくれた俺の好物は、ありがたい贅沢だ。昨日は大満足だった。

 

 そう言うと、既に学校を卒業した3人だけでなく、承太郎とジョルノと仗助まで、苦い顔をしたり頭を抱えたり。

 

 

「…………駄目だな。この子は本気で言っているぞ」

 

「あんなお手軽な物で贅沢だなんて……!」

 

「健気にも程があるよね……」

 

「その上、うちの家族の末っ子の応援に、無理をしてでも来てくれましたし」

 

「志人さん、本当にそれでいいんスか!?」

 

「俺の事なら気にするな。今日は何でも言う事を聞いてやるぜ」

 

 

 ……最近、ジョースター家と一緒にいるとこういう事がたまに起こる。なんとなく、何かがズレている気がするのだ。俺は本当に満足してるんだけどなぁ。

 

 

 そんな事を話しているうちに、体育祭が始まった。ここからは、6部女子組が特に活躍した種目と――俺とディオが巻き込まれた種目について語る。

 

 まずは、徐倫。

 

 

「――オラオラオラオラァッ!!」

 

 

 

 

「……何、あのコントロール……凄いね」

 

「あれ、投げた玉全部入ってるっスよ、きっと」

 

「あのコントロール力、何処で磨いたんでしょうか?」

 

 

 種目は玉入れ。徐倫は最初に玉をたくさん拾い、そこから一気に投げていた。驚異的なコントロールで全て籠に入れている。前世の"1000球だ!"を思い出してしまった。

 ……あ、周りの生徒達が徐倫に玉を渡して投げてもらう作戦に切り替えたらしい。最終的に徐倫1人で全部の玉を入れていた。当然、赤組の勝利である。

 

 

 いくつかの競技を挟み、次はエルメェスの出番。種目は徒競走だったのだが……一瞬、それとは別の競技だったか?と勘違いしてしまう瞬間があった。

 

 それが、これ。

 

 

「えッ、エルメェス、すげェ!?」

 

「エルメェスちゃん、今、何した……?」

 

「……隣を走っていた女子生徒が、誤ってエルメェスにぶつかり、あいつが転ぶ――かと思いきや、一瞬で受け身を取った直後に走り出した。なお、速度は全く落ちていない」

 

「解説ありがとう、承太郎。……って、いやいや!?あの身体能力どうなってるの!?」

 

 

 解説を聞いた後に、思わずそう突っ込んでしまった。……それはともかく、そんな事がありながらも1位になったエルメェス。さすがです兄貴!

 

 

 さて。次に活躍したのはF・Fだった。種目はちょっとした変わり種、宅配便リレー。段ボールの箱を持ちながら走る競技だ。

 これはリレーの走者が変わる度に、段ボールの箱が増えていくため、走者はそれぞれ箱を積み上げて走らなくてはならない。

 

 最後はアンカーが5箱も積み上げなくてはいけないため、結構難しい競技……の、はずだった。

 

 

「普通に、走ってゴールした……?」

 

「……あまりにも自然過ぎて、驚く暇もなかったな……」

 

「おかしいな。目の前に段ボール箱が積み上がって前も見えないはずだし、バランス取って走らないといけない競技だったと思うんだけど……?」

 

 

 少し間が空き、観客席側がざわざわし始めた。……フーちゃんのバランス感覚と度胸と走る速度ェ……と、とにかく彼女も1位になったしまぁいいか!

 

 

 後日。F・Fにこの時の話を聞いてみたが……

 

 

「段ボール箱は全て空だったし、前は見えなくてもゴールまで直線だったから、真っ直ぐ走ればいいだけだわ。簡単だろう?」

 

 

 ……との事。いや、それにしたってバランス感覚と走る速度が桁違いだったんですが?

 

 

 はい、次!

 

 

「次は……借り人競争っスね」

 

「……昨日、志人がやったものは障害物競争の中に含まれていたな?」

 

「はい。あっちは借り"物"競争でしたけどね。俺の場合はたまたま人を借りるお題に当たっただけで」

 

「…………志人お兄ちゃん(・・・・・)

 

「ぶふっ、ちょっと、ジョルノ止めてくれよ!昨日の事を思い出しちゃったじゃないか!」

 

「だからその呼び方……!」

 

「志人お兄ちゃん(・・・・・)♪」

 

「ジョセフ先輩までふざけるの止めてください!」

 

 

 お兄ちゃん呼びはどうしても慣れない。いつもの呼び方で頼む。

 

 

 借り人競争に出場するのは、徐倫とエルメェス。徐倫は最初の方、エルメェスは最後の方に走るようだ。一度に走る人数は4人。お題をより早くに達成した人が、その分高いポイントを得る。

 例え誰よりも早くにお題の人を連れて来ても、数名いる審査員の教師達から満場一致の合格が出なければ、失敗だ。失敗したら次に並んでいる人に順番を譲る事になる。

 

 そんな借り人競争に、俺とディオが巻き込まれた。

 

 

「――ディオさァァん!!一瞬に来て!」

 

「私か!?」

 

 

 最初に巻き込まれたのは、ディオだった。さすがに驚いたらしく動揺していたが、すぐに切り替えて自分を呼んだ徐倫の下へ向かう。

 

 

「お題、何だったんだろう?」

 

「わざわざ兄さんを呼ぶという事は、兄さんしかお題を達成できない程に難しいものだったんでしょうか?」

 

「さて、どうだろ……あっ」

 

「――あ"ぁ?」

 

 

 その時。走っている途中で、ディオが徐倫を横抱きにした!

 

 会場全体で女性の黄色い声と一部男子生徒の悲鳴と怒声が上がり、シスコンお兄様はドスの利いた声を上げる。

 落ち着け。あれは多分早く走って一番にお題を達成するためだから。他意は無いって!

 

 そうしたおかげで、徐倫達は誰よりも早く審査員の下に到着したんだから、結果オーライだろ。徐倫がお題の書かれた紙を渡すと、審査員の1人がマイクを使って話す。

 

 

「お題の内容は――王様っぽい人!」

 

 

 あ、それはディオ様だな。

 

 

「なるほど、納得っス」

 

「元悪のカリスマだからな……」

 

「王様というか、帝王かな?」

 

「帝王……それですね」

 

「悪のカリスマにして帝王……勝てる気がしねェ字面だな。いや、承太郎は勝ったんだけど」

 

 

 ジョースター家と俺は納得しているが、ディオは数年前に学校を卒業した人間で、中学には彼の事をよく知らない人ばかりがいるため、すぐに合格は出せない。

 よって、それらしい言葉を口にするか、行動した結果で合否を決めるらしい。

 

 審査員にそう言われた徐倫が、ディオに耳打ちする。……1つ頷いたディオは、マイクを手に取り――

 

 

「――頭が高いぞ、愚民。跪け」

 

 

 ははーっ!!……って言いたくなったわ。ちなみに、審査員達はマジで口にして跪いた。会場内もディオの帝王ボイスに黄色い声が上がって大変喧しい事になっている。

 

 結果?もちろん、合格だ。徐倫は1位通過である。

 

 

 次々と走者が減っていき、ようやくエルメェスの番。さっそくお題を手にした彼女は、迷いなく走り出した。……こちらに向かって。

 

 

「いたァッ!園原さん!!」

 

「はっ、俺!?」

 

「いやいや、志人さんは筋肉痛が、」

 

「いや。考えてる時間は無いから、頑張って行って来る!」

 

「ちょっ!?」

 

「志人ちゃァァん!?」

 

「馬鹿、無理するな!」

 

 

 引き留める声を無視して、エルメェスの下へ。……痛いけど、我慢。トリスタンのスタンドに暴力振るわれた時と比べれば、これぐらいどうって事ない!

 

 

「さぁ、走ろうか」

 

「あ、ああ……でも、大丈夫なのか?引き留められてたけど」

 

「平気、平気。行こう!」

 

 

 エルメェスと手を繋いで、走り出す。……いつもより速度は出せなかったが、それでもなんとか2番目に並ぶ事ができた。

 

 

「……本当に平気なの?」

 

「うん、大丈夫」

 

「…………」

 

 

 ポーカーフェイスができてなかったんだろうか?エルメェスには疑いの目で見られてしまった。女の子に余計な心配はさせたくないんだが……

 

 

「それよりも、お題は何?」

 

「……これだ。園原さんなら、ぴったりでしょ。……話を聞く限りいろいろ大変だったみたいだし、あんたは気に入らないと思うけど……悪いな。

 審査員の教師なら、すぐにピンと来て合格出してくれそうだからさ」

 

 

 気まずそうな顔で見せられた紙に書かれたお題に、俺は苦笑いを浮かべた。……まぁ、赤組のポイントのためだ。我慢しよう。

 

 最初に並んだ生徒が1位で抜けて行き、次は俺達の番だ。

 

 

「お題は――王子様!……あぁー、なるほど。これは教員の間でも話題になってましたねぇ」

 

 

 どうやら、水野さんの一件は中学でもよく知られていたようで、俺の顔と名前も覚えられていたらしい。

 

 

「これは一発合格ですかね?」

 

「いやいや。軽く王子様らしい事をやってもらいましょうよ」

 

「はあ!?そこは合格出せよ!」

 

「エルメェスちゃん、落ち着いて」

 

 

 エルメェスを宥めていると、審査員達の間で話がまとまったようだ。……この場で王子様らしい事をやる羽目になった。

 

 

「園原さん、ごめん……」

 

「あはは……まぁ、しょうがないね。じゃあ、さっそくだけど失礼」

 

「えっ?」

 

 

 俺はディオのように、声とセリフだけで満場一致の合格をもらえる自信が無いから、代わりにそれっぽい行動を取る。

 

 ――エルメェスの前に片膝を突いて跪き、彼女の手を取って、その甲に口付けする……振りをした。

 

 マジで唇付けたらセクハラなので、それはやらない。つか、エルメェス兄貴にそれをやる度胸が無い。

 

 

「……って感じでどうですか、審査員さん?」

 

「ごっ――合格!!」

 

 

 一瞬静かになり、その後観客席側から大音量の黄色い声が響き、それと同時に審査員達が満場一致で合格を出した。……観客席、うるせぇ。

 

 

「えっと、2位の列に並べばいいんだっけ?」

 

「…………」

 

「……エルメェスちゃん?」

 

「へっ!?あ、お、おう!行くぞ!!」

 

「待って引っ張らないで、いたたた……っ!」

 

 

 我に返ったエルメェスに腕を引っ張られ、2位の列に並んだ。……他の走者もお題を終わらせて、最後に出た総合結果は赤組の勝利。良かった良かった。

 

 

「全く、貴様はまた無茶をして……!」

 

「……すみません、ディオさん」

 

 

 競技が終わり、徐倫達と別れて退場する途中。筋肉痛のせいでノロノロと歩くしかなかった俺は、それを見かねて肩を貸してくれたディオに謝るしかなかった。

 

 

「……しかし、お題を証明する行動はなかなか様になっていたぞ」

 

「あはは、お世辞をどうも。ディオさんコーディネートの髪型で、顔がそれっぽくなってたおかげですよ」

 

「世辞では無いのだが……ン?……ああ、どうやら迎えが来たようだぞ」

 

 

 顔を上げると、承太郎がこちらに駆け寄って来るところだった。

 ……ここは既に競技が行われる場所から離れているが、開けた場所なので周りからよく見えてしまう。承太郎が出て来たのを見て、観客席側がざわざわしている。

 

 

「この馬鹿が。無理するなと言っただろ。……俺が言えるセリフでは無いがな」

 

「ごめん、承太郎。徐倫ちゃん達を勝たせてあげたいなって思ってたから、つい無茶しちゃった」

 

「…………やれやれだぜ。ほら、乗れ」

 

「えっ!?」

 

 

 承太郎がこちらに背を向けて屈んだ。……つまり、俺を背負っていく、と?

 

 

「いやいやいやいや、それは申し訳ないから――」

 

「――ちょっとでも拒否したら強制お姫様抱っこな」

 

「喜んで乗らせてもらいます!!」

 

「クククッ……!!"王子様"がそんな運ばれ方をされるのも見物だなァ?」

 

「笑わないでくれませんかねぇ!?」

 

 

 さすがに横抱きは嫌過ぎるので、渋々背負ってもらう。……視線が痛い!観客席側はますますざわざわし始めた。

 

 

「ジョナサンに車の鍵を借りたから、残りの時間は車の中で休め」

 

「え、嫌だよ。徐倫ちゃん達の応援、」

 

「お前に拒否権は無い。……これ以上無茶をさせないためだ」

 

「残りの競技は、こちらで録画した物を後から見ればいい。志人は大人しくしていなさい」

 

「徐倫達には後で、応援できなかった事情を話せば納得してくれるだろ」

 

「えぇー……?」

 

 

 抵抗むなしく、俺は強制退場。後に、最終結果は赤組の勝利だった事を知る。それは嬉しいけど、間近で応援したかった。……その日の夜の観賞会は、楽しかったけどな。

 

 

 

 

 

 

「……ところで、ディオ」

 

「ン?」

 

「――俺の可愛い妹を横抱きにした件について、何か弁明は?」

 

「あっ。……い、いや他意は無いぞ?あの方が早いと思ってやっただけで、」

 

「…………」

 

「謝るから無言でスタープラチナを構えるのは止めてくれ本当にすまなかった」

 

「次やったらオラオラの刑」

 

「肝に銘じる」

 

 

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。