空条承太郎の友人~番外編~   作:herz

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・リゾット視点。

・ご都合主義、捏造過多、キャラ崩壊あり!




 ――リゾット・ネエロだって、興味を持った相手には何がなんでも接触したいと思うはず。




リゾット・ネエロと、救援要請

 

 

 その日。俺とプロシュートとペッシ、ホルマジオとイルーゾォの5人は、財団から依頼されたとある任務を遂行した。

 任務自体は、当然だが成功した。後は財団の東京支部に向かって報告し、それぞれ自宅に帰るだけ。

 

 さっそく、全員で東京支部へ向かおうとした時。俺の携帯に電話が掛かって来た。

 

 

「――救援要請?」

 

「そうです!ある護衛任務に就いているスタンド使いから、財団に要請がありました。護衛任務中に想定外の敵スタンド使い達から襲撃を受け、現在戦闘中!

 しかし。救援要請をしたスタンド使いは防御力だけなら誰にも負けませんが、自分から攻撃する事ができません!

 

 よって、戦闘可能なスタンド使い達の中で、その現場に一番近い場所で任務を行っていたリゾットさん達に連絡しました!」

 

「……その防御しかできないスタンド使い以外で、戦闘ができるスタンド使いが護衛任務に同行していた訳じゃないのか?」

 

「確かに数人同行していたようですが……敵の不意打ちを受けたせいで、その数人はまともに動ける状態では無いらしく……

 その負傷者達と護衛対象の全員を、救援要請したスタンド使いが1人で守っているんです!どうか、今から救援に向かう事はできませんか?もちろん、その分の追加報酬は財団側が支払います!」

 

 

 ……通話はスピーカーの状態にしてあったため、他の4人もこの話を聞いていた。俺が彼らを見ると、全員が無言で救援に行く意思を見せたため、電話をして来た財団職員にもそう伝える。

 俺としても断る理由は無い。体力的に余裕があるし、追加報酬を貰えるというメリットもある。……SPW財団は、前世で所属していた組織よりも気前が良いからな。

 

 現場の詳しい状況とその場所を聞いた俺達は、プロシュートが運転する車に乗り、急いでその場に向かう。

 

 

「防御特化のスタンド使い、ね……オレ達が到着するまでちゃんと持ち堪えられるのか?そいつ」

 

「財団職員は電話で、全く心配いらない、とか言ってたけどなァ……なんか、やけに自信ありげな言い方じゃなかったか?」

 

「そうだな……」

 

 

 車内にて。イルーゾォとホルマジオがそう話しているのを聞いて、俺も先程の財団職員との会話を思い出した。

 確かに、あの職員の声音は深刻そうな雰囲気ではなかった。スタンド使いがたった1人で複数の敵を相手取っているという状況なら、普通はもっと慌てるはずだが……

 

 

「……あっ、兄貴!次の信号を右に曲がった方が近道だよ!」

 

「おう、分かった。……その1人で持ち堪えてるスタンド使いの事だがな、心当たりがあるぜ」

 

 

 と、助手席に座っているペッシの案内で車の運転をしていたプロシュートが、そんな言葉を口にする。

 

 

「――最強の盾……最近、財団職員達からそう呼ばれているスタンド使いがいるらしい。俺も小耳に挟んだ程度だから、それぐらいしか知らねえが」

 

「最強!?……嘘臭い話だな、そりゃ」

 

「俺も本気で信じてる訳じゃねえ。ただ、心当たりといえばそれだけだったって話だ」

 

「……最強のスタンド使い、ならいるよな?そいつの事じゃねェのか?」

 

「……空条承太郎、か」

 

 

 最強にして、歴戦のスタンド使い。無敵のスタンド、スタープラチナ……財団に登録しているスタンド使いの中で特に有名な人物といえば、ほとんどが空条承太郎の名を上げるだろう。

 だが、奴のスタンドは防御特化では無いはずだ。最強の盾とは呼ばれていない。

 

 

 そんな事を話しているうちに、現場に到着した。車から降りて戦闘音が聞こえる方へ向かい、物陰から様子を窺う。

 

 そこでは、複数のスタンド使いが緑色のドームに向かって一斉に攻撃していた。

 ドームの中には気絶している数人と、しゃがんで震えている中年の男に――神話の天使のようなスタンドと共に立つ、無表情の少年がいる。

 

 あれだけの攻撃を受けているというのに、あのスタンド使いは焦燥しているようには見えない。

 

 

「あれが、救援要請したスタンド使い?……今世の俺と歳が近そうだよ、兄貴!」

 

「だろうな。俺にもそう見えるぜ、ペッシ。随分目付きが悪いが、確かに子供だ」

 

「……向こうはまだ、こっちに気づいてねェな」

 

「どうする?リーダー」

 

「……奇襲を仕掛けて隙を作り、あの緑色のドームと敵の間に割って入る」

 

「了解!」

 

 

 物陰から飛び出し、攻撃を仕掛ける。敵が動揺した隙に割って入ると、ドームの中にいた少年が話し掛けて来た。

 

 

「っ、救援に来てくれた人達ですか?」

 

「そうだ」

 

「感謝します。それと――手短に、敵のスタンドについて分かっている事をお伝えします」

 

「!」

 

 

 少年は淡々と、敵のスタンド能力について分かっている事を俺に語る。……これで、かなり戦いやすくなった。さっそく、既に戦闘を始めていたプロシュート達にも情報を共有する。

 防戦一方だったのかと思いきや、防御しながらも冷静に敵の能力を分析していたらしい。……ただの子供ではないな。

 

 

「それから、俺のスタンドが発動するバリアは、俺が味方と認識した存在の攻撃を通します。よって、俺のバリアで皆さんを……本体を守りながら敵と戦う事が可能です」

 

 

 ほう?……それなら、すぐに終わらせる事ができそうだ。

 

 

「そのバリアは――有毒ガスも防ぐ事ができるのか?」

 

「、できます。このバリアは、俺の意思次第で何でも防ぐ事ができるので」

 

 

 俺の問いを聞き、無表情だった少年は一瞬表情を動かしたがすぐにそう返して来た。ならば、やる事は1つ。……俺はプロシュート達に、隙を見て少年の言うバリアの中に待避しろと命じる。

 

 後はプロシュートのスタンド――ザ・グレイトフル・デッドの、独壇場だ。

 

 

 

 

―――

――――――

―――――――――

 

 

「――うわぁ……」

 

 

 プロシュートのスタンド能力で老化し、無力化された敵を見て、少年は思わずといった様子でそんな声を出した。

 しかし、反応はそれだけだった。彼はそれ以上動じる事なく俺達に再度礼を言い、先程から両腕で頭を抱えて震えてばかりの中年の男に、声を掛けている。

 

 ……拍子抜けだった。てっきり目の前の惨状について俺達を問い詰めるか、怯えるかぐらいの反応があるのではないかと思っていたのだが。

 それに、感謝の言葉を伝えて来た事もそうだ。あんなに丁寧に感謝された事は、俺の記憶が間違っていなければ前世でも今世でも一度も無い。

 

 プロシュート達と顔を見合わせる。……こいつらも困惑しているようだ。

 

 

「ひっ、ひいぃっ!?き、貴様らは……!?」

 

「どうかしましたか?」

 

「し、知らないのか!?こいつらは前世で暗殺者だった奴らだぞ!?私も前世ではパッショーネに所属していた!だから知っているんだ!」

 

 

 この男もパッショーネの所属だったのか。……俺達に怯えるその反応こそが、本来なら正しいのだが……少年は僅かに目を見開いただけで、男の言葉を聞いても全く動揺しなかった。

 

 

「……もしかして、ジョルノが言っていた元暗殺者の人達ですか?今世では足を洗ったと聞いていますが」

 

「なっ、お前、ジョルノ・ジョバァーナの知り合いだったのか!?」

 

「はい。……あなた達がその元暗殺者の人達で、今世では足を洗ったという話は事実でしょうか?」

 

「……ああ、事実だ。俺達は今世では一度も人を殺してねえよ」

 

 

 プロシュートの言う通り。前世では暗殺者だった俺達は、今世では殺人を犯していない。もちろん、他の犯罪にも手を出していない。

 表では堅気の商売をしながら、裏ではたまに財団からの依頼を受けて金を稼いでいる。前世よりも充実した生活を送っているのだ。

 

 

「し、信用できるか!!どうせ隠れて殺しをやってるに違いない!この犯罪者共め!!」

 

「あァ?テメーもパッショーネに所属してたなら、犯罪に手を染めてたのと同じだろうが。人の事言えねェだろ」

 

「私は今世では何もやっていない!だが、貴様らは違うだろう!?」

 

「ちっ……!うるせぇおっさんだな!!オレらだって何もやってねぇよ!!」

 

 

 ホルマジオとイルーゾォが、男と言い争いを始めてしまった。……さっさと止めて、この場から離れるとしよう。

 戦闘は終わったし、俺達はお役御免だ。いずれ、財団職員達が後処理のためにやって来るはず。後はそいつらに任せればいい。

 

 そう考えて、俺が口を開いた時。

 

 

「―――さん。ちょっといいですか?」

 

 

 少年が男の名前を呼び、彼らの間に入った。

 

 

「確かに、彼らが本当に足を洗ったのかどうかは証拠が無いので、俺もそうだと断言する事はできませんが――それと同時に、彼らが犯罪を犯している証拠もありません。

 また、あなた自身もそれは同じ事です。あなたが今世では何もやっていないという証拠はありますか?今この場で、それを証明する事はできますか?」

 

「そっ、……それ、は……」

 

「無いんですね?……では、あなたに彼らを非難できる大義名分はありませんね?」

 

「ぐっ……!!」

 

「というかそもそも、俺もあなたも彼らに助けられたんですよ?それなのに、あなたは彼らに感謝するどころか罵倒を浴びせた。

 例え、あなたが本当に今世で犯罪を犯していなかったとしても、助けてくれた相手に対してお礼の1つも言わないというのは、人間としてどうかと思います」

 

 

 これは、まさか俺達を庇っているのか?……それにしても、良く口が回る子供だな。先ほど敵を冷静に分析した事もそうだが、きっと頭の回転が早いのだろう。

 

 

「っ、貴様!ただの護衛の分際で、依頼人に逆らうのか!?」

 

「逆らう?――俺が依頼されたのは、あなたの護衛のみですよ?あなたを弁護する事は依頼に含まれていない。よって、今もしっかりと護衛をしていますし、逆らってはいません。

 むしろ、俺はあなたの依頼のために言い争いを止めました。あなたは非戦闘型のスタンド使いだ。そんな人が彼らを本気で怒らせてしまったら、何が起こるか分からない。

 

 あなたの身の安全のために、ここは引いた方がよろしいのでは?……これは、あなたの護衛としての意見です」

 

「う、っ……このクソガキ!!」

 

 

 激昂した男が少年に拳を向けた。俺達は思わず、それを止めようと前に出る。……だが、助けは不要だった。

 

 ずっと少年の背後に控えていた彼のスタンドの手が、その拳を掴んで止めたのだ。

 

 

「――志人。このおっさん、棒術で仕留めちゃ駄目かな?」

 

「うわ、喋った!?自我がある!?」

 

「ペッシ、黙ってろ」

 

「あ、ごめん兄貴……」

 

 

 ……ペッシのように声には出さなかったが、俺も驚いた。ペッシ以外の3人もぎょっとしていたし、同じ事に驚いたのだろう。

 戦闘中は一度も声を出さなかったため、少年のスタンドに自我があるとは思わなかった。

 

 

「護衛対象に手を出すなよ、イージス」

 

「承太郎がこの場にいたら殴ってたと思う」

 

「止めてくれ、洒落にならねぇから」

 

 

 少年の口調が変わった。おそらく、これが素なのだろう。

 そしてジョウタロウ?空条承太郎の事か?ジョルノ・ジョバァーナだけでなく、あの男とも知り合い……それに、スタンドからユキトと呼ばれていた。

 

 

 この少年の正体は、まさか――

 

 

「――園原さん!」

 

 

 その時、ようやく財団職員達が駆け付けた。……ソノハラ。園原、か。やはりこの少年の正体は、俺が想像した通りだった。

 

 

「遅れてすみませ、……何があったんですか?」

 

「……ちっ!」

 

 

 異変を感じたのだろう。財団職員の1人が、少年に拳を向けた男を見る。すると奴は少年のスタンドの手を振り払い、俺達から離れて行った。

 

 

「――転生して精神年齢下がり過ぎて今さら反抗期か?どっちがクソガキだよ、あの野郎」

 

「ぶふっ……!?」

 

「っ、ふ……!!」

 

 

 咄嗟に口元を片手で押さえ、笑いを止めた。プロシュート達4人も似たような反応をしている。

 ぼそっと毒を吐き、俺達にそうさせた少年……園原志人は、はっとした様子で口元を隠し、それからわざとらしく咳払いをした。それがまた、俺達の笑いを誘う。

 

 

「……お騒がせしました。こちらから救援要請した上、さらにご迷惑をお掛けして申し訳ありません。では、俺もまだ任務が続いているのでここで失礼します」

 

「……あんな真似をされた後でも、続けるのか」

 

 

 そう問い掛けると、彼は俺の目を真っ直ぐに見つめて、強く頷いた。……俺のこの目を見ても、怯えないのか。

 

 

「それが今回の俺の任務なので、放棄はしません。……皆さんのご協力に感謝します。ありがとうございました」

 

 

 その後。園原は財団職員の1人に簡潔に状況を説明し、彼らに後処理を任せてから護衛対象の男と共に去って行った。俺達も同様に、簡潔に事情を説明してから立ち去る。

 

 

「――ジョースター家のお気に入り……か。案外面白いガキだったな。あの男に言ってた言葉も、聞いててスカッとしたしよォ」

 

「ああ、やっぱりあいつがそうか!あの自我のあるスタンドが承太郎の名前を出した時にもしや、と思ったが……」

 

 

 車を駐めた場所に戻る途中で、ホルマジオとイルーゾォがそう言った。彼らも気づいていたようだ。

 

 

 園原志人。ジョースター家の人間から身内扱いされており、あの空条承太郎が親友と呼ぶ男。……こんな形で出会う事になるとは。

 

 

「元暗殺者って聞いても、全然怯んで無かったね……」

 

「最強のスタンド使いが親友って呼ぶぐらいだし、肝が据わってんじゃねぇか?」

 

「……確かに、ただのマンモーニじゃ無さそうだぜ。任務に対する姿勢も、な」

 

 

 任務放棄はしない……そう言っていた園原の目には、強い意志が宿っていた。

 

 

 おそらくあの無表情と何事にも動じない態度は、意識してやっている。公私をはっきりと分けているのだろうな。

 "公"の態度はつい先ほど見たばかり。……では、"私"の態度はどうなるのか?スタンドと話していた時と毒を吐いた時の様子から、普段は比較的言葉が荒いようだ。

 

 しかし、こちらに敬意を払っている様子に嘘は無かった気がする。俺達が元暗殺者だと分かっても、その態度は変わらなかった。

 ふむ……偏見を持たないタイプか?だが、あの護衛対象の男に対しては慇懃無礼という言葉が似合うような態度で……

 

 なるほど。敬意を払う相手を選んでいるんだな。……園原にとって、俺達は敬意を払うに値する存在だったのか。

 

 

「――侮れない……そして、興味深いな。園原志人という男は」

 

 

 思わず心境を言葉にしたが、その自分の声が思っていたよりも万感が籠っていて、内心驚いた。

 

 俺の前を歩いていた4人が立ち止まり、一斉に俺を見る。どうやら、彼らも驚いたようだ。

 

 

「……リゾットが興味を示すなんて、珍しいじゃねェか」

 

「…………自分でも、驚いている」

 

 

 ホルマジオの言葉にそう返事をして、先程まで歩いて来た道を振り返る。……園原は今頃、任務の途中か?それとも終わったのか……

 

 

「――俺達の店の名刺、渡しとけば良かったか?」

 

「……俺も、今それを考えていたところだ」

 

 

 名刺の事を口にしたプロシュートに対し、俺はそう言葉を返す。

 

 前世で暗殺者チームと呼ばれる事もあった俺達9人は、今世では1つのレストランを経営している。最近では客もかなり入るようになって来た。

 ペッシだけはまだ学生の身であり、今はまだアルバイトとして雇っているが、本人は高校を卒業したら俺達の店で働きたいと言っている。

 

 プロシュートはそんなペッシに対して少々難色を示していたようだが……それはさておき。

 

 

「リゾットが興味を持ったって話せば、メローネ達も気にするんじゃないか?」

 

「だが、相手はジョースター家のお気に入りだぜ?下手に接触したら、目をつけられるかもしれねェ」

 

「名刺渡すだけなら問題無いだろ」

 

「……その名刺を渡す機会はいつになる?次は何処で会えるかも分からん。俺達はあいつに名乗ってすらいねえぞ」

 

「あー、そうだった……」

 

 

 ホルマジオ、イルーゾォ、プロシュートの会話と複雑そうな表情から察するに、彼らも園原に興味を持っているらしい。

 

 

「――多分、そのうち会えると思う。"スタンド使いはひかれ合う"んだろ?」

 

 

 と、ペッシが何気ない様子でそう言った事で、今度は彼に注目が集まった。

 

 

「……え、あ、ごっ、ごめん!俺、何かまずい事を、」

 

「くくっ……!いいや、ペッシ。別にまずくねえよ」

 

「そういや、あったな。そういう法則……」

 

「……しょうがねえなあ、じゃあそれを期待して気長に待つかァ?リゾット」

 

「……あまりにも長く待つようなら、こちらから探して接触するのもありかと思うが……しばらくは、その機会を待つとしよう」

 

「よォし、じゃあそういう事で」

 

 

 

 

 

 

 ――と、そんな話をしたその日中に。

 

 

「おっ!?……リーダー、あれ!」

 

「…………まさか、本当に"ひかれ合う"とは」

 

「ペッシの言った通りになったなァ」

 

「へへっ……!」

 

「リゾット、声掛けるか?」

 

「ああ」

 

 

 財団の東京支部に到着し、今日遂行した任務の報告を終えて、救援要請の報酬も貰った。

 そして東京支部から出ようとエレベーターの前に向かった俺達は、エレベーターを待っている様子の園原を発見したのだ。

 

 彼の下へと一歩足を踏み出した、その時。

 

 

「――Fratello(兄さん)!」

 

「うおっ!?」

 

 

 見覚えのある金髪の子供が園原に駆け寄り、その片腕に飛び付いた。…………Fratello(兄さん)

 

 

「……ジョルノ?」

 

「そうですよ、Fratello(兄さん)。任務の帰りですか?」

 

「あぁ……そうだが、どうした?お前が人前で甘えたになるなんて珍しい、」

 

「おい、ジョルノ!」

 

「急に走らないでください!」

 

「園原さん、Buona sera(こんばんは)

 

Buona sera(こんばんはー)!」

 

「お、おう。……ミスタくん達もいたんだな。お前らも任務の帰りか?」

 

「そうそう。これから帰るところだぜ」

 

 

 ……あのジョルノ・ジョバァーナが満面の笑みでFratello(兄さん)と呼び、前世で俺達と敵対したミスタ、ナランチャ、フーゴに、その護衛対象だったトリッシュも合流し、園原に親しげな様子で話し掛けている。

 そして何よりも、園原が無表情を崩して笑顔で楽しそうに話している事。

 

 その衝撃的な光景を見て、俺達は動けなくなった。

 

 

「そうだ、僕達はこれから夕食を食べに行くんですけど、Fratello(兄さん)も一緒に来ませんか?ブチャラティとアバッキオも来ますよ」

 

「え、あの人達も?……本職の方は?」

 

「今日は2人とも早めに切り上げる事が出来たみたいで、久々に全員集まって食事でもどうかと、先ほど電話で連絡が来たんです」

 

「そしたら、その最中に園原さんを見つけたからさ。ちょうど良いし、あんたも誘おうかと思ってな」

 

「アバッキオもブチャラティも、絶対連れて来いって言ってたぜ!」

 

「一緒にご飯食べましょう?ね?」

 

「う……分かった分かった!行くよ!ナランチャくんもトリッシュちゃんも、そんなキラキラした目で見るなって……」

 

「やった!」

 

「園原さん、確保ォッ!」

 

「あ、エレベーター来ましたよFratello(兄さん)

 

「よっしゃ、行こう行こう」

 

「ちょっ、待て待て押すな、引っ張るな!……お前ら、今日は強引過ぎるな?どうした?」

 

「気のせいですよ、園原先輩。さあ、行きましょう」

 

 

 ジョルノ達が園原を取り囲み、そのままエレベーターに乗る。

 すると――園原以外がこちらに振り向き、勝ち誇った笑みを浮かべた。そして、鼻で嗤う。……エレベーターの扉が閉まった。

 

 

「…………わざとか」

 

「わざとだなァ」

 

「わざと、だよね。兄貴」

 

「そうだな、ペッシ。あれは意図的だ」

 

「……前世のギアッチョ並みにぶちギレたい気分だぜ」

 

「「「「同感」」」」

 

 

 イルーゾォが青筋を立てながら言った言葉に、残りの全員が賛同する。

 

 

(――あのクソガキ共は許さん。絶対に)

 

 

 しかし、今はそれよりも。園原と上手く接触する方法を考えなくては……ジョースター家をあまり刺激せずに済む、良い方法があればいいのだが。

 

 

「……とりあえず。メローネ達にも園原の事を話して、彼を見つけたらせめて店の名刺だけでも渡すようにと言っておくか」

 

「そうしよう!」

 

 

 

 

 

 




※園原に突撃する前の護チ+トリッシュの会話(ブチャラティ、アバッキオと電話のスピーカーで会話中)


「――という訳で、良かったら久々に全員で集まって夕食を取らないか?」

「今なら俺とブチャラティが奢ってやるぜ」

「行くわ!」

「オレも!」

「僕も行きます」

「では僕も。ミスタはどうします?……ミスタ?」

「なァ、あれ。――園原さんじゃねェか?」

「……確かに、志人さんですね。間違いありません」

「あの人も任務の帰りかしら?」

「「――確保しろ!」」

「えっ」

「ブチャラティもアバッキオも必死かよ!?」

「うるせえ!志人も連れて来い。絶対だぞ」

「本人に何か用事が無い限り、絶対に連れて来い」

「はいはい、分かりましたよ。彼も誘ってみます。また後で電話しますね」

「おう。頼んだぜ、フーゴ」
 
 
 
 
「……さて。さっそく声を掛け、っ!?」

「どうした?」

「あれを見ろ!」

「あれ?――っ、リゾット達か!」

「……ナランチャ。あいつらの視線の先に園原さんがいるのは、あたしの気のせいかしら?」

「気のせいじゃないって、トリッシュ!」

「――僕のFratelloがあいつらに盗られる前に、行ってきます!」

「あっ!?」

「ちょっと、ジョルノ!?」

「……アバッキオといい、ブチャラティといい、ジョルノといい……余ほど園原先輩がお気に入りなんだな」

「俺達も人の事言えねェだろ」

「……確かに、そうですね。では、僕達も行きますか」

「おう!ついでに園原さん確保に成功したら、奴らを鼻で嗤ってやろうぜ」

「ははっ!そうしましょう!」

「ミスタ、それいいわね!」

「よーし!そうと決まれば、まずは園原さんを確保だッ!」
 
 
※その後、園原にバレないようにフーゴがジョルノにミスタの提案を耳打ち。そして園原以外が振り向いて――(`・ω・´)ドヤァァァ

※後にアバッキオとブチャラティにもこの話を伝えると、アバッキオは爆笑、ブチャラティは苦笑い。

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