トレセンで数学教師をやっていたらいつの間にかサトノのトレーナーになっていた件。 作:提督兼指揮官兼トレーナー
というわけで、今回は次のレースに向けた調整回です。
マスゴミが出てきますのでご注意を
「まずは今回のレース、ご苦労だった」
「いえ、ダイヤさんが頑張ったおかげです」
デビュー戦が終わった数日後、中田はサトノダイヤモンドの実家に来て結果報告をしていた。
「それで……、次のレースはどこに出走する?」
「まだ決めておりませんが……、クラッシック三冠を目指すのであれば、一定レベルのファンの獲得が必須となります」
「となると……」
「最低でもG11回を勝つか、G2を2回勝つかが重要になってきます」
「ふむ……、ダイヤ、お前はどう思う?」
「一刻も早くG1を勝ちたいです」
どうやら、一族のジンクスをすぐにでも破りたいらしい。
ジンクスブレイカーの名は伊達では無いということだろうか
「だ、そうだが……、行けるかね?」
「問題ありません、予想以上にダイヤさんは伸びがいいので、ホープフルステークスもきっとダイヤさんらしく戦えます」
「わかった……、君に任せる」
「はい」
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「ふぇぇぇ……、怖ぇ……」
「トレーナーさんったら、お父様と一緒にいる間ずっと緊張してましたね」
「いやぁぁ……、もう威厳が威厳が……」
流石は短期間であのメジロ家に勝るとも劣らないだけの名家を作り上げた家系である。
静かながらもどこかに感じる威厳を中田は終始感じていた。
「ああ見えて、お父様は人に接するのが苦手なだけですよ」
「そうは見えないんだがねぇ……」
「お父様は照れ屋なんです(*^^*)」
ホントだったら少女マンガとかでネタにされそうな性格だなおい、ドーベル辺りが書きそう。
「まぁ、なんにせよ今度のレースはホープフルステークスで、ダイヤさんにとって初のG1、しっかりと対策して勝ちにいこう」
「はい!」
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数日後
「ねぇ、ダイヤさん……」
「はい?、どうされました?」
「これさ、俺の通帳なんだけどさ……」
「特におかしいところはありませんが?」
「いや、おかしいでしょ!?」
なんか増えてる、しかも1000円とかじゃない、万単位とかで……
当然レースの賞金とかじゃない。
「えっ?、サトノ家に貢献されている方に投資するのは必要だと思いますが?」
「いや、まだG1すら勝ってないよ!?、それなのにこの額!?、てかこれ賄賂だよね!?」
「むー!、賄賂じゃありません」
「てか、なんで俺の口座知ってるの?」
「私の会社の方で詳しい方が居ました、あ、ついでに防衛省とか財務省のサーバー中身も覗いたらしいですよ」
「犯罪だからね!?」
「法は曲げるものです!」
「やめんか金持ちムーブ!」
一応トレセン学園は確か私立ではないはず(?)……
「国立と言うほど制約があるわけでも無いので、謝礼としてセーフです!」
「デビュー戦勝っただけで数十万の謝礼は普通にやりすぎだから!、てか受け取れないから!!」
「ではこうしましょう」
今まで声を張っていたのがいきなり無くなった
「うわぁぁぁ、いきなり落ち着くなぁぁ」
「このお金は例のシステムの改善費です」
「そ、それでいいのか……」
まぁ、冷却システムとか見直せばこのくらいの額は普通か……
「すまん……、取り乱した」
「いえいえ、大丈夫です。足りなかったらまた言ってくださいね」
「いや、女子中学生のヒモになるのは色々と不味いからね!?」
どーにも金銭感覚が合わない、愛娘相手とはいえお父様は大丈夫なのだろうか?
「お父様は私には優しいですから」
(心を読むなサトイモ!)
しれっとサトノダイヤモンドへの罵倒が入りつつもとりあえず次にすることを決める。
「とりあえず、対策を進めよう」
入ってきていいよ、との言葉の後に、入ってきたのは1人の新聞記者だった。
「こんにちはダイヤさん、瀬賀左端スポーツの萩野克巳と申します。先輩のために今日は各地から取り寄せたデータをお届けに参りました」
「わざわざデータ収集のために時間を割いて下さりありがとうございます」
「今度の取材もよろしくお願いしますね?」
「はい」
「では、先輩、こちらを」
「うん、ありがとう」
受け取ったUSBをパソコンに挿す。
「速力値は……、体力値は……、うん、素材がいいおかげでサクサク進むよ」
「トレーナーさん?、何をしてるんですか?」
「ん?、対戦予想相手のデータ化」
軽く答えていいものでもない気がするが、とりあえず中田は作業を進める。
「出来た、これで次の対戦のデータはおおよそ揃ったはず……、さて、今日も練習しようか」
「はい!」
とはいえ、レースが終わってまだ久しい現状、無理に次のレースに向けて練習するのは危険だと判断したため、今回は軽めにトレーニングを行った
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「……続いてのニュースです。防衛省と財務省の複数の官僚にアメリカ企業からの多額の賄賂が送られていた問題で、防衛省と財務省は該当者の更迭と共に、防衛省は第5次F-Xについて、大幅な見直しを行った結果、F-X初の国産機となるF-3C蒼燕を導入することに決定しました。これは数年前から導入されていたF-3の大規模改良、発展型であり、決定に際して、国内産業からは喜びの声が上がっています」
[○○重工新型機開発部リーダー、多元実氏]
<<いやぁ……、嬉しいですよ、自衛隊を辞めて大学に入り直して、いつかは自衛隊機を作ってみたいと思っていましたが、こんなに早く実現してくれるなんて……>>
[政府交渉担当、小玉義雄氏]
<<こういう結果ではあるものの、政府への働きかけによって実現したことを喜びたいです>>
「まさかな……」
自宅に帰宅してテレビを見ていた中田は、今日の担当ウマ娘との会話を思い出した。
「そんな訳もないよなぁ……、さ、仕事仕事、新しい冷却装置買わないとな」
パソコンを叩きながら、中田は仕事を進める。
「そういえば……、そろそろ勝負服も考えなくちゃいけない時期になってきたよな……、明日はミーティングの予定だから、その後に希望する勝負服について決めておくか」
ウマ娘にとって勝負服というのは大切なもので、彼女たちの想いが込められたものになる。
例えば、ライスシャワーの勝負服は、彼女の好きな絵本をイメージしてるとか、同級生のキタサンブラックならお祭りの法被をイメージしているとか、様々である。
「まあ、俺が考えることでは無いか」
デザイナーにメールを送りながら、中田はLINEを開く
<<ダイヤさん、G1出場に向けて、新しく勝負服を用意したいと思います。デザイナーさんと打ち合わせをしますので、明日のミーティングのあとはよろしくお願いします>>
ピロリンッ!
すぐに返ってきた
<<わかりました、よろしくお願いします!>>
素直で、いい子だ。
そう思った中田は時計を見る。
「そろそろ風呂に入るか」
今日の風呂は何にしようか……
登録の都合、今年いっぱいは教員寮で過ごすことになっている中田は、未だ教員寮で生活している。
「ん?、これは……、こんなの買ってたか?」
見ればカバンの中に買ったことの無い入浴剤が入っている。
「今日はどこにも行ってないしな……、まぁ、どっかで貰ったものだろ」
とりあえずこれを使って風呂に入る。
どこかで嗅いだような匂いがしたが、それが何かは分からない。
翌日はいつもより疲れが取れた気がした。
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サトノダイヤモンド勝負服のデザイン
「では、デザイナーさん、よろしくお願いします」
「はい、よろしくお願いします。ダイヤさんの希望する勝負服を作れるようにお手伝いさせていただきますね」
「よろしくお願いします。デザイナーさん」
3人がそれぞれ挨拶をして、デザインが始まる。
「では、まずはテーマカラーを決めましょう、ダイヤさんはどのような色がいいですか?」
「緑がいいです」
「色は緑……、何かこだわりたいところはありますか?」
「名前のダイヤをイメージしたデザインをお願いします」
「はい……、えーっとダイヤさんの服のサイズを決めますので、ちょっと下着になってもらいますね」
ここは俺の関わるとこでは無いな、それにここにそのままいると色々と不味い予感がする。
そう思い、部屋の外に出る。
「暇だな……」
今日はまだニュースを見ていない。もしホープフルステークスに出るウマ娘の情報が何かあれば調べてみた方がいい。
そう考えた中田はスマホを取り出し、画面をいじる。
「ホープフルステークス……、ホープフルステークス……、まだ何も情報が無いな」
最近のジュニア級の話題はG3や、オープン戦、程度だ。ホープフルステークスの話題はほとんどない。
と、思わず1つの記事に目が止まった。
<<あの事件の渦中にいた若手トレーナー、今度はサトノ家のウマ娘を担当、果たして実力は如何に?>>
どうやら週刊誌の記事のようだ。
覗かない方がいい。
分かってはいたが、止められなかった。
<<○○トレーナーの過剰な成果主義が引き起こしたあの事件より数年、あの時、サブトレーナーとして指導をしていた中田トレーナーが、数年間の教員生活を経て再びトレーナーに戻った>>
書いてあるような内容はおおよそ予測した通り、彼の経歴についてだった……、だが……
「っ………、うっ……」
唐突に現れた文章を見て、強い衝撃を受けた中田。壁に手を当て口をもう片方の手で覆う。
「トレーナーさん?、大丈夫ですか?」
「だ、大丈夫、どうかしたの?」
「いえ、聞き取りは終わったので、少し外で待とうかと」
「ああ、そうか」
「大丈夫ですか?」
大丈夫と伝え、彼女と雑談にふける中田。
書かれていた記事は以下の通り。
<<彼の詳細な情報は今後も調べていくが、かつての事件のような過激なトレーニングが再び行われないように対策が取られたのか疑問である、詳細情報含め、来週以降、記事にしていきたい>>
この時点で彼にプライバシーは無くなった。
はい、マスゴミプレーが出てますね。
もう1回ほど挟んでからホープフルステークスに入りたいと思います。
それではまた