オリキャラが登場します。
ピピピッ
薄暗い部屋に、朝を告げる電子音が鳴り響く。その音で、一人の少女が目を覚まし、布団から上体を起こした。
「んぅ…ふぁぁ…もう朝か」
彼女は
「今日も良い天気。あ、着替えなきゃ」
窓から差し込む陽の光を浴び、夢花は微笑んだ。そしてパジャマから制服に着替え、身支度をした後部屋を出てリビングに向かった。
「おはよう夢花。朝ご飯できてるから食べちゃって」
「叔母さんおはよう。いただきます」
リビングでは叔母の
夢花の両親は、夢花が物心ついた時には既におらず、ずっと叔母である清美のもとで暮らしていた。最初は親がいないことを疑問に思っていた夢花だったが、現在は気にすることも無くなった。
「ごちそうさまでした。あ、そうだ。今日は帰りが遅くなるかも」
「わかったけど、何かあるの?」
「ううん、そんな感じがするだけ」
朝食を食べ終えた夢花は出掛ける前に、一般的にはよくわからないことを清美に伝えた。少し疑問に思った清美だったが、
「そう…いつもの勘ね。気をつけてね」
そう言って夢花を見送ることにした。夢花の勘は、恐ろしい程よく当たるのだ。
「うん。じゃ、行ってきます」
夢花は頷き、玄関の扉を開けて、自身が通う中学校へと向かった。
中学校までの道を、夢花は歩いて進んでいた。いつもと同じ道、いつもと同じ景色の筈だが、この日は夢花にとって少し違うように感じていた。
「…なんだろう…この感じ…」
不安に思う夢花だったが、特に何事も無く中学校に到着した。
「気のせい…?だと良いけど…」
校舎に入りながらも、夢花の不安は消えなかった。いろいろ考えながら、夢花は教室に入った。
「…おはよう」
扉が開く音に、中にいた生徒数人が一斉に夢花の方を向くが、挨拶は返さずすぐに元通りになった。学校内には、夢花にとって友達と呼べる存在はいない。成績優秀な夢花にとって、授業以外の時間は苦痛でしかなかった。
朝に感じた不安が気掛かりだった夢花だったが、放課後になるまで普段と変わらない時間を過ごした。
「考え過ぎか…」
このまま何事も無く、家に帰れる。そう思った夢花だったが、
ドォォォォン!!
校舎の外から聞こえた、何かが爆発したような音で、その思考は途絶えた。
「何!?」
夢花は慌てて、爆発音がした方向へ駆けていく。生徒や教師が逃げ惑う中、その音源にいたのは、
グルルルルルルルルル…
明らかにこの世のものとは思えない、異形の存在だった。
「な、何…これ…!!」
対峙した途端、夢花は震えが止まらなくなり、無意識に後退りしていた。今すぐ逃げなければ襲われてしまう。そう思った夢花だったが、体が思うように動かない。
グルォォォォ!!!
遂に襲い掛かってきたため、夢花は恐怖で目を瞑った。しかし、どれだけ待っても、痛みがやってこない。恐る恐る目を開けると、
「危ないところでしたわ」
見慣れない神社の前におり、金髪の妙齢の女性に顔を覗き込まれていた。
「え…?え??ここは…?」
混乱する夢花に、金髪の女性は淡々と語り始めた。
「ここは幻想郷。その東にある博麗神社という場所。あなたをここに連れて来たのは、あなたの世界と
「なんで私の名前を…それに…」
話を聞いていた夢花だが、混乱は増すばかり。質問しようとした夢花だったが、空から来た何かによって遮られた。
「紫、連れて来たわよ。って…その子は?」
「え…今空を…え??」
空から来たのは、服装はそれぞれ特徴的な数人の人だった。余計に混乱する夢花を横目に、紫と呼ばれた女性は微笑んだ。
「あら霊夢。ありがとう。こちらは博麗夢花。ピンチだったから外の世界から連れて来たの」
「ふーん…あなたが外の世界の博麗ね…私は博麗霊夢。この神社の巫女よ」
「博麗…私と同じ…?」
混乱が漸く落ち着いた夢花は、霊夢と名乗る少女の方を向く。自身と同じ名字の人物に会うことが無かったため、内心驚いていた。紫は、夢花が落ち着いたことを確認し、現状の説明を始めた。
「さて…時間が無いので手短に説明すると、今あなたの世界に、幻想郷の妖怪が逃げ出してしまったの」
「あれは…妖怪…!?」
「そう。ただ、退治するには霊夢の力が必要なのだけれど、わけあって霊夢はそちらの世界には行けないの。そこで…」
紫は一旦言葉を切り、懐から一枚のカードを取り出し、夢花に差し出した。
「あなたに、霊夢の代わりになってもらいたいの。同じ博麗の名を持つあなたに」
「私が…?」
突然のことに、夢花は戸惑った。それを見た霊夢は、
「本当はこんなこと頼みたくないけど…あなたにしかできないことなの。お願い」
夢花の手を握り、後押しをした。
「…わかった。やるよ」
「ありがとう」
霊夢の後押しを受けて、夢花は決心し、紫からカードを受け取った。
「話はまとまったみたいだな」
霊夢が連れて来た人物のうちの一人が話しかけてきた。
「紹介するわね。あなたと一緒に妖怪退治をする面々よ」
「
「
「
紫が指した人物達は、夢花に軽く自己紹介をした。
「さて、時間が無いわ。四人共、行ってらっしゃい」
そう言うと紫は、自身の能力で何もない空間に"スキマ"を作った。
「…はい!」
夢花は力強く返事をして、他の三人と共にスキマを通っていった。
続く
夢花が受け取ったカードの効果は次の話で明かします。
オリキャラの設定はそのうちまとめます。