東方現異録 ~ 博麗の系譜   作:五代ユウスケ

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お待たせ…したかどうかわかりませんが、二話になります。


二話:託された力と使命

 スキマを通り抜けると、そこは夢花が元いた場所だった。夢花を襲おうとした妖怪は、目標を見失い辺りをきょろきょろとしている。道や建物の壁には無数の傷がついているが、人的被害は無いようで、既に人はいなかった。

 

「あいつか…」

「これ以上被害を広げるわけには…」

 

 妖怪を視認すると同時に、魔理沙はミニ八卦炉を取り出し、妖夢は楼観剣(ろうかんけん)を抜いてそれぞれ構えた。

 

 グルッ!

「ッ!気づかれました!」

 

 気配に気づいた妖怪がこちらを向いた。それに反応し、早苗も大幣を構え臨戦態勢に入る。

 

「私も…あれ?私はどうしたら…」

 

 夢花も動こうとしたが、自分が何をどうしたら良いのか具体的な方法を聞いていなかったため、行動に移せずにいた。

 

 グルォォォォ!!!

 

 当然待ってくれる筈もなく、妖怪は夢花目掛けて突進してきた。

 

「クッ!!」

 

 間一髪、妖夢が楼観剣で攻撃を防ぐ。その隙に魔理沙は箒で空を飛び、妖怪の背後にまわった。

 

「早苗!夢花を遠ざけてくれ!」

「はい!」

「うわぁ!?」

 

魔理沙の指示で、早苗が夢花を担いで妖怪から遠ざける。それを見た妖夢は、魔理沙が次にする行動を察知し、妖怪から離れた。

 

「恋符「マスタースパーク」!!!」

 

次の瞬間、魔理沙が構えたミニ八卦炉から、高火力の光線が発射された。光線は一直線に伸び、妖怪に直撃した。辺りには煙が立ち込める。

 

「す、凄い…!」

 

目の前の光景に呆気にとられる夢花。その時だった。

 

 グルルゥ!!!

 

煙の中から、複数の触手が伸びてきた。

 

「なっ!?」

「ぐっ!!」

 

 反応が遅れた魔理沙と妖夢が触手に捕まってしまう。触手は容赦無く夢花にも迫っていたが、

 

「危ない!」

「ッ!?」

 

早苗が無理矢理押して、代わりに早苗が触手に捕まってしまった。

 

「みんな!!」

 

 自分以外の三人が身動きが取れない状態になり、夢花は慌て始める。

 

「ぐぐ…抜けない…!」

「これでは刀が…」

「んんーっ!…ダメです…」

 

 三人共、必死に触手から抜け出そうとするが、状態は変わらない。

 

「どうしたら…っ!?」

 

 今の自分には何もできない。夢花がそう思ったその時、制服のポケットの中が赤く光り出した。

 

「これ…使えってこと…?」

 

 取り出すとそれは、紫から授かったカードだった。受け取った時は何も描かれていなかったが、光が収まるとそこには、霊夢の姿が描かれていた。

 

「…お願い…力を貸して…!!」

 

 使い方はわからなかったが、夢花は自分の直感を信じ、カードを前に掲げた。すると、夢花を赤い光が包み込んだ。

 

 グルッ!?

 

 余りの眩さに、妖怪は目を背ける。光が収まるとそこにいたのは、

 

「なっ…!?」

「その姿は…!」

()()じゃねぇか…!!」

 

三人が良く知る人物、()()()()だった。

 

「…え?」

 

 正確には、霊夢の姿をした夢花だった。状況が飲み込めない夢花だったが、

 

「いけない…今助けるよ!」

 

すぐに気持ちを切り替え、三人を捕らえている触手目掛けて札を投擲した。札は見事に命中し、触手を切り落とした。

 

「助かった!」

「感謝します」

「ありがとうございます!」

 

触手から解放された三人は態勢を整え、再び妖怪へと立ち向かった。

 

 グルルッ!!

 

 妖怪が再び触手で捕らえようとするが、

 

「同じ手は二度も通用しないッ!!!」

 

妖夢の素早い斬撃が触手を全て切り落とした。

 

「次はこっちの番だ!」

「ハァッ!!」

 グルッ!

 

 隙だらけになった妖怪に、今度は魔理沙と早苗が光弾を放ち、妖怪を攻撃していく。

 

「みんな離れて!!」

 

 夢花の言葉に、三人は一斉にその場を離れる。離れたことを確認した夢花は、妖怪を囲むように札を投擲した。

 

「これで…どうだ!!」

 グルァァァァ!!??

 

 夢花が手を合わせた瞬間、札を伝うように結界が発動し、妖怪を縛り上げた。

 

 ア…グ…

 

 妖怪は苦しみ、そのまま意識を手放した。

 

「すげぇな…まるで本物の霊夢みたいだったぜ」

「自分でもビックリだよ…初めての筈なのに、戦い方を知ってるみたいで…」

 

 三人が夢花に駆け寄ってくる。夢花は未だに信じられないようで、手が震えていた。すると、

 

「うお!?」

「え…!?」

「きゃ!?」

「え?みんなも??」

 

夢花だけでなく、魔理沙は黄色、妖夢は白、早苗は緑の光に包まれた。光が収まると、

 

「「「…え?」」」

 

夢花は元の制服姿に戻ったが、他の三人は髪の色や服装がガラリと変わっていた。そしてそれぞれの手には、夢花と同じようにカードが握られていた。

 

「どういうことだ…?」

「多分、そのままだとこっちじゃ目立つから、紫さんが配慮したんだと思う」

「なるほど…」

「いつの間に仕組まれたのか…」

 

 困惑していた三人だったが、夢花の予測を聞いて納得した。そんなことを話していると、倒れた妖怪の真下に見覚えのあるスキマが現れた。

 

「あ、あれって…」

 

 そのまま妖怪は、スキマの中に消えていった。

 

「…今思ったんだけど…」

「言うな。私も多分同じことを思った」

「「私も…」」

 

 夢花があることに気づいたが、魔理沙がそれを止めた。妖夢と早苗も、同じことを考えていたらしい。

 

((((最初からスキマで回収してれば良くない…?))))

 

 その時、四人の心の声はシンクロしていた。

 

 

 

 

 妖怪退治が終わり、夢花は家に帰ろうとした。朝に清美に伝えていた通り、いつもよりも帰宅する時間は遅くなっている。その時、ふとあることを思い出した。

 

「そういえば、みんなは住むところとかどうするの?」

 

 その問いに、魔理沙が答えた。

 

「あー…それなんだが…夢花の家に居候させてもらえないか?」

「「お願いします」」

 

 魔理沙に続いて、妖夢と早苗が頭を下げた。

 

「うーん…叔母さんに聞いてみなきゃ…」

 

 困惑した夢花は、清美に許可を取るため一先ず三人を家に連れて行った。

 

 

 その後、居候の話は清美が快諾したため、三人は大喜びして夢花は苦笑したという。

 

 

続く




設定が滅茶苦茶になっていそうですが、とりあえずこのまま通します。

カードの設定等もオリキャラの設定と一緒にまとめたい…。
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