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初めての妖怪退治をした翌日、夢花は登校前に魔理沙達三人を自身の部屋に集めた。
「みんなには申し訳ないんだけど、私が学校に行ってる間は、妖怪が暴れない限りできるだけ家から出ないでほしいの」
「あの…昨日あれだけ損害があったのに、学校に行かなきゃいけないんですか?」
「うん…学校から近かったけど、学校自体には損害が無いからね…」
早苗の問いに、夢花は苦笑して答えた。とはいえ、夢花自身も納得はしていない模様。その次に、魔理沙が問いかけた。
「夢花がいない間、私達は何をしたら良いんだ?」
「近所を出歩くぐらいなら大丈夫だけど、できるだけ目立つようなことはしないで。多分幻想郷じゃ見ないものが多くてはしゃぎそうだから」
「魔理沙さんならやりかねませんね…」
「どういう意味だ妖夢…」
夢花が答えると、それを聞いていた妖夢が納得した。対して魔理沙は不満げな様子だった。
「そろそろ行かなきゃ…じゃ、みんなよろしくね」
三人にそう言い、夢花は家を出て学校に向かった。
「おはよう」
何事も無く、夢花はいつもと同じように教室に入った。だが夢花を待っていたのは、いつもとは違う反応だった。
「…博麗さん…」
挨拶こそ無かったが、珍しく一人の女子生徒が話しかけてきた。いつもは反応が無いので、つい夢花は身構えてしまう。
「昨日、この近くで怪物が出たよね」
「あ、うん…」
「あの時、みんな避難したんだけど、その中に博麗さんだけいなかったの」
「…何が言いたいの、桐谷さん?」
話題は昨日の妖怪のことだった。その女子生徒、
「あの怪物を呼んだの、博麗さんじゃない?」
茉莉の言葉に、夢花は目を見開いた。
「なっ…違うよ!私は…」
「言い訳は聞きたくないよ。ここにいるみんな、誰も博麗さんを見かけなかったって言ってたから」
夢花は誤解を解こうとしたが、茉莉は聞く耳を持たず、周囲にいたクラスメイトも茉莉の言葉に賛同していた。
「話はそれだけ。じゃ、そろそろ先生が来るから」
結局誤解は解けないまま、一方的に話は終わってしまった。
「私は…私は…」
クラスで浮いていた夢花だったが、更に孤立することになってしまった。
一方魔理沙達は、近所の公園にあるベンチに座ってのんびりしていた。
「暇だな…」
「暇ですね…」
「これでいいんでしょうか…」
家にいてもやることが無いため、気晴らしに外に出てみたは良いが、それでもやることは無かった。
「夢花…大丈夫…だよな?」
「大丈夫…だと思いますよ」
昨日のこともあって、魔理沙は夢花を心配していた。魔理沙の言葉に妖夢が答えるが、妖夢も不安に思っていた。
「今は夢花さんを信じましょう」
「…そうだな」
「はい…」
早苗も心配していたが、今できることは何も無いので、夢花を信じるしかなかった。不安は拭えなかったが、魔理沙と妖夢はとりあえず落ち着いた。その時だった。
ドゴォォォォン!!
遠くの方から、爆発音が聞こえた。魔理沙達が音のした方向を向くと、煙が空高く上がっていた。
「まさか…!」
「行きましょう!」
「はい!」
三人は迷うこと無く、煙が上がっている方向に駆け出した。それは、夢花が通う中学校がある方向だった。
同時刻、学校内は避難する生徒でごった返していた。授業中だったということもあり、校舎の中には多数の生徒と教師がいた。
「もしかして…また妖怪…!?」
避難が進む中、夢花は集団の最後尾で昨日のことを思い返していた。昨日は魔理沙達の力もあって解決できたが、今は自分一人しかいない。夢花は不安だった。
「もし来たら…やるしかないよね…」
拳を握り、決心したその時、
ドォォォォン!!!
「うわっ!?」
目の前が衝撃で崩れ、瓦礫で寸断されてしまった。幸い最後尾だったため、自分以外に人はいない。そう思っていたが、
「う…あ…」
瓦礫の中から声が聞こえた。小さく弱弱しい声だったが、夢花には確かに聞こえた。
「その声…桐谷さん…!?」
声に気づいた夢花は、急いで瓦礫を崩していく。すると、茉莉の姿が現れた。
「あ…博麗…さん…?」
「今助けるから!じっとしてて!」
茉莉も夢花に気づいた。瓦礫の除去作業を続けていると、茉莉が口を開いた。
「なんで…私はあなたを…」
夢花を悪く言ったことを、少なからず後悔しているようだった。だが、そんなことお構いなしに、夢花は作業を続けた。
「そんなことはどうでもいいよ…ただ、ここで何もしなかったら、絶対に後悔するから。それだけ」
夢花の言葉に、茉莉は涙を流した。そして、身体を十分に動かすことができる程に、瓦礫の除去が終わった。
「ふぅ…立てる?逃げるよ」
「う、うん…」
夢花は茉莉の身体を支え、立ち上がらせた。すると、
グルルルルルルルルル…
昨日と同型の妖怪が現れた。妖怪に睨まれ、茉莉が怯む。
「あ…あ…」
「下がってて…!」
妖怪と茉莉の間に、夢花が割って入った。
「ダメ…!」
恐怖で声が震えているが、茉莉は必死に夢花を制止した。対して夢花は茉莉の方を向くと、笑顔でこう言った。
「大丈夫…私がいる…!!」
そして夢花はポケットからカードを取り出し、前に掲げた。
続く
今更ながら、東方の二次創作なのに東方っぽさが無いですね…東方ファンの皆さん、申し訳ございません…。