東方現異録 ~ 博麗の系譜   作:五代ユウスケ

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不定期更新ながら、早くも三話になります。

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三話:変わりゆく日常

 初めての妖怪退治をした翌日、夢花は登校前に魔理沙達三人を自身の部屋に集めた。

 

「みんなには申し訳ないんだけど、私が学校に行ってる間は、妖怪が暴れない限りできるだけ家から出ないでほしいの」

「あの…昨日あれだけ損害があったのに、学校に行かなきゃいけないんですか?」

「うん…学校から近かったけど、学校自体には損害が無いからね…」

 

 早苗の問いに、夢花は苦笑して答えた。とはいえ、夢花自身も納得はしていない模様。その次に、魔理沙が問いかけた。

 

「夢花がいない間、私達は何をしたら良いんだ?」

「近所を出歩くぐらいなら大丈夫だけど、できるだけ目立つようなことはしないで。多分幻想郷じゃ見ないものが多くてはしゃぎそうだから」

「魔理沙さんならやりかねませんね…」

「どういう意味だ妖夢…」

 

 夢花が答えると、それを聞いていた妖夢が納得した。対して魔理沙は不満げな様子だった。

 

「そろそろ行かなきゃ…じゃ、みんなよろしくね」

 

 三人にそう言い、夢花は家を出て学校に向かった。

 

 

 

「おはよう」

 

 何事も無く、夢花はいつもと同じように教室に入った。だが夢花を待っていたのは、いつもとは違う反応だった。

 

「…博麗さん…」

 

 挨拶こそ無かったが、珍しく一人の女子生徒が話しかけてきた。いつもは反応が無いので、つい夢花は身構えてしまう。

 

「昨日、この近くで怪物が出たよね」

「あ、うん…」

「あの時、みんな避難したんだけど、その中に博麗さんだけいなかったの」

「…何が言いたいの、桐谷さん?」

 

 話題は昨日の妖怪のことだった。その女子生徒、桐谷茉莉(きりたにまつり)は夢花に詰め寄った。

 

「あの怪物を呼んだの、博麗さんじゃない?」

 

 茉莉の言葉に、夢花は目を見開いた。

 

「なっ…違うよ!私は…」

「言い訳は聞きたくないよ。ここにいるみんな、誰も博麗さんを見かけなかったって言ってたから」

 

 夢花は誤解を解こうとしたが、茉莉は聞く耳を持たず、周囲にいたクラスメイトも茉莉の言葉に賛同していた。

 

「話はそれだけ。じゃ、そろそろ先生が来るから」

 

 結局誤解は解けないまま、一方的に話は終わってしまった。

 

「私は…私は…」

 

 クラスで浮いていた夢花だったが、更に孤立することになってしまった。

 

 

 

 

 一方魔理沙達は、近所の公園にあるベンチに座ってのんびりしていた。

 

「暇だな…」

「暇ですね…」

「これでいいんでしょうか…」

 

 家にいてもやることが無いため、気晴らしに外に出てみたは良いが、それでもやることは無かった。

 

「夢花…大丈夫…だよな?」

「大丈夫…だと思いますよ」

 

 昨日のこともあって、魔理沙は夢花を心配していた。魔理沙の言葉に妖夢が答えるが、妖夢も不安に思っていた。

 

「今は夢花さんを信じましょう」

「…そうだな」

「はい…」

 

 早苗も心配していたが、今できることは何も無いので、夢花を信じるしかなかった。不安は拭えなかったが、魔理沙と妖夢はとりあえず落ち着いた。その時だった。

 

 

 

 ドゴォォォォン!!

 

 

 遠くの方から、爆発音が聞こえた。魔理沙達が音のした方向を向くと、煙が空高く上がっていた。

 

「まさか…!」

「行きましょう!」

「はい!」

 

 三人は迷うこと無く、煙が上がっている方向に駆け出した。それは、夢花が通う中学校がある方向だった。

 

 

 

 

 同時刻、学校内は避難する生徒でごった返していた。授業中だったということもあり、校舎の中には多数の生徒と教師がいた。

 

「もしかして…また妖怪…!?」

 

 避難が進む中、夢花は集団の最後尾で昨日のことを思い返していた。昨日は魔理沙達の力もあって解決できたが、今は自分一人しかいない。夢花は不安だった。

 

「もし来たら…やるしかないよね…」

 

 拳を握り、決心したその時、

 

 

 ドォォォォン!!!

「うわっ!?」

 

 

目の前が衝撃で崩れ、瓦礫で寸断されてしまった。幸い最後尾だったため、自分以外に人はいない。そう思っていたが、

 

「う…あ…」

 

瓦礫の中から声が聞こえた。小さく弱弱しい声だったが、夢花には確かに聞こえた。

 

「その声…桐谷さん…!?」

 

 声に気づいた夢花は、急いで瓦礫を崩していく。すると、茉莉の姿が現れた。

 

「あ…博麗…さん…?」

「今助けるから!じっとしてて!」

 

 茉莉も夢花に気づいた。瓦礫の除去作業を続けていると、茉莉が口を開いた。

 

「なんで…私はあなたを…」

 

 夢花を悪く言ったことを、少なからず後悔しているようだった。だが、そんなことお構いなしに、夢花は作業を続けた。

 

「そんなことはどうでもいいよ…ただ、ここで何もしなかったら、絶対に後悔するから。それだけ」

 

 夢花の言葉に、茉莉は涙を流した。そして、身体を十分に動かすことができる程に、瓦礫の除去が終わった。

 

「ふぅ…立てる?逃げるよ」

「う、うん…」

 

 夢花は茉莉の身体を支え、立ち上がらせた。すると、

 

 

 グルルルルルルルルル…

 

 

昨日と同型の妖怪が現れた。妖怪に睨まれ、茉莉が怯む。

 

「あ…あ…」

「下がってて…!」

 

 妖怪と茉莉の間に、夢花が割って入った。

 

「ダメ…!」

 

 恐怖で声が震えているが、茉莉は必死に夢花を制止した。対して夢花は茉莉の方を向くと、笑顔でこう言った。

 

「大丈夫…私がいる…!!」

 

 そして夢花はポケットからカードを取り出し、前に掲げた。

 

 

続く




今更ながら、東方の二次創作なのに東方っぽさが無いですね…東方ファンの皆さん、申し訳ございません…。
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