最強の幼馴染   作:なゆさん

23 / 24
遅れてすみません――それしか言う言葉が見つからない
後今までの話を少し書き足しました。よかったら見て下さい。


藍染惣右介

「やぁ中野零席。」

 

いつものように胡散臭い笑顔でそう告げる藍染。その白々しい態度は先程背後から剣を振るった男と同一人物とは思えない。

 

「……やめて。気色悪い。」

「おっと、これは手厳しい。」

 

私が剣を突きつけると、自然な体捌きで後ろに下がり、あくまでも余裕な態度を崩さず微笑む藍染。

だが、その瞳はいつもとは違い、冷たく不気味だ。これが藍染惣右介という男の本性の一端なのだろう。

 

「……裏切り者、藍染惣右介。零席の権限によりここで処刑する。」

「護廷十三隊最高戦力の実力、見せてもらおう。」

 

互いに剣を構える。そして――

 

『キン』

 

先に仕掛けたのは藍染だった。刀と刀がぶつかり、凄まじい衝撃が辺り一帯を襲う。しかし、周りの壁や地面には不思議な事に傷一つなかった。何か仕掛けが施されているようだ。

 

「この程度は止められるか。」

 

そう呟く藍染。今の一撃は小手調べであったらしい。

その一撃ですら今までの藍染とは一線を画すスピードと技術。明らかにただの隊長の実力ではない。今の隊長のほとんどが今の一撃には対応出来ないだろう。

 

「……浦原が出し抜かれる訳だ。」

 

これ程の力を私やおじいちゃんから隠し通したというだけでも、その規格外の知力は想像できる。斬魄刀の能力が凄いとはいえ、知略で浦原を蹴落としたというのは伊達ではないということか。

 

「……一気に殺す」

 

今度はこちらから仕掛ける。

 

「来るか」

 

藍染が守りの構えをとる。私は刀を鞘に納め、足を脱力させる。

そして――剣閃が走った。

 

「――ほう」

「……浅いか。」

 

藍染の首から血が滴る。だが、薄皮一枚程度の浅い傷にとどまっていた。

全力ではないとはいえ、瞬歩と私の前世の技術を合わせた特殊な歩法を用いた一閃。今まで見切られたことなどなかったのだが。

 

「驚いたよ。まさか私に傷を負わせるとはね――面白い歩法だ。視界から掻き消えるようにして相手へ迫る。後ほんの一瞬反応が遅れたら首を切り落とされていた。」

 

未だに余裕を崩さない藍染。底が知れない男だ。こちらが優勢の筈なのに、言いようのない不安が湧いてくる。

 

「では、続けようか。」

「……すぐに終わらせる。」

 

――瞬間、私と藍染は同時に動いた。隊長以上の実力者でなければ目で追うことさえできないであろう速度で間合いを詰める。

そして、高速の剣戟が展開された。どちらの剣技も神速。もしここに目撃者がいたとしても数手前の残像を見ることしか出来ないだろう。

 

「――やはり、か。」

 

藍染が呟く。その身体には、一つ、また一つと切り傷が増えていた。私の剣が、浅くではあるが確実に藍染の身体を斬り裂いていく。

無傷の私に対して数十度の斬り合いに一度程度とはいえ、確実に傷をつけられていく藍染。剣技において、藍染と私には確かな差が存在していた。

 

「破道の四 白雷」

 

斬り合いの合間を縫って、藍染が鬼道を放つ。

 

「……無駄」

 

最小限の動きで躱す。この程度で隙を見せることはしない。

 

「――いや、無駄ではない。十分だ」

 

藍染の声。

 

「君がそう避けることは読めていた。君が気付くかは賭けだったが――私に負けることはないと慢心したね?」

 

次の瞬間、私の足元から黒い何かが出現した。

 

反膜の匪(カハ・ネガシオン)。君用に改造した特別性だ。――君は強すぎる。ここでの計画が終わるまで、大人しくしてもらおう。」

「……くっ!」

「遅い」

 

暗闇が私を覆っていく。逃れようとしたが、何故か身体が動かなかった。

 

「さようなら、中野ハクナ。さらなる高みでまた会おう。」

 

そう言って私に背を向ける藍染を最後に、私の視界は闇に包まれた。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「行くよ、要。」

 

目的を達成した藍染惣右介は、応急処置を終えた東仙要にそう告げ、歩き出す。

 

「危なかったね。腕が切断されていれば治せなかった。」

 

今回の彼が建てた計画は当初、東仙要が卍解で中野ハクナに手傷を負わせ、彼自ら仕留めるというものであり、封印は念の為に用意した最終手段だった。東仙要の卍解【閻魔蟋蟀(えんまこおろぎ)】ならば倒せはしないまでも、その特性上あの中野ハクナといえど無傷では済まない筈だと考えていたのだ。そして手傷を負った中野ハクナであれば、仕留めるのは容易い筈だった。

だが結果は甘く見積もって自分と互角程度の実力だと思っていた中野ハクナは彼を上回る実力者だった。東仙要を無傷で凌ぎ、彼相手に一方的な戦闘を展開できる戦力。想定外のものだ。自身の実力を超える可能性を少しでも考慮して、封印という手段を残しておかなければ、今頃どうなっていたことか。

 

「確かに私は中野ハクナの実力を見定める機会を得られなかったが、この私がこれ程の読み違いをするとは……浦原喜助か?」

 

彼の頭脳を上回る頭脳を持つあの男であれば、中野ハクナに対する自分の認識を操作する仕込みをしていてもおかしくはない。中野ハクナと奴は浅くはない間柄であった筈、仕込みの余地は十分にある。

 

「……藍染様、御身の傷は――」

「問題ないよ要。全て浅く抑えてある。すぐに治すさ。」

 

東仙要の言葉に、思考を計画へ戻す。

結果として、計画には何ら支障はない。中野ハクナの強さには驚かされたが、これ以上護廷十三隊が自分の想定を上回ることはないだろう。後は中野ハクナの消息不明により朽木ルキア処刑の決定を中央四十六室に出させるだけだ。

とりあえず、崩玉を手に入れるまではもはや既定路線だ。崩玉の力があれば、中野ハクナを超える力が手に入るだろう。そうすれば――この身は天に立つ。

 

「さて、仕上げといこう。」

 

彼は暗闇に消えていった。




藍染惣右介の思考を書くのは僕には無理なので多少のキャラ崩壊は許してください。僕にもっと文才があれば…!
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。