ダンジョンでチートを振るうのは間違っているだろうか   作:投稿不定期侍

1 / 2
拙い文章で申し訳ないです。




暗黒期編
オラリオ到着


迷宮都市オラリオ。

其れは地下迷宮の蓋をするように築かれた、天を穿つ高さを誇る超高層の塔――通称『バベル』を中心部に放射状に広がる巨大な街の名。

 

遥か昔。

 

神界の住民たる娯楽に飢えた超越存在――あらゆる概念を司る神々が刺激を求めて地上へ降り立ち、自らの力を封印するルールを定めた。

そしてヒューマン、エルフ、ドワーフ、小人族、獣人等などヒトと定義される種族に『神の恩恵』という名のモンスターと戦える力を与えた。

恩恵を授けられし者はその神の眷属となり家族となり、血よりも濃い繋がりが結ばれる。恩恵はロールプレイングゲームのようなレベルや能力を神聖文字の数値で示され、その成長する力を魂に刻まれた者の殆どは迷宮に潜る。

彼等は冒険者と呼称され、各々様々な目的を果たすために自分の命を賭して異形の化け物が跋扈する迷宮へ踏み込む。名誉を、一攫千金を、異性との出逢いを、モンスターへの復讐を、主神の期待に応えるために、誰にも負けない力を、大切なモノを守れる力を、愉悦に浸るために、誰かを壊す手段を増やすために――。

 

だが忘れることなかれ迷宮の恐ろしさを。

迷宮とは第一級冒険者――レベル5以上の強者でさえ、簡単に死んでいく地獄だということを。

昨日の晩一緒に食卓を囲んだ仲間が亡くなるのが日常で、故に『冒険者は冒険してはならない』が、冒険者として長生きするための心得であり、賢い考え方である。

しかしレベルアップする最大の条件として偉業を成すことが必要とされ、強くなるには少なからず冒険する他ない。

大多数はその課せられた試練に打ち勝てず……死者の後が絶たないのはそれが理由だ。逆に乗り越えた者は新たな進むべき道が切り開かれ、自分が掲げる目的に近づける。

 

――――と誰に対してでもなく長々と拙い説明してみたのは、単に暇だっただけである。

僕は現在オラリオ行きの商人の荷馬車にモンスターや盗賊などから護衛する代わりに乗せてもらってるのだ。

けど誠に良いことではあるが、誰にも襲われず何事もない平和な旅路が続いているので暇を持て余していた。

故に戦闘と怪物狩りが専売特許な僕に活躍する場面がなく、食料も恵んでくれてるので……。

これじゃあまるでタダ飯喰らいのようで、ひどく落ち着かないと言いますか、非常に居た堪れない。

 

「ラインハルトさん。もう間もなく着きますよ」

 

いっそのこと敵さん来てくんねぇかなぁ、そうしたら僕も働けるのに。

そんなもはや外道極まりない思考が頭を過ぎたとき、何もしてない僕に文句一つ垂れないでここまで運んでくれた優しい商人さんに声を掛けられた。

僕へ振り向くことなく馭者の心得があるらしい彼は、馬を引く紐を両手で握り締め前方を見据えている。

うむ、安全第一でなによりだ。

もしもこの世界に馬車免許があったとすれば、きっと商人さんはゴールド免許だろうな。

 

「わかりました。……いまも警戒は怠っていません。安心して進んでください」

「はは、心強いものです。あの街で『剣聖』と謳われていたあなたに守って頂けるとは。今のオラリオに安心して行けるのも、すべてラインハルトさんのおかげです」

「ははは、大袈裟ですよ」

 

ヨイショしてくる商人さんに謙遜をしながらも、僕は現在のオラリオについて考える。

 

かの都市は暗黒期を迎えている。

 

かつての二大勢力である『ゼウス・ファミリア』と『ヘラ・ファミリア』が三大クエストのうち陸の王者と海の覇王は無事倒せたものの、隻眼の黒龍に敗れた。

その戦いで数々の名高い冒険者が命を落とし、更にはロキとフレイヤにその失敗を責められてゼウスとヘラがオラリオを追放され、千年間トップに君臨していたファミリアが消滅した。それにより悪への抑止力が無くなり、潜伏していた闇派閥が表舞台で活動するようになった。闇派閥はもはや誰にも恐れる心配はなく、オラリオは殺人、窃盗、爆破テロ、悪が好き勝手に出来るなんでもござれの無法地帯に近い状態へと遂げた。

しかし『アストレア・ファミリア』『ガネーシャ・ファミリア』『ロキ・ファミリア』『フレイア・ファミリア』など実力あるファミリアの冒険者に悪に手を染めた輩が沈静化されている。

 

だがゼウスやヘラ健在時闇派閥がなにもせず隠れていたはずもなく、迷宮で戦闘経験やレベルアップを積んでいたに違いない。ならば悪事に便乗しただけの小物はともかく、元来闇派閥に所属していた者総じてレベル2以上だ。

流石に対処が間に合わず被害も相当続出しているようで『恩恵』がない、もしくはレベル1の市民は不安を抱く。なにせ何時自分が被害者になってもおかしくないからだ。

 

加えて犯罪が日常化しているオラリオへ訪れる商人の数が減り食料の供給が全民に行き届かない。

餓死を迎えた者も多く、飢餓に耐えきれず暴挙に出る者もいる。罪が罪を呼び起こす、まさに癌細胞のような悪循環だ。

 

と、ここまで聞いて疑問に思っただろう。

なぜこんなにもオラリオ内事情に詳しいのかと。

それには二つの理由が挙げられる。

一つは自分の命を顧みず何度もオラリオに来ては食糧を売り、稼ぐことを優先している商人の鏡な僕を乗せてくれた彼から聞いたのだ。

 

もう一つは僕が転生者でここがアニメ化までされた人気ライトノベルの世界だと知っているからである。

とはいえ僕はアニメ勢で暗黒期の話は殆ど知らず、旅中商人さんから聞いた知識しかない。

 

あれ、僕……もしかしなくても役立たず?

いや悲観するな。

 

なにせ僕はフロムも驚くほどに主人公が死ぬリゼロという作品に登場する、作者公認の最強キャラであるラインハルト・ヴァン・アストレアだからだ。

 

龍剣レイドもあるし、『剣聖の加護』もある。

必要な加護が望んだだけで手に入ることも確認済み。

まあ原作通り魔法が使えないという欠点があるが、魔力はあるからそれを身体強化に回せるし、大気中の魔力を集め剣戟に付与することも可能だ。

(ちなみにオド・ラグナとか、その他諸々のダンまちとリゼロの設定の違いについて考えるのは結局推測の域を出ないので無駄だと判断した)。

 

決定的欠点があるにも関わらず、それを弱点としないラインハルトさんだぞ、こちとら。

闇派閥? 赤ちゃんを撫でるように捻られますね。

黒竜? 本気を出せば世界を凍らせ滅ぼせる力がある大精霊パックにも勝てるんだ、空を飛べる黒い蜥蜴如きに負けるとかありえないでしょ。

 

とはいえだ。

おそらく……いや確実に僕が本気を出せば黒竜を殺せるだろう。竜特化の加護を取得すれば良いだけの話だし、もし仮に殺されたとしても続々と続く不死鳥の加護で何度も甦れる。

ゾンビ特攻。……無限耐久が可能なのだ。

え、チート過ぎんか。

さすがは原作者でさえ、扱いを迷わされるぶっ壊れキャラだけなことはある。相手視点から見れば酷すぎるほどに勝算がなさ過ぎて笑えてくるわ。

閑話休題、しかし、僕は黒竜を討伐はしない。

 

なぜなら、一ダンまちファンとして助けられた子に恋慕を抱いて、追いつくために壮絶な努力を重ね成長していき、いずれ白兎の小さな刃を黒き終末に届かせる、そんな胸の熱くなるような英雄譚を見たいからである。

 

だから僕はラインハルトの力で無双して定められた英雄への道を歩みながらも、ベルくんが綴る冒険を邪魔せず陰ながら応援する。

 

出発前からそう決めている僕はようやくオラリオを覆い囲む外壁へ到着し、馬車から降りた。

暗黒期に訪れる死に急ぎ野郎は少ないようで結構空いている。だがチラホラとは並んでいた為、僕は商人さんと雑談を交わしながら、あまり待つことなく順番がきた。

 

検問を担当するのは青髪が短く切り揃えられた、どことなく親しみさを感じさせる綺麗な女性のヒューマン。

思わず見惚れ――はしないな。

少なくとも騎士の中の騎士であるラインハルトが容姿に惑わされることなぞあるはずがない。

僕は心を落ち着かせた。

 

「『ガネーシャ・ファミリア』のアーディ・ヴァルマです、通行許可書などは持っていますか?」

 

僕と商人さんに問い掛けるアーディと名乗った少女。

 

彼女は暗黒期なのにも関わらず、ニコニコと笑顔を浮かべている。流石は俺がガネーシャだ! な神の眷属だ、面構えが違う。いや冗談だよ、多分アーディさんの性格柄故だろうな、僕の観察眼にはそう映る。

 

「はい、これを」

「ちょっと確認しますねー」

 

事前に用意していたのか、商人さんがすぐさま四角形のカードをアーディさんに手渡した。

彼女は受け取ったカードの表面を横にある台に置かれている青い水晶玉に向けて翳す。

すると水晶玉が緑色に光った。

 

「はい、問題ないですね。これをお返しします! 御協力ありがとうございます」

「いえいえ、態々どうも」

 

え、あれが通行許可書なのか。

僕にはないけど。

龍剣レイドとお金しかないんですが。

もしやオラリオに来て早々門前払いされる?

お前は怪しいから速攻立ち去れとか言われないよね。

いや、不安になるな、お前はガワだけとはいえラインハルトだろ。

背筋を流れる一筋の冷や汗を感じながら、それをおくびにも出さずに堂々とする。

 

そして商人さんへの対応が終わったアーディさんの視線が遂に僕へ向かれた。

 

「それで、君は……」

「申し訳ありませんが通行許可書というものはないです。初めて訪れましたからね」

「あっ、なるほど! ちなみに確認なんですけど、恩恵はありますか?」

「いえ、ないですよ」

「……えっ!?」

 

僕がそう答えると、何故か商人さんがギョッと驚く。

大きく目を見開き、誰がどう見ても動揺していることが分かる様子だ。

 

「ラインハルトさん、恩恵なしにあんなに強いんですか?」

「……えぇと、はい。鍛えましたからね」

 

あちゃー、そうだよ。

この人が僕が住んでいた街に寄った際、偶然行き先を耳にして同行を頼んだのだが、実力が分からないからという理由で断られたので、剣戟をお見せしたのだ。本気をだせば周辺一帯更地になるので、もちろん魔力なしの手加減をした。

しかし僕はラインハルト。力を抑えたが強者に違いはなく、恐らく恩恵持ちだと勘違いされていたようだ。

 

「でしたら背中に神聖文字があるかどうか確認させて欲しいんですけど、……もちろん室内なので。あの、ダメでしょうか?」

 

頬を朱に染め僕に問うてくるアーディさん。

そりゃ上半身だけとはいえ異性に裸を見せてと言うのは恥ずかしいよな。ラインハルトほどの超絶イケメンなら尚更に。

僕はアーディさんの働きぶりに感嘆しながら、――しばし悩む。果たしてラインハルトは己の潔白を証明するために女性に肌を見せるだろうか、と。

否だ。彼の騎士としての立ち振る舞いを慮るにだけど。

なら、どうすべきか。

そう考えを巡らせる僕と未だ赤面しているアーディさんに商人さんが助け舟を出してくれた。

 

「では信用出来る神を前に質疑応答をするのはどうでしょう。人間は神に嘘はつけないですし」

「その手がありました!! いますぐ連れてきますねー!」

 

あちょっ!

僕が口を挟む前にオラリオへと駆けていく。

……まるで行動力の化身のような人だな。

僕と商人さんは苦笑い合う。

無事に冒険者になれて、稼げるようになればアーディさんに迷惑を掛けた詫びに何かあげよう。

もちろん龍剣レイド以外で。




現時点。

ラインハルト・ヴァン・アストレア
年齢:14
持ち物:龍剣レイド、お金
赤髪に碧眼。
リゼロの原作と同じ風貌。
現時点でのオリジナル加護はなし。
オリ主のリゼロの知識はアニメ2期最終話までの範囲、ダンまちの知識は4期の中盤までしかありません。

追記:タグの通り『ハーレム』にするつもりですが、誰かは未だに決めてません。そのうちアンケートを取るかもしれないです。

――――ダンまちの設定は守る、ラインハルトの力を上手く扱う。
両方やらなくっちゃあならないってのが二次創作のつらいところだな。
覚悟はいいか、私は出来てません。ムズすぎるんよ。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。