最強の艦娘と唯一の艦息(大規模修正予定) 作:提督兼指揮官兼トレーナー
某薩摩なんちゃらか、某和風米国ウマ娘の感覚がしますが気の所為です。
「ゆうなぎくん、作戦は考えつきましたか?」
「はい、なんとか……」
「では、共有してください」
大和の指示で作戦の共有が行われる。
「ちょっとした裏技を使います。僕は人工衛星によるデータリンクシステムがあるんで、その気になれば見つけることができます」
「どうして使わなかったんですか?」
「摩耶さんもこれを知ってるからです。現に共通して使える衛星へは強力な妨害が行われていて、使用不能です」
「つまり、ゆうなぎくん専用の人工衛星なら補足可能なんですか?」
「ええ、僕の人工衛星群……、某企業をもじってミリオンリンクって呼ばれてるんですけど、これは電波妨害に強いもので、某企業のそれよりはるかに数の多い100万基を目指して現在20万基が載せられている段階なんですが、これは多元さんが作っていたものを僕が使っているので、新日本重工の物です。だから摩耶さん達は使えません」
「それで……、相手の位置は?」
「捕捉しました、北東200km、大きく8の字で航行中です、最大戦速で向かえば数時間で対艦ミサイルの射程圏内に全艦入ります」
「極超音速ミサイルは使わないんですか?」
「摩耶さんには効きません、迎撃されます」
「わかりました。これより艦隊は相手艦隊との直接戦闘に入ります」
「了解、8inch砲固定、近接戦闘用意」
8inch砲を背負っている艤装に取り付け、腰に取り付けている木刀(普段は日本刀)を取り出す。
「ユウナギ?、What are you doing?」
日本語が上手なフレッチャーが珍しく素に戻っているのも無理は無い、ゆうなぎは何故か木刀を取り出しているのである。
「相手とは接近戦になります。大和さんがいるとはいえ相手も本気で殴りかかって来るでしょう、だからこそ、こちらからもチェストする必要があるんです」
そして……、と、ゆうなぎはあることを伝えた。
それを聞いた大和は少し呆れつつも、同意し……
「気をつけて、突っ込みすぎないようにだけはくれぐれもお願いします」
とだけ言った
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「第1次攻撃隊は、攻撃失敗……、さすがは新日本重工でしっかり鍛え上げられただけはあるわ、次に備えます」
「摩耶さん、向こうがこっちを捕捉することは出来るのかな?」
「衛星で探してこられたらお手上げだな、尤も、こっちは妨害してはいるけどな」
「もう補足してると思うわ、早期警戒機から情報が入ってきている。第2次攻撃隊は艦隊上空にて待機して、艦隊決戦に備えます」
「加賀さんを退避……って訳にはいかねぇな、どのみち接近されてる以上他に手はねぇな」
「距離、150kmを切りました」
「多分電波妨害してくるんじゃないか?」
「そうとも言いきれないわ、そうなればミサイルが使えなくなる、大和はともかく、艦載機からの直接攻撃も選択肢に入る私たちに有利に傾くことをゆうなぎが選択するとは限らないわ」
「ま、何にせよ、加賀さんへの被弾は最小限に抑えなくちゃね」
3人がそんな会話をしていると……
「っ……、対艦ミサイル……」
「来たか……、行くぜ、VLS一斉射!」
摩耶の艤装に備え付けられたVLSが開き、SM-6が一斉に放たれる。
放たれた対艦ミサイルは全部で……
「8?、少ないな」
そう思った次の瞬間……!
<<ミサイル自爆!、チャフ大量発生!、レーダーによる探知困難!>>
「やられたわ、チャフで身を隠しつつ、このまま接近するつもりね……」
「おもしれぇことするじゃねぇかよ、ゆうなぎ」
さらに低空からミサイルが多数接近する。
<<低空よりミサイル!、近い!>>
「時間から見てあの時一緒に撃ったやつか!」
「近距離で叩くしかないね!、加賀さんも自衛火器での迎撃急いで!」
ブーーーーーーーーーーーーン!
バシュッ!バシュッ!
濃密な近接防空火器が放たれ、飛んでくる対艦ミサイルを片っ端から撃ち落とす。
「対艦ミサイル迎撃成功……、って何コレ!」
見ると辺り一面に煙が立ち込め、視界不良。
「まずいなこんな時に接近されたr………
「「「「チ"ェ"ス"ト"ォォォォォォォォ」」」」
摩耶の想定が早くも具現化した。
煙幕の間を縫って現れたのは、ゆうなぎ。
手には木刀を持ち、一心不乱に摩耶に切りかかる
「うわっ!」
すんでのところで交わしたが、右側の艤装に激しく木刀がぶつかる。
<<摩耶、中破判定、右側艤装、使用不能>>
「タイマンか!、燃えてきt……おっと!」
一撃で中破まで追い込んだゆうなぎは、返す刀で左側の艤装を狙っていた。
「主砲、副砲、近接戦闘!」
「させな……ちょ!、大和さんも来てた!?」
煙幕を使って接近した艦隊によって、鈴谷によるゆうなぎの近接攻撃阻止が阻まれる。
<<摩耶、撃沈判定>>
「まず一隻!」
鈴谷は大和が相手をしている。
上空には敵機が居る。
「対空戦闘!、ばらまけるモノは全部まけ!」
VLSが開き、対空ミサイルが放たれる。
同時に、主砲含めた全ての火器が向けられ、熾烈な対空砲火を形成する。
航空隊はまともに近づけなかった。
その結果、加賀への道が開かれる。
如何に加賀が改装されていても、所詮は空母。
「「「「チ"ェ"ス"ト"ォォォォォォォォ」」」」
飛行甲板を叩き割る強烈な一撃。
<<状況終了、勝者大和艦隊>>
「意味不明だわ」
「弾代がかかるんで、接近された時はこうやって始末していたこともあったんですよ、度肝を抜かすにはちょうどいいんで」
「だとしても、命知らずよ」
自分は1度死んだようなものなんで、とは言わなかったが、少々不満げな表情をするゆうなぎ。
<<お前さんまたそれ使ったんか……>>
<<真多さんのおかげです>>
<<全く……、怪我するかもしれないんだから奥の手にしとけよ?、特にお前さんは成り立ちからして高速修復剤が使えないんだからな?>>
<<はーい>>
<<全艦帰投してくれ、伝えたいことがある>>
「了解。大和より全艦へ、帰投してください」
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特務艦隊司令部にて
「失礼します。大和以下特務艦隊一同入ります」
「おう、ご苦労さま。楽にしていい」
多元が彼女たちを出迎える。
「今回君たちを呼んだのは他でもない、特務艦隊の初出撃についてだ」
そう言うと多元は部屋を暗くし、机のすぐ近くにあったスクリーンを下ろした。
「以前沖ノ島沖で海戦が行われ、多数の被害を出したことは覚えているな?」
全員が頷く。
「あそこにまた、深海棲艦が現れた」
偵察機からの映像が映し出される。
ヲ級フラッグシップや、ル級フラッグシップ、リ級エリートなどの強力な艦艇が多くいる。
「こちら側は前回の敗北で戦力に乏しい、となれば我々の出番となる」
全員が頷く
「我々に課せれた任務はこの海域一帯の敵を排除することにある、出撃は明日の明朝、それまでの間に体を休めておくこと、解散」
そのまま特務艦隊待機室に戻ってきた。
「出撃に際して、ゆうなぎ君からなにか注意点はありますか?」
「あ、はい、多分割と呆気なく終わることが多いと思いますが、緊張感を持って臨んで欲しいということです。最新鋭の装備を有する都合、今までのように接近した戦闘が減るので、こちらからは敵を見ることがなく、レーダー上での輝点の消滅でしか撃沈を知ることはありません。ですが、間違いなく戦闘は行われていますので、気を抜くことが無いようにお願いします」
「わかりました。それでは皆さんお風呂へ」
「あ、僕はここで失礼します」
混浴はさすがにアカン(By作者)
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「ふぅ……」
一日の疲れを癒すゆうなぎ。
「チェストするなと言われてもなぁ……」
ゆうなぎにとってチェストは単に近接時の攻撃手段ではない。
彼にとってその瞬間は、何かもを忘れて敵への一撃だけを考えることができる最高の瞬間である。
1度死んだような人間からすれば、危険だとか、命がもったいないとかそういう話はイマイチピンと来ない上に、作戦遂行上の邪魔にしかならない。
無論、それはゆうなぎ自身がと言うだけである。他の艦娘は命を大切にしなければならないし、多元達新日本重工の方々は余人を持って変え難い今世紀最大の技術者と言える。
我々普通の人々からすれば、明らかに常軌を逸した考えではあるが、家族という心の拠り所を失っているゆうなぎは、如何に大和達と繋がりがあろうとも、その心に今までのような普通の人間のような感性は戻って来なかった。
「チャフと煙幕弾を発射できる装備が欲しいな」
顔を洗いながらそんなことを口にし、寝間着に着替えた後、平河の元を訪ねることにしたのだった
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「チャフと煙幕が沢山ばらまけるようにして欲しいだって??」
「はい、なるべく簡単で、他に影響が出ないような形でお願いします」
「出来ないことは無いが……、なぜそうする?」
「チェストする時に、少しでも敵を撹乱する必要が出てくるからです」
「はー、なるほどねぇ……、近づくまではその身を巧みに偽装して、いざ接近したら一撃必殺。まるで薩摩武士か鎌倉武士みたいだなぁ」
「まんまそれを取り入れているんですよね」
「まぁいい、その程度ならそんなに難しいことでもないから小玉さん辺りと協力しておくよ」
「ありがとうございます」
「ん?、おっ、そろそろ飯だな、特務艦隊で一緒に食べると思うからゆうなぎも急げよ」
「あっ、はい」
平河に促され、ゆうなぎは食堂へと向かう。
~食堂にて~
「明日の出撃、陣形は大和、旗艦であるあなたに委ねられているわ」
「輪形陣を取ります。私と加賀さん中心に、先頭を摩耶さん、右翼をゆうなぎくん、左翼に鈴谷さんを配置して、後方にフレッチャーさんを置く布陣で出撃します」
「異論ないわ、鈴谷と私の航空隊の運用について何か希望は?」
「ありません、命令の範囲で自由にやってもらって結構です」
「そう、それとゆうなぎ」
「はい?」
「明日の戦闘、恐らく機動部隊同士の航空攻撃の後に艦隊戦となるわ、私と鈴谷はフレッチャー護衛の元で後方に退避すると思うけど、1つ忠告しておく必要があるわね」
「と言うと?」
「今日の演習みたいな過激で危険な戦闘はくれぐれもしないように、今日の演習ならあの戦術は確かに正解かもしれないけど、明日は艦隊戦よ、周りと協力して事にあたることを理解して」
「はい」
厳しくも要領を得た発言に、素直に従うゆうなぎ
「はいはい、お仕事のお話なんてしないで、艦娘のみんな!、明日は出撃でしょ?、私が腕によりをかけて作ったご飯、食べてちょうだいな」
食堂のおばちゃんが持ってきたのは大量のカツ。
「おお!、いいじゃん!いいじゃん!、みんな早く食べようよ!」
「待て待て、まずは野菜を取れ」
箸を構える鈴谷に摩耶が諭す。
こういう時、割とまともなのが摩耶である。
「青皿は加賀さんで……、朱色のは大和さん……、そして残りが僕達……、やっぱりあの二人めちゃくちゃ食うじゃないですか……」
少し前のテレビ番組で、赤城とかいう航空母艦の艦娘が大食い選手権をやっていた気がするが、あれよりももしかしたら多いかもしれない
「な、驚いただろ?、ああ見えて加賀さんは赤城さんよりも実は食う量が……痛ェ!」
「摩耶、その辺にしないとどうなるかわかっているでしょうね?」
表情一つ変えずに摩耶の頭に拳骨をぶち込んだ加賀はそのまま口調も変えずに脅す。
「………」
「………」
声も出せないイージス艦2名。
「(とりあえず食べますか)」
「(そうだな)」
幸い、カツは4人で分けて食べるには充分過ぎるほど盛られている。出来たてのうちに食べてしまうのが吉だ。
(明日は出撃かぁ……)
今一つこの艦隊で戦うことに対してイメージが湧いてこないゆうなぎ。
でも、とりあえずは目の前の熱々のチキンカツを頬張ることにしたのだった。
というわけで次回は艦隊初の出撃です。
更新が早くできるよう頑張ります