最強の艦娘と唯一の艦息(大規模修正予定) 作:提督兼指揮官兼トレーナー
というわけで、タイトル通り、大和と艦息が接触します。
とはいえ、こいつら1話で会ってるんですけどね。
長話するのもアレなんで、さっさと行きます
艤装の大改装が終わってからしばらく
「はい、今日から1週間、進路指導を私か大和先生による三者で行います。その間の授業は午前中のみになりますので注意してください。」
よっしゃー、遊び行こうぜ、などと気楽な発言が飛び出る。
「日程表は後ろに貼ってあるので必ず見て、自分の時間を確認してください。」
さて、確認するか
HRが終わり、立ち上がって日程表を見に行くと、思わず固まった。
中田祐作 教員 大和
「ユウ、お前大和先生なのかよ!、羨ましいぜ、こっちはあのおばさん先生なんだからさぁ」
友人は羨ましそうな声を出しているのだが、冗談じゃない、祐作からすれば、学校以外で、それも戦場で面識があったわけで、その事で変に問い詰められると不味い。
しかも、面談は今日と来た。これでは帰って相談している暇は無い。
「悪ぃ、ちょっとトイレ。」
とりあえず多元さん辺りに相談しなければ、そう感じた祐作は、スマホを手に取り、多元へと電話をかけた。
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「何?、艦娘教員と面談?」
「はい、普通の面談ならいいんですけど、明らかに作為がある気がするんです。」
「ああ、お前さんの送ってくれた写真を見るに、多少の作為はありそうだな。面談時間が伸びてもいいように、最後に配置されたり、そこだけ艦娘教員になってたり……」
「ええ、でもどうして……、確か小玉さんが、僕の配置については交渉してるはずなのに……」
「そこだよ」
「えっ?」
「お前さんの艤装はうちの平河が仕上げた最新鋭の装備を積んでいる。さらにいずれジェット機航空隊との共同作戦も考慮してこっちは部隊編成しているんだから、各鎮守府からすれば強力な戦力間違い無しだ。現に小玉さんの所にあっちこっちから引き合いがある。」
「多元さん達はどうするつもりなんですか?」
「無論1番いい条件を引っ張って来たところだ。そう出ないと、こっちがフリーハンドで動けなくなっちまう。」
だがな……、と多元は続ける。
「だがな、予めお前さんに接触したいって思ってる奴は一定数いるんだ。交渉上手なやり手の人間とやり合うよりも、本人の気持ちを揺さぶればいい条件を掴めるからな。」
「でも、僕は多元さん達の決定に従いますよ。」
「そうだ、お前さんはそのつもりでいい。理性がちゃんと残ってればな。」
「色仕掛けですか?、正直あの先生ができるとは思えませんが………」
吹き出す声が聞こえる。
「まさかお前からその言葉が出るとはな……」
「笑わないでください!、とりあえずどうするか決めてもらわないと」
「はぐらかせ、どの道こっちの手札を明かす訳にはいかないんだ、渡しておいた書類は頭に叩き込んであるな?」
「ええ、演技下手なんであんまり効果無いと思いますが……」
「いい、どの道お前さんだけでは食い止めきれんことぐらいわかってる。」
多元の正直な発言は聞いてて腹が立つかと言えばそうではなく、むしろ、自分を全力でカバーしてくれるものだと受け取った。
「まぁ、なんだ、気楽に受けろ。」
「わかりました。」
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数日前、呉鎮守府
「艦息が存在するんですか?」
「ああ、俺も驚いたんだが、どうやら新日本重工の技術者が、人工艦娘製造技術の転用で開発に成功したらしい。」
「それで……、性能は?」
「メーカー側に言わせれば<単艦で鎮守府の総戦力に匹敵するレベル。開発中の航空隊と連携することで、その力はさらに上がる>だそうだ。にわかには信じられん話だが、三○や、川○、I○I、J○Uなどの名だたる企業から集められた精鋭と、薬剤や、医療関係のメーカー、理化学研究所からも出向したメンバーを集めた新日本重工なのだから嘘は言わんだろ。」
それにだ……
「それに、俺たちは、少なくとも大和は沖ノ島で見てるだろ?、バケモノじみた戦力を持つ存在というのを。」
大和は少し前の沖ノ島での戦いを思い出した。あの時に現れたのは間違いなく艦息だった。
「それで……、提督はどうなさるのですか?」
「うちに引っ張ってくる。こっちもそれ相応の条件を出さなくてはならないが、そんな奴が存在するのなら、確実に戦力として押さえたい。」
「それで……、どうして私を呼んだんですか?」
「お前さん、今艦娘教員やってるだろ?」
「ええ。」
「ここからは俺が掴んだ情報だが、そいつはどうも高校生らしくてな、ちょうど今生徒として通っているんだ。」
その内容を聞いて、ふと思い出した。確か今入ってるクラスに、疑わしい生徒が1人居た。
「1人……心当たりがあります。」
「と言うと?」
大和は中田のことを話した。
「なるほど……、不自然な態度を取る生徒か……、確かに有り得そうだ。他に何か感じたことは?」
「変かもしれませんけど、弟みたいな感覚を感じました。」
「話聞く限りだと……、いや待て心当たりが……」
「提督?」
「実は、お前さんの血液サンプルが新日本重工に運び込まれたという話があってな……」
「まさか!、深海棲艦細胞の代わりにそれを?」
「ああ、艦娘ってのは血の繋がり……、というより姉妹艦を大事にするんだろ?、姉妹艦は血液成分も似るという話を聞いたし、初対面でも、姉妹艦かどうかわかるそうだ。もし、確実性を上げるために大和の血液サンプルから細胞を作ったとしたら辻褄が合う。」
現に、長崎にいた武蔵が初対面だったはずの大和に対して「姉さん」と呼び、大和も妹の武蔵だとはっきり認識していたところからも明らかだ。
「でも……、どうして普通の男子生徒にそんな実験をしたんですか?」
「追い詰められていたんだろ、あれこれ吹き込んで同意させたんだろうな。」
もし、祐作がその場にいれば否定しただろう。彼の中では、家族離散、一家崩壊の危機を救ってくれたのは間違いなく新日本重工と、日本の人工艦娘製造制度であり、彼にとって、人生とは深海棲艦出現前の穏やかな暮らしと、その暮らしを取り戻すための戦いの2つでしかない。
「とにかくだ、お前さんの怪しいと思うその子について面談してみてくれ。場合によってはこっちも動いてみる。」
「わかりました。」
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そして、場面は面談の時間に戻る
「失礼します。中田祐作、入ります。」
「はい、席に着いてください。」
面談が始まる。
「中田君は、元々東日本出身みたいですけど……、
もう生活には慣れましたか?」
「ええ、皆さん親切にしてくれますし、向こうと違って冬は暖かいですから。」
「それは何よりです。病気の方は?」
「先生の話だと<山は越えた>と。」
「体調の方は?」
「今はなんともないですね。」
「なるほど……、薬は今飲んでますか?」
「幾つかは……」
ここまでは順調に進む面談。
ここで大和が切り込む。
「現在の住居は新日本重工の敷地となっているのはどうしてですか?」
「実は、両親が転職して新日本重工勤務になった関係で、寮を借りれたんです。本当はあんまり良くないんですが、病気のことを知った社長が取り計らってくれたんです。」
「治療費も?」
「福利厚生の一環だそうです。元々半官半民みたいなところもあるのだから、従業員とその家族に手厚くした方がいいだろうとの事で。」
「何か会社の方で仕事の方をお手伝いしてることとかはありますか?」
「特にはやってませんね。機械とか触ると危ないものもあるので」
素面で答えているつもりだが、中田は内心ヒヤヒヤしていた。
(なんか、急に内容変わったな……、バレてないんじゃないのかよ多元さん!!)
(さすがにしぶといですね……、でもこの感覚は間違いない。この子に私の遺伝子が入ってる)
「たまに早退したり、遅刻するのは検査ですか?」
「はい、それについては連絡もしてあるため、納得してもらっているものと思ってます。」
「わかりました………」
携帯が鳴る
「ちょっとだけ待ってください。電話です。」
「わかりました」
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「おい、大和、今面談中か?」
「ええ、中田君との面談中です。」
「俺のツテで調べてみたら、あいつの両親が新日本重工所属なのは間違いないが………、ご両親は現在入院中だ。」
「入院!?、病気ですか?」
「いや、爆撃だ。」
「いつからですか?」
「内陸空襲の辺りだ。」
太平洋戦争中の日本同様に、この世界の日本でも内陸部に工場を移していたが、深海棲艦は持てる物量にものを言わせて内陸空襲を敢行。
空母機動部隊が対処して回ったものの、取り逃した一部が内陸部を襲ったのだ。
「で、ご両親は意識を戻されてはいるが、なんと新日本重工への転職は、意識を取り戻したその日に行われている。普通ありえない、何らかの働きがあったと見ていい。」
「まさか……、ご両親の就職担保のために、自らを犠牲にした!?」
「そうだ。どっちが先に提言したかはわからん、人工艦娘製造は一般的に知られていたからな。」
「だとしたら……、あの子はもう……」
「俺たちがなんと言おうと、彼の顛末はもう決まっていたんだよ。自殺するか、一か八かで艦息になるかの2択に……」
「自殺!?」
「あんまり話すと長くなる。さすがに怪しまれるかもしれないだろ?」
「でも………その辺詳しくお願いします。」
「わかった。ここまで言ったんだ。全て話す。」
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「面談は終わりです。お疲れ様でした。」
「ありがとうございました。」
立ち去ろうとする祐作。
その腕に傷跡が見える。
「中田君。その腕……」
「ああ、昔いじめられた時に金を出さなかったからって見せしめにつけられたんですよ。あと少しズレてたら動脈でした。」
「えっ……」
「あっ、大丈夫ですよ。もう過ぎたことですし。」
絶句する大和にいつものようにヘラヘラして答える祐作。
「中田君……、あんまりこういうの言っちゃダメなんだけど、お姉さんだと思って頼ってね。」
「あ……、ありがとう……ございます。」
(本当はある意味姉弟なんだよな………)
お互いに抱えたものを引きずりながら、面談は終了した。
帰宅後
「いやぁ……、すまない。我々がもう少し警戒しておくべきだった。」
帰宅早々転生者一同から謝罪される祐作。
「一体何があったんですか?」
「端的に言えば、呉鎮守府の提督が熱心すぎた」
「と言うと?」
「先日の沖ノ島沖での戦いで、最も被害の大きかった鎮守府というのが、呉鎮守府なんだ。さらに言えば、大和が所属しているのも呉だ。」
「つまり、大和を含めた主力艦隊の穴埋めに躍起になってる呉鎮守府は、この気を逃したら不味いと感じて、先に僕に接触しようとしているというわけなんですか?」
「ま、そういう事だ。」
「僕からも一言言っていいですか?」
「構わん。」
「多分バレてます。」
「知ってた。」
「あっ、そうなんですか………」
「艦娘ってのは、姉妹艦に反応するらしいから、遅かれ早かれ、大和の遺伝子を多少なりとも引き継いでいるお前さんと接触していれば、バレるのは時間の問題だからな。」
「なんならいっそバラした方が………」
「それすると、間違いなくお前さんは恋愛ゲームの主人公並の人数の艦娘がやってくるぞ?、しかも相手はお前さんを引っ張っていくように指示された高度なテクニック持ちの奴」
「艦娘を政争の道具に使うなんて最低ですね。」
侮辱を含めた目をする祐作。別に艦娘が好きとかそういうことではなく。本人の意思に関係なく当事者が不幸にしかならないのが気に食わないのだ
「まぁ、実際人相手は規制されてはいるんだが、お前さんはちとグレーな存在だからな……、一応聞いておくんだが、経験人数は?」
「なんてこと聞くんですか!、年下に!!」
「まぁ0なのは知ってた。というか超絶奥手なのも知ってる。」
「ファッ!?」
「お前、腰堀から教えてもらったアニメキャラが大体グイグイ来る系とかお姉さん系だろ?」
「なっ………」
「とにかくだ、今後の方針を練るぞ」
「了解。」
次回へ続く
主人公がグイグイ来る系とか、お姉さん系に弱いのはうp主の癖です。うp主の性癖を植え付けました。
というわけで、今後についてのお話を次回に持ち込ませたところで、今日はここまでとします。