最強の艦娘と唯一の艦息(大規模修正予定)   作:提督兼指揮官兼トレーナー

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初めに言っておきます。多分タイトル詐欺です。


第5話「会敵」

 

 

 

「んでだ、我々がどこで世話になるかについてはおおよそ決まってたりする。」

 

「どこなんですか?」

 

「呉、佐世保、横須賀」

 

「ちなみに多元さんとしての候補は?」

 

「呉か横須賀。ぶっちゃけ佐世保は保険だ。」

 

「それぞれのメリットは?」

 

「呉なら今の施設が流用出来る。横須賀ならお偉いさんが近くで見れるから、予算が通りやすい」

 

「基地航空隊は?」

 

「F-3を作る。」

 

「心神ですか?」

 

「いや、新型だ。YF-23とラプターのミックスだと思ってもらえばいい。」

 

 

 

 

(この世界はATD-X以降、各国でステルス機の開発が中断されている。)

 

 

 

(F-3完成予想図とほぼ同じ)

 

 

 

 

「ちなみに兵装は?」

 

「ASM-3なら4発。」

 

「ウーン艦艇ぶっ殺すマン。」

 

「後は資源次第で対潜哨戒機かな。」

 

「P-1ですか?」

 

「そうそう。」

 

「ちなみに学校は?」

 

「鎮守府のところに編入」

 

「んで、クラスは?」

 

「重巡洋艦かな?」

 

「寮は?」

 

「個室」

 

「風呂は?」

 

「俺らが作る」

 

「艦隊は?」

 

「どこ行くかによる。」

 

「いつ決まります?」

 

「来週には。」

 

「ここのお菓子食べていいですか?」

 

「構わん」

 

 

 

 

 

もぐもぐ……、恐らく多元が祐作のために出張で買ってきたシュークリームを頬張る。

 

 

 

 

「なあ、祐作よ。」

 

「何です?」

 

「お前さんは、辛くないのか?」

 

「どうしてです?」

 

 

 

 

 

いつものように素っ頓狂な反応を見せる祐作。

 

 

 

 

 

 

「どうしてって……、そりゃあさ、今までは、せいぜいはぐれの深海棲艦。たまに空母を相手にしていたんだ、それが今度は主力……、間違いなく姫級や鬼級なんかとこれから先戦っていくのに、恐怖とか感じないのか?、もうお前は人間として生きていくことは出来ないし、今まで多少なりとも存在していた日常は消えて、戦うしか無い生活を始めるんだ。そりゃあ、お前さんが艦息として改造される時に、ご両親の再就職を認めて、弟達の学費や、生活費の支援をさせ、一家離散を防いだとは思う。でも、そこにお前さんが戻れるかと言えば違うし、この先自分の及ばぬ所で、何があるのか分からないって考えたことは無いのか?」

 

 

 

 

 

 

 

それは、転生者全員が感じていた違和感、その代弁でもあった。

 

 

 

 

 

中田祐作という男は、一般的な高校生からすればおかしすぎるのだ。

 

 

 

 

 

普通の高校生が、家族と離れ、肉体を改造され、あまつさえ、戦いに引き込まれる。

 

 

 

 

そんな狂気を当たり前に受け入れる。

 

 

 

 

そんな祐作はどこかおかしい。

 

 

 

精神検査にはいじめを受けた時のPTSD以外異常が無かったからこそ、この異常性について、本人から聞きたかったのだ。

 

 

 

 

 

 

「僕は、中田祐作という普通の高校生はもう既に死んでるんですよ、いじめに耐えきれなくて、近所の林で首を吊って。」

 

「でも、お前さんは……」

 

「そう、生きてるんです。たまたま新日本重工の社員の方に見つかって、たまたま引き下ろされたことによって、たまたま生きてるだけなんです。だから僕が中田祐作としての人生は終わってて、今ここにいるのは、中田祐作という男子高校生では無くて、世界初、そして唯一無二の艦息、どの艦娘にも、どこの国家にも達成出来なかった現代艦艇をベースに開発された艤装を操る艦息。それが今の自分、DDG-100なんですよ。でも、僕はそれで良くても、家族は、あの人たちは違う、人間のままだし、僕が自殺しようが、艦息になろうがこの先も自分たちのそれぞれの幸せのために、生きていってもらわなくちゃならない人達です。だから僕は艦息になる前に、家族が安心して暮らせるように頼んだんです。これは別に僕の家族愛とか責任感とかじゃなくて、もっと別のなんて言うべきか……。」

 

 

 

 

「ひとつのけじめ、覚悟みたいなものか。」

 

「そうです。もう家族は大丈夫。俺は居ないけどあの人たちはもう一度自分たちの幸せのために頑張ることが出来る。俺は艦息として、与えられた使命を果たすだけ。それだけなんです。」

 

 

 

 

 

なるほど……、多元達は納得した。

 

 

 

 

 

 

 

 

要するに、こいつは本当に家族想いなんだ。よく出来た男じゃないか。そういえば、彼がいじめられていたのも、弟を助けるためで、わざわざ自分から火の中に飛び込むような奴だ。本当に家族を大事にしていたんだろう。

 

 

 

 

 

だからこそ、彼の人生を変えてしまったいじめっ子達の存在は余程酷かったのだろう。家族を大事にする男が、自ら自分の命を捨てるはずが無い。

 

 

 

 

 

今、奴らは相当なお灸を据えられてはいるが、それでも罪は消えない。

 

 

 

 

 

 

「なるほど、お前さんの覚悟はよく分かった。」

 

 

 

 

 

この時、多元達の中にひとつの考えが上がった。

 

 

 

 

 

<この男に、再び家族の温かさを与えることが出来ないのだろうか?>

 

 

 

 

そう考えた時、横須賀……、と思いつきはしたが、

おそらく彼はいい顔をしないだろう。彼にとって元の家族は既に遠くにあるものだ。今更近くに戻ったところで、本人が会いに行くつもりは無いだろうし、わざわざ設備投資の二度手間をかけてまで配慮しては、彼の決心を疑ってしまうこととになりかねない。

 

 

 

 

 

 

<では、他ならどうだ?>

 

 

 

 

 

彼にとって、家族以外で最も近くに寄り添えそうな存在はもう2人いる。だが、やはりこの存在をおいて他に無いだろう。

 

 

 

 

 

<大和がいる呉なら、あるいは………>

 

 

 

 

そう考えたのは多元だけでは無いはずだ。

 

 

 

 

「お前さんことは最大限助けてやる。だから、安心して前を向いてくれ。」

 

「はい!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

数日後………

 

 

 

 

 

 

呉鎮守府

 

 

 

 

 

「本当ですか?」

 

「ああ、どうやら上手くいったらしい。新日本重工から俺宛に手紙が来た」

 

 

 

ヒラヒラと手紙を揺らす提督。

 

 

 

 

大和は艦娘教員として赴任している間は、その活動報告を提督などにしなければならない。

 

 

 

 

その報告の時に、新たな戦力について提督から知らされていたのだ。

 

 

 

 

 

「見せてもらってもよろしいですか?」

 

「構わん。」

 

 

 

 

 

紙を受け取る大和。

 

 

 

 

 

[宛呉鎮守府提督]

 

先日受け取りました要項について、防衛省と共に厳重に審査させていただいた結果、我々との意向にも合致したため、そちらの方に預けたいと考えております。尚、艦息は今までとは全く異なる存在であるため、くれぐれも接し方などには気をつけて頂きたい。

 

 

 

 

「そして、こいつがその詳細な性能だ。」

 

 

 

同封されていた別紙を渡す。

 

 

 

 

 

 

 

機関方式 統合電力システム

速力 35ノット

兵装 60口径203mm単装速射砲(毎分15発)×1基、76mmスーパーラピッド砲×2門(毎分120発)57mm速射砲×2基(毎分220発)、SeaRAM×1基(実物における艦橋前部)、21連装RAM発射機×1基(実物におけるヘリ格納庫上部艦橋側)12.7mmRWS×4基、Mk41 VLS(96セル)(前甲板64セル、ヘリ甲板後方に32セル)、対艦ミサイル専用VLS(32セル、改装前のMk41に配置)、Mk57 VLS(24セル)(ヘリ甲板両脇に装備)、三連装短魚雷発射管×2基、艦首魚雷発射管×6門

艦載機 哨戒ヘリ1機

その他 もがみ型同様にフィンスタビライザーを搭載している

 

 

 

 

 

「これ……、もし海上自衛隊だったり、アメリカ海軍が持っていたらどうなるんですか?」

 

「間違いなく主力だ。ズムウォルト級よりも強いんじゃないんか?、ステルス性があるかどうかはさておき……。」

 

「でも、確か現代艦艇って……」

 

「そう、武装が少ない。だからこいつは異常なほどの近距離戦が強化されている。」

 

 

 

 

 

 

多分今まではぐれの深海棲艦襲ってたらしいからミサイルだと割に合わないんだろう。と提督は仮定した上で……

 

 

 

 

 

「正直驚いた。現代艦艇とはいえここまで武装がてんこ盛りで、しかも強力な砲戦火力持ちなんてそうそうできるもんじゃない。間違いなくうちの艦隊のどの艦娘よりも圧倒的だ。」

 

「それで……、その子の名前は?」

 

「無い。便宜上DDG-100と命名されてるだけ、まぁ仕方ない。メーカー預かりの奴だからな。」

 

「人の名前は?」

 

「それも明かされてない。」

 

「配属は?」

 

「来週だ。」

 

「どこに配置するんですか?」

 

「今度再編成する。」

 

「そうですか……」

 

「それより代償の方が問題だよ。」

 

「と言うと?」

 

「資材の提供、滑走路の補強と提供。専用寮の設置からその他もろもろ……、期待はずれなら、こっちは大損害だよ。」

 

「でも、提督もタダでは引きませんよね?」

 

「もちろん。こっちが新編した艦隊への編入と、所属艦の魔改造だ。後基地航空隊の更新な。それくらいはやってもらわなくちゃな。」

 

 

 

 

 

 

さてと……、と言った時、大淀が駆け込んできた。

 

 

 

 

 

「提督!、大変です。鹿屋航空基地より連絡!、ピケット艦隊を伴った深海棲艦部隊が鹿児島南方120km地点に出現!!、本土に向かい侵攻中との事だそうです!!」

 

「何!?、そんな近くに!?、鹿屋航空基地はどうしてるんだ?」

 

「陸攻を出して攻撃態勢らしいのですが、直掩機がかなり多いようで、新田原基地の零戦や、飛燕などと既に大空戦との事!!」

 

「大変だ!、こっちも動くぞ!、蒼龍を旗艦とした機動部隊を向かわせろ!、佐世保はなんて言ってきてる?」

 

「武蔵を出すそうです。高速修復剤を何とか捻出できたようなので………」

 

「わかった、陸自は?」

 

「国分駐屯地に新設された沿岸砲撃部隊と、熊本の沿岸砲撃部隊が移動開始!、国分は間に合いそうですが、熊本は分かりません!!」

 

 

 

 

深海棲艦出現以降、陸上自衛隊は大きく変化した沿岸防衛の都合で、海上自衛隊や航空自衛隊の1部人員を吸収したり、新たに採用した人材も含めた結果として、30万人まで増加。海上自衛隊は、最早通常戦力では対抗できない一方、前線輸送などを行うため、こちらも6万人まで増加。空自は索敵などを行うことになったが、人員は変化無しとなっている。

 

 

 

 

各自衛隊には妖精(人員にはカウントされず、別枠で計上される。)が配置され、特に陸自は沿岸砲撃部隊に多く含まれることとなる。

 

 

 

 

この沿岸砲撃部隊とは、19式自走榴弾砲ベースの28cm沿岸砲(艦娘仕様で、人間サイズに換算すると155mmくらいになるためこうなった)や、完全新規開発の65cm重沿岸砲(人間サイズ換算だと大体36.5cmくらいなので、12輪トレーラーに載せて移動。当然動きは鈍いので、むしろ固定砲台の方が多い)、列車砲部隊(まさかの80cm、射程は何と驚異の200km以上にも及ぶが、路盤が強化されていないと使えないため、東海道新幹線と山陽新幹線と、東北新幹線、北海道の一部にしか配備されていない)が存在し、妖精と自衛隊員が共同して担当している。

 

 

 

 

 

(尚、ロシアは深海棲艦による国連軍敗退によってアジア地域の領土を手放し後退。北方領土含めた千島列島と、樺太地域は、現在日本が管轄中。)

 

 

 

 

「大和、お前は周辺住民の避難誘導をしろ!、中国・四国地方並びに九州・沖縄地方に空襲警報と襲撃警報が出されてる」

 

「了解!」

 

 

 

 

大和は動きやすい迷彩服に着替え、住民の避難誘導にあたる。

 

 

 

 

 

(そういえば……、祐作君。大丈夫かしら……)

 

 

 

 

もし彼が本当に艦息なら、もしかすると出撃に入るかもしれない。

 

 

 

 

 

(ダメ、今は住民の避難誘導を優先しなくちゃ)

 

 

 

 

一瞬よぎった顔を振り払い、住民の避難誘導に向けて鎮守府を出た大和だった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 

 

 

 

 

 

「緊急出動だ!、防衛省からの連絡だと、少なくとも10隻以上の深海棲艦艦艇が、鹿児島県南方沖合120kmに出現中!、艦載機は発艦しているとの事から空襲の恐れがある。祐作、すぐに出ろ!」

 

「了解!、武器使用は?」

 

「付近の鎮守府や、基地から戦闘機が出る。武器使用は有視界のみ、ESSMもダメだ、RAMと砲、RWSだけで対応しろ!」

 

「ESSMもお願いします!」

 

「……、仕方ない。目視で確認出来れば良し。」

 

「了解!」

 

「「ちょっと待て祐作!」」

 

「効払さん!、真多さん!」

 

「祐作!、US-2に臨時で早期警戒レーダーを載せた早期警戒飛行艇が1機出せる。そいつとリンクするように!」

 

「クラウドシューティング能力も持たせてあるから役に立つはずだ!」

 

「真多さんテストは!?」

 

「そんな暇あるか!!」

 

「いいから出撃しろ!」

 

「了解!、DDG-100、出撃!!」

 

 

 

 

 

とにかく、急がねば、情報によると、新田原基地や鹿屋航空基地から飛んだ機体は、劣勢のため、これ以上の損害を避けるために後退。あとは防空部隊の戦いになる。

 

 

 

 

 

後に、深海棲艦西日本襲撃事件としてDDG-100の実力を知らしめる戦いとなるこの戦い。

 

 

 

 

中田祐作は一体どう立ち向かうのか………

 

 

 

 

 

 







一応、時代設定を現代にしてあるので、自衛隊と妖精が協力する展開があるといいと思って沿岸防衛部隊を考えてみました。
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