ヤソップ「よし、いけるぞ!」
ルフィとシャンクスの攻撃が『トットムジカ』に通じたのを見て、ヤソップはウソップに目配せした。
頷いたウソップは味方に向かって大きく声を張り上げる。
ウソップ「トットムジカの手足を止めるぞー!」
ヤソップ「指示に従って動いてくれ!まずは右足!」
ウソップ「右足!」
ブリュレ「右足よ、お兄ちゃん!」
指示を聞いたブリュレは急いで復唱し、現実の兄に伝える。
ゾロ「おし、行くぞ!」
ゾロが“鬼斬り”の構えで飛び出すと、接近に気づいた《トト》が目や帽子から無数のビームを放ち始めた。
フランキー「“フランキー~~ィ”“ロケットランチャー~~~~”!!!!」
フランキーが肩から発射したロケットランチャーが音符兵に着弾して爆発し、煙幕を作り出す。
ゾロは煙幕を突っ切り、体勢を低くして攻撃を躱しながら右足に肉薄すると一気に技を放った。
ゾロ「“三刀流”……!!“煉獄鬼斬り”!!!」
同時にベックマンがショットガンを構え、覇気を弾丸に籠める。
ベックマン「行け!」
* * *
モモンガ「ハァッ!!」
現実ではモモンガ中将が剣を構え、一刀両断の一撃を放つ。
* * *
ドォン!!
双方向の攻撃が同時に命中すると、鍵盤上の右足がまるでブロックのように崩れて破壊された。
間髪入れず、次の指令が飛ぶ。
ウソップ「左腕!」
ヤソップ・ブリュレ「「左腕!」」
ジンベエ「むうゥゥゥッ!」
海流に乗って鍵盤腕を滑るように上昇するジンベエを止めようと音符兵たちが密集陣形で迫ってくる。
ナミ「“ゼウス”!!“ブリーズ=テンポ”!!!」
そこへナミが雷霆を落とし一網打尽にし、ヘルメッポがククリを振るって飛ばし道を空けた。
ヘルメッポ「行けェ!」
ジンベエ「魚人空手!!“海流一本背負い”!!!」
ホンゴウ「行くぞルウ!」
ラッキー・ルウ「おう!」
* * *
イッショウ「"
* * *
ジンベエの一本背負いが、ホンゴウが蹴り出したルウの高速回転体当たりが、イッショウの隕石落としが。
《トト》と《ムジカ》の左腕に炸裂し、猛烈な勢いで粉々に砕けた。
ヤソップ「左足!」
ウソップ「左足!」
ブリュレ「左足!」
オーブン「仕方ねェ!ここは貸しにしておいてやる」
“
サンジは高速回転しながら《トト》の左足に迫り、凄まじい勢いの蹴りを放った。
サンジ「おおおおおお!!!!」
ハウリング・ガブ「オオオオオオオオ!!!」
* * *
カタクリ「おおおおおおお!!!!」
* * *
バコォン!
サンジの夢と現実双方での蹴撃が《トト》の左足を粗砕し、
ハウリング・ガブの咆哮とカタクリの“
ウソップ・ヤソップ「「真ん中・右!」」
ブリュレ「えっ? えっと真ん中の右!右よお兄ちゃん!」
* * *
カタクリ「真ん中のどっちだ!? 右か!」
ブリュレの言葉を読み取るのに手間取り、出遅れたカタクリの横からボルサリーノが飛び出す。
ボルサリーノ「仕方ないねェ~」
光を纏った脚で周囲の音符兵を蹴散らし、手のひらから巨大な剣を出して《ムジカ》に向けて振りかぶった。
ボルサリーノ「いくよォ~“
刀身が2倍、3倍と伸び、巨大なビーム状になった剣を袈裟懸けに振り下ろす。
* * *
丁度そのタイミングで、ブルックの“鼻唄三丁矢筈斬り”と、ライムジュースの雷撃が炸裂した。
ブルック・ライムジュース「「はああッ!!」」
ズガァン!
魔王の二本目の右腕が根元から砕かれ、破片がバラバラに散っていく。
バルトロメオ「……べ? ここは…?」
度重なる轟音が響く中、気絶していたバルトロメオがようやく目を覚ました。
チョッパー「あっ、気が付いたか?」
バルトロメオ「チョッパー先輩……? おれァ一体どうしたんだべ?」
チョッパー「話は後だ、今みんなが『トットムジカ』を……わっ!」
巨大な破片が飛んで来るのを見たチョッパーは咄嗟に“
チョッパー「ホァチョ~!」
サンジ「チョッパー、ここは任せてお前も行ってこい!」
応援に駆けつけたサンジが他の破片を蹴散らしながらチョッパーに呼びかける。
チョッパー「えっ、でも……」
ロビン「大丈夫。援護するわ」
ロビンが大きく頷いたのを見て、チョッパーは前線に飛び出した。
同時にウソップとヤソップの指令が飛ぶ。
ウソップ・ヤソップ「「真ん中・左!」」
ブリュレ「真ん中・左ィ!」
今度は遅れまいとブリュレも必死だ。
ゾロ「“三刀流奥義”!!“六道の辻”!!!」
ゾロの放った六本の斬撃がウソップとヤソップに近づこうとした音符兵たちを広範囲に吹き飛ばす。
空いた空間をチョッパーが《トト》に向かって駆けるのに対し、《ムジカ》側はボンク・パンチとモンスターが飛び出した。
ボンク・パンチ「うおおおおおッ!!」
モンスター「ウキイイイィィッ!!」
チョッパー「ホワ~ッチャ~~~~!!」
身体を高速回転させキックを繰り出すチョッパーをロビンの“
同時にボンク・パンチとモンスターの渾身の右ストレートが炸裂し、凄まじい爆発とともに魔王の二本目の左腕が破壊された。
チョッパー「やった!」
* * *
カタクリ「左か! ……うっ」
次の攻撃に飛び出そうとしたカタクリの身体に眠ったままの観客たちがしがみつこうとする。
『トットムジカ』がウタの命令を上書きし、海賊たちにも襲い掛かるようにしたのだ。
カタクリ「放せ!」
さすがのカタクリも無防備な人間を殴る気にはならず、モチで固めて飛び退いたが、
攻撃のタイミングは完全にずれてしまった。
カタクリ「しまった!」
イッショウやモモンガはすぐに動ける位置にいない。ボルサリーノも気づいたが《ムジカ》の右腕に掴まれそうになり回避したところだった。
せっかくのチャンスを不意にしてしまうかと思った瞬間、
どこからともなく飛来した砲弾が《ムジカ》の左腕に直撃し、凄まじい爆発が起こった。
カタクリ「なに……っ!」
モモンガ「どこからの砲撃だ!?」
振り返った一同に見えたのは、沖合に浮かぶ一隻の軍艦。
青いカモメを帆に宿し、骨を咥えた犬の頭を船首飾りに据えた船だった。
* * *
ガープ「お? 当たったようじゃな」
船の甲板に立つモンキー・D・ガープ中将は、投げた砲弾が黒い巨大な化け物に着弾したのを見届けて満足そうに頷いた。
と、そこへ部下がプルプルプル…と鳴り続ける電伝虫を持ってくる。ガープは無造作に受話器を取った。
ガープ「もしもし。……ってなんじゃ、モモンガお前か」
[ガープ中将!あなたがなぜここに!]
ガープ「何故って、わしの古い友人の住む島で知り合いの嬢ちゃんがライブをやると知ってのう」
ガープ「急いで仕事を終わらせてやってきたんじゃ。ちいとばかし遅刻したがな!ぶわっはっはっは!!」
* * *
[ぶわっはっはっは!!]
電伝虫越しに聞こえてくる大笑いにモモンガが頭を抱え、イッショウが溜息を吐いている。
イッショウ「相変わらずのお人でござんすねェ……」
ボルサリーノ「頼もしい援軍には変わりないんだけどねェ、さてどうやって説明つけようか……」
カタクリ「なるほど、さっきの攻撃は英雄ガープのものだったか」
沖合の軍艦を見てカタクリは得心が行ったと頷く。
カタクリ「あれだけの距離から砲弾を命中させる腕があるとは……伝説の英雄おそるべし、か」
とはいえ、まだ戦いは終わっていない。
『トットムジカ』に対する警戒を続けながら、カタクリは口を閉じてしまった妹の様子を伺っていた。