無表情少女と俺の夏休み   作:餡 子太郎

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どうもです。

初のオリジナル作品なのでよろしくお願いします。

それではどうぞ。


出会いは突然に...

 

「........え?」

 

俺は思わず、黒いビニール袋をその場に落として目を丸くする。

 

そこは間違いなく自分の部屋だったはずだ。特にこれと言って珍しい特徴は無く、ベッドや本棚、テスクトップパソコンなど、男子高校生としてごく普通の部屋であると言えるだろう。

 

ただ、何時も使っている俺のベッドの上に謎の美少女が座っていた。

 

何言ってるか分からんが俺にも分からん、夏休み初日からのまさかのハプニングである。

 

「........」

 

「........」

 

よし、一回状況を整理しよう。

 

まず俺は朝一にO市に行ってはメ〇ンブックスに行って本を購入、そのままK駅まて向かって自宅へ戻った。そこまではよし。

 

しかし、部屋に入ったら謎のピンク髪美少女がいた。

 

夏だと言うのに青のチェック柄の上着に長いバルーンスカート。上着には胸元に桃色のリボン、前面に赤の星、黄の丸、緑の三角、紫のバツのボタンが付いている。あ、この子以外と胸大きい...。

 

背丈はそれほど高くなく、むしろ小柄。小学校高学年?いや、中学生ぐらいだろうか?顔立ちは整っているが、幼さが残る反面、どこかミステリヤスさが漂うような可憐さ。

 

そして目、全体がピンク色に染まっており、カラコンでもしてるんじゃないかと思うぐらいのピンク色である。

 

「ふむふむ、なるほど........」

 

俺は状況把握を終え、やっと結論が分かったかのような声を出す。

 

つまりこう言う事だ。

 

俺には理解できないという事が分かった。

 

「お、おかあああああさあああああああん!!?なんか部屋に知らない女の子が居るんだけどぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!?」

 

訳が分からないので俺の保護者である母上殿に聞いてみることにした。

 

「うるさいわねぇ、帰ってきたらただいまぐらい言いなさいよ」

 

「あ、ごめん。ただいま、ってそうじゃなくて!!なんか俺の部屋に知らない女の子が居るんだけど!?誰!?」

 

「彼女出来なさすぎて幻覚でも見てるんじゃないの?」

 

「実の息子に対してなんて事言ってんの!?」

 

「じゃあ今話題の転生ものとか召喚ものの奴だろ?知らんけど」

 

「転生ものでもないし召喚ものでもなく普通の人間なんですけど!?」

 

それから母上に事情を説明した。部屋に戻ったら見知らぬピンク髪美少女が俺のベットの上で座っていた事、中学生?ぐらいの女の子であり、ストライクゾーンに入ってるわけではないが普通に可愛かった。あと胸がおっきかったなぁ。などと説明すると、まずは拳骨一発を頂いた。

何故殴ったのですか母上?

 

「正気に戻ったか?」

 

「残念ながら」

 

「で?その子に心当たりは?」

 

「あったらこの家に帰って来てないからね?」

 

「いつの間にか家に招き入れたとかは?」

 

「初対面ですが?」

 

「無意識のうちに誘拐したとか?」

 

「あってたまるか!さっきからヤバいこと言ってるけど俺に何か恨みでもあるの!?」

 

そんなやりとりしていたら、例のピンク髪美少女がリビングに降りて来た。すると母上はその子を見ると、何かを思い出したかのような表情を見せる。

 

「ん、あ、ああはいはい!あの子ね、遠い親戚の子供だよ。今日から夏休みの間、此処で泊まっていく事になってるんだよ」

 

「え?待って母上?遠い親戚って?」

 

「覚えてないのも無理ないわよ、もう十五年以上会ってないんだから」

 

「親戚自体知らなかったんだけど?」

 

「あんた興味ない事に関しては話し聞かないか馬鹿みたいにふざけるじゃない」

 

昔の俺よ!なんて事してくれてんだ!お陰で全然改善されてないじゃないか!!

ってか待って?百歩譲って親戚の女の子がうちに泊まりに来るとして、どうして長袖なの?有り得無くない?

 

「着替えの途中に入ったんじゃないかい?」

 

「どうして俺の部屋で着替えさせているのさ!?」

 

「部屋に百合愛(ゆりあ)の服もあるからね」

 

「いっつも思うけどさ!俺と百合愛の服ぐらい別々にできんのかね!?」

 

「シュンがまだ居た時だって一緒だったじゃない」

 

「もう高校生になった妹と下着を一緒に入れるのはどうかと!?」

 

「まさか百合愛の事狙ってる?」

 

「兄貴として見られてない妹に欲情するとでも!?」

 

「昔は『お兄ちゃんと結婚する』って言われてたじゃない」

 

「我が妹の黒歴史を掘り下げないで貰えます!?プライバシーもクソもないな!」

 

しかし俺に遠い親戚が居たとは初耳だ。しかし何故俺の家に?他は居なかったの?

 

「後、夏休み中にこの子の世話をしてあげな」

 

「ちょい待ち、まだやるなんて一言も言ってないでしょ?それに百合愛はどうした?シュンでも良いだろ」

 

「百合愛は部活で忙しいだろ?それに自立してから帰って来てない長男なんて当てに出来ないし」

 

哀れだな我が兄貴、貴方の弟として俺は恥ずかしいよ。

 

「それになんで俺だけになってるの?俺一応受験生だけども就職希望........、何この封筒?」

 

「軍資金」

 

「いくら?」

 

「五万円」

 

「任せてくださいお母様。我が命を賭してもこの少女を守り抜くと誓いましょう」

 

「命五万円は安すぎじゃないかい?まぁやる気があるなら文句は言わないけどね」

 

だからと知らなかった親戚とはいえ、何か訳ありの事情がありそうだし、多少なりとも暖かく迎えてあげるのが人情ってものじゃないかな、俺はそう思う。

 

「それでお母様。その五万円少女なんだけど」

 

「おい言い方」

 

「いやだって名前分からんし」

 

「あぁ、それはね........」

 

母上が名前を言おうとした瞬間、五万円少女が口を開いた。

 

「つぐみ」

 

五万円少女、沙月と呼ばれた少女は俺の視線を合わせて言葉を紡ぐ。

 

「東 継実(あずま つぐみ)、よろしく」

 

「ん?あ、俺は蓮美 優華(はすみ ゆうか)だ。よろしく」

 

こうして俺と謎の遠い親戚少女、東継実との夏休みは幕を開けた。この先にどのような未来が待ち受けているのか。継実という少女の事、今の俺には知る由も無い。

 

「ところでこのエロ本は一体どこで買って来た?」

 

「庭から生えてきました」

 

「じゃあ、庭に還しても問題ないね?」

 

「やめてぇぇぇ!!俺の二千円分の戦果がぁあああああああ!!」

 

けれど、確かなことはたった一つ。出会いと別れは表裏一体。俺は、東継実と出会った時、大切な本を失った。




蓮美 優華(はすみ ゆうか)
18歳 男

何処にでも居そうなごく普通の高校三年生


東 継実(あずま つぐみ)
?歳 女

優華の部屋に突如現れた謎の美少女。優華の遠い親戚らしく、夏休みまで滞在することになる。
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