魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜転生したら魔法?がある世界だった〜 作:D-5
「サーセンしたぁーーーーーーー!」
「は?」
ふと、目が覚めると真っ白な空間で茶髪のチャラ男が土下座していた。見事な土下座だな、どれ、そこにあった石の板でも乗せてみよう。
「って、ナチュラルな反応しながら石を乗せないでください!」
「いや、見事すぎる土下座な上にすぐそばに拷問器具があったら誰でも使いたくなるだろ?」
「なりませんよ!」
む、そうか……残念だ。
「で、お前は何を謝っているんだ?」
「す、すみません!わ、私の失敗であなたを死なせてしまいました!!」
随分と礼儀正しいチャラ男だなって……え?
「死んだ?俺が?」
「は、はい……」
「はぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー?!」
真っ白な空間に俺の声が木霊した。
「落ち着けましたか?」
「ああ」
実際は混乱しているがな。
「で、何故俺は死んだんだ」
「説明させていただきます。事の始まりは……」
「長すぎるは却下だ、三行で纏めろ」
「パソコンで人間の情報を確認していた
その時くしゃみをしてしまい間違って貴方のデータを消去してしまった
貴方は死亡したということになります」
「うん、ツッコミ所はいろいろあるがまずは言わせろ。バックアップくらい取れよ!!」
「え、ツッコムところはそこっ!?普通は書類じゃないのかよ、とかじゃいんですか!」
「紙媒体は時代遅れだ!」
「至極まっとうなお言葉!」
まったく仕事してるんだったらバックアップくらい取れよ。
「で、俺の死因は何なんだ。事故死か、それとも他殺か?」
「え、えっと……」
何を口篭っているんだ、コイツは。
「さっさと言え」
「は、はい死因は……その…豆腐の角で頭を打って頭部が破裂したことです」
「…………はい?」
豆腐だと?
「実は、貴方が立っていた場所の遥か上空でスカイダイビングをしている人たちが『飛びながら豆腐は食えるのか!』という実験をしてまして………上空からの落下して付いた速度が破壊力に変わり、その下にいた貴方の頭は」
「木っ端微塵かよ……」
「はい………」
まさか、豆腐の角で死ぬなんて漫画でもありえねえぞ。てか………。
「スカイダイビングしながら豆腐食うんじゃねぇーーーーーーーー!!」
はぁ……それよりもだ。
「お前誰?」
「今更!?」
「そして俺は誰だ?」
「かなりヤバいことになっていた!?」
「なるほど、神か…………信じられんな」
「そうですよね~、同窓会で久々に会った友人たちによく言われますよ」
まあ、どっからどう見てもチャラ男だしな。日サロやめたらいいんじゃね?
「あ、これ地肌です」
「そうか……」
色黒なんだな。
「で、俺はどうなるんだ。このまま三途の川行きか?」
「いえ、ミスで貴方を死なせたとはいえ寿命がかなり残っていたので、このまま転生してもらいます」
「転生?てか後寿命どん位残ってたんだ俺?」
「確か、後………百二十年くらいですね」
「ながっ!?」
「ええ、人間の長寿記録を軽く塗り替えてますね。しかも死亡直前までバク宙ができるくらい元気な老人になる予定でした」
「スゲェな俺!?」
死んだのが何歳なのかは忘れたが、普通はボケてベットの上だぞ。妖怪か俺は。
「まあ、それはどうでもいい。で、転生ってどういうことだそのまま生き返れるのか?」
「いえ、天界のデータバンクから貴方の情報は一切無くなってしまいましたので元の世界へ生き返らせるのは無理です。できたとしても……」
「ああ……」
頭が木っ端微塵だもんな……生き返った直後にまたお陀仏だよ。
「ということで別世界に転生してもらいます」
「別?」
「はい、あなた方の世界でいうアニメの世界ってやつです。しかもバトルもの」
「ほう……」
つまり戦闘がある世界なのか。
「オマケに能力も付けましょう。残っていた寿命分の力を」
それってかなり凄いんじゃないか、百二十年分だし。
「どんなのがいいですか?超人的な力やどんな問題でもどんなことでもできる天才的な知能と才能何でもありますよ」
「いや、どんなのがいいと言われても記憶が無いしな……」
生前の俺はオタクなのかもわからんし。
「ああ、そ、そうでしたね……では、適当に見繕ってランダムに決めましょうか。はっ!」
チャラ男が手を前にかざすと煙と共に何か出てきた、あれは……ルーレット?
「そうですダーツは一本、寿命十年となります。貴方の寿命分だと十二本ですね」
「お、おう」
十二本のダーツを渡される。ダーツなんかやったこと無いぞ……多分。
「では、どうぞ!」
とりあえず投げてみるか……二本同時に。
「よっと」
ストトッ!
「い、一気に投げますか………えーと、おお!いいのに当たりましたね」
「そうなのか?」
「ええ!他の能力と組み合わせれば最強も夢ではありませんよ!」
ふむ……まあそういうならいいものなのだろう。
「それでは後十本ですよ!」
「ん~……いらね」
「え?」
「いらねえよ。今取ったのだけでも十分強いんだろ?だったらもういいわ、欲かきすぎると後が怖そうだし」
うまい話には裏があるってな。
「で、では、残りは……」
「ああ……一本は金に困りたくないから金運に使ってくれ。残りはそうだな………」
どうするか……。
「俺の家族ってどうなってるんだ?」
「か、家族ですか?えーと、妹さんが一人だけです。ご両親は……既に他界してますね。随分と大変だったみたいですね。兄妹二人だけで必死に生きていたみたようですし」
「そうか」
妹がいたのか…だったらこう使うか。
「なら残りのダーツは全部妹に使ってくれ」
「へ?い、妹さんにですか?」
「そうだ、妹にだ。足りないか?」
「い、いえ、全然!」
だったら良かった。顔も覚えていないが妹が天涯孤独になって不幸になるようなことが無いようにダーツを使わせてもらおう。
「じゃあ、それで頼むぞ」
「え、あの?本当によろしいのですか?」
「構わなねえよ」
「……わかりました、残りのダーツは妹さんの幸福にまわします」
「それでいい」
これで思い残りはねぇ。
「それでは転生してもらいます」
「おう、頼む」
「はっ!」
ガションッ
「ん?」
何故俺は固定されているんだ?そして何だ、あの大きな大砲は。どう見ても戦艦の主砲じゃないか。
「それでは、いい来世を!」
「ちょっと待て!まさかこのまま」
「てぇーーーーーーー!!」
「やっぱこうなるのかよチクショーーーーーッ!!」
大砲の弾として飛ばされた俺の目の前は真っ暗になった。
◇
「まったく面白い人ですね………前に来た男に比べたら雲泥の差ですよ」
残ったダーツを中に浮かべ見つめる。
「これ一本があれば世界を救うほどの奇跡の力があるというのに……」
ダーツを粒子に変え消す。これで彼の妹さんは世界でもっとも幸せになれるだろう。
「ですがこれでは私のポリシーに反しますね」
私のポリシーは生まれ変わる人間に最高の幸せを送ることだ。だが彼はそれ断ったのだ。
「彼の意思には反しますが、これは私からのプレゼントですよ」
懐から一本のダーツを取り出す。それをルーレットに投げる。
「ふむ……まあまあですかね」
あの世界だったら役に立つ力だろう。
「さて、幸せになってくださいね『 』さん」
◇
「おぎゃぁーーーー!」
「あらあら、起きちゃったの?」
え?ちょ、ここはどこだ?そして体が動かせねぇ!
「おむつじゃないし…お腹が空いたのから?なら…」
む、なんだ、この口に当たるものは。
「あれ?違うの…だったら何かしら」
むぅ…よく見えんな。どうなっているんだ俺の体は。
「今度は大人しくなったわね……おしめでもないしおっぱいでもない…………ふふ、よくわからない子ね、でも可愛いわ」
……さっきから聞こえるおしめやおっぱいという単語、まさかだが…………俺。
「私の可愛い赤ちゃん、愛しいヴェント」
赤ん坊になってるのかぁーーーーーーー!?
「おぎゃーーーーーー!!」
「あ、あらあら?ど、どうしたのかしら」
こうして俺の新たな人生が始まったのであった。