魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜転生したら魔法?がある世界だった〜 作:D-5
これは私が『 』さん、現在でいうヴェント・カグラさんに出会う前の話です。
「ヒャッホォウ!!行くぜ転生ライフ!!ハーレムが俺を待っている!!」
……今日10人目の愚者を別の世界に送りつけた。
さっきの愚者が行った世界は、魔法先生……確か焼き鳥の名前だったような……まあどうでもいいことですね。あのような愚者のことなどもうどうでもいいですね。
「お疲れ様です。次がまでまだしばらく時間がありますので、少しお休みください」
「ああ、ありがとう。君も休んでくれていいよ」
「ありがとうございます、それではお言葉に甘えて」
私の秘書の天使を休憩に出す、彼女はよく働いてくれる。
私には勿体無いくらいだ、今度休暇を与えられるように掛け合おう。
「しかし、最近は愚者の転生が多くて困る………まったく、上層の神々は」
娯楽が少ないこの神界で、最近とあることが流行していた。それは下界の人間を別次元に転生させ、その一生を見て楽しむというものだ。
どこかの神が暇つぶしに下界人の書いた物語を読み、感化させれたのが始まりらしい。
それに釣られ、他の上層の神々は下界の人間、特にいなくなっても困らないような愚者達を選び、転生させるようになった。だが………。
「さすがに多すぎですね、実行する私たちのことも考えて欲しいものですよ」
それに転生させる下界人の質も悪すぎる。
全員の生前の記録を見る限り、特にこれといった経歴も無く社会に貢献も信仰もいても害悪にしかならない連中ばかりでした。
特に醜い肉の塊のような下界人が多く、秘書の天使ちゃんに向けられる汚らわしい視線に耐え切れず、泣きだしてしまいそうでしたから……。
そんな下界人達にわざと殺してしまったからと嘘をつきます、すると大抵の下界人はここで、ふざけるなと!と憤慨しますが転生させると言ってやると手の平を返したかのように大人しくなります。
ですがその後が大変です、愚者共は詫びに特殊な力を付けろと要求してきます。
人を撫でただけ、微笑んだだけで惚れるような力を付けろ、とか。その世界で最強にしろとか、容姿を絶世の美男にしろとかと傲慢なことばかりでした。
そんなことをしたら世界のバランスが崩れて歪み、崩壊してしまうかもしれない。
ですから私は少し劣化した状態で愚者達を送り込みました。
でもそれでも世界のバランスを崩す者がいて、別の部署からの苦情が殺到しました。
そこで上層の神から力云々の采配権限をもらい私は愚者共に罰を与えてみることにしました。
人に惚れられる力を選んだものにはその逆の力を、微笑んだりしたら憎悪の対象にまでなるようにと他にも世界で最強にしろと言ったものは逆に最弱に、絶世の美男にしろと言ったものには幼少期で顔に酷い火傷を負うように運命を変換させました。
これが上層の神にとても受けもっとやれとのこと、ですがこの時既に私の心は麻痺していたのでしょう下界人にこのようなことをしても何も思わなくなっていたのですよ。
最初のうちは心苦しかったのですがね………。
「¶∬◯∠様、次の転生者が参りました」
「分かりました、通してください。君は隣の部屋で待機を………」
「あ、ありがとうございます」
さて、愚者にどんな絶望を与えましょうかね…………。
◆
「フヒヒッ!こ、これでぼきのハーレムが完成するんだな!ま、待ってるんだな、智花たん、ひなたん!フヒヒヒ!」
また一人の愚者を送ってやった。
何やら願望があったらしいがそれは叶うことも無いでしょう。
ええ、一応要求通りにしておきましたよスポーツ才能があるようにしましたよ。ただし人間では無いものに生まれ変わりますけど。
「お、お疲れ様でした……」
秘書の天使ちゃんが執務室に戻ってきました、今回の愚者は一際おぞましかったですからね、かなり怯えていましたね。
「お疲れ様です。次の下界人は?」
「今日は先ほどの下界人で終了となります」
「そうですか」
今日はまだ少ないほうでしたね。
「ではお疲れ様です。今日はもう帰っていただいて結構ですよ」
「あ、はい。それでは失礼いたします」
さて、私は明日の愚者共の情報でも見ておきますか。
「……………………」
愚者達のデータを閲覧する。
ふむ、明日のは特に酷いみたいですね……………下界でいうニートと言う人種がいるようで社会に貢献せずに親の脛をかじりのうのうと生きる、こういった害悪がいる。
明日はそればかりのようだ、これはさらに罰を厳しくしないといけませんね。
………………しかし愚者ばかり見ていても飽きますね、暇潰しに善人のリストでも見てみますか。
「おお、やはり愚者共とは違いますね」
既に天国行きも確定しているのが何人かいますね。もう少し詳しく見ていきましょう。
しばらく善人たちの経歴を見て心を癒していたら結構な時間がかかっていました。
「さて、今日はここまでにして帰りまs、へ、ヘッ……………ヘックシュ!!ん?カチ?」
今くしゃみをしたした時に何かを押したような……………おや、なにか表示されていますね?
『指定の下界人のデータを消去しました』
し、しまったあああああああ!!き、キャンセルは……………不可!?
ヤバイヤバイヤバイ、天界からの介入で善人を殺してしまうなんて重罪ですよ!!
善人を死期でもないのに殺してしまったら世界のバランスが崩れてしまいます。何とかリペアしたデータを見る限りこの人は相当ランクの高い……………ど、どうすれば……………こ、こうなったら緊急措置です!!過去にもこのような事例がありましたし。やるしかありません!
「この下界人を異世界に転生を!!」
こうして私は『 』さんに出会ったのでした。
彼は生前の記憶を失くしていた。死因はとても…………ユニークなものでした、ですが彼の怒りは私に向くのだと思っていたのだが彼は違う方に怒りを向け、私は唖然としました。
それからは彼に事情を要所要所伝えた、所々嘘を交えて。
彼には下界の遊びを真似てその世界で生き抜く力を決めて貰う事にしました。
ですが実はこれは唯のフェイクで必ず全ての力を手に入れるように細工をしておきました、揃えた力は世界のバランスを崩さぬ程度にしておきましたので他部署から文句を言われる心配性はありません。大丈夫でしょう。
ですが『 』さんは全ては要らないと言いました。
必要としたのはランダムで選んだ力二つに金運だけでした。
私は耳を疑いました、どんなに善人だとしても人というのは差があれど欲深い物だと思っていました。
ですが彼はそれを要らないと言いました。そればかりか現世に残してしまった妹に譲るとまで。
私は彼の要望を呑むことにしました、これを全て使えば彼の妹さんは間違いなく世界一の幸運を手に入れることになるでしょう。
そして私は彼を送り出しました。ですがこの時私は彼に嘘をつきました、力を一部追加させていただきました。私にもポリシーがありますから。
まあこれに愚者は該当しませんがね。
付いたのは金運でした。
既に着けさせてもらいましたがまあ、彼にとってはいいことなのかもしれません。生前はお金に困っていたようですし。
「さて、そろそろこの茶番を終わらせるよう申告してみましょうか」
最高神様に。
これ以上愚者共を増やさないように、それに私達も限界なのですよ。転生科も。
「来世に幸あれ『 』さん」
それから十数年かかりましたが最高神様の意向で愚者を転生させる遊戯は禁止となりました。
私も天使ちゃんも通常勤務に戻ることができ喜びました。
そして、私の最近の楽しみは『 』さんの観察です。彼も中々愉快な人生を送っているようですね、よかったですよ。
「おや、あれは…………………」
彼を睨む銀髪は確か………………初期の方に転生させた愚者ですね。
確か軽い罰として一生女性とは結ばれないように仕込んでおきましたがまさかストーカーみたいなことをしているとは……………まあどうでのいいですね。
しかし直接ではないですが『 』さんと接触しましたね。この分だとその内他の愚者共と接触するかもしれません。ですが私は直接干渉できない身。彼に頑張ってもらうしかない。
頑張ってくださいね『 』さん、いえ『ヴェント・カグラ』さん、私は天界から応援していますよ。