魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜転生したら魔法?がある世界だった〜   作:D-5

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第13話

~~~臨海第8空港 廃棄都市区画~~~

 

 

「はっ!せいっ!!」

 

「ギンガ、緊張するのは分かるけど少し落ち着け」

 

「緊張じゃないよヴェント君。これは気合入れてるの!はぁっ!!」

 

 気合とともに上段回し蹴りを放つギンガ、その気合が空回らなければいいんだがな……。

 

「気合入れるのはいいが、他の人達の迷惑になるからもう少し静かにしろよ」

 

「う、ご、ごめん………」

 

 前回の休暇から早一ヶ月、今日俺達は陸戦Bの魔導師試験を受ける。

 一ヶ月定期に行われるランクアップ試験、本来ならもう少し早くに受けたかったが、任務やら出動やらで、見送った。

 てか、忙しすぎんだよ。この月の出動回数最低で20回、最高で30回って何だよ……1日一回は出ている計算になるぞ、オイ。

 ギンガなんて仕事がハードすぎていつも丼5杯なところが3杯になったんだぞ。しかもやつれてたし、さすがにヤバいと思ったナカジマ三佐が休暇をやってたな。

 ま、陸の忙しさってどこもこんなもんらしいな。それより今は試験に集中するか。

 

(しかし、空気が重いな……まあ、これが普通か)

 

 今回の試験は受験者も多い。今日一緒に受けるのは俺とギンガを除いて六人、その誰もがナーバスになっていた。

 その六人は全員、試験前の緊張かこの場の空気はとても重い。

 

『全員整列!』

 

 突如現れたモニターの男の指示に従い俺達受験者は一列に整列する。

 

『……よし、これより魔導師試験を開始する。私は君達の試験官を勤めるハーバー陸曹である』

 

 モニターに映るおっさn…もといハーバー陸曹は俺達全員の所属、階級を確認した。

 

『よし、それでは本日の試験内容を伝える。今回の試験は指定された目的地への到達だ。各チームは制限時間内に全てのターゲットを破壊、そして指定されたゴールまで到達しろ。なお、ターゲットの中には判断力を測るために非破壊対象を織り交ぜている。破壊した場合は減点となるため気をつけるように………以上だ。何か質問は……無いようだな、それではルートを記したMAPを送信する。スタートは五分後、諸君等の健闘を祈る』

 

 ハーバー陸曹の敬礼に俺たちも敬礼で返し、モニターは消えた。

 そして俺達は皆配布されたMAPを頭に叩き込み始める。

 今回の試験はタイム重視の内容だ一々MAPを確認する時間も惜しい、だから今のうちにゴールまで最短ルートを検索し頭に叩き込む。

 短い時間の中でMAPを頭に叩き込んだ後は指定のスタート位置に立つ。

 

「頑張ろうね」

 

「おう、お互いにな」

 

 ギンガと拳をぶつけ合い俺もスタート位置に立った。開始まで後三十秒。

 カウントが時を刻んでいく………そして始まった。

 カウント0のアラートが鳴ったと同時に俺達は全員駆け出した。ギンガと俺以外の各チームの行き先は違えどまずはビルから降りねば始まらない。

 他の四人はビルの階段へと向かった、飛べない陸戦魔導師は高所からの落下方法がない限りやはり脚で動くことになる、故に階段で降りるしか無い………だが俺達は違う。

 

「ウイングロード!!」

 

 ギンガはウイングロードを地面まで一直線の道を作る。道が無いのなら魔力で作ればいい、それがギンガの先天性魔法『ウイングロード』だ。

 そして俺はというと………。

 

「よっと!」

 

 助走をつけてビルから飛び降りる。

 自殺行動ではない、ちゃんと降りる手段がある。

 俺は左足のホルスターから銃型のストレージデバイスを取り出し、向かいのビルの連絡橋に打ち込んだ。

 放たれた弾丸の後ろには魔力で出来たワイヤーが伸びる、弾丸の先端が連絡橋に吸い付く。魔法陣が展開されより強固に粘着された。

 後はワイヤーという支点ができたので俺の身体は振り子のように揺れ前に進む、ワイヤーの長さを調節しながら地表に近づくように設定して………別のビルに移り乗る!

 いや~まさかスバルちゃんから教えてもらったランスターさんのデバイスのワイヤーギミックがここまで使えるものとは思えなかったぜ。

 俺の持つこのデバイスは自作である。ランスターさんのデバイスを参考にしたが攻撃系のギミックは一切排除して単一仕様の移動用として造ってある。パクリかもしれないがこれのお陰で随分と機動力が上がったもんだ。重宝している。

 引き続きワイヤーを用いた移動を使いビル街を駆けていく、第一のターゲットとオートスフィアを発見し素早く撃破していく。

 丁寧に、迅速に!拳で一つ砕き、蹴りで纏めて二つを潰して。第一ポイントを突破する。

 

「ターゲット破壊!次だ」

 

 周囲の確認を行った後、俺はゴールを目指し走った。

 

 

 

 ~~Side harber~~

 

 

 

「ほぅ……この二人は中々のタイムだな。名前は確か……」

 

「えっと、108所属のカグラ二等陸士にナカジマ二等陸士です。確かに動きがいいですね」

 

「108か……なら納得だ。あそこは否応なく鍛えられる」

 

 陸で一番忙しいとも言われてるしな、アソコは。

 

「だが、移動が早いだけじゃ試験は受からんさ」

 

「ハハハ、そうですね」

 

 さて、今回合格者は何人になるのだろうか、それ以前に………。

 

「合格者、出るといいですね」

 

「そうだな……」

 

 ここ数年質が落ちてるのが目に見える………いや、そうではないな、有望な訓練生が殆ど海に引き抜かれているからそう思えてしまうのだろう。

 陸の平和の為に、一人でも多くの優秀な魔導師が増えて欲しい、それが私の願いであった。

 

 

 

 ~~Side Vent~~

 

 

 

 走り続けていくと第二のポイントにターゲットを発見し、それと同時にオートスフィアが五つ浮遊しているのを確認する。

 スフィアは俺を感知したようでこちらに向き攻撃態勢を整える、反応が出る前に潰すのは無理か……なら突撃あるのみ!

 

「さて、行きますか!」

 

 先手必勝!俺は腰に追加したポーチに右手を突っ込みビー球状の物を三つ取り出した。

 それはチャラ男から教えられて発覚した俺の能力で作った魔力結晶だ。

 

「set………」

 

 結晶に魔法式を打ち込む、細かい計算はマルチタスクで行い他の思考は回避と接近にのみ注ぐ。

 魔法式の打ち込みを終えた結晶を構え、投げ放つ。

 

「fire!!」

 

 投げ放たれた結晶は形を失い魔力の矢になる、蛇行、直線、様々な軌道を描きオートスフィアへ吸い込まれ、爆発した。

 三発全て命中したことにより残りは二つ!

 

「よっと!」

 

 ワイヤーガンを手前のスフィアに向かって放ち、引き寄せて捕獲する。 

 そしてそれを盾に一気に近づいて……!

 

『Hard beats』

 

 纏めて拳で潰す。

 

「よしっ」

 

 これで邪魔はなくなった……さて、後はターゲットを破壊して……っと。

 

「んじゃ次!」

 

 

 

~~Side Harber~~

 

 

 

「「………」」

 

 何だ今のは……。

 

「い、今のって………道具かなんかを使ったのでしょうかね?何か結晶の様な物を持っていたような気がしたのですが」

 

「持っていたな。それが魔力弾になってスフィアを撃ち抜いた……」

 

 こんな魔法聞いたこと無いぞ…まさか申請を出してない道具を使用したのか?だとすれば違反行為で失格になるのだが……。

 

「あっ、陸曹これを」

 

「何だ?」

 

 部下が何かに気づいたようで私は出されたカグラ二等陸士の資料を見た。

 

「これは『魔力結晶化』?現在、稀少技能《レアスキル》登録申請中……なるほどそういうことか」

 

 それなら違反行為ではないな……だが、今回の試験は面白い。

 

「先天性魔法持ちにレアスキル持ち、今回は素質があるのが二人………今回は期待できそうですね」

 

「そうだな、この二人は期待できるな」

 

 他は………期待できそうに無いな。まあ例年通りだな。

 

「あ、ナカジマ二等陸士が第二ポイントに差し掛かりましたよ」

 

「画像回してくれ」

 

「はい」

 

 ふむ、この2人の将来が非常に楽しみである。

 

 

~~Side Vent~~

 

 

「ラストォッ!!」

 

 瓦礫を盾にしながら進み、攻撃してくるスフィアを三角飛びの要領で壁を蹴って、跳び蹴りで破壊する。これでターゲット以外は全て破壊した。

 一応周囲を警戒しておきターゲット壊す。

 

「ふぅ……随分と数が多かったな。時間喰っちまった……」

 

 まあそれでも時間にはまだ余裕がある、この調子だったら大丈夫だろ。だが気のせいだろうか……急にスフィアの性能が上がっているような気がするんだが……まあ、俺の気のせいか。さて次だ次。

 

 

 

 

 

「何も無いな……………」

 

 ゴールまでの最後の道のりはただまっすぐの廃棄された高速道路だった。

 

「………狙撃には格好の場所だ」

 

 先までよく見渡せる道路だが敵の姿は一切見当たらない、最後の関門のはずなのに何も無いのはおかしい。

 

「……とりあえず突っ立てるわけにもいかないし。行くしかないか」

 

 警戒しつつ進むしかない。

 とりあえず何が起きてもいいように結晶を握っておこう。

 

 

~~Side ???~~

 

 

 アイツが罠を張った場所に来た。

 俺には分かる、奴が俺の手に入れるはずだったもの全て奪ったはずだ、そうに決まっている!!

 許さない、絶対に許さん!貴様だけが幸せになるのは許さん!!潰してやる、殺してやる。

 

「オリ主は俺だ!!」

 

 

 

 

~~Side Vent~~

 

 

 

 

「アレか……」

 

 瓦礫の陰に隠れながら様子を伺う。道路の真ん中に佇む大型の球体、オートスフィアが佇んでいた。

 

「アレが最後の障害か」

 

 見るからに堅そうだ。それにあれだけ大きくしてるってことは威力も射程もこれまでのオートスフィアとは違って高いだろう………。

 今はまだ見つかってないってことはここは射程外ってことかあえて反応してないか………か。

 

「こんな遮蔽物の少ない場所に設置するとは意地が悪いな」

 

 高出力で恐らく長射程の相手に遮蔽物なしで突破しろ………か。

 

「遠いな……届くだろうけど威力不足だろうしな……とりあえず試してみるか」

 

 結晶を五つ取り出し魔方陣を篭める。色々と勉強しておいて良かったぜ。

 

「set....」

 

 貫通力重視で設定して構える。

 

「fir...!?」

 

 投げ放とうとした時だった、眼前のスフィアとは別方向からの砲撃が飛んできた。

 遮蔽物となっている瓦礫から飛び出し回避するがこれで完全に遮蔽物は無くなってしまった。

 

「狙撃か!?」

 

 まさかの伏兵に攻撃のタイミングを狂わされたが当初の目的を果たすために俺は結晶を投げ放つ。

 結晶は魔力弾になりオートスフィアに向かうが着弾直前でバリアを張られ魔力弾は防がれてしまった。

 

「クソッ!」

 

 狙撃の第二射をジグザグに走って回避する。だが向かう先にもオートスフィアが……十字砲火か。

 

「まさか二機あったなんてな………Bランク試験ってキツイのか?」

 

 って文句言ってる場合じゃないな、ここを超えなくては合格は出来ない。

 何か手を考えないとな………。

 

「さて……どうするか」

 

 

~~Side heaber~~

 

 

「おいっ!どうなっている大型スフィア二機なんて聞いていないぞ!!」

 

「こ、こちらでも、わかりません!」

 

 カグラ二等陸士は現在、こちらが設定してない大型スフィアと戦闘を行っていた。

 アレは本来Bランク魔導師昇格試験には一体が適応なはずであるが、カグラ二等陸士の前には二機存在した……こちらの設定ミスか?だがトラブルが発生した以上、試験は中止にせざるを得な……。

 

「り、陸曹!カグラ二等陸士がスフィアに向かって特攻を始めました!」

 

「何!?」

 

 何をするつもりだ!

 

 

~~Side Vent~~

 

 

「おぉおおおおおおおお!!」

 

 全力で走る、足を止めるな!止めたら蜂の巣だ!!そう言い聞かせて足を動かす。

 まず潰すのは高速道路にある方のスフィアだ。

 

《HardBeat(ハード・ビート)》

 

《Assault Step(アサルト・ステップ)》

 

 最大の加速で突っ込み全力の一撃をブチ込む。スフィアの張っていた頑強なバリアをうまく貫通し、腕は装甲を貫いていた。

 中は軟いはずだ!

 スフィアの中で魔力弾を生成し、中に放置し一気に離れる。すると中から爆発を起こしスフィアは昨日を停止した。

 

「次!!」

 

 狙撃を破壊したスフィを盾に隠れる。あそこまでの距離はワイヤーガンでも行くことは不可能………だったらこっから潰すしかないか。

 ポーチから結晶を取り出すがサイズはこれまで使ってきた物とは違って二周りほど大きい。それを握って砕く。

 

「さぁて、丸々五日分の魔力だ……たっぷり召し上がれよ!!」

 

 砕けた結晶が魔力へと変わる、かなりの濃度だ、それそのはず俺の保有魔力の五倍相当なんだからな。

 その魔力で収束し形作るものは………拳。

 

「巨拳制裁!ギガ・フィストぉおおおおお!!」

 

 俺の全魔力五日分で構成された破壊の拳は狙撃しているスフィアの居るビルへ振り抜き、ビルを崩壊させた。

 だが、スフィアは頑丈なのが幸いし、中破程度に収まっていた。ならトドメだ!

 巨大な拳は開き、スフィアを握りこんだ。

 俺は巨大な拳の制御を切った…………すると、俺の魔力は制御を失い、純粋な破壊力へと変わる。その中心で握られたスフィアは跡形もなく爆散した。

 

「よしっ!」

 

 完全に破壊したのを確認しガッツポーズを取る。

 この技は俺の魔力特性を利用した、今できる最大の威力のある技だ。メイクマジックで創り出した拳による魔力打撃に加えて拘束、そして最後に魔力爆発の散弾コンボ。

 俺の身体から離れたら爆発するという魔力特性が完全に離れたらという条件があることを発見してから思いついた技だ。威力もさることながら我ながらエグい技だ………。

 だがこれで試験の最大の障害は排除できた。あとはゴールに向かうだけ……

 

「って時間があああああああああ!?」

 

 いつの間にか時間は残り二分となっていた。ゴールまでの距離を全力で走ったとしても五分は掛かる。ということは………。

 

「終わった………」

 

 完全に間に合わない、ここまで来てかよ……。 

 とりあえず悪足掻きでも走る、たとえ間に合わなくてもゴールはしたほうがいいしな。

 

「はぁ………不合格かよ」

 

 ツイてないぜ………。

 

 

~~Side ???~~

 

 

「くそぉ!!」

 

 何故だ!何故死なない、ランクA用の設定にしてたのに何で死なない!くそぉ、僕の特典を盗んだのか……そうに違いない。

 だが奴は不合格だ、次がある、次こそ殺してやる……。

 

「クヒ、クヒヒヒヒヒ」

 

「何がおかしいんだ」

 

「へ?」

 

 後ろを振り向くと筋肉ダルマ、ハーバーの野郎が立っていた。

 

「い、いえ……お、思い出し笑いです…………」

 

「そうか………ところでお前に聞きたいことがある。あのオートスフィアを置いたのは、お前だな」

 

 な!?どうしてそのことを!

 

「そ、そんなことするわけ無いじゃないですか!それに俺はずっとここにいましたし」

 

 そ、そうだ証拠は全て消したんだ………!指紋も拭き取ったしカメラにもダミー映像を使って痕跡は消したんだ。バレるわけが無い!

 

「おかしいな、お前の姿が防犯カメラに映ってたんだが」

 

「そ、そんな馬鹿な!確かに幻術で俺は見えなかったはz………はっ!?」

 

 ハーバーの野郎がニヤリと笑う。は、嵌められた!

 

「そうか、やはり貴様か………」

 

「う、嘘ですよ!俺は」

 

「話をじっくりと聞かせてもらおうか。豚箱でな」

 

「あ、あああああああ!」

 

 は、放せ!俺を誰だと思ってる!!俺は転生最強系主人公なんだぞ…………やめろ、やめろぉおおおおお!

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