魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜転生したら魔法?がある世界だった〜   作:D-5

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第16話

 ランスターさんの撃った魔力弾はガジェットドローンに当たる前に霧散した。このことにスバルちゃん達は驚きを隠せていないようだ。

 ここで高町隊長の補足が入る。

 

『そう。ガジェットドローンには、ちょっと厄介な性質があるの。攻撃魔力をかき消す、アンチマギリンクフィールド。通称AMF、普通の射撃は通じないし――』

 

 AMF(アンチマギリンクフィールド)、それは範囲内の魔力結合を解くAAAランク相当の高等魔法、高町隊長の言うとおり厄介な性質だ。

 

「このぉ!!」

 

「スバル、馬鹿危ない!」

 

 逃げるガジェットを追うためにスバルちゃんはウイングロードを繰り出す、が…………。

 

『それにAMFを全開にされると――』

 

 ウイングロードは不安定になりそして途切れ、スバルちゃんは空中に放り出されビルに突っ込んでいってしまった。

 受け身は取れているだろうから怪我はないだろう。

 

『飛翔や足場作り、移動系魔法の運用も困難になる。対抗する方法はいくつかあるよ。どうすればいいか、すばやく考えて、すばやく動いてみて』

 

 しかも効果範囲も大きいから、厄介だな。

 まあ、やり様は幾らでもある。

 

「さて、どうする?」

 

「………カグラさん、前に出れますか?」

 

 なにか考えがあるんだろうな。んじゃ、拝見させてもらうとするか。

 

「了解だ。ランスターさん、今の指揮官は君だ。使える連中はジャンジャン使え」

 

「分かりました、それじゃ遠慮なく使わせて貰います………それとランスターさんじゃなくてティアナって呼んでください。むず痒いです」

 

 名前でか……ま、いいか。

 

「わかったよ、ティアナ。じゃ、足止めしてくる」

 

「お願いします!」

 

 さてと頑張りますか。んじゃ、前線で頑張ってる三人と頑張りますか。

 

『スバルちゃん、エリオ、俺たち前衛は先行して足止めだ。後衛が今、策を練ってる』

 

『『了解!』』

 

 いい返事だ。

 ところではゴッドランダーは何処に行ったんだ。さっきから姿を見かけないが………。ランスt……ティアナに聞いてみるか。

 

『ティアナ』

 

『は、はい。何でしょうか?』

 

『ゴッドランダーはどうした?さっきから見かけないが………』

 

『ああ、アイツですね。アイツなら……』

 

 

 ~Side Godlander~

 

 

「落ちろカトンボが!!」

 

 特典で得た、魔力変換特性『風』を利用した鎌鼬をガジェットに飛ばすが全然当たらない。畜生!チョコマカと!

 

「チィッ!逃がすものかぁーーーーーー!!」

 

 

 ~Side Vent~

 

 

『分散した二機を追ってどこかに行ったので放置しておきました』

 

 いや、それでいいのか?まあ確かに勝手に行ったゴッドランダーも悪いが………どうなんだこれ?

 

『いいんですよ。変にチームワークを乱されたら面倒ですし、それにアイツ、カグラさんと一緒にいたら絶対に問題起こしそうですし』

 

『気づいてたか』

 

『ええ。アイツ、カグラさんのことを変に敵視してましたし。何でかは知りませんけど』

 

 付き合いの長いティアナでも知らないのか……まあ大方自分以外の転生者に警戒しているからなんだろうけどな。

 ま、いずれジックリと話す必要があるかもしれんな。

 

『そうか……スマンな、邪魔をして』

 

『いえ、それじゃ足止めお願いします』

 

『おう』

 

 念話は切れる、それじゃ頑張りますか。

 

 

 ~Side Nanoha~

 

 

「へぇ~、みんなよく走りますね~」

 

「危なかしっくてドキドキだけどね」

 

 でも、皆光るものがある、育てがいがあるよ。若干一名は協調性が皆無だけど………。

 

「デバイスのデータ取れそう?」

 

「いいのが取れてます。5機ともいい子に仕上げますよ」

 

 うん……ってあれ?5機?

 

「6機じゃないの?」

 

「あ、1機は既に完成してるんですよ。別口からの特注品が」

 

 別口……あ、そう言えばはやてちゃんがそんな事言ってたっけ。いけないいけない忘れてたよ。

 

「でも凄いよね。カグラ・インダストリーの新型、しかもワンオフ使用でしょ?」

 

「そうなんですよ!もう、実物を見るのが楽しみで楽しみで!………でもこっちで仕上げられないのが残念です。でもその分、他の皆のは完璧に仕上げてみせます!レイジング・ハートさんも協力してくださいね」

 

『All right』

 

 シャリーもやる気満々だね。私もあの子たちを育てるのが楽しみだよ。さぁ、どうやってこれをクリアするのか見せて貰うよ、皆。

 

 

 ~Side Vent~

 

 

「お、きたきた」

 

 数は…………10機、ゴッドランダーが追っかけてるのを除けば全部だな。

 

『頼んだぞ、エリオ君』

 

「はいっ!ストラーダ、カートリッジロード!!」

 

『Explosion』

 

 ビルとビルの間に掛かった連絡橋の上に立ったエリオは槍型デバイスを上方に掲げ廻し、そして………。

 

「でりゃーーーーー!」

 

 連絡橋を斬った。

 崩壊した連絡橋は瓦礫となり重力に引かれガジェットへと降り注いだ。

 橋の崩壊によって上がった土煙から8機のガジェットが飛び出した。潰したのは2機か………十分な戦果だ。

 

「潰れろ!!」

 

 飛び上がったガジェットにスバルちゃんはすかさず追撃を与える……がAMFによって攻撃は阻まれた、魔力が通らなくて攻撃力が上がらないみたいだな。

 だけど諦めずスバルちゃんがとった行動は……。

 

「うりゃーーー!!」

 

 素早く後ろに回り込み蹴りで地面に引き摺り落としながらマウントポジションを取ってから拳を叩きつけた。

 これだったら弾かれようは無いので攻撃は通りガジェットは破壊できた。

 しかし、強引だな………まあ、有効な手ではあったけど。

 

『カグラさん、そっちに分散したのが行きます!2機』

 

 フルバックのキャロちゃん念話で現状を教えてくれた。俺の出番か………いっちょやりますか。

 

『了解、ありがとなキャロちゃん』

 

 ガジェット2機がこちらに迫ってくる。さて、どうするか結晶での攻撃は無効化させるだろうから…………やっぱ叩くしかないか。

 

「んじゃま、行きますか!」

 

 まずは右の方から!

 

『AssaultStep』

 

 持てる限りの速さで接近、勢いに任せて殴る!

 

『HardBeat』

 

「ハァッ!」

 

 魔力を纏わせた拳はそのままガジェットに突き刺さる、何故通ったかだって?それは当たる瞬間だけ魔力を通したからだ、これならAMFで魔力結合を解かれる前に潰せるってわけだ。まあ普通はできない芸当だが、たった一瞬ならAMFの影響を受けてても練れる。魔力形状変化でそういう細かい操作には慣れてるからな。

 で、もう1機は……逃走したか、だけど残念。そっちは………。

 

「トラップゾーンだぜ」

 

 ビルに仕掛けておいた魔力結晶の魔力を開放し爆発を起こす、柱を壊され支えを失ったビルは倒壊、落ちてきた瓦礫によってガジェットは押しつぶされた。

 

「よし」

 

 ま、今ある材料でできるのはこれくらいかね。今回は設定が廃棄都市だからやったが、市街地でやるわけにいかんな。もうちょっと技を増やさないとな………これから忙しくなるぞ~。

 

 

 ~Side Nanoha~

 

 

「……………」

 

「ず、随分と楽に壊されちゃいましたね、なのはさん」

 

 へぇ~、あれがはやてちゃんの言ってた、108のエースか。うん、確かに面白い子だね。

 

「でもなんでスバルみたいに苦戦しないで打撃魔法が通ったんでしょうか…………?」

 

「当たる瞬間にだけ魔力を纏わせてたみたいだね。アレなら弾かれたりしないでダメージを与えることができるよ。本来AMFに抵抗するには出力を上げるんだけど、それってかなり燃費が悪いんだよね。でも彼がやった方法なら燃費も抑えられて効果的なの」

 

「そ、そうなんですか?だったらこの方法は使えますね」

 

「でも、この方法はかなり難しんだよ。インパクトの瞬時に魔力を拳部に纏わせるだけの魔力展開速度に操作力、処理速度、そして当たる瞬間の見極る集中力…………どれを取っても並み大抵の人が出来る技じゃないの。コレは才能の成せる技だね」

 

「そ、そうなんですか?」

 

「あの子がやったことはね、例えると刺だらけの壁に向かってパンチして、それを僅か数ミリの所で寸止めするようなものなの。ヘタしたら自分の拳が壊れてしまうかもしれない恐怖があるのに…………シャーリーはできる?鉄板に向かってパンチ?」

 

「無理です」

 

 うん。私だって難しい芸当だよ。

 それにカグラくんはまだ隠し球を持ってそうだし、まだ底が見えないな……。

 

「うん。彼をどう育てるか、考えがあるね。デバイスのことも含めて頑張っていこうね、シャーリー」

 

「は、はいっ!」

 

 でも後で一応、人間相手に使わないように注意しておかないと。

 

 

 ~Side Vent~

 

 

 どうやら最後のガジェットを潰し終えたみたいだな。

 ビルの上から拝見していたのだが、キャロちゃんはあのチビ竜の炎と無機物召還を組み合わせてガジェットを破壊することに成功した。

 俺と比べて有能なフルバックだ。

 で、ティアナは相性の悪いはずの魔力弾で倒した。

 魔力弾の上に魔力の膜を張るといったランクAの高等技術を使って。あの技術があればAMFで魔力が消される前に当てることが可能ってわけだ。彼女も伊達にこの部隊に呼ばれたわけではないということだ。

 これは先輩としては油断できないな。

 ま、これで全部破壊し終えた………。

 

「待てーーーーー!!」

 

「………………」

 

 終わってなかった…………。

 つーか何時まで追いかけっこしてんだよアイツは!制限時間まであと少しだぞ!

 

『ダァーもう!全員あの使えない馬鹿の代わりに落とすわよ!』

 

『了解』

 

 さて、あの馬鹿の尻拭いに行くか……………。だが最初っからこれとは…………前途多難だな。

 

「ハァ…………」

 

 

 ◆

 

 

「はい、みんなお疲れ様。今日は初日だからここまで、明日からは通常シフトで訓練するからね」

 

「「「「はい!」」」」

 

「…………はい」

 

「……………」

 

 疲れた…………あの後、速攻でガジェット2機は潰したんだが、獲物を取られてキレたのかゴッドランダーがこっちを罵倒し始めてきて、対応に苦労した。

 まあ最後は高町隊長のシューターを後頭部に喰らって気絶したが。今も気絶してるから静かだ。

 

「訓練の反省点とか感想を報告書に纏めて提出してね。じゃあ解散」

 

「「「「「ありがとうございました!」」」」」

 

 ふぅ……………終わったか、報告書はすぐに書き終わるから大丈夫だろう。今日はなるべく身体を休めるとしよう。

 明日から本番だ、有名な高町式の教導術……………絶対に地獄になるだろうし。

 

「あ、カグラ君は残ってね」

 

 え?俺何かした?そしてティアナ、お前他のみんなには見えない位置で敬礼は止めてくれ、まだ終わったわけじゃないから。

 

 

 ~Side Nanoha~

 

 

「な、何でありましょうか高町隊長………………」

 

 何でカグラ君はそんなに身体を強張らせてるのかな、しかも汗凄いよ?

 

「えーと……………とりあえず緊張しなくていいよ、別にお説教とかじゃないから」

 

 何でそこで安心するのかな、私が何かすると思ったの?他の部隊の教導でもそうだったけど、もしかしてみんな私のこと怖がってるのかな……………たった数時間シューターの雨の中を回避させてただけなのに。ショックだよ。

 

「えっと、それじゃあ何で俺は残されたのでしょうか?」

 

 あ、落ち込んでいる場合じゃなかった。

 

「うん、ちょっとヴェントくんがランクC+だってのが信じられなくてね。色々と聞きたかったの」

 

「ああ、ランクのことですか。あれは試験を受けれずにいたからなんですよね~」

 

「そ、そうなの?」

 

 やっぱり…………じゃなきゃ、はやてちゃんが直々に指名して引き抜きにいかないもんね。

 でもそれなら納得だよ。私の見立てじゃランクA以上かな。

 でもはやてちゃんも考えたな、ランクC以上の戦力をランクCで戦力に引き入れるんだから。これならこれ以上私達の下げずに済むから。

 

「用件は以上で?」

 

「あ、まだあるんだ」

 

 これからが本題……………でもその前に。

 

「久しぶりだねヴェントくん、あの空港事件以来だね」

 

「そうですね…………あの時以来ですね」

 

 四年前の臨海第8空港の大規模火災事件以来だ。あの時スバルとカグラ君の二人と出会ったんだよね…………それが今じゃ同じ部隊、不思議だよね。

 

「これからよろしくね、カグラ君」

 

「はい、よろしく願いします高町隊長」

 

 う~ん、なのはさんでいいって言ってるんだけどな~。この子、結構そういうのにお固そうだから無理か、でもそのうち呼んでもらえるかな。

 

「それじゃ、本題だね」

 

 カグラ君はどう答えるのかな?

 

 

 ~Side Vent~

 

 

「カグラ君はフォワードのみんなの戦闘を見てどう思った?率直な感想を教えてほしいんだ」

 

「えっと…………それって報告書じゃ駄目なんですか?」

 

「うん、さっきの訓練、みんなの実力を見てたんでしょ?それに私だけの考えじゃなくて他の人の意見も聞きたいの、だからお願い」

 

 教導官が聞くことかね?それは…………でもまあ、率直に答えておくか。

 

「分かりました、それじゃあまずスバルちゃんから、あの子は――――」

 

 

 ~Side Nanoha~

 

 

「―――とまあ、こんな感じですかね。みんなそれぞれの長所がありますので、そこを重点的に育てるのと、出撃で経験を積めば俺なんかすぐに追い抜きますよ。ただゴッドランダーは集団戦の基礎から学ばせたほうがいいですよ。あんなんじゃこっちが危うくなりますし」

 

 カグラ君の指摘した部分は全て私とほぼ同じ内容だった。ゴッドランダー君の評価も……………あの子、資質は十分過ぎるほどはあるんだけどな~、一番教導が大変そうだよ。

 でもヴェントくんの観察眼にちょっと驚いた。

 

「ありがとヴェントくん。参考になったよ」

 

「いえ、お役に立てたならいいです」

 

「これからもちょくちょくお願いしていいかな?」

 

「ええ、いいですよ」

 

 よかった、これで効率良く教導できそうだよ。

 フォワード陣じゃカグラ君が纏め役に向いてそうだからね、私が見えていないところの話も聞けそう。

 メンバーのメンタル面のことにも気を配らなくちゃ円滑に進められないからね。

 

「それじゃあ、よろしくね。それとゴメンね、時間取らせちゃって、今日の報告書はいいから」

 

「分かりました、それでは失礼します」

 

 カグラ君は敬礼をして戻っていった。さてと本番は明日から、頑張ろう!!

 

 

 ~Side Vent~

 

 

「ふぅ……………疲れたな」

 

 今日全ての仕事は終了し就寝時間になった、明日は朝から訓練があるんだ早いが寝よう。

 

「おっとそうだ、エリオ」

 

「はい、何でしょうか?」

 

「ベット上か下、どっちがいい?選んでいいぞ」

 

 ちなみに寮では俺とエリオが同室になった。フォワード同士の方がいいとの判断だろう。

 尚、エリオの保護責任者であるテスタロッサ隊長に手を握りしめられくれぐれもお願いねと言われた。親馬鹿だったのか、あの人は。

 同室なのは訓練校以来だな…………そういえばあいつ等元気だろうか?まあいつも通り馬鹿やってるんだろうがな、今度連絡とってみるか。

 

「え、えっと、それじゃあ上で…………」

 

 少し恥ずかしそうにしながらそういうエリオ、やっぱり子供だな。

 

「上だな、いいぞ」

 

「ありがとうございます!」

 

 そして上のベットに上っていくエリオ。

 

「それじゃ、電気消すぞ」

 

「はい」

 

 電気を消し、俺もベットの中に入る。

 

「お休みなさい」

 

「おう、お休み」

 

 さて、明日からが本番だ。気合入れていきますか。

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