魔法少女リリカルなのはStrikerS 〜転生したら魔法?がある世界だった〜   作:D-5

20 / 22
早めに書けました。
この調子で書ける……といいなぁ


第18話

 機動六課フォワード陣はヴァイス陸曹の操縦するヘリにて現場へと急行していた。

 だが、初出動ということもあり、ヘリの内では会話は一切無く、皆緊張していた。まあ若干一名を除いてな。

 ゴッドランダーが同じスターズメンバーに激を入れるが二人はそれを無視している。いつもだったらティアナが殴るなりするんだがそれもないとなると、それほど余裕が無いってことだ。だが正直ウザいので黙って欲しい。

 そして俺と同じライトニング分隊のチビッ子の二人は、体がガチガチにして固まっていた。

 無理も無い、まだ九歳、本来なら外で遊びまわっている年齢なのにいきなり生死を賭けた戦場にだ……平穏でいられるわけが無い。

 

『なのはさん!作戦領域上空にガジェット反応です!』

 

 管制を担当しているフィリーニ一士からの通信が入る、どうやら増援のようだ。

 しかし空からか………現在のメンバーで空戦が可能なのは高町隊長と此方に向かってるというテスタロッサ隊長のみ、これは戦力を分けるしかないか。

 

「ヴァイス君、私も出るよ。フェイト隊長と一緒に空を抑える」

 

「うっす、なのはさん!お願いします」

 

 ヴァイス陸曹がヘリの後部ハッチが開く。凄まじい風が俺らの顔を叩く。

 

「じゃ、ちょっと出てくるけど。みんなも頑張ってズバッとやっつけちゃおう」

 

「「「「はい!」」」」

 

「了解」

 

「………はい!」

 

 ん?キャロの様子がおかしいな………途轍もなく不安な顔をしている。

 それを見た高町隊長は俺に視線を送り、ヘリから飛び降りていった………生身で。

 ハッチから覗く景色は一瞬ピンク色の光が光ると高町隊長は飛び立っていく。狙撃の心配とか無いんですか高町隊長ェ…。

 

「………」

 

 そしてまた静かになるヘリの中。気になるのは隣に座っているキャロだ、さっきの視線、俺に任せるって意味だよな、やっぱ。さて、どうするかね……。

 悩んだ挙句俺はキャロの頭の上に手を乗せた。ついでにエリオも。コイツも緊張してたしな。

 

「え?」

 

「カグラ……さん?」

 

 驚くキャロとエリオ、俺は構わず頭を撫で続ける。

 

「そんなに思いつめた顔をするな、お前らは一人じゃないし俺がいる。何かあったらこのお兄さんを頼りな、必ず助けてやるからよ」

 

 そうだ、俺がフォローしてやればいい。ただそれだけのことだ。

 

「カグラさん……はいっ!」

 

 よし、取り敢えずはこれで大丈夫だろ。後は俺が全力を尽くすだけだ。

 

 

 

 

 

 

 

「任務は二つ、ガジェットの全機逃走させずに破壊すること。そしてレリックを安全に確保することですからスターズ分隊とライトニング分隊、三人ずつのチームでガジェットを破壊しながら車両前後から中央に向かうです」

 

「要は対象確保を優先にサーチ&デストロイということで?」

 

「そのとおりです!」

 

 リイン曹長によるブリーフィングが行われている。今回は戦力を一纏めにしないで分散させていく作戦らしい。

 

「レッリクはココ、7両目の重要貨物室です。スターズかライトニング、先に着いたほうがレリックを確保するですよ」

 

「「「「「「はい!」」」」」」

 

 説明が終わるとリイン曹長はその場で回転すると一瞬で騎士甲冑姿に変身した。

 

「私も現場に降りて管制を担当するですよ」

 

 リイン曹長も出るのか?彼女はユニゾンデバイスと聞いていたが、デバイス単体に戦闘能力はあるのだろうか………いや、いらん心配か。今は自分達の方に集中しよう。

 

「さーて新人ども見えてきたぜ」

 

 ヘリがトレインに近づいたようだ。

 

「隊長さん達が空を抑えてくれているおかげで安全無事に効果ポイントに到着だ。準備はいいか!」

 

「「はいっ!」」「おう!」

 

 まずは車両の先頭から攻めるスターズが降下する、ゴッドランダーが突っ走らないか心配だがそこはティアナたちに頑張ってもらうしかないな。

 

「スターズ3、スバル・ナカジマ!」

 

「スターズ4、ティアナ・ランスター!」

 

「スターズ5、キング・ゴッドランダー!」

 

「「行きます!」」「行って来るぜ!!」

 

 スターズ三人が降下する、空中で新デバイスをセットアップしトレイン上部に着地した。バリアジャケットのデザインが若干変わってるな、意匠から見るに両隊長のデータを反映させたか。

 と、分析してる場合じゃなかったな。次は俺らの番だ。

 

「次、ライトニング!カグラ、チビどもの世話頼んだぞ!」

 

「了解です!」

 

 言われなくても見るさ。ハッチに並ぶキャロとエリオ、やはり緊張しているな………和らげるか。

 

「え?」

 

「あ……」

 

「ほれ、いっしょに行くぞ」

 

 俺は二人の手を握った、二人の表情は和らぎ、決意の秘めた表情へと変わる。

 

「ライトニング3、ヴェント・カグラ」

 

「ライトニング4、エリオ・モンディアル!」

 

「ライトニング5、キャロ・ル・ルシエとフリードリヒ!」

 

「出るぞ」「「行きます!」」

 

 俺達はヘリから飛び出した重力に任せ落下していく、そして………。

 

「「「セットアップ!!」」」

 

 デバイスを展開した。

 光に包まれ次の瞬間には光は晴れBJを身に付けた姿に変わり、列車の後部車両の上に着地する。この時チビどもをキャッチしてやるのを忘れない、特にキャロはふらつきそうだからな。

 無事降下したところで先頭車両に降り立ったスバルちゃんたちの方も確認するが………ところで全員のBJのデザイン変わってないか?

 

「あれ?このジャケットって………」

 

「もしかして………」

 

『デザインと性能は各分隊の隊長さんのを参考にしてるですよ。ちょっとクセはありますが高性能です』

 

 やっぱりか、ところどころ高町隊長とテスタロッサ隊長のジャケットのデザインが混ざっているからそうじゃないかと思ったぜ。しかしゴッドランダーのジャケットだが………金ピカで趣味が悪いな。無駄にアクセも多いし、邪魔じゃねぇのか?

 

「うわぁ、カグラさん」

 

「カッコイイッ!」

 

「ん?おお、かなりデザインが変わったな」

 

 俺のジャケットのデザインがかなり変わっていた、というか一変していた。

 今までは一般武装隊支給ジャケットのデータを格闘戦ができる様に袖やら裾をカットしたりして弄ったもんだったが、これは別もんだ。

 新デバイスはガントレットだ。待機状態と同じく黒に金のレリーフが刻み込まれたデザインが目立つデバイスだ。ガントレットといってもスバルちゃんのリボルバーナックルとは違い流線型の板金が貼り合わされた形状で、ベルカ騎士の騎士甲冑などに見られるデザインだ。

 一見、軽装甲に見えるが説明通りなら強度はあるのだろう。

 ジャケットは手甲同様黒を基調とした金の縁取りの装飾、今までのローブから一転、ハイネックノースリーブのインナーの上にブレストアーマー、動きを阻害しなく要所だけを防御するプロテクターが追加されたベルカ騎士甲冑の軽鎧の様な完全に前衛スタイルのデザインに変わっていた。

 前ジャケットに比べて肌の露出が増えて防御性能が低下したように見えるがプロテクターのお陰で寧ろ向上している。

 形状のベースは副隊長達の騎士服か、デザインが一気に派手になったが動きやすいから良いとしよう。

 

「随分とヒロイックなデザインになったな。俺は目立たないほうがいいんだが……」

 

 ただ正直なことを言わせてもらえば俺はヒーローなんて柄じゃないんだけどな……だがまあ、チビっ子にはウケが良いらしい。特にエリオなんか目を輝かせているぞ。

 

『お前ら、感激している場合じゃないぞ。お客さんの到着だ』

 

 と、皆がジャケットに感動している所に上空からモニタリングしているヴァイス陸曹による知らせが入る。お客さんのようだな。

 前方車両、スバルちゃん達の方で列車の屋根がイキナリ膨れ上がり、屋根からレーザーが飛び出す、下からの攻撃か。

 あっちはあっちで大丈夫だろう。それじゃ俺達も働くとしますか。

 

「俺達も行くぞ」

 

「「はいっ!」」「キュクー!」

 

 ライトニング分隊も俺をトップに中央車両へ走り出した。

 

 

 ~Side Hayate~

 

 

 ようやく戻ってこれた。教会から車とばして来たけどやっぱ時間が掛かってしもうた。

 

「ごめんな、お待たせ」

 

「八神部隊長!」

 

「お帰りなさい」

 

「ここまでは比較的順調です」

 

 うん、やっぱみんな優秀やな、人選を頑張っただけはあるわ。私は部隊長席に座りモニターに映る戦況を確認する。グリフィス君の言うとおり順調やな………でも何が起こるかわからへん、気を抜くわけにいかんな。

 

「ライトニングF、8両目に突入―――っエンカウント、新型です!」

 

 来たようやな、新型。新人たちにはキツイ相手かもしれへんけど、頼むでヴェントくん。アンタを呼ぶためにかなりカードを切ったねんで、出資以上の働きしてくれや。

 

 

 ~Side Vent~

 

 

「…………」

 

 順調に進んでいたんだが、やっぱそう上手くはいかねえか。8両目に指しかかろうとしたとき突如下から攻撃された、屋根は全壊し内部が覗けている、そしてそこにいたのは。

 

「見たことも無い形だな」

 

 訓練で相手している楕円形のガジェットとは違い完全な球体型のガジェットが佇んでいた。

 大きさは通常のガジェットの三倍程度、機体上部からは二本のアームが出ている。

 

「警戒を怠るな、何をするかまだ分からん」

 

「「はい」」

 

 とは言ったもの、時間もそんなに無い。早めに始末しねえとな…っと!

 

「散開!!」

 

 あのデカブツがアームをこちらに向かって繰り出してきた、それを跳んでかわす。

 

「フリード、ブラストフレア!!」

 

 キャロからの指示でフリードの口から火球が放たれる。が、弾かれてしまう。アームにも強固な装甲か……面倒だな。

 

「おりゃあああ!!」

 

 続けてエリオがデカブツに突っ込んでいく。槍型デバイス、ストラーダにはエリオの魔力変換資質で変換した電気を纏っている。それを上段から叩きつけるのだが。

 

「か、堅い!」

 

 デカブツの装甲は厚いらしく刃が全く通らなかった。なら打撃だな。

 

「エリオ!しゃがめっ!!」

 

「はいっ!」

 

「オラァッ!!」

 

『HardBeat』

 

 エリオへ反撃繰り出したデカブツのアームを拳で弾く、そしてそこから一撃殴ってはみたが装甲は凹みはしなかった。エリオを襟を掴んで一旦距離を取る。

 

「す、すみません」

 

「気にするな、それよりも来るぞ」

 

 この新型デバイス、素晴らしい出来だ、処理速度も今までのハンドメイドとは段違いで攻撃の際の魔力操作をかなり簡略できている。さすが母さん、いい仕事をする。

 新型デバイスの出来に感動はしたが…それでもコイツは厄介だな。

 機体後部から生えるケーブルを巧みに使い前に進んでくるデカブツ、無駄に装甲が厚くて打撃もあまり通ってないな。

 動きを止めるデカブツ、何をしているのかと思った瞬間機体中央のカメラらしき部分が光った途端、魔力結合が途切れた。

 

「A、AMF!?」

 

「こんな遠くまで!?」

 

 エリオのストラーダが纏っていた電撃が消える。しかもキャロの声から察するに魔力をあの距離までの広域型AMFが発動したのか!!

 デカブツがアームを伸ばす。狙いはエリオだ、反応が遅れて避けきれないだろう。手荒だが仕方ない!

 

「チッ!!」

 

「うわぁっ!?」

 

 エリオは蹴り飛ばしアームの脅威から遠ざける、だがその代わりに俺が。

 

「グゥ……ッ!」

 

 アームで弾き飛ばされる、咄嗟にガードしたが衝撃は貫通し視界が微かに霞む。

 

「カグラさん!?」

 

「心配する前に警戒しろ!!前方くるぞ!」

 

「え?ガァっ!?」

 

 俺に気を取られたエリオがデカブツに捕まった、ギリギリのところでストラーダで防いだようだがアームで絡み取られ奥へと引っ張られる。

 

「させるか!」

 

「カグラさん後ろです!」

 

「なにっ!?」

 

 キャロの声に反応し後方にシールドを展開する。シールドに当たるレーザーを防ぎコンテナの影に隠れる、俺のシールドじゃそこまで長く保たねぇ、こういった時に自分の紙装甲に泣けてくる。

 

「後ろにもいたか」

 

「そんな!?さっきは姿も反応も無かったのに!」

 

 コンテナの中で起動せずに隠れていたか、それならサーチに反応しないな。用意周到なことで。

 隠れていたガジェットはドアを突き破りこの車両に入ってくる。

 この状況はヤバい……エリオの援護にいきたいがコイツらを放置していたら挟撃される。どちらかが残りコイツらを抑えないといけないか…。

 なら仕方ない。

 

「キャロ、お前がエリオの援護に行け」

 

「そ、そんな私が行ったって…」

 

 キャロの自信のなさの理由、それは全力を出すことに対する恐怖感だ。

 俺は同じ分隊員として守ってほしいと頼まれハラオウン隊長に聞かされた、キャロの過去を。

 キャロは召喚士として稀有な才能を持っていた、だが強すぎた力を持ったが故に里を追放されたという過去を俺は聞かされた。キャロは恐れている、自分の全力、竜召喚をした時に暴走してしまうかもしれないということを…。んな重いことを俺に押し付けないでくださいよ、ハラオウン隊長。しかも面倒な場面でその時が来ちまったじゃないですか。

 だが現状だと俺が自信つけさせるしかないんだよな、エリオのためにもキャロのためにも。

 

 

「…キャロ、自信がないならな。俺を信じろ、何があっても俺が責任を取る」

 

「え?」

 

「俺はお前を信じてるぞ。小さな身体でも一生懸命に訓練を頑張っているお前を俺は知っている。お前なら絶対にできる、失敗を恐れるな!もし失敗しても俺がフォローしてやる。だから!」

 

 無責任な発言ってのはわかっているさ、だがこれしか俺に言えることはない。

 身体に魔力を込めて後方の車両へと突っ込む。

 

「お前なら出来る!!」

 

 一番手近な奴を魔力を篭めた拳で穿つ。身体を捻り蹴りでもう一機を叩き折る。

 

「エリオを助けてこい!!」

 

 それができるのはお前だけなんだからな。

 

「は、はい!」

 

 駆け出すキャロ……よし、行ったか。

 さて、ここまで発破かけちまったんだ、これで遅れたらカッコ悪い先輩だって認識されちまうな。

 

「なら、さっさと掃除しねぇとな」

 

 ガジェットが動き出す。

 

「かかって来いよ。鉄クズ共が」

 

 

 

 ~Side Caro~

 

 

 

「私を信じてくれるって言ってくれた…」

 

 走る、エリオくんの元に。

 

「まだ力を使うのが怖い……でも、カグラさんが何とかしてくれるって言ってくれた!」

 

「キュクー!」

 

 フリードも信じるって言ってる。どうしてだろう、まだ会ってから少ししか経ってないのにカグラさんなら信用できるって思える。

 

「っ、エリオくん!」

 

 エリオくんがガジェットのアームに捕まって投げ捨てられる。エリオくんの意識がない、この高さから落ちちゃったら死んじゃう。

 

「フリード、いくよ!」

 

「キュクぅうううう!」

 

 エリオくんを追って、飛び降りる。

 本当は怖い、でもカグラさんは信じてるって言ってくれた。だから怖くない、私は守りたいものを守るためにこの力を使うんだ!

 

「竜魂召喚!」

 

 

 

 ~Side vent~

 

 

「これで最後!!」

 

 飛び膝蹴りで壁に叩きつけてから大振りの一撃で破壊する。

 

「フゥっ……手こずらせやがって!」

 

 ガジェット七機を墜とすのに時間が掛かっちまった。

 やっぱデバイスの性能が上がったとしても俺自身が強くなったってわけじゃねぇ。言い訳だが慣らしもしてない新型の扱いにも慣れてないってのもあるな、こういった時にインテリだと的確に選択してくれるんだがな……まあ自分には過ぎた物だから、結局ストレージがしっくり来るんだよな。

 って、んな場合じゃなかった、早く二人に合流を………。

 

「ギャアォオオオオオオオオオオオオ!」

 

 今の咆哮は………まさか竜のか?どうやら使ったようだな、キャロ。

 さあ、あのチビ竜が暴れてないことを祈りながら救援に急ぐとしよう。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。